超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

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はい、皆さんこんばんわ!
本当に最近は更新が遅れてしまい、申し訳ございません。
何とか一気に時間とか作れないかな……
それでは、 不屈の心 はじまります


不屈の心

〔外は大分騒がしくなっているようじゃな……それなのに、お前はいつまで不貞腐れているつもりだ〕

 

『……ウラヌス、お前は何のつもりであんなことを言ったんだ?』

 

 ギャザリング城の地下、誰もいない空間にウラヌスの声が響くと、突如として人型のシルエット、シンが姿を現した。

 

 だが、その声は硬く、まるでネプギア達と話していた時とは別人になってしまったかのように低くなっている。

 

〔はて、何のことだ?〕

 

『恍けるな。何であの子にあんなことを言ったんだ?』

 

〔あの子……ああ、リーンボックスの女神候補生か。別に何の問題もあるまい。いずれは直面した問題だ。遅いか早いかの違いしか……〕

 

『そうじゃない!! 何でお前がそれをわざわざ言ったんだと聞いている!!』

 

 淡々と話すウラヌスの言葉をシンは怒鳴り遮った。

 

 顔があれば憤怒の表情を浮かべているだろうと容易に予測できるほど、シンの叫びには怒りが込められている。

 

 おそらく、ウラヌスに体があればシンは掴みかかっていただろう。

 

 それだけの激情が込められている叫びが広い空間に響いたのだ。

 

『お前は俺達のゲームとは無関係の部外者だ!! 勝手に横からしゃしゃり出てくるな!!』

 

〔……そう言うことを言うか〕

 

『ああ、そうだ!! あの場でお前があんなことを言う必要なんてな……』

 

〔ふざけんじゃないわよ!!〕

 

 シンの怒声を上回る怒号が空間に響き渡った。

 

 この空間には当然シンの姿しかなく、声の主がウラヌスであることは明らかである。

 

 しかし、その口調は先ほどまでとは全く違うものになっていた。

 

〔じゃあ、私が言わなければアンタが言ってたとでも言う気なの!! あんな言い辛そうにしてたくせによく言うわよ!!〕

 

『だからって、お前が言う必要なんてなかっただろう!! 人が話している所に勝手に出てきたかと思えば、いきなり仕切りだすし、挙句の果てには俺のことを馬鹿呼ばわりしやがって!!』

 

〔馬鹿に馬鹿って言って何が悪いのよ!! アンタが馬鹿な真似しているから私が出てきたんでしょうが!!〕

 

『いい加減にしろ!! 何が馬鹿な真似だって言うんだ!! だったら、お前だって……』

 

〔ええ、私も馬鹿よ!! アンタなんかに付き合ってこんなところにいる馬鹿な女なのよ!! それでもね、アンタがそんなことをしてあの子が本当に喜ぶと思ってんの!!〕

 

『黙れ!!』

 

 一段と感情を乗せた叫びが空間に木霊する。

 

 怒りの感情はもちろん、ネプギア達と話していた時とは違い、色濃い感情がシンの叫びには込められていた。

 

 だが、そんな叫びを聞いても尚、ウラヌスは語調を変えることなく言葉を発し続ける。

 

〔いいえ、黙らないわ!! アンタが悪役になれば、あの子とアイツの罪が全部なくなると本気で思ってんの!! 自惚れてんじゃないわよ!!〕

 

『そんなことないだろ!! 元をたどれば、全部俺のせいだ!! だから、俺には責任がある!! このゲームの準備を整える必要があるんだよ!!』

 

〔それが馬鹿だって言ってんのよ!! 黒幕気取って憎まれて……アンタ、今でさえボロボロなのにそんなんで耐えられるわけないでしょ!!〕

 

 次第にウラヌスの声に嗚咽が混じり込んでくる。

 

 体があれば、おそらく涙を流しながらシンに懇願しているようにウラヌスは声を上げる。

 

〔アンタにとってゲームがどれだけ大事なのかは、ずっと傍で見ていたからわかる!! 今がようやく巡ってきたチャンスだってこともわかってるのよ!!〕

 

『ウラヌス……』

 

〔でも、それでも、今のままじゃゲームを始める前にアンタが壊れちゃう!! 例え、ゲームが始まったとしても最後まで見届けることができなくなってもいいの!! ここまで来て、本当にそれで……〕

 

『ありがとう』

 

 シンは先ほどまでの声とは打って変わり、嬉しそうにウラヌスの声を遮った。

 

 口調からは刺々しさが抜け落ち、温かみのある声が響く。

 

『お前が俺のことを心配してくれているのはわかってる。でもな、俺はゲームが終わるまで絶対に壊れやしない。絶対にだ』

 

〔……どうしてそんなことを言い切れんのよ。そんなのわかんないじゃない〕

 

『約束したんだよ。絶対に約束を破らないって』

 

〔……馬鹿。理由になってないわよ〕

 

『それだけで充分なんだよ。それに、お前が傍にいてくれるんだろ?』

 

〔……本当に馬鹿ね。人の気持ちも知らないで、勝手なことばっかり言って。あーあ、私もどうしてこんな奴に付き合ってんのかしらね〕

 

 不満そうに声を漏らしていたウラヌスであったが、シンの言葉を聞いていくうちにその語調が段々と柔らかくなっていた。

 

 先ほどまでの殺伐としていた雰囲気はすでになく、2人は互いに軽い口調で言葉を交わしていく。

 

『そ、それについては、その……ごめんなさい』

 

〔謝んじゃないわよ。勝手に押しかけたのは私の方なんだから……ん?〕

 

 シンが頬の部分を掻く仕草をしながら頭を下げると、ウラヌスは困ったように声の調子を上げた。

 

 しかし、途中で何かを見つけたかのように疑問の声を上げるとため息をついてしまう。

 

〔はあ、これは意趣返しのつもりなのかしらね? ほら、アンタもボーっとしてないでさっさと引っ込んでなさい〕

 

『え、その……いいのか?』

 

〔そんなのいちいち聞かなくてもわかるでしょ。それに、今はアイツらに会えないでしょ?〕

 

『……ありがとう』

 

 お礼の言葉を残してシンの姿は消えてしまった。

 

 再びこの空間には人の姿も物も存在しなくなり、一見するとただ少し広いだけの部屋に戻った。

 

〔まったく、何がありがとうよ。お礼を言っとけば、それで済むと思ってんのかしらね〕

 

 言葉とは裏腹にウラヌスの声は嬉しそうに弾んでいた。

 

 顔が見えれば、明らかに頬を緩ませているだろうと予測できるほどの上機嫌な声が無人の空間に響く。

 

 そんな空間に4つの影が侵入してくる。

 

〔ここね……って、ブッ!?〕

 

〔きゃあ!? ちょ、ちょっと急に止まらないでくださいまし!? アグッ!?〕

 

〔ムギュッ!? あなたも人のことを言えないわ〕

 

〔……何をやってるのよ。あなた達は〕

 

 4つの影は人の姿をしておらず、紫、黒、白、緑色に光る球体であった。

 

 最初に部屋に入ってきた黒い球体が動きを止めたことにより、緑色と白色の球体がぶつかり、床に重なるように落ちてしまった。

 

 後からやってきた紫色の球体は呆れたように3つの球体を見下ろすと、部屋全体を見渡してつぶやく。

 

〔本当にここにあの人が……〕

 

〔ようこそ、招かれざる客人達、ゲイムキャラ殿〕

 

〔っ!? 誰!? どこにいるの!?〕

 

 突然聞こえてきた声に紫色の球体、プラネテューヌのゲイムキャラは部屋中を見渡すのだが、誰の姿も見つけることはできない。

 

〔この声、どこから聞こえるのかしら?〕

 

〔どこかにスピーカーでも設置されているのでしょうか? できればモニターで姿を現して欲しいのですけど〕

 

〔……そんなこと言ってないで、さっさと私の上から退きなさいよ!!〕

 

 未だに黒い球体、ラステイションのゲイムキャラの上に乗っていた白と緑色の球体、ルウィーとリーンボックスのゲイムキャラ達は声の出所を考えていた。

 

 しかし、いつまでも自分の上から退かない2人にラステイションのゲイムキャラは怒りの声を上げた。

 

 その叫びに反応して2人は浮き上がり、最後にのろのろとラステイションのゲイムキャラも浮き上がって来て、2人を恨めしそうに見つめる。

 

〔ハア、ハア、ハア……あなた達2人とも、いい度胸しているじゃない。この私をいつまでもクッション代わりにして、覚悟はできてるんでしょうね?〕

 

〔そんなこと言ってる場合じゃありませんわよ〕

 

〔そうよ。今は空気を読んで声の主を探さないと……〕

 

〔あなた達2人がそんな正論を言うな!! しかも、さりげなく人のことを馬鹿にして……〕

 

〔そろそろ話を進めてもいいかのう?〕

 

 ラステイションのゲイムキャラが2人に突っかかろうとした時、呆れたようにウラヌスの声が響いてきた。

 

 その口調はシンと言い合いをしていた時とは違い、ネプギア達と話していた時の物に戻っていた。

 

〔3人のことは気にしないでいいわ。あなたはいったい誰なの? それにあの人……初代勇者は本当にここにいるの?〕

 

〔やれやれ、質問ばかりじゃのう〕

 

〔いいから答えなさいよ!! 私達はあの人に用があってここに……〕

 

〔残念じゃが、お前達をアイツに会わせるわけにはいかんのでな……出て行ってもらうぞ〕

 

〔な、ま、待って!? 話を……〕

 

 ウラヌスが硬い声でゲイムキャラ達の声を遮ると、4人を囲むように光の柱が発生した。

 

 それが何を意味するのかわかったプラネテューヌのゲイムキャラが言葉をすべて言い切る前に光は4人の姿を隠してしまった。

 

 やがて光が収まると、そこに4人の姿はなく、再び無人の空間が広がっていた。

 

〔悪いわね。でも、あともう少しだけ待ってて。もうすぐ……もうすぐだから……〕

 

 4人が消えた後、ウラヌスの寂しそうな声だけが虚しく響き渡ったのを最後に、部屋からすべての音が消えうせたのであった。

 

 

*     *     *

 

 

 アタシは目の前で暴れていた人物が、あのブレイブ・ザ・ハードと同一人物だとは思えなかった。

 

 確かに青と白のボディは黒く染まっており、胸にある獅子を思わせる意匠も赤くなっている。

 

 その目の輝きも薄暗く怪しい色を灯しており、別人だと言われれば納得してしまうだろう。

 

 だが、目の前の人物は間違いなくあのブレイブ・ザ・ハードなのだ。

 

 アタシの勘がそう囁く。

 

 姿は変わっていても、絶対に間違いないと。

 

 ……それなのに、どうしてアイツはこんなことをしているの?

 

 アタシの周りには血だらけの人達が転がっており、目の前には破壊された建物が見える。

 

 犯人はアイツだってわかってる。

 

 でも、アイツは犯罪組織に所属していたが、こんな破壊活動をする奴じゃなかった。

 

 ゲイムギョウ界を守るため、子ども達に娯楽としてマジェコンをアタシ達の前で配ろうとしたアイツの姿がどこにもない。

 

 だから、アタシは叫んでしまった。

 

 どうか、アタシの勘が間違っていると願いながら。

 

「何の用だ、貴様ら」

 

「……アンタは、本当にブレイブ・ザ・ハードなの?」

 

 振り返り聞こえてきた声に、アタシは気後れしてしまった。

 

 姿だけでなく、声までもが記憶にあるブレイブ・ザ・ハードと重なる。

 

「何故貴様が俺の名前を知っているのかは知らんが、その通りだ」

 

「っ、嘘よ!! アンタが本当にブレイブ・ザ・ハードなら、何でこんなことをしているのよ!!」

 

「おかしなことを言う奴だ。俺が何をしようと俺の勝手だろう」

 

 平然と返すブレイブ・ザ・ハードは、本当にアタシの知っているアイツじゃなくなっていた。

 

 アイツはいつも自分の中の正義を信じていた。

 

 だからこそ、女神であるアタシ達に敵対したり、悩んで夢人と一騎打ちをしたりもしたんだ。

 

 すべては、アイツが自分の中にある正義を貫くため。

 

 アタシはそんなアイツの姿に憧れた。

 

 最後の最後まで自分を貫く強く誇り高い姿。

 

 夢人の話では、最後まで自分の正義を貫くために敢えて死ぬ道を選ぶほど、アイツはゲイムギョウ界のことを思ってくれていた。

 

 アタシや夢人のように迷って自分を信じられなくなることもなく、アイツは迷いながらも自分を信じていた強い男だった。

 

 真っ直ぐ、そう真っ直ぐな奴だったんだ。

 

 不器用なほど真っ直ぐだったからこそ、アタシ達に正面からぶつかってきたんだ。

 

 ……なのに、今のアイツは全然違う。

 

 侮蔑が込められ吐き捨てるように返された言葉は、アタシの記憶にあるアイツの姿に罅を入れる。

 

 何よりも自分の中の正義を大切にしていたアイツが、自分勝手に暴れるわけがない。

 

 暴れる理由があるとしても、それを隠してアタシ達を見下すような奴じゃなかった。

 

「俺の邪魔をするのならば、貴様らも排除させてもらう」

 

「っ、待って!? 話を……」

 

「問答無用!!」

 

「くっ!?」

 

 もしかしたら話していくうちに元のアイツに戻ってくれるんじゃないかと言う希望は簡単に砕け散ってしまった。

 

 アイツはアタシの言葉を遮ると、背中から伸びている2つの砲身をこちらに向けて砲撃を仕掛けてきた。

 

 ……避けたら倒れている人達が!?

 

 砲撃を避けることは簡単だが、アタシの周りで倒れている人達はそうはいかない。

 

 避けると言う選択を捨てたアタシは、素早くライフルを構えて砲撃を撃ち落とすことを瞬時に決めた。

 

 砲撃を地面に着弾させないために散弾を撒き散らして、空中で爆発させる!!

 

「うっ!?」

 

 アタシの狙い通り、アイツの砲撃は空中で食い止めることができたが、爆発の余波で吹き飛ばされそうになってしまう。

 

 両腕で顔を隠して踏ん張ることで何とか耐えることができた。

 

 戦いが避けられないことを悟ったアタシは、すぐにラステイションに一緒に来てくれたメンバーに向かって声をかける。

 

「アタシがアイツの注意を引き付けるわ!! その間にこの人達の治療を!!」

 

「わかってるです!! ユニちゃんも気をつけるですよ!!」

 

「はい!! アクセス!!」

 

 返事を聞くや否や、アタシはすぐに『変身』して空中に浮かび上がった。

 

 少なくとも、飛んでいる間は狙いが地面に向くことはない。

 

 このままアイツの注意を引き付けながら、この場を離れよう。

 

「相手になってあげるわ!! ついて来なさい!!」

 

「ぬっ、どこに行く!!」

 

 アタシはわざとアイツの顔を横切るように飛んでこの場を離脱する。

 

 案の定、アイツはアタシを追いかけるために地響きを鳴らしながらついてくる。

 

 よし、このまま派手に戦っても大丈夫そうな場所に誘導しないと。

 

 

*     *     *

 

 

「コンお姉さん、次の人を連れてきました!」

 

「そこに寝かせてあげてくださいです! もうすぐこの人の治療も終わりますから!」

 

 ユニとブレイブがいなくなった場所では、コンパとフェルが負傷者の治療を開始していた。

 

 コンパは治療に専念し、フェルがリンの力を借りて負傷者を集めていく。

 

 負傷者の手当てをしたり、運んだりしているのは2人だけでなく、ここまでユニ達を運んできてくれた教会の職員の姿もある。

 

 彼らも分業して負傷者の手当てに尽力していた。

 

「……う、うぅぅ……」

 

「しっかりするです! 今治療してあげるですから!」

 

 うめき声を漏らしながら痛みを訴える人達に呼びかけながら、コンパは傷の消毒、包帯での圧迫と固定を繰り返していく。

 

 幸い、冒険者と防衛隊の職員達に死者は出ていなかった。

 

 それは日頃の訓練のおかげと、ブレイブが彼らに興味を持っていなかったせいであろう。

 

 前者は、冒険者と防衛隊は常に危険を伴う案件に首を突っ込むため訓練を積み重ねていた。

 

 おかげで最低限受け身を取っていたのだろうし、怪我に対しても耐性ができていたのだろう。

 

 これがもし、何の訓練も受けていない人達が彼らと同様の怪我を負っていたのならと考えるとぞっとしてしまう。

 

 後者は、ブレイブが彼らを放置して建物を破壊していたおかげである。

 

 ブレイブは彼らにトドメを刺すことなく、何故か破壊活動を行っていた。

 

 今もユニが自分の邪魔をしているからこそ、ブレイブは彼女を追いかけて行ったのである。

 

 この場に残っているコンパとフェル達を無視して。

 

「この人が最後です! それじゃ、ボクはユニお姉さんの所に向かいます!」

 

「わかったです! わたしも職員さん達と一緒にこの人達を安全な所に運んだら、すぐに向かうです!」

 

「わかりました! ほら、ワレチューも行くよ!」

 

「や、やっぱり、おいらも行くっちゅか!?」

 

 コンパの治療の手伝いをしていたワレチューがフェルに名前を呼ばれると焦ったように声を上げた。

 

 ラステイションに来ているメンバーは、この3人なのである。

 

「ネズミさんも頑張って来てください! わたしの代わりにユニちゃんをよろしくお願いするです!」

 

「こんぱちゃん……わかったっちゅ! おいら、例え相手がブレイブ様だとしてもこんぱちゃんのために倒してみせるっちゅ!」

 

 嫌そうな顔をしていたワレチューであったが、コンパの激励を聞くとすぐに顔を引き締めて握りこぶしを作った。

 

 そんなワレチューの姿を呆れたように見ていたフェルはため息をついて口を開く。

 

「はあ、お兄さんともどもわかりやすいと言うかなんと言うか……とにかく、急いでユニお姉さんの所に向かおう! ワレチューはボクの背中に掴まって!」

 

「了解っちゅ!」

 

 すでに『人魔一体』により、フェンリルであるリンと融合しているフェルはワレチューに背中を向けて少しだけ屈んだ。

 

 その背にワレチューは跳び付き、落ちないようにしっかりとしがみつく。

 

「落ちないように注意してよ!」

 

「わかってるっちゅ!」

 

「2人とも、頼んだですよ!」

 

 ワレチューがしがみついたことを確認したフェルは、すぐさま地面を強く蹴りだして駆けだす。

 

 向かう先はユニとブレイブが向かった方向。

 

 そんな2人の背中をコンパは口元に両手をあてて大きな声で応援した。

 

「コンパさん! 今から車をここに持ってきます! その間……」

 

「はいです! なるべく急いでくださいです! それと病院の方に連絡は……」

 

「すでにしてます! 少しの間だけ待っていてください!」

 

 そう言った何人かの教会職員が走ってこの場を離れた。

 

 コンパは少なくなった職員達と共に、まだ治療の済んでいない者と苦しそうに声を上げている者達のために奔走し始める。

 

(ねぷねぷやノワールさん達の分まで、わたしも頑張るです!)

 

 

*     *     *

 

 

 ……それはネプギアが3度目の夢人の記憶を観終えた後のことであった。

 

 予想通り、夢人のとある記憶を観たネプギアは“リバース”の使い方とアカリが何に悩んでいるのかを知ることができた。

 

 そのため、今度は各地で暴れているモンスター達やキラーマシン、ラステイションに現れた新しい敵に対処するために人員を派遣しようとした時であった。

 

「それにしてもどうして新しい敵はラステイションとリーンボックスに現れたんだろう?」

 

「確かに、フィーナはわたし達がプラネテューヌにいることを知っていたはずなのに、どうして直接攻めてこないのかしら?」

 

 ネプテューヌとブランは敵の戦力分散について疑問を覚えた。

 

 新しい敵、1人はおそらくジャッジであるだろうと予測はついている。

 

 もっとも、キラーマシン以外で機械的な体を持つ敵の存在を他に知らないことが関係していたのだが。

 

 それでも直接プラネテューヌを攻撃してこないことを不思議に思ってしまう。

 

 フィーナにとって自分達は最大の障害であるのに、どうして何もしてこないのか?

 

「リーンボックスの方の狙いはマジックだろう。フィーナはマジックの体にあると思っているこの鍵を手に入れるためにリーンボックスに誰かを送り込んだのだろうな」

 

「だったら、マジック様が危ないじゃないですか!? それなら、アタイも急いでリーンボックスに……」

 

「慌てる必要はないわよ。すでにマジック・ザ・ハードはアタクシと一緒にここ、プラネテューヌの教会に運ばれているわ。眠っているとはいえ、さすがに誰かが見ていなくちゃいけないからね」

 

「そ、そうなのか……よかった」

 

 チカの言葉に慌てていたリンダは安堵の息をこぼした。

 

 監督上の問題として、マジックはトリック同様に監視をされていた。

 

 表立って反抗の意思を見せていないトリックとは違い、眠っているマジックが起きた時にどんな反応を見せるかわからないからである。

 

 そのために病院ではなく教会に寝かされていたのであり、現在はチカの指揮元に何名かの職員が別室で眠っているマジックを監視している。

 

 もちろん、事を荒立てることがないように表向きは監視だが、実際は看病と言う側面が強い。

 

 すでにそのことについては説明済みであったため、リンダはマジックが安全であることがわかり、安心したのである。

 

「うん、だとしたらラステイションの場合は物資の補給を阻害するためかな? それでも女神の邪魔をするよりも優先するとは到底思えないのだが」

 

「すまないが、ラステイションを狙う理由はわからん。ただ確実に言えることは、フィーナにとってプラネテューヌは利用価値のある国だと言うことは確かだ」

 

「フィーナちゃんにとって、プラネテューヌが大事だってことですか?」

 

 ケイはラステイションが狙われた理由を考えるが、決定打に欠ける推測しか浮かんでこず、困ったようにマジェコンヌへと視線を向ける。

 

 実際に工業発達が盛んなラステイションを狙うことは、戦略的な価値が充分にあるだろう。

 

 プラネテューヌの転送装置は破壊されてしまったが、ワンダーのように単独でギョウカイ墓場に突入できる機械が量産されてしまう可能性があるからだ。

 

 しかし、それを踏まえた上でも女神達を押さえる方が現実的であろう。

 

 今現在、フィーナのとっている行動は電撃作戦のようなものである。

 

 混乱している相手に反撃の隙を与えることなく、一方的に蹂躙しているのだ。

 

 それならば、混乱の原因に対処できる女神達がいるプラネテューヌを攻めるべきであろう。

 

 だからこそ、ここでラステイションを攻めることは悪手に思えてしまう。

 

「ああ。奴は犯罪神からシェアエナジーが奪えなかった時のことを考えて、プラネテューヌのシェアを利用するつもりなんだろう」

 

「そんなことができるの?」

 

「結論から言えば可能だ。奴の容姿はプラネテューヌの女神候補生そっくりなのもあるが、何よりゲハバーンがそれを可能にする」

 

「ゲハバーンが? それってどう言う……」

 

 マジェコンヌの説明に疑問を投げかける言葉は、突然鳴り響いた電子音に遮られてしまった。

 

 音の出所はケイの端末であり、彼女はそれを素早く操作して通信を繋ぎだす。

 

「……わかった。すぐに向かわせる……話の途中ですまないが、もう時間がないらしい」

 

「ラステイションで何があったの?」

 

「新しい敵と戦闘を行っていた者達から緊急で救援依頼が届いたらしい……しかも、最後は悲鳴と共に一方的に切られたらしいから、おそらく……」

 

「そんな……」

 

 苦々しそうな表情で話すケイを見て、全員が何があったのかを推測することができた。

 

 言葉は濁されていたが、戦っていた者達は全滅してしまったのだろう。

 

「わかったわ。なら、私が……」

 

「待って、お姉ちゃん!」

 

「ユニ?」

 

「ラステイションにはアタシが行くよ」

 

 通信の内容を聞いたノワールは、自分がラステイションに現れた新しい敵に対処するために動きだそうとした。

 

 ラステイションは自分の国であり、守るのは他の誰でもない自分だと考えていたからである。

 

 だが、その動きを制するようにユニは自分がラステイションに向かうと言いだした。

 

「それなら2人で……」

 

「ううん、ここはアタシに任せて。大変なのはラステイションだけじゃないんだから、お姉ちゃんにはそっちをお願いしたいの」

 

「ユニ、あなた……本当に大丈夫なのね?」

 

「任せてよ。アタシも3年前よりも強くなっているんだよ。ラステイションの女神候補生として、必ずラステイションを守ってみせるわ」

 

 驚いて目を丸くしていたノワールだったが、ユニの決意を聞いていくうちに自然と頬を緩めていった。

 

 ノワールが試すようににやりと笑みを浮かべて尋ねると、ユニも強気な態度を崩さずに笑みを返した。

 

 そんなユニの様子にノワールは苦笑してしまう。

 

「だったら、ラステイションのことはユニに任せるわ。頼んだわよ」

 

「うん!」

 

「ただし、絶対に諦めたら駄目よ。あなたがラステイションを守るのよ、いいわね?」

 

「わかってる。自分を信じて絶対に諦めないよ」

 

 ユニは柔らかくほほ笑みながら自分の胸に手を当てる。

 

 それは姉と自分の言葉をしっかりと胸に刻むため。

 

 諦めずに自分を信じて戦う決意を失くさないために。

 

「そう言うことだから、夢人のことは頼むわよネプギア」

 

「うん、任せてよ。ユニちゃんも負けないでよ」

 

「誰に言ってんのよ」

 

 ユニはゆっくりとネプギアの方に向き直り、ほほ笑んで夢人のことを頼んだ。

 

 それを受け取ったネプギアも頬を緩めて了承すると、2人は自然にほほ笑み合う。

 

 軽口を叩きながら、互いの無事と勝利を信じて。

 

「だったら、わたしも一緒に行くです。戦いではあまり役に立てませんが、怪我人の治療は任せるです」

 

「うん。それじゃ、コンパさんには教会のスタッフと一緒に通信が途切れてしまった彼らの治療をお願いするよ。後は……」

 

「それならボクが行きます。『人魔一体』を使えば、ボクもある程度は戦えますし、コンお姉さん達も守ることができます」

 

 コンパに続いてフェルもラステイションに向かうことを志願しだす。

 

 『人魔一体』を使えば、リンの力を使えることができるため戦うことはもちろんだが、負傷者の救助を素早くできると考えたからである。

 

 もしも敵が負傷者を狙った場合、射撃がメインのユニでは救助が間に合わないかもしれない。

 

 その点、フェンリルと同等の素早さを得ることができるフェルなら救助できる確率はぐんと上がる。

 

 また素早い動きで敵をかく乱し、敵の狙いをコンパからそらすことも可能であろう。

 

「わかった。そうと決まれば早速3人には……」

 

「ちょっと待て。おい、ネズミ」

 

「うん? なんちゅか?」

 

「貴様も一緒についていけ」

 

「なんだそんなこと……って、ちゅちゅっ!?」

 

 時間にも人員にも余裕がないことを理解しているケイは早速3人にラステイションに向かってもらうようにお願いしようとしたが、突然マジェコンヌに遮られてしまった。

 

 しかも、マジェコンヌはワレチューに3人についていくよう命令を下したのである。

 

 これに1番驚いたのは指名された当人であるワレチューであった。

 

「無理っちゅよ!? おいらが行ったところでこんぱちゃんの治療の手伝いしかできないっちゅよ!? それに、まだアレの修理も途中で……」

 

「修理なら教祖達や私でもできるから問題ない。だから、貴様には私の代わりにラステイションに向かってもらう」

 

「代わり、っちゅか?」

 

「そうだ。私にはやらなければいけないことがあるのでここを離れられん」

 

 マジェコンヌはワレチューの前に立つと、その手を彼の頭へとかざした。

 

「今から貴様に私の力を送る。もしもラステイションいるのがジャッジなら、この力に何らかの反応を示してくれるはずだ」

 

「ち、力を送るって……ちょ、ちょっと待って欲しいっちゅ!? せめて心の準備だけでも……」

 

「安心しろ。痛みはない……はずだ」

 

「ちょ、何で疑問……ぢゅぢゅうぅぅぅ!?」

 

 

*     *     *

 

 

「くっ、ラディアントブレット!!」

 

 空中でユニは顔を歪ませながらブレイブへと攻撃していく。

 

 X.M.B.から続けざまに3発の弾丸が発射され、それらはすべてブレイブに着弾し、少なからずダメージを与えていた。

 

 しかし、それを見てもユニの顔は晴れない。

 

 ……何故なら着弾し、傷を負ったはずのブレイブの体が見る見るうちに修復されていくからだ。

 

「ふん!!」

 

「っ!?」

 

 自分に向かって来る巨大なブレイブの拳を避けるユニだったが、同時に発生する風の衝撃で体勢を崩されてしまう。

 

 それでも何とかプロセッサユニットのウイングを利用することで地面に落下することは防いでいる。

 

 ユニは体勢を崩したままであろうとも、X.M.B.から弾丸を次々とブレイブへ発射していく。

 

 だが、それも先ほどと同様に傷つけた傍から傷は消えていき、ブレイブは無傷のままである。

 

(いったいどうなってんのよ!?)

 

 ユニは悔しさに顔を歪ませながら思考する。

 

 自分の攻撃がブレイブに効いていないわけではない。

 

 本当に効いていなければ、傷もつかないはずである。

 

 しかし、問題はその回復速度。

 

 以前まではなかったそれがユニを精神的に追い詰めていく。

 

(攻撃が効いてないわけじゃない。でも、このままじゃ埒が明かないわ)

 

 今現在は小回りを利用してブレイブの攻撃を避けているが、それもずっと続くわけではない。

 

 ダメージを与えて動きを鈍らせる必要がある。

 

 だが、その明確な証拠となる傷が瞬時になくなっていくことから、ユニはブレイブがどれだけ自分の攻撃で疲労しているのかを判断することができない。

 

 もしかしたら、自分の攻撃が全然効いていないのかもしれない。

 

 そんな不安に加えて激しい動きがユニの鼓動を速めていく。

 

(せめて、あの2つある砲身だけは破壊しておかないと!)

 

 体が駄目なら、ブレイブの武器になる2つの砲身を破壊しようと、ユニはタイミングを見計らないながら攻撃を避け続ける。

 

 上昇、下降、左右への飛翔を繰り返しながらブレイブの拳を避け続けていく。

 

(まだ、まだよ!)

 

 今はブレイブもユニを捕まえようとしているため、距離が非常に近いのである。

 

 離れようとしても距離を詰めるように殴りかかってくるブレイブを相手にはやる鼓動を抑えながらユニはX.M.B.へと力を注ぎ続ける。

 

 チャンスは1度。

 

 2度目は警戒されてしまい、実行することはできないだろう。

 

 だから、ユニはチャンスをうかがい続ける。

 

 ……そして、そのチャンスはようやく巡ってくる。

 

「うおおおおお!!」

 

 逃げ続けるユニにブレイブは業を煮やして行動を起こした。

 

 両手を組んでユニを上から押しつぶそうとしたのである。

 

 拳による点での攻撃ではなく、両腕を利用した面での攻撃ならと考えたのだ。

 

(来た! ここ!)

 

 ユニはチャンスが巡ってきたことを瞬時に理解し、急いで飛翔する。

 

 向かう場所は振り下ろされた前腕ギリギリの位置。

 

 当然振り下ろされて発生する風の衝撃によってユニは吹き飛ばされてしまう。

 

 しかし、ユニはそれが狙いなのである。

 

 吹き飛ばされた方向は斜め横上方。

 

 つまり、ブレイブの側面を位置取れる方向に吹き飛ばされたのだ。

 

「まとめて撃ち貫くわ!!」

 

「ぬっ、ぐわあああああ!?」

 

 予め計算していた吹き飛ばされ方であったため、ユニは体勢の崩れを最小限に抑えることができ、X.M.B.の照準を重なって見える2つの砲身に向けた。

 

 その銃口から発射された太く伸びる光のレーザーは、見事ブレイブの砲身をまとめて撃ち抜くことができた。

 

 さすがにブレイブも苦悶の声を漏らしたが、さらに砲身が爆発した影響で悲鳴を上げてしまう。

 

 確かな手応えを感じ、ユニは満足そうに頬を緩める。

 

(さすがにこれなら……っ!?)

 

 これで少しはダメージを与えられたと思っていたユニであったが、次の瞬間表情が凍りついてしまう。

 

 ……砲身に光が集まり、元の形に戻っていったのだ。

 

 X.M.B.の一撃によって大破したはずの砲身が、段々と修復されていくのを目撃し、ユニは完全に動きを止めてしまった。

 

 そんな隙を見逃すほど、ブレイブは優しくなかった。

 

「うおおおおおお!!」

 

「しまっ、きゃあああああ!?」

 

 飛んでいるユニを叩き落とすようにブレイブは拳を振り下ろした。

 

 反応が遅れてしまったユニは直撃こそ避けたが、その余波を今まで以上に受けてしまい、体勢を崩したまま地面に落下してしまった。

 

 それでも勢いは止まらずに転がってしまい、ユニはうつ伏せの態勢で無防備になってしまった。

 

「うっ、ううう……」

 

 ユニが頭を振りながら額に手を当てて起き上がると、自分に向かって再生した砲身を向けているブレイブの姿が目に映った。

 

(マズイ……このままじゃ……)

 

 急いで逃げなければいけないことはわかっていても、落下したことと転がったことの痛みで素早く立ち上がることができず、ユニは思わず目を閉じてしまった。

 

 ……しかし、次の瞬間ユニが感じたのは全身に感じる風の抵抗であった。

 

 ブレイブの砲撃が地面に炸裂した時の爆発音は聞こえている。

 

 それによって巻き上がった風と砂も感じることができる。

 

 だが、肝心要の攻撃による痛みをまったく感じていない。

 

 感じているのは自分の腰辺りを誰かが抱えているような感覚であり、ユニは目を開けて正体を確かめようとした。

 

「フェル……」

 

「すいません、遅くなりました」

 

 目を開けると、目の前には犬耳を生やしたフェルが柔らかい笑みを浮かべている顔が映り込んできた。

 

 ブレイブの砲撃からユニを救ったのはフェルであった。

 

 フェルは『人魔一体』により、獲得したフェンリルと同等のスピードを利用してブレイブの攻撃がユニに当たる前に救出することに成功したのである。

 

 だが、それも紙一重であった。

 

 トップスピードで走ってきたフェルであったからこそ間に合ったのであり、少しでも遅れていれば2人仲良く砲撃に当たっていたかもしれなかった。

 

「ありがとう。助かったわ」

 

「いえ、ボクもいつまでも皆に守ってもらってばかりじゃいられませんから」

 

 ユニを降ろしたフェルは険しい顔をブレイブへと向けながら警戒を怠らない。

 

 そんなフェルに習うようにユニも顔を引き締めてX.M.B.を構え直す。

 

(……そうだ。アタシはあの時とは違う。1人で焦る必要はないんだ)

 

 一緒に戦う仲間がいるだけで、ユニの心は落ち着きを取り戻していく。

 

 あの時、3年前にノワールが捕らえられてからずっと1人でがむしゃらに姉を目指そうとしていた時とは違う。

 

 今は自分を信じて一緒に戦ってくれる仲間がちゃんといる。

 

 その事実がユニの不安を消し去った。

 

「生半可な攻撃じゃすぐに再生されちゃうわ。だから、一発大きいのをぶつけてやるわよ」

 

「だったら、ボクがその間時間を稼ぎます。その隙に……」

 

「ええ、頼むわよ」

 

「任せてください。それに、時間稼ぎをするのはボク1人じゃありませんから」

 

 そう言ってほほ笑むフェルの視線の先には、黒いネズミの姿があった。

 

「こんぱちゃんのため……こんぱちゃんからのお願いのために……おいらもやってやるっちゅ!!」

 

 黒いネズミ、ワレチューは気合を入れると全身から発光しだした。

 

 次第に光は強く大きくなっていき、その大きさはブレイブと同じくらいまで広がり始めた。

 

「ぢゅぢゅう!!」

 

 やがて、光が収まるとワレチューの大きさがブレイブと同じくらいまで巨大化をした。

 

 これこそ、マジェコンヌがワレチューに与えた力である。

 

 その力を使ってワレチューは巨大な姿を手に入れることができたのだ。

 

「例えブレイブ様が相手でも、絶対に負けないっちゅ!!」

 

 そう言って地面を揺らしながら駆け出すワレチューはブレイブに向かって拳を振り上げた。

 

 迎え撃とうとするブレイブもその拳に合わせて自らの鋼の拳を突き出す。

 

 2つの拳はぶつかり合い、鈍い音を発しながら衝撃が広がっていったのであった。




と言う訳で、今回はここまで!
何とか今週中に時間作って一気に行きたいな。
末まで伸びると今度は激ノワをプレイする時間がなくなってしまう!?
それでは、 次回 「オーバーリミット」 をお楽しみに!

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