機動戦士ガンダムSEED 永遠に飛翔する螺旋の翼   作:ファルクラム

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PHASE-07「獄門の巣穴」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 反プラント思想を掲げる軍事組織に「宇宙解放戦線」と名乗る一団が存在する。

 

 彼等の活動領域は、その名の通り宇宙空間がメインであり、活動としては主に、プラントが実効支配する月の解放を謳っている組織だった。

 

 規模としてはそれほど大きいとは言えないが、複数のモビルスーツを保有し、それを柔軟に運用する為の戦術ノウハウも持っている事から、現状の宇宙空間においては比較的、脅威度の高い組織であるとプラント側から認識されていた。

 

 とは言え、何かしら世間に対し政治的な活動を行っている訳ではなく、更には民衆の為に立ち上がると言う稀有な志がある訳でもなく、活動らしい活動と言えば、プラント所有のシャトルや輸送船を襲っては、満載した物資を強奪すると言う、いわば海賊の延長だった。

 

 この日も彼等は、ザフト軍が地球からプラントに物資を運ぶ輸送船団を襲撃して全滅させると同時に、大量の物資を強奪する事に成功し、意気揚々と自分達の本拠地へと戻ろうとしていた。

 

 奪ったシャトルを10機近いモビルスーツで取り囲み、意気揚々と自分達のアジトへと向かっている。

 

 勿論、シャトルのクルーは既に処刑済みで、操縦は乗り込んだ仲間が行っている。

 

 そんな彼等が、間も無く自分達のアジトが見える宙域に入ろうとした。

 

 まさに、その時だった。

 

 突如、彼等の目の前に深紅の翼が羽ばたいた。

 

 警戒するように武器を構える宇宙解放戦線のモビルスーツ。

 

 しかし、「それ」は気付いた時には既に、ありえない程の速度で距離を詰めて来ていた。

 

 慌てたように、宇宙解放戦線の機体は砲火を撃ち放ち、接近してくる機体に攻撃を開始する。

 

 相手はたったの1機。どれほどの性能かは知らないが、無謀も良い所だ。

 

 誰もがそう思っていた。

 

 次の瞬間、赤い翼はいっそ華麗とも評すべき機動を見せ、全ての攻撃を回避して見せた。

 

「目標確認、これより攻撃します」

 

 スパイラルデスティニーを操るレミリアは、自身に向かって砲火を向けてくる敵を見据え、静かな声で呟くと同時に、深紅の翼を羽ばたかせ、更に機体を加速させる。

 

 接近と同時に、両腰から対艦刀を抜刀して刃を展開するスパイラルデスティニー。

 

 対して、宇宙解放戦線の兵士達は、その動きを認識する事すらできない。

 

 すれ違う一瞬。

 

 先頭を進んでいたザクが、首と胴を寸断されて爆砕する。

 

 その頃になって、宇宙解放戦線側も、ようやく相手が尋常でない事を把握したようだ。

 

 慌てて方向転換しようとする。

 

 しかしこの時、彼等は欲をかくあまり、致命的とも言えるミスを犯した。

 

 モビルスーツの内、半数をシャトルの護衛に残し、もう半数でスパイラルデスティニーと対峙しようとしたのだ。

 

 これは完全に悪手と言わざるを得ない。彼等はスパイラルデスティニーが現れた時点で、即座にシャトルを見捨てて逃げるべきだったのだ。それも、なるべく分散してバラバラの方向に。

 

 いかにレミリアでも、別々の方向へ逃げる複数の敵を、完全に殲滅する事は不可能である。勿論シャトルと、その中にいる仲間は犠牲になるが、それも必要悪と割り切るしかないだろう。

 

 彼等がそうしていれば、あるいは少数の犠牲で事態を逃げ切る事はできたかもしれない。

 

 だが、彼等はそうはしなかった。わざわざ部隊を二分する愚を犯した挙句、鈍重なシャトルを抱え込んだまま、最悪の相手に挑もうとしている。

 

 これを悪手と言わずに何と言おう?

 

 今まで海賊の真似事に終始し、護衛の無い輸送船やシャトルばかりを狙ってきたツケだろう。彼等はギリギリの戦いの場において何を取捨選択すべきか、全くと言って良いほど理解していなかった。

 

 そして、その対価は彼等自身の命で贖う事になる。

 

 折角手に入れた物資を手放したくはないと言う欲が働いたのだろう。その気持ちは判らないでもない。

 

 しかしスパイラルデスティニーは、そしてレミリア・バニッシュと言う稀代のエースパイロットは、片手間で相手にできる程、安い存在ではなかった。

 

 吐き出される砲火を、虚像を交えた機動で回避してのけるレミリア。

 

 精度の荒い砲撃は、スパイラルデスティニーを掠める事すら不可能である。

 

 レミリアは焦る宇宙解放戦線のメンバーを冷静な眼差しで見据えると、背中の翼から合計8基のアサルトドラグーンを射出した。

 

 慌てたように砲火を強めようとする宇宙解放戦線。

 

 しかし、

 

「遅いッ」

 

 レミリアの叫びと共に、アサルトドラグーンは前線部隊を飛び越えて、後方でシャトルの護衛についている部隊に襲い掛かった。

 

 8基のドラグーンから吐き出される40門の閃光。

 

 それは、シャトルを含めて彼ら全員を殲滅するのに十分すぎる火力だった。

 

 仲間達が操る機体が一瞬で全滅しただけでなく、折角奪ったシャトルまで、中身の物資事破壊されてしまった。

 

 怒りに震える宇宙解放戦線の、残りのメンバー達。

 

 だが、彼等が怒りの矛先を向けようとした時には既に、堕天使の少女は攻撃態勢を終えていた。

 

「これで、終わり!!」

 

 レミリアが叫ぶと同時に、全武装を展開するスパイラルデスティニー。

 

 両手のビームライフル、肩のバラエーナ改3連装プラズマ収束砲、腰のクスィフィアス改連装レールガン、そして8基のアサルトドラグーン。

 

 吐き出される52連装フルバースト。

 

 それは、一切の慈悲も、抵抗も許さない、凶悪な閃光。

 

 宇宙解放戦線を名乗る海賊たちは、その無慈悲の光を前にして、ただ己の運命が呑み込まれていくのを見守る事しかできなかった。

 

 全てを飲み込み、静寂を取り戻した深淵。

 

 そんな中にあって、スパイラルデスティニーはただ1機、佇んでいる。

 

 展開していたアサルトドラグーンを引き戻すと、翼にマウントする。

 

 周囲には、数秒前までモビルスーツだった残骸が浮遊しているのみ。

 

 レミリアはそれらを一瞥し、

 

 そして何の感慨も湧かさずに、踵を返した。

 

「・・・・・・帰ろう。お姉ちゃんが待ってる」

 

 レミリアの静かな呟きと共に、深紅の翼を広げるスパイラルデスティニー。

 

 そのコックピット内では、レミリアの好きなラクス・クラインの曲が掛けられている。

 

 今は亡き歌姫の声を聞いているだけで、戦闘で荒んだレミリアの心は癒やされていくようである。

 

 歌声に乗って、深紅の翼を持つ堕天使はゆっくりと飛翔する。

 

 その姿はやがて、深淵の彼方に溶けて消えて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのコロニーは、他のいかなるプラント群からも離れた場所に建設されていた。

 

 プラントを構成する所謂「砂時計型」が主流となっている昨今において、古めかしい「円筒型」の外見をしたコロニーは、その孤独性と相まって、どこか不気味な印象を見る者に与える。

 

 コロニー「コキュートス」

 

 聖書にある地獄の最深部に位置し、神に逆らった者達を生きたまま永遠に氷漬けにして苦しみを与えると言う恐ろしい場所の名を冠したこのコロニーからは、一切の希望を見出す事ができず、ただただ深い絶望のみが口を開けているようだった。

 

 このコキュートスは反プラント思想を掲げる活動家や、逮捕したテロリスト達を収容する為の物であり、その存在は一般には一切知らされていない。また、通常の航路からも大きく外れている事から、偶発的に発見される可能性も極めて低いと言える。

 

 ごく稀に、航路計算を誤ったシャトルや一般船籍の輸送船が付近を航行し、コロニーの発見に至ってしまうケースは存在する。

 

 しかし、そう言ったシャトルや輸送船は例外なく、翌日のニュースに置いて「事故で沈没」と言う報道が成される事になる。勿論その後、船やクルーが発見される事は絶対にありえない。

 

 真実は永久に闇に葬られたまま、誰に知られる事も無く消え去って行く事になる。

 

 このコロニーに収容された者達は、二度と外には出られない。まるで魔物の腹に飲み込まれたように姿を消してしまう。

 

 コキュートスの名は、決して伊達ではなかった。

 

 そのコキュートスの港口に、1隻の大型戦艦が入港していく。

 

 かつてのミネルバ級戦艦をベースにしたと思われるその戦艦は、全身を純白に染め上げ、甲板には多数の砲塔を備えてる。

 

 オリュンポス級の愛称で呼ばれるこのクラスの戦艦は、ディバイン・セイバーズが専属運用する戦艦であり、全中隊に1隻ずつ配備され、全部で12隻就役している。

 

 コキュートスに入港しようとしているのは、その内の3番艦に当たるアテナとなる。

 

 クーヤ・シルスカは艦を港に停泊させると、その足でコロニー統括本部へと向かった。

 

 執務室に入ると、踵を揃えてザフト式の敬礼を行う。

 

「失礼いたします。ディバイン・セイバーズ第4戦隊長クーヤ・シルスカであります。この度は本艦への補給を許可していただき、誠にありがとうございます」

 

 部屋の中は、およそ収容所の執務室とは思えない豪奢な物だった。

 

 壁一面に装飾が施され、家具は全て一流のオーダーメイド。調度品も年代物の逸品ばかりが、これでもかと飾られている。

 

 ただ、世代や国籍はバラバラで趣味が良いとはとても言えない。むしろ、部屋の主の悪趣味振りを垣間見たような気がして、クーヤは気付かれない程度に顔を顰めた。

 

 その主はと言えば、開け放たれた窓から続くバルコニーの縁に立ち、何やらライフルを構えてスコープを覗いているのが見える。

 

 いったい、何を?

 

 そう思って近づいたクーヤが見た物は、広い庭の中を逃げるように駆けていく2人の男だった。

 

 恐らく収容されている囚人と思われる男達は、必死の形相で自分達の運命から逃れようとしている。

 

 しかし、彼等の努力は無駄だった。

 

 庭は高さ5メートル以上の壁で覆われており、とても逃げ切れるものではない。更に、獰猛な狩猟犬が複数放たれており、徐々に壁際へと追い詰められていく。

 

 やがて、動きが止まったところで、ライフル立て続けに火を噴いた。

 

 眉間と胸。それぞれを撃ち抜かれて、男達は庭に崩れ落ちる。

 

 その様子を、クーヤは何の感慨も湧く事無く見つめている。

 

 やがて、ライフルを持った男はクーヤの方に振り返った。

 

「いや、お待たせしました。何しろ、日々の激務をこなすには、こうしてストレスを解消する必要がありますからな」

 

 そう言って、ヘラヘラとした笑みをクーヤに向ける所長に対し、クーヤは僅かに眉をしかめる。

 

 別にこの男のストレス解消法にとやかく言う気は無いし、殺された男も元々不穏分子だ。死んでくれて感謝こそすれ、悼む気持ちはまつ毛の先程も無い。

 

 しかし、こんな辺境の収容コロニーの所長などと言う暇なポストにいる人物が「激務」などと言う言葉を軽々しく口にする事が非常に癇に障るのだった。

 

 こうしている今も、ディバイン・セイバーズやザフト軍の者達は最前線に立って戦っているし、クーヤ自身、辺境部の不穏分子掃討を終えて帰投する途中である。

 

 収容コロニーは保安部の所属だが、その保安局にしたって、不穏分子狩りに活躍している。少なくとも目の前の肥満体男よりは忙しいはずだ。

 

 そんな暇人が、暇な仕事をさも大儀そうに語るのには多大な不快感を感じずにはいられなかった。

 

 とは言え、それを指摘する権限はクーヤには無い。所属が違う以上、この男の怠惰な仕事ぶりも、黙って見ている事しかできないのだ。

 

 クーヤの目の前にいる肥満体男。この収容コロニー・コキュートスの所長を務めるのは、デニス・ハウエル。

 

 かつてはザフト北米派遣軍の総司令官を務め、あの第1次フロリダ会戦における大敗を招いた指揮官である。

 

 あの戦いの後、一時的に閑職に追いやられたハウエルだったが、独自のコネを使って復権を果たし、今はこうして保安局所属となり、収容コロニーの所長の座に収まっている。

 

 収容コロニーの所長と言うのは、実のところかなり「おいしい」ポストである。

 

 何しろコロニー自体が戦線よりも後方に存在する為、敵と戦う機会は全くない。当然ながら命の危険に晒される事は殆ど無い。加えて先述したとおり、日々の業務も簡単な事務決済ばかりで簡単。それでいて高給取りと来ては、ある意味で理想的な職業と言えるだろう。

 

 しいて心配事があるとすれば、収容している囚人たちが反乱を起こす可能性だが、そうした不測の事態に備えて保安局の行動隊も駐留している為、不安は無かった。

 

 もともとグルック派で、政府上層にもコネがあったハウエルは、北米での敗戦の責任を全て、参謀長だったディアッカ・エルスマンに押し付けて、こうして返り咲いたわけである。

 

「補給の件は了承した。必要な物は何でも持って言ってくれて構わんよ」

「感謝します」

 

 鷹揚なハウエルの言葉に、クーヤは低い声で応じる。

 

 ハッキリ言って、一緒の部屋で共に空気を吸っていると言うだけで不愉快になってくる。こんな人間が、同じプラント所属かと思うと唾棄したくなる心境だった。

 

 そんなクーヤの葛藤など知らぬげに、ハウエルは火をつけた葉巻をくゆらせながら、揶揄するように言う。

 

「しかし、議長親衛隊と言えば聞こえは良いかもしれないが、新設の部隊も大変だね。あちこちの戦場に駆り出されるとは。同情するよ。まあ、せいぜい死なないように頑張ってくれたまえ」

「・・・・・・・・・・・・補給は感謝します。失礼しました」

 

 もうこれ以上、一秒たりとも、この男と共にいるのは耐えられない。

 

 そう思ったクーヤは、もう一度敬礼をして踵を返す。

 

 ちょうどその時だった。

 

 扉が開き、数人の兵士が室内に入ってくるのが見えた。

 

 その様子に、クーヤは訝る。なぜなら、男達に囲まれるように、1人の少女が硬い表情のまま歩いてきているのだ。

 

 あれは確か・・・・・・

 

 クーヤが、その少女に想いを巡らせようとした時、耳障りなダミ声によって思考を断ち切られた。

 

「おお、よく来たなッ ささ、こっちに来るのだ!!」

 

 そう言うと、ハウエルは少女の手を取って招きよせる。

 

 その様子を後ろに見ながら、クーヤは部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ズキズキと痛む頭を押さえ、闇の中で顔を上げる。

 

 まったく、手加減無しでやってくれたものだ。荒事から長く遠ざかった身としては、かなり辛い。

 

 どうにか身を起こし、楽な姿勢を取る。

 

「・・・・・・取りあえずは、成功かな」

 

 頭を押さえながら、ニコルは痛みを堪えて呟く。

 

 捕まる時、兵士に殴られた頭はまだ痛みを発している。後遺症が出ないかどうか心配だったが、今は気にしても仕方がない。

 

 船が動いていないところを見ると、どうやら目的地に到着した事は間違いないらしい。

 

 作戦の第一段階は成功と言うところだろう。

 

「さて、この次は・・・・・・・・・・・・」

 

 言いかけた時、入り口で電子音が響き、扉がスライドする。

 

 差し込んで来た光に目を細めると、保安局員の服を着た人物が入ってくるのが見えた。

 

「悪いな、遅くなっちまって」

「いえ、時間通りですよ」

 

 そう言って手を差し出すと、兵士はニコルの手首に掛けられた手錠を外し、サブアームの銃を手渡す。

 

 トール・ケーニッヒは、ニコルの手を取って立ち上がらせる。

 

 ニコル・アマルフィ、そしてトール・ケーニッヒ彼等は二人とも、ターミナルに所属する諜報部員である。

 

 元々は亡きラクス・クラインが運営していた秘密情報組織ターミナルだったが、彼女の死後、活動を再開していた。

 

 目的は昨今、専横著しいグルック派に対する情報工作、及び同盟組織の支援となる。

 

 もしグルック政権下のプラントが、これまで通りのクライン派と同様の平和維持路線を貫くなら、ターミナルが動く事は無かった。恐らく歴史の闇の中にひっそりと埋もれ、そして消えて行った事だろう。

 

 しかし、グルックはそれまでの政策をかなぐり捨て、膨張と戦線拡大を行った。

 

 大西洋連邦の崩壊によって地球連合の勢力は大きく後退し、今やオーブも積年の力を失っている。

 

 このまま行けば世界はアンブレアス・グルックをはじめとした一部の特権的な者達によって運営されたプラントが、支配される世界になってしまう。否、それだけならまだしも、最悪の場合、強引な膨張を続けるプラントは、世界中を敵に回して孤立してしまう事も考えられる。

 

 そんな絶望的な未来を回避する為に、ターミナルは立ち上がる事を決断したのだ。

 

 元々、ラクスが長年かけて築き上げた情報網は健在である。更にターミナル独自の戦力拡充も行われつつある。

 

 グルック派と対決する姿勢は、着々と整いつつあった

 

 そのターミナルにとって、収容コロニーの特定と囚人の解放は急務だった。

 

 保安局が反プラント思想を持つ者達を逮捕し、隔離されたコロニーへ幽閉しているのは前から言われていた事だが、彼等を解放して自陣営に加える事ができれば、大きな前進になる事は間違いなかった。

 

 その為、「ニコル・アマルフィは反プラント思想の持ち主である」と言う情報を故意に流し、保安局の動きを誘導したのだ。

 

 作戦ではニコルがわざと逮捕されると同時に、一般客として潜んでいたトールが敵の護送船に乗り込む手はずになっていた。

 

 だが、ここで予想外のアクシデントが起こった。

 

 いったいどこで情報を取り違えたのか、保安局はニコルではなく、同乗していたミーアと、娘のヘルガに容疑を掛けて逮捕してしまったのだ。

 

 とっさのニコルの機転で潜入自体は成功したものの、キャンベル母娘を巻き込んでしまったのは、完璧な失態だった。

 

「とにかく、僕達も動きましょう。2人の身が心配です」

「だなッ」

 

 頷き合うと、ニコルとトールは足早に駆けだす。

 

「とは言え・・・・・・・・・・・・」

 

 トールは駆けながら呟きを漏らす。

 

 間も無く「向こう」も行動を開始するはず。その為に彼の妻が動いてくれているのだから。

 

 予定通りに事が運べば、現在の状況をひっくり返す事は充分可能なはずだった。

 

 

 

 

 

 アテナの艦内を歩きながらクーヤは、先程の執務室で見た少女が、プラントでも人気の高い新進気鋭のアイドル歌手、ヘルガ・キャンベルである事を思い出した。

 

 顔を見た時にピンと来なかったのは、クーヤが芸能活動に全くと言って良いほど興味が無いからである。それでもヘルガの顔くらいは知っていた訳だが。

 

 クーヤに言わせれば、芸能人などと言う存在は所詮、浮かれた大衆に媚を売って金儲けする娼婦みたいな存在だと思っている。今ある平和は誰が守っているかも考えようともせず、また、議長が描いている崇高な構想を考えようともせず、ただへらへらと笑ってテレビに出ている気楽な連中だ。

 

 ましてか、ヘルガ・キャンベルがここにいる理由も、クーヤには想像がついていた。

 

 こんな辺境の収容コロニーに一般人の、それも芸能人がいる理由などただ一つ。不穏分子として逮捕されたのだ。

 

 まったく、唾棄すべきとはこの事だった。ヘルガ・キャンベルは芸能人として大衆に媚売る裏で、反プラント活動を行っていたのだ。

 

 これは、とんでもない裏切り行為である。多くの国民が彼女の裏切りを知れば悲しむ事だろう。

 

 同時にクーヤは、戦慄にも似た恐怖を感じていた。

 

 ヘルガ・キャンベルはプラント内はおろか、外国にまで名の知られ始めているVIPである。彼女がもし、その知名度を最大限に生かして反プラントの煽動活動を展開すれば、多くの支持者を得る事も難しい話ではない。

 

 嘆かわしい話だが、世界は未だに統一されたとは言い難く、プラントの統治を受け付けない勢力も多い。それらの勢力を糾合するのに、ヘルガ・キャンベルの存在は格好の宣伝材料になるだろう。彼女に政治的知識があるかどうかなどは関係ない。彼女の存在そのものが一つのカリスマとなり、大きなうねりを生む可能性は充分に有り得る事だ。

 

 そう言う意味で、ヘルガ・キャンベルを早期に逮捕、収監できたことは大きかった。

 

 彼女はアイドル歌手と言う栄光の座から引きずりおろされ、これから一生涯、この収容コロニーの中で過ごし、朽ち果てて行く事になる。

 

 だが、それは自業自得と言う物だ。全て、彼女の愚かさが招いた事なのだから。

 

 ヘルガの事に対して結論付けたクーヤは、そのまま自室へと向かう。

 

 と、

 

「ヤッホー クーヤ!!」

「わッ!?」

 

 突然、背後から抱きつかれてつんのめる。

 

 見れば、同僚の女性が満面の笑顔と共に、クーヤの小柄な体を抱きしめていた。

 

「カレン、苦しいんだけど?」

「あ、ごめーん。抱き締めやすいから、つい」

 

 背中に当たる豊満な感触にうんざりしつつ、クーヤはカレンと呼んだ女性を引き剥がす。

 

 カレンの背後からは、金髪を逆立てた大柄な男性と、それより小柄で、眼鏡をかけた鋭い眼差しの男性が歩いて来るのが見える。

 

「お前等、相変わらず阿呆な漫才やってんじゃねえよ」

「頼むから、他のみんなに迷惑だけは掛けてくれるなよ」

 

 フェルド・マーキスにがやれやれと肩を竦めると、どれに同意とばかりに、眼鏡をけかた青年、イレス・フレイドが小さく頷きを返す。

 

 クーヤ、カレン、フェルド、イレス。この4人がアテナ隊に所属するモビルスーツ隊の中で、特に精鋭班を構成する4人である。

 

 その実力はプラント軍の中でもトップと称して良く、この4人が集まれば小国くらいなら軽く滅ぼせると言われる程の戦闘力を有していると言われている。

 

 文字通り、1人が一軍にも匹敵する実力者達である。

 

「つーかよ・・・・・・」

 

 フェルドがうんざりした調子で肩を竦めて言う。

 

「俺達って、いつまでここに居なくちゃいけない訳? こんな辛気臭ェ所、早いとこ出て行きてェよ」

「贅沢言わない。補給が完了しないと、帰る足も無いでしょうが」

 

 フェルドを窘めるカレン。そのまま性懲りも無くクーヤを抱きしめようとするが、今度は逃げられてしまう。

 

 実際の話、カレン自身、内心はフェルドと同意見である。

 

 反政府勢力の掃討に時間がかかりすぎ、帰路の補給が乏しくなったせいで、コキュートスなどに立ち寄る羽目に陥ったが、誰も好き好んで、このような不気味な場所に来たいとは思わないだろう。

 

 このコロニーからは何か、得体の知れない空気を感じずにはいられない。

 

 コキュートスは不穏分子を収容するコロニーであり、日常的に囚人の「処刑」も行われている。実際、執務室でクーヤが見たように、所長の趣味で殺される者さえいる。

 

 そうでなくても、劣悪な環境によって命を落とす者も少なくないと言う。

 

 そうして死んでいった者達の怨念が、コロニー内に充満しているように思えてくる。

 

 バカバカしいと思いつつも、そんな非科学的な考えが頭によぎってしまうのだった。

 

「心配しなくても、補給が終わればとっとと出て行くわよ」

 

 答えたのはクーヤだった。

 

 彼女自身、ここに収容されている囚人たちに同乗する気は微塵も無いが、あまり長居したくないと言う意見には同意だった。

 

 とは言え、その想いはカレンやフェルドとは異なる。

 

 クーヤは別に、このコロニーの雰囲気が嫌で出て行きたいと言っている訳ではない。

 

 こうして自分達が足踏みをしている内にも、前線では何かしらの動きがあってもおかしくは無い。

 

 世界の平和を守るのは自分達である事を自負するクーヤにとって、このような辺境で足踏みをさせられる事には我慢ならない。

 

 一刻も早く戦場に戻り、アンブレアス・グルック議長の目指す世界の構築に役立ちたいと、クーヤは願うのだった。

 

 

 

 

 

 その頃、執務室ではハウエルが、ご満悦な様子で自分の隣に座っている少女を舐めるように眺めていた。

 

 ヘルガ・キャンベル。世界的にも有名なアイドル歌手で、プラント内でも多くのファンを持つ少女。

 

 歌がうまく、テレビに出ている時は活発さを前面に出すキャラクター性で人気を博している。何より美人と来れば、人気が出て当然だった。

 

 かく言うハウエル自身もヘルガファンの一人である。

 

 そのヘルガが逮捕され、このコキュートスに送られてくると知った時は文字通り小躍りした物である。

 

 彼女が来たら何をしようか、と想像を膨らませるだけで落ち着かない気分になった物である。

 

 そして念願かなって今、「生ヘルガ」が目の前にいる。これで興奮するな、と言う方が無理であろう。

 

「さあさ、恥ずかしがってないで、こっちに来たまえ。なに、安心して良いよ、悪いようにはしないから」

 

 そう言って、鼻息も荒くヘルガににじり寄って行く。

 

 控えめに言っても危ない人物にしか見えない。どう見ても「安心」などできるはずも無かった。

 

 そのハウエルの手が、ヘルガの白く美しい手を取ろうとした。

 

 次の瞬間、

 

「触らないでよ、この変態!!」

 

 甲高い罵声と共に、ヘルガはハウエルの手を振り払う。

 

 そのヘルガの様子に、一瞬動きを止めるハウエル。しかしすぐに、笑みを見せて再びにじり寄る。

 

「おうおう、元気があって良いね~ けど、少しは素直になる事も大切だよ」

 

 そう言うと、強引にヘルガの方に掴み掛る。

 

「嫌ッ 離して!! 離せって言ってんのよ!!」

 

 渾身の力でハウエルの手を振りほどくと、ヘルガはキッと睨み付ける。

 

「息が臭いのよッ このブタジジィ!! あたしの300キロ以内に近付かないでッ 空気が腐るから!!」

 

 とんでもない罵声を浴びせてくる。

 

 そこには、テレビで見るような活発な印象は微塵も見受けられない。否、活発は活発なのだろうが、どちらかと言えば「高飛車」と称した方が合っている。

 

「何で、あたしがこんな所に来なくちゃいけないのよ!? 仕事の予定だってたくさん詰まっているのに、これじゃあ、スケジュールが滅茶苦茶じゃないの!! ママはどこ!? いい加減あたし達を帰してよ!!」

 

 勢いに任せてまくし立てるヘルガに、ハウエルは呆然として見やっている。

 

 彼ならずとも、ファンが見ればあまりにもイメージと違うアイドルの「実像」に、ショックを受ける事は請け負いだった。

 

「とにかく、帰らせてもらうからねッ こんな所にこれ以上いるなんてまっぴらよ!!」

 

 そう言って立ち上がり、出て行こうとするヘルガ。

 

 だが、ハウエルは少女の腕を強引に掴んで引き留める。

 

「何よッ いい加減に・・・・・・」

 

 言いかけたヘルガ。

 

 その頬を、ハウエルは平手で張り飛ばす。

 

「あッ!?」

 

 床に這いつくばるヘルガ。

 

 顔が命のアイドルにとって、その顔を殴りつけられる事は致命傷を受けるに等しい。

 

 抗議しようと顔を上げた時、腹を思いっきり蹴り飛ばされる。

 

「グッ!?」

 

 胃の内容物が逆流しそうな感覚に襲われながら、ヘルガは今度こそ床に取れ伏す。

 

「人が優しくしてりゃ付け上がりやがって、この雌豚がァ!!」

 

 ハウエルは、ヘルガの髪を掴むと、強引に顔を上げさせる。

 

「い、痛い・・・・・・離して・・・・・・」

 

 涙目になったヘルガが抗議するが、ハウエルは手の力を緩めようとしない。

 

 それまで曲がりなりにも保っていた「紳士」としての仮面をかなぐり捨て、倒れたヘルガを下卑た目で見据えている。

 

「大人しく言う事聞いてりゃ、愛人にしてやるくらいの事は考えていたのにな。そっちがその気なら、こっちにだって考えがあるんだよ」

 

 凄味を効かせたハウエル。

 

 それに対してヘルガは、今まで感じた事が無いような恐怖感に捕らわれ、震える事しかできないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コロニーの周囲を警戒するように飛翔していた数機のハウンドドーガが、突然、砲撃を浴びて吹き飛ばされた。

 

 一体何が起こったのか?

 

 閃光が迸るたび、保安局員たちに動揺が走って行く。

 

 更に、容赦ない砲撃は続く。

 

 武装やメインカメラを失った機体が、何事が起きたのか判らないうちに漂流する中、

 

 青い12枚の翼が虚空の中で雄々しく羽ばたいた。

 

 接近と同時に抜刀される光刃。

 

 保安局の機体は迎え撃つべく、ビームトマホークに手を掛けるが、その動きは欠伸が出る程に遅い。

 

 翻る剣閃。

 

 すれ違う一瞬で、瞬く間に3機のハウンドドーガが頭部や手足を斬り飛ばされた。

 

 敵襲。

 

 状況を認識した保安局は、直ちに迎撃の行動を取ろうとする。

 

 しかし、そこへ今度は深紅の甲冑が躍り込み、反転しようとしたハウンドドーガを、次々と斬り捨てていく。

 

 切り離したリフターが、最適な位置に着いて砲撃を行い、深紅の機体を掩護する。

 

 ヒカルのエターナルフリーダムと、アステルのギルティジャスティスが、保安局の部隊を片っ端から蹴散らしていく。

 

 保安局の部隊も反撃を行うが、地球圏でも最強クラスの性能を誇る2機を相手にしては、所詮は蟷螂の斧でしかなかった。

 

 保安局部隊の掃討を終えたヒカルとアステルは、そのままコキュートスコロニーへと向かっていく。

 

「まさか、こんな所にコロニーがあったとは・・・・・・」

《だからこそ、と言うべきだろうな。巨大な監獄としては充分すぎるくらいだ》

 

 ヒカルの呟きにアステルは、珍しく苦い口調で答える。

 

 かつては北米統一戦線としてプラントと戦ったアステルは、多くの仲間を失っている。その際、逮捕された者達はこのコキュートスに連行された可能性が高い。そう考えると、心穏やかではいられないだろう。

 

 ターミナルからの情報により、このコキュートスコロニーの存在を知った大和隊は、そこに収容されている囚人たちを解放するための作戦行動を行ったのだ。

 

 まず、足の速い2機、エターナルフリーダムとギルティジャスティスが先行して敵戦力を減殺。更に大和を中心とする本隊が突入を図る。と言うのが作戦の骨子だった。

 

 作戦支援にはターミナルが当たる事になっている。既に工作員がコロニー内に潜入すると同時に、解放した囚人輸送用のシャトルも手配済みであるらしい。

 

 大和隊の任務は、コロニーに駐留する敵戦力を掃討する事である。

 

 コキュートス駐留の戦力は、それほど強力では無い。と言うのが自由オーブ軍側の考えであった。このような一般航路から大きく外れた辺境にあり、敵襲の心配がほとんどない場所に、精鋭を配置しているとは思えない。せいぜいが、暴徒鎮圧用の部隊くらいだろう。

 

 もしプラント本国に救援要請が走ったとしても、実際にコキュートスに敵が殺到してくるまでには数日のタイムラグがあると予想される。その頃には、自由オーブ軍もターミナルも撤収を終えている、と言う訳だった。

 

 その目論みは的中した。

 

 突如、奇襲を仕掛けてきたエターナルフリーダムとギルティジャスティスに対し、駐留している保安局部隊もただちにモビルスーツ隊を発進させて迎撃行動に移ろうとしている。

 

 しかし、その動きはいかにも緩慢だった。奇襲を受けた混乱もあるだろうが、未だに陣形構築すらできていない有様である。

 

 対して、地球圏屈指の戦闘力を誇るヒカルとアステルは素早く散開すると、ふらつくような動きで向かってくる保安局の機体に容赦なく攻撃を浴びせる。

 

 エターナルフリーダムの砲撃を浴びたゲルググは手足を吹き飛ばされて行動不能に陥る。

 

 その砲撃を掻い潜り、テンペスト対艦刀を構えたグフが迫るが、ヒカルはそれよりも速く機体を接近させると、すれ違いざまに振るったビームサーベルでグフの頭部を斬り飛ばした。

 

 接近戦型の機体を操るアステルは、ヒカルよりも先行する形で敵へと接近すると、砲火を回避しつつリフターを分離させる。

 

 慌てた保安局員は、ジャスティス本体とリフターのどちらに砲撃をすればいいのか、一瞬迷ってしまう。

 

 その動きを鋭い眼差しで見据えたアステルは、身軽になった機体を躊躇無く飛び込ませた。

 

 掩護位置に着いたリフターが砲撃によってハウンドドーガを吹き飛ばすと、更にアステルはジャスティス本体を駆って斬り込み、両手に構えたビームサーベルでハウンドドーガ2機を一撃で斬り捨てた。

 

 踊る爆炎を背に、アステルはたじろく保安局の機体を睨み付ける。

 

 元々、対モビルスーツ戦闘のノウハウが低い保安局だが、ここに配属されている部隊は、それに輪を掛けて弱卒である。殆ど、二線級以下と言って良いだろう。

 

 このままなら、2人だけでも敵の全部隊を制圧できそうな勢いである。

 

 だが、そうはならない事は、すぐに判明する。

 

 ヒカルがハウンドドーガ1機をティルフィングで斬り捨てた時だった。

 

《前方から接近する機影あり。速いぞ》

 

 警戒するようなアステルの言葉に、ハッとして機体を振り返らせる。

 

 そこには、虚空に白い翼を羽ばたかせ、急速に接近してくる一団があった。

 

 その視界の先には、おっとり刀と言った調子で駆けつけてくる一団が見て取れた。

 

 確かに、アステルの言うとおり、かなりのスピードでこちらに向かって来ている。

 どうやら、油断できる相手ではないらしい。

 

 ヒカルの中の警戒心は、一気にレベルを上げた。

 

 

 

 

 

PHASE-07「獄門の巣穴」      終わり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自由オーブ軍がコキュートス・コロニーへ襲撃を掛けている頃、ターミナルが運営する拠点の一角では、驚愕すべき情報が齎されていた。

 

「これは本当なんですか!?」

《ああ、間違いない。確かな筋から得た情報だ》

 

 報告を受け、青年は臍を噛みたくなるような思いに捕らわれた。

 

 握り締めた拳に、自然と力が入る。

 

 目の前にあるモニターに映し出された報告には、絶望が形を取って書き記されていた。

 

『《レニエント》稼働を確認。照準・・・・・・・・・・・・』

 

 無言のまま、拳を叩き付ける。

 

 状況は最悪。既に自由オーブ軍は作戦行動を開始し、その支援の為にターミナルも動いている。

 

 今から作戦を中止する事はできないし、そもそも、その連絡手段が無い。

 

 どうする・・・・・・・・・・・・

 

 思考は鋭く回転し、現時点で取り得る手段を模索していく。

 

 ターミナルが直接動かせる戦力は、決して多くは無い。その中でもすぐに動かせる物で、状況を変えるとすれば、手段は限られてくる。

 

 青年は、自分に寄り添うようにして、心配そうな顔を向けてくる少女を、そっと抱き寄せる。

 

「・・・・・・行こう」

 

 短く告げると、少女も頷きを返した。

 

 長く連れ添ってきた2人の間に、長ったらしい言葉は必要無い。互いが互いの想いを受け止め、汲み取る事ができるのだから。

 

 2人は駆け出す。

 

 今度こそ、守りたい者全てを守る為に。

 




人物設定

ミリアリア・ケーニッヒ
ナチュラル
40歳      女

備考
フリーカメラマンをしている女性で、快活な性格。かつては軍に所属していた時期もあり、その為か度胸も据わっている。その仕事の傍ら、ターミナルの構成員も務めており、主に情報収集等の面で活躍している。





トール・ケーニッヒ
ナチュラル
40歳      男

備考
ミリアリアの夫で、職業はフリーのジャーナリスト。人一倍の行動力と責任感を併せ持ち、更に仲間思い。妻と同じくターミナルに所属している。モビルスーツの操縦もこなせるが、主な役割は情報収集にある。




クーヤ・シルスカ
コーディネイター
20歳      女

備考
ディバインセイバーズに所属する少女。高い戦闘能力を誇っており、プラント三軍の中では最強とも目されている。同時にプラントと、最高議長であるアンブレアス・グルックに高い忠誠を誓っており、グルックの理想を妨げようとする者を容赦なく斬り捨てる強い意志を持っている。




カレン・トレイシア
コーディネイター
20歳     女

備考
ディバインセイバーズアテナ隊所属のパイロットで、クーヤの同僚。どちらかと言えば固い性格のクーヤとは逆に、彼女はひどくフランクな性格の持ち主。何かと突っ込んでいく事が多いクーヤのフォロー役に回る事が多い。砲撃戦を得意とし、彼女の機体も、それに合わせて砲撃力が強化されている。





フェルド・マーキス
コーディネイター
21歳     男

備考
ディバイン・セイバーズのパイロット。クーヤの同僚。ややぶっきらぼうで粗野な印象を受けるが、その内実は仲間思い。喧嘩っ早く、それが戦いにも影響して、切り込み隊長を務める事が多い。





イレス・フレイド
コーディネイター
22歳      男

備考
クーヤ達の同僚で、仲間内では最年長。同時に計算高く落ち着いた性格で、事実上のリーダー格でもある。ドラグーン装備の機体を好み、緻密な計算で相手を追い詰めていく戦術を好む。

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