まず時間がかかってすいませんです。
この1月から3月はすこぶる仕事が忙しいので、なかなか書く時間が作れず一週間投稿が難しいかもしれません。
とりあえず出来たのを投稿です
朝早く、枕元で鳴る携帯の着信音で目を覚ました
「……んむ……、誰です?」
『おぉ、夕映君。朝からすまんのぅ』
「んんー……? 学園長……ですか? 何の用です、こんなに朝早く」
起き抜けで頭が働いてない
『いや、もう8時じゃぞ? 学校が休みじゃからと、教師が寝過ぎじゃないか?』
「気にしてはいけません。こちとらバイト気分です」
『そう言う事は間違っても生徒の前では言わんでくれよ? いろいろ示しがつかんぞぃ』
「分かってるです。それで、何の用なのです?」
余り反省の色がない
『まぁ、いいわい。実はの、君の事務所の工事が予定より早く終わってのぅ。もう全部使えるようになっとるから、いつでも帰ってよいぞと言いたかったんじゃ』
「おぉ、そうですか。わざわざありがとうございます………」
『フォッフォッ、構わんよ。じゃあ、予定通り領収書は学園名義で切るのを忘れんようにの、夕映君。……夕映君?』
返事がないのでどうしたのかと近右衛門が耳を澄ますと、すぅすぅと規則正しい寝息が聞こえて来た。どうやら話している途中で再度眠ってしまったようだ。
『夕映く~~ん、起きとくれ~~っ! ……ダメか。うーむ、美人の寝息は本来嬉しいものなんじゃが、これは何か違うのぅ……』
妙な事をボヤいて近右衛門が通話を切り、もう1度
寝惚け眼でチェックアウトした
「どうせなら公園で日光浴でもしますか……」
ぐうたらな
「……いい天気です」
空を見上げ、その青さに思わずそう呟いた
「んっ、くぅ〜〜〜〜っ! はぁ〜、太陽の光が心地いいです」
「………ふぅ、平和ですねぇ……」
「そんな風に言うと、何かの事件に巻き込まれますよ?
「和美さん、こんな所で何してるですか?」
「もちろんスクープ探しですよ。特ダネに休日はありませんからね。そういうセンセは………子供ウォッチングですか? センセ、いいんちょと同じ趣味?」
「誰がショタコンですか。ここは日当たりがいいですから日光浴してたんですよ」
つつつっと寄ってきて不審な事を言う和美のセリフにツッコミを入れてから、
「どもっ。っと、でもセンセ。さっきあの戯れる子供達をそれはそれは愛おしそうに見てたじゃないですか」
「そこまで熱心に見た憶えはないです。ですが、こうして楽しげに遊ぶ子供達を見ていると、平和だなぁと実感しますね」
「さっきも言いましたけど、そう言う事言うと変な事件に巻き込まれますよ。あれです、フラグって奴です」
「………それは勘弁して欲しいですね」
よくよく事件が集まって来て大変な思いをさせられ、今ここにいるのもその変な事件のせいである
「そうですかー? 退屈より全然いいと思いますけど。こう一大スペクタクルな状況とか憧れるじゃないですかー」
ウッヒャーと奇声を上げながら子供達に向けてシャッターを切る和美のセリフに、昔自分も似たような事を言ったなぁと、
「私も昔はそう思っていたですが、本当に巻き込まれた時はそんな事言ってられないですよ? むしろ、余所でやってくれと怒鳴りたくなるものです」
「なんか実感が込もってますね。やっぱり何かあったんですか?」
「以前ちょっとした理由である遺跡に行った時に妙なカップルに絡まれましてね。そのまま彼らの起こすトラブルに巻き込まれて最後には地元テロ組織を壊滅させる手伝いまでさせられたです」
「なんすかそれ……」
「そのカップルが起こしたトラブルって、どんな事だったんですか?」
「ん? ……そうですねぇ。例えば……」
それらを全部話そうとすると5分10分では終わらない上、なにげに大きな事件だったおかげで世界的ニュースにもなったので、下手に話すとそんなニュース見たこと無いと言われそうだ。これがニュースなど普段から見ていないまき絵などだったら誤魔化すのも簡単だが、和美は報道部所属というのもあって普段からよくニュースや新聞を見ているらしいのですぐに気付くだろう。嘘をついたと思われるのも癪なので、ニュースにならない小さな事件をいくつか話した方がいいかもしれない。
「あ……」
「ん? どうしま……っと!」
空を見上げながら
「すいませーーんっ!!」
そのボールを追って1人の子供が走ってやって来た。小学校高学年くらいのその少年は、
「あの、ボールすいませんでした!」
「別にいいですよ。怪我する訳でもないですし」
キュルルルっと指の上でボールを回しながらそう言う
「あらま……。うっかりです」
「パン持ってた手がボール持ってるなら、普通そうなりますよねー」
うんうんと頷く和美は笑うが、少年は青い顔をして何度も頭を下げた。
「あ、あのすいません、俺……、その、弁償します!」
「別にいいですよ、パンの一個や二個。それよりボールどうぞ」
パン一個でやたらと責任を感じている少年に
「おや、貴方……」
「な、なんですか?」
ボールを持った少年の顔を妙に熱心に見つめる
「センセっ。随分熱心ですけど、その子そんなに好みなんですか?」
「「へ?」」
和美のセリフに
「あ、あう?」
「何を言い出すですか……」
「やっぱいいんちょと同じ趣味なんですか?」
「何をアホな事を言い出すですか」
あうあうと変な声を上げて戸惑っている少年に気付き、ニコっと笑いかける
「あら、センセったら罪な女ですね。子供を惑わせるなんてっ!」
「あのですね……。まぁ、いいです」
どうせ何言っても変な解釈をするんだろうと諦め、
(ふぅむ……、こうして髪型を変えてみて確信が持てたです。まさか、この時期の影久さんに会うとは)
自分のアゴに手をやりこれも縁かと1人納得していると、和美が耳元に顔を寄せてきた。フニっと触れる胸の感触に気付き横を見ると、なにやら随分と楽しそうな和美がニッコリと笑って囁いてきた。
「センセ、なんなら私が連絡先とか聞いて上げましょうか? いえいえ、相手が子供だからと気にする事ないですって。何せ男の子! 早く経験した方が自慢になるもんですから、そうそう拒みませんよ?」
「アホですか」
変な事を囁く和美の顔を押して自分から離すと、
「あー、貴方。間違っていたらごめんなさい? 佐々木……影久さんと言うのでは?」
「へ? えぇ!? なんで名前がっ!?」
初対面のはずの
「私は綾瀬
「へ? 姉ちゃんの?」
「そうです。貴方の顔にまき絵さんの面影があったのでもしやと思ったですが、やはりそうだったようですね」
まき絵と言うより高校生になった影久の面影を見付けただけだが、それを言う訳にもいかず適当な理由を話して誤魔化す。
「驚かせてすいませんね。気になるとどうしてもすぐに確かめたくなる性格なものですから」
「い、いえ。別に俺は迷惑じゃ……」
「う、あ、あの! 俺、失礼します! パンすいませんでした!」
和美のせいで更に顔が赤くなった影久は、羞恥に耐えられなくなったのか勢い良く頭を下げたあと、ボールを抱えて走って行ってしまった。
「ニュフフフフッ! いやぁ、初心な少年ですねぇ」
「下手したらただの痴女ですよ、和美さん」
「いきなり手を出して自分好みの髪型に変えようとしたセンセほどではないですよ」
「別に好みの髪型にしようとした訳じゃないですが……」
単に自分の記憶にある影久の髪型に近付けて確認しようとしただけで、それ以上どうこうするつもりはなかった。しかし、そんな事情を知らない者から見たら、いきなり髪型を変えようとする変人でしかないという事に気付き、
「私はもう自宅に帰るですが、和美さんはどうします? なんなら招待しますが?」
「さっきの男の子の代わりに食べられちゃうのかしらー?」
「人肉って美味しいんですかね……」
「物理的に食われる!?」
ある種漫才のようなやりとりをしてから、和美は
「さっきの初心な少年がマキちゃんの弟だなんてよく知ってましたね? 本当に面影だけで気付いたんですか?」
「他にも声や雰囲気も判断材料でした。受け持つクラスの家族構成くらいは把握してますからね」
「おぉ、実習生とは思えないですね。顔に出ないだけで結構やる気があるんですね」
「まさか、バイト気分で居続ける訳にもいかないですしね」
「バイト気分だったんですか!?」
「おっと……」
慌てた様に手で口を押さえる
「んー……、センセの好みの男の子かぁ。今度マキちゃんに聴き込みしてみよう」
「違うと言ってるでしょうに……」
いつの間に撮ったのか、
「センセって、やっぱりこういう子が好みなんですか?」
「なんでそうなるですか……」
「えー? だって、すっごく熱心だったじゃないですか。わざわざ髪型まで直して上げるくらいですし……。ほら、見た目凄いラブっぷりですよ」
和美はグイーっとカメラの画面を押し付けるように見せるが、
「とんだ出費です」
「別にいろいろ話してくれるだけで良かったのに」
「そういうのじゃないと言っても聞かないじゃないですか」
「今までの恋のお話でもいいんですよ?」
「さぁ、ケーキを買って帰るですよ。食べまくって太るがいいです」
「どんだけ食べさせる気ですか!?」
傍目から見ると単なる友人同士に見える2人は、
もうちょっとジックリ書く方がいいかなぁ。何故か意図してなかった和美とのカップリングになってきたけど、どう夕映を引き込むか。もう魔法に気付かせるか、それともネギまSSらしく魔法事件に巻き込むか。
どうせならそういうの無しで、ほのぼのと行きたい所ではあるんだが………
でわ次回もよろしくです