ログ・ホライズン ~わっちはお狐様でありんす~ 作:誤字脱字
今回、自己解釈が多々出てきます
申し訳ありませんが、ご了承ください
それとなぜかランキングに入っていました(最高で9位)
これも皆様のおかげですありがとうございます
沖891
総971
〈明星掴み〉
〈
重量・見栄え・性能性を製作級と言う枠組みの中で上手く調整されており、私の見立てでは〈秘法級〉に近い性能を誇っていると言っても過言ではないだろう
〈墨羽の装束〉
艶のある黒羽根みたいに美しい色合いをした〈明星掴み〉と同じく〈
〈メラストマの髪留〉
『妖怪達の宴』の〈秘法級〉レアドロップ
耐物理・耐魔法を上昇させ特技の再使用規制時間を短縮させる
『妖怪達の宴』のドロップアイテムの例にこぼれず装備者シバリ・デメリット効果が存在するがデメリット効果がメリットになってしまっている迷装備品
「初心者冒険者必見狐印の武器図鑑」著作者:くずのは
より抜粋……
「身を守るのは信頼の証達…壁を越え一歩成長した貴女には相応しいモノだと言えるでしょう…そこに『情』が込められた刃が揃えば―――」
「随分余裕だね〈くずのは〉?…殺人鬼はいつどこで現れるかわからないんだ、油断せずに行こう」
隣を歩く狐に声を掛けられ、諭すように注意されたが当の本人は気にも止めていないとばかりに林檎を齧り始めた
「私の前に立ち塞がるなら僥倖。あの子の代わりに滅するのみ、よ」
「大した自信だね~?……それはあの子を守るためかい?アツアツだね~〈く・ず・の・は〉?」
普段から顔色を変えない〈くずのは〉ではあるが、付き合いが長いナズナには看破されているようでニヤニヤと口元を緩めながら冷かしてくる
「……喧嘩売っているのね?ええ、その喧嘩買いましょう。貴女の後に殺人鬼を相手にしてもお釣りがくるわ」
「またまた~、昔から照れ隠しが苦手だね?だからカナミにツンデレって言われる訳だ」
「ッ!上等だわッ!来なさいアル中狐ッ!」
「アル中違うから!糖分の取り過ぎで口内死ねッ!糖尿病予備軍!」
殺人鬼が徘徊するアキバの町に殺人鬼討伐とは別の……己が誇りを掛けた狐達の戦いが幕を上げたのであった……………続かない
ログ・ホライゾン ~わっちがお狐様でありんす~
1対多数!!…特撮ヒーローも真っ青でありんすな?
「…それでどうなのさ?」
「どう、とは?」
息と着衣の乱れを整えながらナズナは〈くずのは〉に問いかける
問いかけられた〈くずのは〉もナズナと同じく身嗜みを整えながらもナズナに返事を返した。……数分前まで醜い取っ組み合いをしていたと言うのに二人は別段、喧嘩をしていたのかと不思議に思うぐらい普通に会話して――
「主語がないわ、アルコールで脳内細胞が死滅したのね?…、可哀そう」
―――いなかった。
最後の言葉は哀れに思っていない、口元を扇で隠しているのでわからないが、絶対に口元が上がっているとわかっていながらもナズナは口を引き上げながら続きを口にした
「……作戦の成功率よ、あんたの事だからもう台本は出来あがっているんでしょ?」
作戦……そう言われて思うのは今行われている『殺人鬼討伐戦』。DDDのリーゼがリーダー兼参謀を務め、ヘンリエッタが参謀補佐と言う立場となって組まれた作戦。
ナズナは、元とは言え〈放蕩者の茶会〉で同じく作戦参謀をしていた〈くずのは〉の考えを聞いておきたかったのだ
「そうね……0%かしら?」
「いや、あんたの0%は0%じゃないから。こう、何と言うか具体的に…ね?」
両手を上げ、頭を横に振りながらそういう事ではないとポーズで示すナズナに対し〈くずのは〉はタメ息をこぼすと路地裏へと歩みを進めた
「…変則編成によるアキバの全域を哨戒は合格点。編成も『勝つ事』よりも『凌ぐ事』を優先に組まれている。問題があるとすれば……敵戦力」
「敵戦力?」
〈くずのは〉の置いて行かれまいと駆け足気味に歩みを早め、肩を並べて歩きだした
「えぇっと、敵…エンバート=ネルレス、〈大地人〉レベルは94。職業は武士で装備品は
「そうね…そしてエンバートは供贄一族である」
「供贄一族って……衛兵システムを管理している一族だっけ?」
「他にも銀行業務、宅配サービス、公開市場サービス…あげればキリがないけど〈エルダー・テイル〉において重要なスポットに存在する一族だわ」
〈くずのは〉は補足を入れながらも顔を顰めた
「彼らは古代アルヴ文明からの技術を伝えているとされ、勢力範囲はヤマトのみならず大陸にも及ぶという。しかし閉鎖的な一族で、研究を行ったり知識を普及したりしない等広い接触を厭う引き籠りの…私の嫌う〈大地人〉の一族よ」
人との関わりを第一に考え、成長するモノを好む〈くずのは〉にとっては、関わる事自体を拒否している供贄一族は憎悪の対象でしかなかった
「アンタの好みはどうでもいいよ。その殺人鬼が供贄一族だと何が問題になるんだ?」
伊達に〈くずのは〉と飲み友達をしていないナズナは敵意を剥き出しにする彼女を無視し話の続きを即した。…とてもではないが、ナズナのような行為が出来る人物はヤマト内を探しても5人もいないであろう
「…供贄一族は動力甲冑にも手を入れていた一族。事によってはレベル以上の力を出してくるわ」
「
ナズナの言葉を聞いて〈くずのは〉は残念な子を見る目で見つめた
「…ナズナ、貴女は新人PKとベテランPKを相手にするならどっちが殺りやすいかしら?」
「PKって…そりゃ~新人の方が対処しやすいでしょ?」
「どうして?」
「対人戦の経験が少ないから体の動かし方が…ッ!なるほどね~」
〈くずのは〉の問の意味を理解し、腕を組んで頷くナズナ
〈くずのは〉も覚えの悪い子が理解したと感じ話を先に進めた
「そう、エンバートが
「ただえさえ厄介な品物なのに経験豊富。…こっちの裏を書いてくる程の力を持っていたら」
「いまの作戦では100%成功はしないわ」
まいったね~っと苦笑いをこぼしながら頭をかくナズナであったが、頭の中では既に最悪のケースの対処法を構成し始めていた。……伊達に〈西風の旅団〉の副リーダーを任せられている訳ではない
そんなナズナを尻目に〈くずのは〉は言葉を続ける
「でも、その可能性は低いわ」
「…へ?」
ナズナに色々と考えさせておきながら、その思考を無駄な労力へと変える〈くずのは〉はツンデレなのだろうか?とてもではないが、デレがない
「エンバートは殺戮しか答えを出せない愚図だわ。本当に〈冒険者〉を殺したいのであれば復活するシステムを先に殺す必要があるのにどうしてそこまで考えられないのかしら?」
「復活するシステムって……」
「簡単よ、アレね…」
疑問に思うナズナを導くために〈くずのは〉が扇で示した方角には……殿内を大理石とスタンドガラスで飾らりたて最近、二人でお茶会をした場所がある方位であった
「……大神殿」
「〈冒険者〉が復活する施設。…〈冒険者〉は最後に登録した町の大神殿で復活をするわ。でも…復活する場所がなかったらどこで復活するのかしら?」
「……レイドみたいゾーンの入り口、とか?」
いきなり質問を投げかけられ、唖然といていたナズナは碌に考えもせずに思った事を口にしてしまうが、〈くずのは〉の返答は冷たいモノであった
「NO。ゾーンの入り口には敵との遭遇率や経験値配分の為に一時的に参加者のステータスを保存する為、レイド中の死亡は大神殿で復活せずに常にデータが更新出来るゾーンの入り口が保存先になり大神殿の代わりになっているわ……でもゲームが現実となった今、データを保存する先は限られている。ふぅ……」
口休めとばかりに懐に仕舞ってあった果実酒を一気に煽った
淡い色をした液体は見る見る内に彼女の口の中を通っていき、モノの数秒で空にしてしまう
「ふぅ……私の仮説になるわ」
ナズナは知っていた
彼女が小難しい事を口にしながらアルコールを一気に摂取する時に限って爆弾発言をしてくると……
「私達、〈冒険者〉は死亡したら大神殿にて『
これは魂魄理論の応用よ、と補足を入れられても正直そっち方面には疎いナズナは、理論じみた事を返す事は出来ない
思った事を素直に口にしようとしたが―――
「前の保存先で復活と言いたいのかしら?…残念だけどそれはNoよ」
―――先手を打たれてしまう。
ならなぜ、自分に聞くのだ!と視線で訴えかけるが彼女は気にも止めずに話を進める
「ゲームならいざ知れず現実である今は、どう足掻いたって過去へ戻る事が出来ない。…ならば『
〈くずのは〉の伝えたい事はわかる。
ようするに肉体がないままの〈冒険者〉は魂だけの存在であり、俗に言う『幽霊』。
話す口も、食事をする為の手もない、人の目にも映らない存在なのだから……でも―――
「…あくまで大神殿がない期間の話でしょ?そんなに重要な施設なら〈大地人〉も〈冒険者〉も必死に再建築する。一時的な幽体離脱だと思えばッ!」
言葉が続かなかった
光が入りづらい路地裏と言う事もあり、不気味さを醸し出すには満点を上げられる場所で『恐怖』を味わせてくる…しかし、ナズナの言葉を止めたのは路地裏の不気味さではなく、野生の獣の様に光る〈くずのは〉の双眼であった…
「長い間放置された『
ただ鋭い訳ではない、現実を叩きつけられた様な、諦める事を諭しているような……望みを捨てて全てを受け入れる様に伝えてくる瞳…
ドックンっドックンっと心臓の動く音だけが聞こえ、ナズナの思考を纏めていく…
無いものだと思われていた〈冒険者〉の『死』、それは肉体的な『死』ではなく、人と言う『人格』が無くなる『精神的な死』。詰まる所、〈くずのは〉が言う死とは……
――――ドォォォォンッ!!!
「ッ!?」
町全体に響き渡る破壊音にナズナは思考の底から浮上した
音の発生源に視線を向けると、戦闘が行われているであろう発光と武器と武器がぶつかり合う金属音まで聞こえてきた
「無駄な話をしたわね。……目先の事に集中しましょう」
「ッ!…よし、行こうかねぇ!」
柄を返した〈くずのは〉はナズナの肩に軽く手を置くと音の発生源に向って走り出す
ナズナも気持ちの切り替えとばかりに両手で頬を叩いた後、〈くずのは〉を追いかけるのであった
◆
打ち合わせた手応えにアカツキは気を引き締めた。微塵の油断も出来ない。いや油断もなにも、自分が敗北する可能性の方が高いことをアカツキは深く理解していた。
歓喜に耐えかねた表情で無防備にも脇腹を貫かせHPを失ってまでも強引に間合いをつめ悪鬼の如く地獄のような冷気をしみ出させながら、アカツキの愛刀ごと殺人鬼は己の傷口を凍てせ、アカツキの唯一の武器を破壊した殺人鬼はいまだなお、殺戮を続けている
「アカツキちゃんっ!」
「大丈夫だ」
アカツキは立ち上がった。
一瞬の油断でHPは瀕死状態。もう残り五%もない。でも、まだ生きている。
駆け寄ってくるマリエールの回復魔法も今ひとつ効果が薄い。もうMPが苦しいのだ
「ごめんしてな。ほんと……ごめんして」
苦しそうなマリエールの声に胸が痛む。マリエールが悪いことなんてなにひとつない。初めての大規模戦闘なのに、アカツキと組んだばかりに第一ヒーラーの 役割を押しつけられてしまっただけではないか。アカツキはマリエールを慰めたかったが、上手い言葉が見つからなかった。だからありったけの気持ちを込めて 繰り返した。
「大丈夫」
それは強がりの言葉ではあったけれど、それだけではなかった。好きな人を安心させたいというまごころから出た言葉だった。虚勢ではなく、アカツキはマリ エールに感謝を伝えたかったのだ。伝わったかどうかさえ確認のしようもない短いやりとりを振り切って駆け出そうとするアカツキに、短い棒状のものが回転し ながら投げつけられた。
「ちょうどいいから、もってけ」
工房から顔を出した二十五人目の少女は、ゴーグルをずりあげながらアカツキに言った。
受け取った鞘が、まだ温かい。ともすれば吹雪の中でかじかみそうになるアカツキの両手のなかで、まるで生まれたばかりのように熱気をほとばしらせている。
「――〈
「じゃない……。〈喰鉄虫・多々良〉。打ち直し」
よく見れば長さが違う。握りが違う。アカツキに、合わせてある。なによりも、アイテム鑑定で表示される、
「こんなの、払えないっ「受け取っておきなさい」くずのは!?」
泣きそうになるアカツキの言葉を遮ったのは受け止めると約束した同じギルドの仲間であった
「この子が貴女の為に打ち直した『情』の刃、これを持って貴女はこの子の気持ちに答えなさい。…そうでしょ?」
〈くずのは〉に即され〈アメノマ〉の刀匠・多々良はかぶせるように言った。いつものぼんやりした眠いような声ではなく、強い響きだった。
「わたしの刀で、あれを倒して」
彼女の指さすその先では、遊撃を勤めていた〈西風の旅団〉のカワラが戦っている。
氷雪の乱舞を受けて切り刻まれ、鮮血にまみれながらもその咆哮は雄々しく、勇戦している。しかし殺人鬼の第一ターゲットはアカツキだ。いまでもその視線はアカツキへと向かっている。アカツキが知らぬ間に自身が身に着ける〈メラストマの髪留〉の
「アカツキやん。準備、できた」
アカツキに回復呪文をかけ続けていたマリエールは頷いた。時間が来たのだ。もはや、言葉はいらない。
アカツキは弓から弾かれた矢のように一直線に地をかけた。〈影遁〉の分身を飛ばして一撃。持ち替えた新しい小太刀をふるって〈アクセルファング〉。殺人 鬼が受け太刀に使った〈霰刀・白魔丸〉と〈喰鉄虫・多々良〉が噛み合う。まるで噛みちぎるような音を立てて削りあう鋼の嵐の下でアカツキは、ぶれて、消え る。
その光景を〈くずのは〉は震える体を両腕で抱きしめながら見つめていた
「あれは!……貴方も到達したのねッ!完成された世界に背き、反旗を訴えながらも世界の一人となる禁忌の術を!」
目の前ではアカツキが口伝〈影遁〉を用意て殺人鬼を翻弄しながらもギリギリの戦闘を行っている。しかし、〈くずのは〉は戦闘に加わろうとはしなかった。
まるで我が子の成長を見守る母親の様にアカツキの一挙一動を見守り続けた
そして一言――――
「ナズナ」
「あいよ!」
致命傷にしかなり得ないその攻撃を、アカツキは突然現れた障壁を足場に難なく回避する。もう一匹の狐が救援に来たのだ
「やっと追いついた!詰めが甘いのはシロエそっくりだよっ」
「あら?それは貴女もでしょ?」
「違いなッ!?」「これはッ!?」
合流した二人の会話を遮ったのは巨人が漏らしたささやかなため息のようなさざ波であった
「……私は行くよ……〈くずのは〉は?」
「私はお腹一杯……手薄となったアキバの町を散歩するわ」
「オーケー!任せた~!」
ナズナは高下駄をはいたままとは思えないような華麗な動きで半身を回転させると、そのまま宙に舞い上がった。柔らかい身体を丸めると、殺人鬼の刀を蹴り上げて距離を取りアカツキと併走し目的の場所へと移動していく……
危機が迫っているのにどこか嬉しそうな顔をするアカツキを見送った〈くずのは〉は一人、近場のビルへと飛びあがった
ビルの屋上から眺めるアキバの町は普段見る事の出来ない銀化粧で色取られており、所々にイルミネーションの光が添えられて一種の絵画
美しい絵画に見惚れつつもアキバ全体を囲むように―――機能を停止した都市防御用魔法陣をなぞるように―――〈くずのは〉は口伝を使用し魔力を流していく…
「誰かがやらなければならないのなら私が……それが二人の、いえ、〈冒険者〉の明日に繋がるのであれば喜んでその罪を背負いましょう……―――口伝・
〈くずのは〉の口伝が発動され魔方陣に別の色が侵入する。だが、魔方陣が復活するわけではない。既に出来た水路に違う水が流れるだけ―――その水は無色透明、誰にも気付かれる事無くアキバ全体へと行き渡っていった……
「くッ!ァァガ!グゥゥゥ……――ハッ!はぁはぁ……」
一度に全ての魔力を使い切る程の大規模な魔法の使用に〈くずのは〉は胸元を押さえ痛みに耐えながら息を整えていく
「慣れてきたとは言え、連続での使用はキツイわぁ。でも……」
震える足に喝を入れ、アキバの街の心臓部であるアキバの中央広場に視線を送った
まだ太陽の見えない黎明だと言うのに小規模な集団が集まっており、巨大な氷を囲っていたが、次第に一カ所に集まりどこかへと移動していく数人は氷の場所で何か作業をしている様であったが…
そして直ぐに〈くずのは〉へと念話が届いたが彼女は念話の内容を理解していた。なぜならば、それは――――
『おっ!くずのは?水楓の館で一杯やろう』
「…酒代は貴女持ち、ね」
勝利の知らせであるのだから―――――
next ???
カナミの日本文化教室~ツンデレ編~
「…ツンデレ?」
「そう!日本に行くにあたって知っとた方がいいジャパニーズカルチャーだよ!」
「むふ、日本は島国だからか?珍しい文化があるものだな」
「実際にはどういう意味の人なんだ?」
「ええっとね~敵対的な態度(ツンツン)と過度に好意的な態度(デレデレ)の両面を持つ人の事、かな?」
「…そんな人間のどこがいいんだ?」
「甘いよ!ケロナルド!ツンデレはねぇ~ロマン、かな?」
「僕に聞かれても困る。それに僕はレオナルド、だ」
「実際に当てはまる人物に該当はアリマスカ?」
「ん?ん~…あっ!くーちゃんだよ!あれはツンデレのカリスマだね!」
「クーですカ…」
「いや待て!くーの何処にデレがあると言うんだ!彼女には『ダラダラ』か『ツンドラ』しかないぞ!」
「…合わせれ『ダラツン』。新しいジャンルだね!」
「『デレ』はどこに行った!『デレ』は!」