お気に入り件数が730件超えました!
お読みいただけている皆様に御礼申し上げます!m(_ _)m
ありがとうございます!m(_ _)m
今後とも、お付き合いいただければ幸いです!(>_<)
一通り笑い、雰囲気が良くなったところで、唐突にマーチが立ち上がった。
「うっし! 潮干狩りもしたし、時間も丁度頃合いだ。セイド! あのクエ、片付けちまうぞ!」
その言葉で気付いたが、もう夕方が近かった。
景色だけを眺めていられるなら、とてもいい時間帯が近づいていると喜ぶこともできるのだが、意気込むマーチを見ると、私はあまり気分が乗らなかった。
「やっぱり……やるんですか?」
「ったりめえだ! おいアロマ! クエ行くから戻ってこい!」
マーチは、私たちのいる場所から少し離れた位置に座っていたアロマさんに声を掛けた。
いじけて体育座りのまま、砂浜に《の》の字を大量生産していたアロマさんは――
「クエ? なになに!? どんなクエ?!」
――マーチのその言葉で、瞬時に元気を取り戻し、転がるような勢いで私たちの元へと戻ってきた。
【クエスト、気になります】
マーチの言葉を聞いていたログさんも、クエストの内容が気になるようだ。
「ま、簡単に言えば、スロータークエストだ」
「……えぇ~……」
しかし、マーチのその一言を聞いた途端、アロマさんは口をへの字に曲げて不満げな声を漏らし、ログさんも表情を暗くして沈黙してしまった。
「おいおい、何だよ2人して」
「だってさぁ……スローター系って、面倒じゃん」
スロータークエスト――その名の通り、クエストで指定された特定の敵を何体~何十体、更に酷いものになれば、何百何千という数の敵を延々と倒し続ける《虐殺する》クエストの総称だ。
とても手間や時間がかかるため、クエストの中では苦手意識を持たれやすいタイプのものである。
アロマさんもログさんも、その例に漏れず、スロータークエストは苦手なようだった。
「そう言うなよ。お前が1番活躍できるクエストだぞ、アロマ」
「面倒じゃん、めんどー!めんど、めんど、めんど♪」
「雑魚がワラワラだ。無双だぞ、無双! アロマ無双。呂布もびっくりだ」
「……ほう……それは悪くない響きじゃのぅ」
「ばったばったと悪を斬る! その後には、お代官様に報酬も経験値も、たっぷりにございますよ」
「おぬしも悪じゃのう」
ふぉふぉふぉ、と、2人は高笑いで会話を締めくくり、戦闘準備に入った。
こういう説得の仕方は私には無理だ。
さすがマーチ、と苦笑いをする。
「これ終わったら、桜餅で休憩しようね~。熱いほうじ茶もあるし~」
ルイさんの一言が、さらにアロマさんのやる気を加速させたようで、何やら屈伸の様なものまで始める始末だった。
【私もがんばります】
ログさんも、そんな3人のやり取りを見て何やら気合を入れていた。
結局、クエストには全員参加という話でまとまった。
最後の最後まで渋っていたのは私だけだったが、多数決で押しきられた。
「うっし、んじゃ、はじめるか」
そして、私たちはクエストの開始位置である、浜辺の北端に佇む女性NPCの前までやってきたところだ。
「オッケ~」
「バッチコイ!」
【いつでもどうぞ】
マーチの掛け声に、各々の武器を構えてクエスト開始を待つ女性陣。
しかし、クエストが始まるその時も、この浜辺にいる限り水着以外の防具は装備できないため、その光景は中々に異様だ。
白ビキニ姿で鞭を振り回すルイさんとか、パレオを翻して動き回りながら両手剣を振り回すアロマさんとか、発展途上の体を惜しげも無く晒して戦鎚を振り回すログさんとか、想像するだけで目を覆いたくなる。
それに、レベル的には絶対安全と言い切れなくはないが、防御力的には、袋叩きに合うと、それ相応のダメージになり得る状況だ。
私は、何度目とも分からないため息を吐いた。
(あ~……本当に……このクエストはやりたくなかった……)
レベルや防御力など、この際、問題ではない。
DoRのメンバーなら、いくらでも対処できることだ。
だが、1番の問題は、このスローターでポップするモンスターの種類と、このクエストの背景となるストーリーと、ボスだ。
「……やりたくない……」
NPCの前で、私は1人愚痴をこぼした。
そんな私のぼやきなど聞こえていないように、私の後方でクエストの開始を待っているマーチは、早く始めろと喧しかった。
このクエストの恐ろしいところは、多数のラミアやマーメイドといった女性系モンスターが、銛や三叉槍を片手に持って、クエスト受注者の男性プレイヤーだけを執拗に狙ってくる、という点にある。
そして、マーチはクエストを
「ヒュゥ! 流石セイド! まだノーダメかよ!」
「セイちゃん、離れすぎないで! 鞭が届かなくなるよ!」
「アハハハハ! 女性に追いかけられて逃げ惑うセイドとか、激レア場面だ!」
――故に。
上半身が裸の女性系モンスターに追い回されるのは、受注者の私である。
「目のやり場に困る敵相手に、回避したり、連れ回したりっていうのは、かなり骨が折れるんですけどね!」
如何に《
私が相手にしているだけで常に30体はいるのだ。
私以外の4人は、私を狙ってくるモンスターを順に撃破していくだけなので、滅多なことではダメージは負わない。
時々、敵の集団が、同時に広範囲型の《剣技》を放ってくるのに気を付けていればいいくらいだ。
「笑ってないで、敵の撃破に集中して下さい!」
追いかけてくるモンスターの背景には、非常に惚れやすく嫉妬深いというボスがいるらしいのだが、このボスモンスター、出現するまでに倒さねばならないモンスターの数が、スローター系の中でも上位に入る、千体という数に設定されているらしい。
唯一の救いは、クエストを開始すると、千体倒しきるまでモンスターが大量にポップし続ける点だろうか。
これが、浜辺に疎らにしか存在しないモンスターを千体倒せ、というようなものだったら、1日や2日では終わらない可能性もある。
そうして千体倒しきると、ようやく、ボスであるセイレーン――上半身はこれまた裸の女性、下半身は鳥という姿のモンスター――が現れる、らしい。
このクエスト、未だにクリアされたという情報は上がっていないため、大量の雑魚モンスターがポップするところまでは確実なのだが、ボスの登場などに関しては、クエストの会話などからの予測である。
「ってか、撃破数、数えてるか?」
「数えていられませんよ! こんな状況で!」
マーチの台詞に、悲鳴に近い形で返した。
増える一方のモンスターを全て惹き付けているのだ。
数えるような、そんな余裕がある訳がない。
【今、233体です】
しかし、意外なことに、ログさんはキッチリ数えていたらしい。
「うお! 嬢ちゃん、スゲエな!」
「さっすがログたん!」
「じゃ~これで、235~!」
ログさんは他の3人に比べれば、敵を相手取る数が少ない。
戦闘職ではないので絶対に無理をしないように言ってあるし、基本的には離れた位置で見ているように指示もしてある。
だからこそ、数の把握も可能なのだろうが、それ以上に、ログさん個人の観察力や把握力が高い事もあるだろう。
普通に考えて、200を超える数を把握するのは難しいものだ。
「ログさん! 無理はしないで下さいね!」
私の呼びかけに、ログさんは1つ頷いて見せた。
今のやり取りの間にも撃破は続いている。
クエスト開始から約30分が経過しようとしている。
このペースを維持できれば、1時間以内にはボスが出てくるだろうか。
「……ボス……みたくないなぁ……」
何度考えても嫌な予感しかしない。
段々と、セイドを追い回している雑魚の数が減ってきた。
「やっとポップが収まったか」
ポップが収まるということは、今居る分を倒せばボス戦になるはずだ。
【今、984です】
ログのカウントも続いていたようだが、正直、900を超えても把握できているという事実に、度肝を抜かれた。
「すげえ嬢ちゃんだな……」
「ログっちも凄いけど~……セイちゃんも凄いよ~……」
俺の隣でルイが呆れたようにセイドを見ていた。
確かに、ログの状況把握力にも驚かされたが、セイドの回避能力の高さにも、改めて驚かされた。
回避に重点を置いていた分、セイドの攻撃の手数は確かに少なかったが、結局、クエ開始時から今に至るまで、セイドは1撃もダメージを受けていない。
セイドの二つ名が伊達じゃないことを実感させられる。
「ぅぉぉおりゃぁぁぁぁぁぁあああっ!!」
そんな俺の思考を遮ったのは、砂浜に轟いた咆哮だった。
気合一閃、両手剣で範囲型の技《グラトニー・デューク》を放ち、1撃で5体もの雑魚を屠ったのは、我らがトラブルメイカーにして、雑魚最多撃破数を誇るアロマだ。
「ロマたんも凄いよね~。あの勢いが衰えないんだから~」
アロマは、クエ開始直後から、相変わらず男勝りな掛け声を上げて敵を斬り飛ばしていた。
重量級の大型武器を軽々と扱うその姿は、水着であることも相まって、妙な色気を醸し出していたが、俺の嫁には遠く及ばない。
「やれやれ……これじゃ、俺たちが目立たんな」
「い~んじゃな~い? だってマーチん、目立ちたいわけじゃないでしょ~?」
そう言って、ルイは左手の鞭で動きを封じたラミアに、右手の片手棍の1撃を叩き込んでトドメを刺し、俺にウィンクを1つしてみせた。
「まーな」
俺も手近にいたマーメイドを3枚に下ろして、そのままセイドに目を向ける。
ここまでくれば回避と連れ回しを続ける必要も無く、セイドも体術で雑魚どもを叩き伏せていくところだった。
これでボスが出てくるだろう。
「ふむ……5時半か……思ったより早かったな」
クエスト開始から1時間ほどしか経っていない。
やはりこの面子で、この階層の雑魚の殲滅に本気で取りかかれば、こんなものかもしれない。
「いやぁ、スッキリしたぁ! ひっさしぶりに振り回したいだけ振り回した気がするよ!」
【アロマさん、後で武器のメンテに来て下さいね。あんなに使えば結構消耗しますから】
「ほほーぃ」
アロマとログも、俺たちの近くにやって来ていた。
残っている雑魚はセイドが相手をしている5体だけになっている。
「っしゃあ! いよいよボスのご登場ってわけだ!」
俺はクエの詳しい内容は聞いていないが、これが終わればボスが出てくるであろうとは聞いている。
「楽しみだね! さっきの貝は唐突過ぎて、楽しむ余裕なかったけど、今度は楽しみたい!」
アロマからも戦闘狂らしい台詞が飛び出す。
「セイちゃ~ん、終わる前に声かけて~」
【セイドさん、本当にノーダメージで、あの乱戦を潜り抜けました。凄すぎです】
ルイはいつも通り気軽に構え、ログはセイドに尊敬の眼差しを向けていた。
「……皆さん、先に言っておきますが」
が、ここまで来てセイドは、最後の1体を倒さずに、回避だけを続けてこちらに何か言ってきた。
「このクエストに手を出したことを後悔しないで下さいね……私の予測が外れていてくれることを祈るばかりですよ……」
「何言ってんだ! さっさと終わらせて、ボス行くぞ!」
「……はぁ~……仕方ないですね……」
俺の台詞にセイドはため息を吐き、最後の1体を蹴散らした。
「では……さっきのNPCの所まで行きましょうか……」
セイドは、敵を倒すと俺たちに合流するのではなく、クエ開始用のNPCの元へと歩き始めた。
【セイドさん、なんであんなに嫌そうなんでしょう?】
「さてなぁ……このクエの受注が男に限られてるのと何か関係があるのかね?」
「あ、男性限定なんだ?」
ログの疑問に、俺は答えになっていない答えをし、それを聞いたアロマが更に問いを重ねた。
「おう。男限定ってのは、このクエを受けれなかったアルゴの意見だな。ただ、他にもなんか条件があるみたいだ。俺は受けれなかったし」
「ん~? 要件が分かんないねぇ~」
「セイドの見立てだと、俺は結婚してるからダメで、アルゴは女だから、他の男プレイヤーはパーティーに女がいないから、とか言ってたな」
「ほえ? パーティーに女性がいるのが条件なの?」
「そうじゃねえか、って話だ」
そんな会話を交わしつつ、俺達もセイドに続いてクエ開始要件のNPCの所にまで辿り着く。
セイドはまだ話しかけていないようだ。
「……マーチ、お前も責任とって、このイベントしっかり見とけよ」
「はぁ? 責任ってなんだ? ってか、どんなイベントだってんだ?」
「見ればわかる……うぁぁ~……見たくない……」
そうぼやきながら、セイドは渋々、NPCに話しかけた。
このクエストのストーリーを聞けば、大概の人は怖がって逃げる気がする。
このNPCがおそらくボスなのだろうが、このクエストの受注条件からして、心胆寒からしめるものがある。
1つ。男性であること。
1つ。未婚であること。
1つ。パーティー内に女性がいること。
1つ。プレイヤーのレベルが55を超えていること。
1つ。先の4つの条件を満たしたプレイヤーがNPCの話を最後までしっかりと聞くこと。
――という、確認できただけでも5つの条件があった。
性別限定や未婚既婚の限定などは他のクエストにもあったが、それに加えて、パーティーメンバーに条件があったり、NPCの会話に対して、度々返事を返さねばならないなど、妙に手の込んだクエストだ。
そしてその意味が、NPCの会話を聞いていればわかる。
『どうして……? こんなに私が貴男のことを想っているのに。どうして私の愛を受け入れてくれないの!?』
顔を両手で覆い、嘆きとともに泣き崩れたNPCの台詞は、何とも寒気を感じさせる。
このNPC、いわゆる《ヤンデレ》という設定のようだ。
クエスト受注者に一目惚れ。だから、その受注者を殺して自分のモノにする、という理論を展開する。
パーティーメンバーに女性がいないと発生しない理由は、多分、嫉妬だろう。
ちなみに、既婚者に対して反応しないのは、このNPCなりの恋愛基準らしい。
なんにせよ、今、このNPCの差し向けたモンスター軍は全て退けられた。
ヤンデレNPCは、泣き崩れた体制のまま、更に怨嗟の言葉を紡ぎ続ける。
『貴男は、私の話を最後まで聞いてくれた。私を理解してくれた。本当の私を分かってくれたのは貴男だけ。私はもう貴男なしじゃ生きていけないの。だから、貴男にもそうなってほしいわ。他の女の子じゃない。私、無しじゃ、生きていけない貴男になってほしいの。だからだから、足も腕も切って、私の傍に置いておいてあげる。頭も斬り落として、私だけのことしか考えられなくしてあげる。どこにもいかないで、私だけを見て、私だけの声を聴いて、私だけを感じていればいいの。幸せでしょう? 素敵だって、思うでしょ……?』
寒気すら感じるような声音で、こんなセリフを長々と聞かされれば、誰だって嫌になるだろう。
それは私も同じで、そして一緒にこの台詞を聞くことができたこの場にいるパーティーメンバーも同じだ。
「ちょ! こええ! こええよ! 何だこのクエ!?」
「セ……セイちゃん……こんなクエだったの?」
「うーわー……ヤンデレじゃん……完全に頭がイッちゃってるよ……」
NPCから目を離すとクエスト失敗になる可能性がある――前半の会話対応の条件にそれが含まれていた――ので、見ることはできないが、おそらくマーチもルイさんもアロマさんも、皆1歩か2歩、もしくはそれ以上後ずさったのであろう音が聞こえた。
ログさんはテキストを打って来ない。
今の台詞を聞いて、震えているであろう様子が目に浮かぶようだ。
「だから、言ったじゃないですか……後悔しないように、と……」
自分の顔が引き攣っているのが分かる。
だからこのクエストはやりたくなかったのだ。
受けはしたが――受けるところまで進められてしまったのだが――クリアする気にならなかったのは、このNPCの性格によるところがほぼ全てだ。
そしてこのクエスト、受注してしまうと解除ができないという、何とも呪われた仕様になっていた。
だから放置という対応を取った。取らざるを得なかった。
通常のクエストは、リセットすることができる仕様なのに、このクエストにはそれが無かったわけだ。
などと考えていると、目の前でNPCが変化していく。
悲しげな嗚咽を漏らし、小さな肩を震わせながら泣いていた女性NPCは、突如乾いたような高笑いを始め、狂喜の様相を現し始める。
身体は徐々に禍々しい色へと変貌を遂げ、身体を収めきれなくなった薄手の白いワンピースが弾け飛んだ。
そのまま、上半身は裸体、下半身は鳥のように鉤爪のある脚へと変貌していく。
最終的には、大人の男性より2回りも大きい身体になり、瞳は血の様な赤一色に染まっていた。
『そう、そうヨね。それがアナタの幸せなんだわ。分かッタワ、私がチョクセツ感じさせてアゲル。ワタシがこの手で、アシも手もキッテ、ワタシを感じサセテテアゲル。ワタシがコロシテアゲル。ワタシがステキナアナタにシテアゲル。アナタヲアイシテイルカラ』
こうして、このクエストのボス――《
「だぁぁああ! あんなクエ、誰が考えんだよ! 誰得だよ!?」
【こわかったです、もういやです、あんなの】
出現の台詞で慄き、怯まされ、全員が揃って2度とやりたくないと意見が一致したボス戦は、レベル差と全員の拒絶反応ともいえるような全力での攻撃で瞬く間に終了した。
しかし、あのクエストの精神攻撃による傷痕は、私から気力を奪い、ルイさんを無口にさせ、マーチですら頭を抱え、ログさんに至っては震えが治まらずテキストも上手く打てないという状況を引き起こしている。
そんな中――
「あんま強くなかったね。あんだけ登場に手間かけた割には、楽しめる強さじゃなかったなぁ」
――アロマさんだけは、ケロッとしていた。
「ロマたん……怖くないの? ……ああいうの」
やりたくないクエストということでは意見の一致を見せたアロマさんだったが、1人だけあのクエストに対する恐怖心が薄いように見える。
ホラーやスリラーが苦手なルイさんは、そんなアロマさんに聞かずにはいられなかったようだ。
「ん? やりたくないけど、怖いっていうのとは違うかな。私が怖いって思うのは、ああいうのじゃないね」
アロマさんの恐怖に対する感覚というのにも多少興味はあるが、今はそれを突き詰める気力は無かった。
「まあ……何はともあれ……今はとりあえず、あのクエストの報酬を確認することだけを考えましょう……ここまで疲れたのは久しぶりな気がします……」
昼食までは何事もなかった1日だったというのに、浜辺に入る際のやり取りや、潮干狩りでのハプニング、やりたくなかったクエストで一気に疲れた気がする。
時間を見れば、18時を少し回ったところだった。
そうして私たちが向かったのは、あのクエストをクリアしたプレイヤーのみが入れるらしい、限定エリアだ。