マスターは犬?...狼?......いいえ大神です 作:シャーロックペン
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筆が乗りに乗って日三投稿
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ではどうぞ。
「...どこだ?ここは...」
周りを見渡すとそこは幻想的な場所だった。カルデアではない。だけど俺はこの場所を知っている。
そう、この場所は
「おぉ、我らが慈母アマテラス。突然のお声がけ申し訳ありません。」
声がする方へと振り返る。
「巻物の龍?」
そう、ここはアマテラスの分神たちと出会う場所、かつて俺はここと似た場所で鼠と出会った。つまりこの龍もまたアマテラスの分神ということだろう。
「ええ、そうです。御身の十三の分神が一体にございます。先代アマテラスより自由をいただき、この地にて過ごしておりました。」
「それが、どうして今になって」
そこなのだ。先代アマテラスのおかげで自我を持ったまま彼らは日本各地を超えて世界各地と飛び立ち、それぞれの世界を確立したはず
「我々も、余程のことがない限りは悠々と過ごしていようと考えておりました。みな自由に各地へと散り、時には神として祀られながらもおもいおもいに過ごしておりました。が、しかし此度の一件によりそうも行かなくなりました。そちらの現状は子の者より伺っております。この後も分神が御身の元へと集まることとなるでしょう。」
カルデアの惨劇のことだろうか?そういえば、マシュはどうなった?まさかあのまま
「だから、此度の一件って、それに俺の存在ってのは一体...」
なぜ、俺が現代のアマテラスとして選ばれたのか、その理由がわからない。先代のように御神体をそのまま依り代にはできなかったのだろうか?どうして俺なのだ。
「しかし、他の分神がやすやすと御身のお力になるとは限りません。イレギュラーな存在としてアマテラスとなられた御身を認めていないものも多数おられます。これから、あなたは各地を巡ることになるでしょう。聖杯探索という、先代アマテラスに劣らぬ旅路となるでしょう。」
「頼むからもうすこしわかりやすく言ってくれ。聖杯探索?先代アマテラスはどうなったんだ?」
意識が薄れ始めてきた。周りの景色が陽炎のようにぼやけ霞んで行く。
「人理を正す行いはあなたのアマテラスとしての務めにございます。大神として人理を照らす、天照となられることを期待しております。」
「おい!だから俺の質問に......くそっ!」
体を起こすと場所は変わっていた。炎に包まれた街。
しかもこの異様な寒気。これは人知を超えている。下手をすれば神をも飲み込むなにか
「よぉ、ボウズ。ようやくお目覚めか?」
「?!サーヴァント!...来い『月呼』!
軽く殺気を当てられて始めて気づく。いつからそこにいた!?霊装を取り出し構える。かつてヤマタノオロチを封印したと言われる宝剣。
「おいおいおい、せっかく介抱してやってたのにその反応はないだろ」
サーヴァントはおどけるようにして話しかけてくる。
たしかに、気絶してる間にやろうと思えばできたはず、しかし殺気を当ててくるとはどう言うことだ。試したのか?
「......わかった。それでこの状況は?見たところ普通じゃないようだが」
ここは手を引くのが最善か。この男には勝てる気がしない。今の俺では至らない。
「ボウズ、冬木の聖杯って知ってるか?」
「知識としてなら...まさかこれがそうだとでも言うのか?」
そんなバカな、これが聖杯戦争だと言うのなら今頃ニュースで大問題だ。聖堂教会による処理もあったもんじゃない。
「初めはただの聖杯戦争だったんだが、セイバーが泥に飲まれてから状況が変わった。そこからは、見るも無残なものだったさ。見えるかボウズ。あのえぐれた大地が、あれが結果だ。それと、さっきボウズが現れたのと似たような反応を向こうにも感知したんだが、何か知ってるか?」
もう一つの反応?
「可能性なら一つある。」
藤丸だったか。あの時、あの場で生きていて、動けたのはあいつだけだったはず
「そうか、確かめる価値はあるか。仲間が多いに越したことはない。」
あぁ、できれば俺も仲間がいるのなら合流したい、他に生存者がいるかもしれないし、あいつは一般人だ。すぐに保護しないといつなにがあるか
「よろしく頼む。俺は大神照夜、読みはオオガミだが親しみを込めてオオカミと呼んでくれ。」
「おう、よろしくなボウズ。俺はキャスターのサーヴァント。一時的だがお前をマスターとして仮契約する。幸い適性はあるようだしな。」
誰も親しみを込めて呼んでくれない。やはり、舐められているのだろうか?
「あぁ、頼りにさせてもらう。」
だがしかし、英霊を仲間にできたのは大きい。
「......ところでボウズお前は、いや...いい」
「?」
「とりあえず、さっきの反応のあった場所に向かおうと思うだが」
「そうしよう、ここはお前の方が土地勘があるだろうしな」
「了解だボウズ」
俺たちは駆け出した。
「そういやぁボウズ、お前は魔術師なのか?だとしたら何と言うか、雰囲気が変だ。」
さすがはキャスターといったところか。まぁ、戦闘すればいずれはバレるのだ。
「俺は魔術師ってわけじゃない。神通力、日本の古式が一番近い。........どうせ今回限りだし、お前には言ってもいいか。」
「おん?どう言うこった」
「俺はさ、天照大神なんだよ。正確に言えばその三代目、力を失った神の依り代、そんな感じだ」
「...なるほど、でロクでもない神が現代に何の用だってんだ?」
ロクでもない、ときたか。たしかに神はロクでもないやつも多いが、そいつらと一緒にされても困る。こちとら日向ぼっこ大好き、高天原の草原で蝶を追いかけて過ごすような神だからな!
だかしかし
「それは知らん。俺も知りたいぐらいだ。」
「ほう。お前さんも苦労してるんだな、ハハハハハ。...聞こえるか?女の声と金属音だ。」
「あぁ、聞こえてる。たしか..この声...は?!キャスター!!とばすぞ!」
人型を保つ必要なんかない。全力全速最高速度で、次は守る。もう二度と失くさない。
「あ、おい!!くそ!誰にいってやがる!」
....今行く、マシュ