超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 作:ホタチ丸
今日は節分でしたが、皆さんは豆まきをしたり、恵方まきを食べたりしましたか?
私は生臭い思いをして、イワシの頭を柊の葉にくっつけて飾り付けしました。
あんなに匂うだなんて……
それでは、 帰ってきた女神通信(ブラン編) はじまります
始まって早々悪いけど、質問していいかしら?
この章、わたしの本編での活躍があまりないのだけれど、本当にわたしがメインの話だったのかしら?
話しのほとんどをネプギアに持っていかれたから、全然目立ってないんだけど。
まあ、前回のノワールみたいになるのは嫌だったからいいのだけれど、もう少し活躍させて欲しかったわ。
これじゃ、ただ妹達にゲームで負けて筋肉痛になった、残念な女神になってしまうわ。
それを払拭するために、今回は本編の裏話的な話もしていくのね。
夢人がロム達を助けるために崖下に行った時に何が起こったのか、旅館に帰ってきたネプギアの容態は、とかね。
……嫌な奴を思い出したわ。
あんな奴らにやられて捕まってたなんて考えたくないわね。
出だしで長々と話してないで、さっさと始めちゃいましょうか。
それでは、 帰ってきた女神通信 ブラン編 始めるわ
。
* * *
「いらっしゃいま……って、ブラン様じゃないですか!? お久しぶりです!!」
「久しぶりね、アロエ」
わたし達はミナの提案により、突然わいた休日を温泉で過ごすことに決めた。
実はここの旅館の女将アロエは、元は冒険家で実家であるこの旅館を継がなければ、ルウィーのギルドの管理人に推薦された人物でもある。
その関係で、女神であるわたしとは面識があり、度々教会からの依頼を彼女を含む4人のパーティーメンバーに依頼したことがある。
その小柄な見た目では考えられない程の巨大な大剣を振り回す姿に、モンスターではなく、周りの人間達が恐怖したという話が残っている。
結婚してからは完全に冒険者からは足を洗い、夫の稼ぎだけでは心許ないらしく、実家の経営作業に携わり、実力で女将の職まで上り詰めた努力の人でもある。
「突然で悪いんだけど、今日宿泊はできるかしら?」
「はい、もちろん大丈夫ですよ!! それよりも、本当に無事だったんですね」
「ええ、この子達のおかげでね」
わたしはアロエに、後ろに居たロム達を紹介しながら、アロエの言葉に内心ため息をついた。
わたし達女神が無事にそれぞれの国に戻ったことは、すでに発表されているが、如何せん離れていた時期が長すぎた。
国の末端にまでは情報が行き届いておらず、街から離れた旅館であるここにも情報が入っていなかったのであろう。
元々、わたし達女神が犯罪組織に囚われていたということ自体、隠されていたのだ。
世間では、いきなりいなくなった女神が突然帰ってきたことに半信半疑なのだ。
だからこそ、わたし達は協力して犯罪組織の打倒を誓っていても、それぞれの国に別れるしかなかった。
まずは国民にわたし達女神が健在だということをアピールしなければならない。
もう2度とシェアエナジーが不足して、不覚を取ってしまうことのないように、自国のシェアを上げることに専念しているのだ。
……まだ先は長そうね。
ミナ達、教祖が発案しているあれを公布するのにはまだ時間がかかりそうである。
対犯罪組織に対する厳戒取締り法、これを公布するためにももっと頑張る必要があるわね。
「わたしを含めて5人なんだけど、部屋の方は大丈夫なの?」
「はい、今日宿泊される方は今のところ1組だけですから……あ、それともう1組いらっしゃるかもしれません」
どういう意味?
予約なら、かもとは言わないし、どういうことなのだろう?
「実は夫にプラネテューヌの商店街で行われている、女神様おかえりなさいフェアのくじ引きの景品として渡してあるんですよ。もしも当たった人がいるなら、今日の日付なので最大で3名様いらっしゃる予定なんですよ」
「……フェアの名前は置いといて、それって本当にくじ引きの景品になるの?」
「私も本当にそれで大丈夫なのか、って聞いたんですけど、あの人ったら、くじ引きの景品に旅行は外せないだろ、とか言って無理やり商店街の人達を説得したらしいんですよ」
……いや、わたしが聞きたかったのは、しっかりと日付が決まってる宿泊券が景品になるのかってことだったんだけど。
よくはわからないけど、そう言うのってある程度の期間内での使用を前提として造られているのではないのだろうか?
「ねえ、早く温泉入ろうよ」
「温泉、楽しみ(うきうき)」
「……あ、ごめんなさい。それでは、お部屋に案内させていただきますね。お部屋は2部屋ご用意いたしますので、お好きなようにお使いください」
わたし達はアロエの先導によって、部屋に案内された。
ロム達はすぐに温泉に入るそうだが、わたしは部屋で休んでいるつもりだ。
……というより、もう目を開けているのが辛い。
やっぱり、徹夜でゲームなんてするんじゃなかったわ。
そんなことをしている奴の顔が……ああ、いたわね。
徹夜でゲームを平気でする奴が、女神の中で1人いるのを思い出した。
なんであいつは平気な顔でそんなことを続けてられるのだろうか?
わたしなんて一晩睡眠時間を削っただけでも辛いのに、あいつは何日も連続で徹夜でゲームを続けられている。
いつ眠っているのかしらね、ベールの奴は。
わたしはそんなどうでもいいことを考えながら座布団を枕に眠りに落ちて行った。
* * *
「でも、どうやって行くってんだよ。場所がわかっていても行けねぇんじゃ意味ねぇだろが」
わたしは苛立ちを隠せずに、バイクから変な2つ輪の形に変形したワンダーを睨んだ。
崖の下のロム達がいることはわかっても助けに行くことができない。
旅館からこの近くまでは『変身』していられたのに、ここに近づくと急に元の姿に戻ってしまった。
これは、この間ノワールから緊急で連絡があった内容と似ている。
ノワールとネプテューヌも急に『変身』が解除されてしまう事態に陥ったらしい。
ただ元の姿に戻るだけじゃない、その時には欠片を吸収した強力なモンスターの目撃例もあったのだ。
もしも、ただ崖の下に居るだけなら、日本一も一緒、追いついていればネプギアも一緒にいるので大丈夫だとは思う。
でも、この崩れた地面から崖下に落ちたのなら……
わたしは悔しさで奥歯をかみしめながら崖下を覗き込むことしかできない。
クソッ、なんでこんな時に!!
わたしは2人を守ると決めていたのに!!
助けられたわたしは、今度はわたしが2人を守ると決めていたはずなのに!!
どうして肝心な時に、助けに行けねぇんだよ!!
別の道から降りることもできるだろうが、それじゃ間に合わないかも知れねぇのに!!
こうなったら、『変身』できなくても……
「ここは俺に任せてもらおう」
わたしが怪我を覚悟して崖から下に飛び降りようとした時、突然夢人が指を鳴らしながら崖の先に歩いて行った。
お、おい、なんかおかしくないか?
言っちゃ悪いが、夢人のことを普通の人間だと思っていたわたしは、今の夢人の雰囲気に驚いてしまった。
「誰かが助けを呼ぶ声がある限り、俺は、勇者は不滅だ!!」
「ゆ、夢人? おい、テメェどうしたんだよ?」
明らかにおかしくなった夢人の姿に心配になってしまった。
いきなり意味がわからないこと叫ぶなんてどうなってんだよ。
〔これは……また黒歴史を発動させたのか〕
「ちょ、ちょっと待つですの!? なんでB.H.C.も使っていないのに、夢人が黒歴史を発動させているんですの!? 聞いていませんの!?」
「何がどうなってるのよ!?」
これがB.H.C.の効果だあ!?
こんな変になるもんを飲んで戦ってたのかよ!?
なんでそんなもん飲んでねぇ夢人が、黒歴史を発動してんだよ!?
わけわかんねぇよ!?
わたし達が突然夢人が発動させた黒歴史に戸惑っていると、夢人は顔だけをこちらに向けて親指を突き立ててにやりと笑った。
「俺がここから3人を助けに行く」
「おい、何言っ……」
「心配はいらない。俺は正義の勇者、御波夢人だ。とお!!」
夢人はわたし達の戸惑っている姿に構わず、崖の下に宙返りをしながら跳び込んだ。
おいいいいいい!? 何やってんだよ、アイツは!?
わたし達が慌てて崖下を覗き込むと、ロムの元に向かう輪の後を追って、岩肌を蹴りながら、時には風の魔法でバランスを取って下って行く姿が目に入った。
いろいろツッコミたい所があるけど、まずは言わせて欲しい。
テメェは本当に何してやがんだよ!?
そんな曲芸みたいな動きを黒歴史だからって理由だけで説明すんじゃねぇよ!?
〔……妙だな〕
ラムの元に残ったもう片方の輪から、ワンダーの疑問に思う声が聞こえてきた。
妙だもなにも、存在自体がありえねぇだろ、あれは。
〔夢人が魔法を使えている。この間はまったく威力のない魔法しか使えなかったはずなのに、今は中身を伴っているだと?〕
ワンダーの言葉で、わたし達は慌てて再び夢人を見た。
確かに、夢人は風の魔法を使ってバランスを整えている。
〔ルウィーの女神候補生、夢人の魔法をどう思う?〕
「ラムでいいわよ。そうね……わたしが知ってる夢人の魔法は失敗する方は、わたしでも再現は可能だと思うわ。でもね、あの魔法は無理よ」
ラムが使えない魔法を夢人が使っているってこと?
「キラーマシンを倒した時も思ったけど、夢人が黒歴史になっている時の魔法って何かおかしいのよ」
〔何かとは?〕
「そんなのわからないわよ!! わからないから変だって思うの!!」
ラムでもよくわからない何かがある魔法……
なんでそんな魔法を夢人が使えるのかしら?
〔やはり、アカリの影響なのか〕
「アカリがどうしたんですの?」
〔この間もそうだったが、あの変化はアカリの力のせいらしい〕
アカリの力……『再誕』の女神の力ってことになるわね。
もしかして、夢人の魔法の秘密は、アカリにあるんじゃ……
「はあ、はあ、ようやく追いついたぞ。貴様ら!! よくも吾輩を突き飛ばしてくれたな!! 旅館内では他の客の迷惑にならんように、廊下を走るんじゃ……って、幼女がいるじゃないか!!」
「げええ!? アンタは変態!?」
「な、何でここに居るんですの!?」
わたし達が崖下を見ていると、後ろから声が聞こえてきて、振り返ると、そこには爬虫類のような目をして長い舌をだらしなく伸ばしている、浴衣を着たモンスターがいた。
誰だこいつ!?
〔貴様は、トリック・ザ・ハード……マジェコンヌの幹部がなぜここに?〕
こいつがマジェコンヌの幹部だと!?
ワンダーの言葉を疑うわけじゃないが、今目の前に居るラムとがすとを見て、目を嫌らしく細めている変態がマジェコンヌの幹部だとは到底思えなかった。
いや、思いたくねえ!!
こんな奴がいる組織に、不覚をとって捕まったと考えると自分が情けなくなってしまう。
確かに、変態の体からは強い魔力を感じることができる。
明らかにそこら辺のモンスター達や犯罪組織の一員とはレベルが違うことはわかるんだけど……
「わ、吾輩、夢を見ているのか? 吾輩の目の前に、吾輩の心を癒してくれる幼女達がいるなんて……吾輩は本当についているではないか!!」
「な、何しに来たのよ!! も、もしかして、わたし達をぺ、ペロペロする気なの!?」
「がすと達はそんなことをしてもおいしくなんてないですの!?」
2人を変態的な目線で見ている姿のこいつがマジェコンヌの一員だなんて認めたくねえ!!
何がペロペロだ!!
んなことさせて堪るかよ!!
わたしは2人を庇うように変態の目の前に立ち、ハンマーを構えた。
「……うーむ、姉の方は発育が残念なだけで、幼女ではないようだな」
「んだと、テメェ!! 誰が発育不良のチンチクリンだあ!!」
そんなこと、わたしが一番わかってんだよ!!
他の女神の連中と比べて幼い容姿だってことはわかってんだよ!!
それに、ロム達が合体変身したホワイトシスターを見て、わたしがどれだけ悲しんだのかわかんのか、おい!!
妹達にスタイルで負けたわたしの悲しみがわかんのかってんだよ!!
「そのままの姿で吾輩と戦うつもりか? 吾輩も舐められたものだな!!」
「くっ!?」
「吾輩とて、実力ではマジックに劣りはせん。今のままで勝てると思っているのなら、片腹痛いわ!!」
変態の威圧感で背中に嫌な汗が流れてしまった。
姿と言動は変態そのものだが、実力は本物らしい。
今の『変身』できないわたしじゃ、勝ち目がない。
どうすれば……
「ふざけないで!! 『変身』なんかできなくても、あんたみたいな変態、コテンパンにしちゃうんだから!!」
変態の威圧感に押されてしまったわたしに代わって、ラムがまっすぐに変態を睨みつけて前に出てきた。
「あんたはわたしとロムちゃんをペロペロしようとしただけじゃなく、夢人に酷い怪我をさせた!! そんなあんたをぜーったいに許さないんだから!!」
わたしが竦んでいるにもかかわらず、ラムが変態に立ち向かおうとする姿を見て、わたしは自分を恥じた。
わたしはまだ心のどこかで、ラム達を幼いままの2人だと思っていたんだ。
成長したことを認めたはずだったのに、それを認めきれていなかった。
ラムは、自分が変態に勝てる勝てないかじゃなくて、気持ちで負けていないんだ。
どんな困難にも負けない、強い心を持っている。
きっとロムもそうだ。
あの2人はいつも一緒に居た。
ラムが強くなったのなら、ロムだって負けずに強くなっているはずだ。
……わたしはどうだ?
やる前から勝てないって諦めたままでいいのか?
いいわけねえだろ!!
「ラムだけじゃねえ!! わたしだって、妹達に手を出そうとしたテメェなんかに負けねえよ!!」
「がすとも絶対に負けないですの。あなたみたいな変態、がすと達だけで倒してみせるですの!!」
〔もちろん、私もだ!!〕
「……お姉ちゃん、皆。うん!! 皆であんたなんてやっつけちゃうんだから!!」
戦うことに一番必要なこと……負けない強い心をラムに教えられるだなんてな。
来るなら来やがれ、変態野郎!!
わたし達で、テメェなんてぶっ飛ばしてやるよ!!
わたし達が臨戦態勢を取ると、変態は急に慌てだして後ろに下がり出した。
「ま、待て待て待て!? 挑発したのは悪かったが、こんなところで戦う気はないぞ!?」
「んなこと、誰が信じるかってんだよ!!」
「吾輩はただ温泉を……ん? そう言えば、貴様らは『変身』できないと言っていたな?」
変態が確認するように、首をかしげながら尋ねてくるが、答える必要なんてねぇ!!
わざわざこっちの弱みを敵に知らせることなんてするわけないだろ!!
わたしは変態が首をかしげた動きをチャンスととらえ、ハンマーで思いっきり頭をぶっ飛ばしてやった。
「アインシュラーク!!」
「ぐへぇっ!?」
かしげられていた頭を振り上げるように振るったハンマーは、変態のこめかみに直撃して、体を吹き飛ばすことに成功した。
吹き飛ばされた変態は、木にぶつかり、グルグルと目を回しながら額に手を当てた。
「き、貴様それでも女神か? いくら吾輩が敵だと言っても話くらいは……」
「うるっせえよ!! テメェみたいな変態に、誰が遠慮なんかするか!!」
決して自分の私怨が入っているわけではない。
妹達に変態行動を取ろうとしたからだ。
決して、わたしの発育が悪いと言われたことを起こっているわけじゃない。
「貴様といい、フィーナといい、どうして女神と名のつくものは……ん? これは」
変態が何かをぶつぶつとつぶやきながら立ちあがろうとしていると、何かを発見したらしく、地面から何かを拾い上げた。
「これは、女神の卵の欠片ではないか!!」
「なっ!? それを渡しやがれ!!」
わたしは変態から欠片を奪おうと、慌てて変態にハンマーを振り下ろそうとしたが、変態が体を転がすことで避けられてしまった。
「吾輩、本当に運がいいぞ!! 温泉に入ってリフレッシュしただけでなく、女神幼女達に会えて心を癒されたうえに、欠片まで手に入れることができたなんて!!」
「それはアカリのものなのよ!! 返しなさいよ!!」
「いくら幼女の頼みであっても、それは聞けないな。それでは、吾輩はここで失礼させていただこう」
「ま、待つですの!?」
「待てと言われて待つバカはいない。さらばだ!!」
変態が地面を舌で力強く叩いたことで発生した砂煙のせいで、わたし達は変態を見失ってしまった。
砂煙が晴れた時には、すでに変態の姿はどこにもなく、悔しくてわたしは近くの木を殴った。
……あの変態、逃げやがって!!
なんで変態が欠片を持って逃げたのかなんてわからなかったが、次に会ったら容赦はしない。
絶対ぶっ飛ばしてやる!!
* * *
変態に欠片を奪われたわたし達の前に、ネプギアを背負った夢人達が戻ってきた。
わたし達はネプギアを治療するため、急いで旅館に戻ったのだが、おかしなことに気付いた。
ネプギアは着ていた浴衣はボロボロになっているのに、怪我がまったくなかったのだ。
傷を造ったのは、浴衣に赤い痕がついていたのでわかるのだが、肝心の傷の方が見当たらない。
ここまで運んでくるのに、夢人が治療魔法をかけていたと聞いたが、そんなに早く治るほど夢人の魔法が優れているのか?
普通の魔法すら失敗するような夢人が、ネプギアの傷を完璧に治すほどの治療魔法を成功させたなど考えられない。
じゃあ、いったいどうして……
その夜、結局、わたしと夢人でずっとネプギアの看病をしていた。
わたしはロムとラムをずっと起こしているわけにもいかず、日本一とがすとに頼んで2人を別の部屋で寝かせてもらった。
もっとも、疲れていた2人は布団に入るとすぐに眠ってしまったらしいのだけど。
ネプギアは怪我はなくても、体調が急変するかもしれない。
そんな時のために、寝ずに2人でネプギアを看病していたのだが……もしかして、わたしはお邪魔だったのかしら?
夢人のネプギアを見る目が優しくて、2人が付き合っているのかと聞いてしまった。
夢人は顔を真っ赤にさせて否定していたが、おそらくネプギアのことを好きなのだろう。
……わたしは少しネプギアが羨ましく思った。
必死でネプギアを探すために駆け周り、危険を顧みず、彼女を助けるために崖下に飛び込むほど、愛されている彼女が羨ましい。
別に夢人に愛されていることが羨ましいわけじゃないわ。
誰かにこんなにも愛されているネプギアが羨ましいんだ。
いつか、わたしもそんな風に愛される日が来るのかしら……
…………
とりあえず、今回はここまでね。
それで、本当にあなたとネプギアは恋人同士じゃないの?
違う? わたしにはそうは見えなかったけどね。
お互いに大切に思っているからこそ、見えないものがあるのかもしれないわね。
何でもないわ。
夢人は気にしなくてもいいことだから。
……それはそうと、あなたに聞いておきたかったことがあるのよ。
ロム達が合体してなったホワイトシスターって、あなたの力を使っているのよね?
正確にはアカリの力なのかもしれないけど……ちょっと聞きたいことがあるのよ。
そ、その……わたしもあんな風に成長できるのかしら?
べ、別に、あんな風にボンキュッボンになりたいわけじじゃねぇよ!?
ただな、妹達に身長で負けるのが悔しくて……
って、なに笑ってやがんだテメェ!!
待て、この野郎!!
逃げんじゃねぇ、夢人!!
という訳で、今回はここまで!
本当に、この章はブランをあまり活躍させることができなかったことが心残りです。
いずれまた彼女メインの章がやってくるので、そこでは本当にメインの活躍を見せていただきましょう。
そして、次回からは新章で、残っている女神はベールのみ。
……またナナハメインになりそうで怖いよ。
それでは、 次回 「過保護の代償」 をお楽しみに!