マスターは犬?...狼?......いいえ大神です 作:シャーロックペン
でも、区切りが良かったんです。許してください。
光に包まれ視界が白一色に染まる。眩しさのあまり俺は目を閉じる。
目を開けると、場所は一転して物語の始まりの地
「やっとここか......長かった」
「う〜ん、zzz」
起き上がり周りを見渡すと、横に転がっている所長がいた。しかも寝てた。ところどころ服がはだけてるから目のやり場に困る。辰の方とのコミュニケーションはうまくできるだろうか?
「お...おお...がみさん?」
透き通った、ガラスのような声に振り向く。そこにいたのは、サーヴァントの格好に上に白衣を羽織ったマシュだった。
「ああ、そうだ大神だ」
出来るだけ平静を装って答える。
「あぁ?!ああああ!!大神くんだ!!」
ロマンもいた。藤丸みたいに叫ぶな、耳が潰れる。
マシュが駆け寄ってくる。その目に涙を携えて。
「なんで、こんなに遅いんですか!!全然帰って来ないから、死んだかと!!」
か細い手で叩かれる。しかし痛くはない、サーヴァントの力でなく。
「いや、少し仕事があってだな」
「知ってます!!見ればなんとなくわかります」
わかるのかよ
「でもまぁ、なんだ。...ただいま」
「...おかえりなさい。......うわぁぁぁぁ...ぁぁぁ」
また、泣かしてしまった。心が痛い。けど、彼女の涙に濡れた胸が熱い。この温もりがずっと消えなかったらいいのに。
「って居た居た!!大神くん?!?!ちょっとこの人見える?!」
藤丸もきた。うるさいやつがまた増えるじゃねえか。というか、なんかよくわからんやつ連れてきてるし、目細くて羽みたいな帽子かぶってるやつ
「あぁ、なんだよ。って誰だよそいつ」
「良かったぁ、見える人がいて。でも全然喋らないんだよ。大神くん何か知らない?」
知るか
「......アマテラス」
「?!」
どうやって正体を?!というかこいつどこかで、
どうやら今の一言で今場の全員が彼の存在に気がついたらしい。そしてこの気配...人ではない!
もっと、上の存在。いやしかし、そんな奴がいつの間にここに
「誰なんだい君は?!」
ロマンが疑問の声を飛ばす。しかし、言葉以上の焦りは見えない。こいつ本当に見えてなかったのか?
「天呼ぶ、地呼ぶ、海が呼ぶ。」
どこかからか聞こえてくる笛の調べ。心を清める音
「は?」
「未来を取り戻せと我を呼ぶ!」
「?」
マシュの頭に?マークが見える。
「人倫の伝道師ウシワカ、イズヒア!!」
「へんな奴キタァァ!!!」
藤丸が頭おかしい奴みたいに叫ぶ。いや、頭はおかしいな
「やぁやぁやぁ、アマテラスくん、いや、今は大神くんなのかな?ユーたちの戦い見させてもらったよ。あの戦いが終わってから随分と休みをエンジョイしてたみたいだね。どうも昔よりも勘が鈍っているみたいだね」
こいつ、俺の正体を知っている。しかも、全盛期のアマテラスのことも。
あ、思い出した、こいつカルデアのレイシフトチームにいたやつだ。なんで生きてるんだ?というか、今までだれにも気づかれなかった?
「そんな実力で君が人理を取り戻す旅に出るだなんて、おこがましいよ!」
それは、まぁたしかに。しかしいきなり登場してなに言ってるんだ?訳がわからん。
「な、なんてこというんですか?!」
マシュ?
「大神さんは、ちゃんと聖杯を手に入れてここに誰一人かけないで帰ってきました!それのどこがおこがましいっていうんですか?!たしかに私たちが弱いのかもしれないです。でもそれでも、戦わなきゃいけないんです!!」
いや、そんなこと言われても、俺は人理とか救う気ないから。俺が救いたいのは君だけだ。
「ふぅー、やれやれどうやらミーはあまり言葉で伝えるというのが苦手みたいだ。だから、これで語り合おうじゃないか!」
勝手に話を進めるな
手に持っていた。笛から刀のようにビームが現れる。そしてもう一本の刀を抜く。
「ちょちょちょっと?!?!待って!!ここで戦う気!」
いつのまにか目が覚めていた所長が止めに入る。おはようございます。自分が生きてることを噛みしめながら生きてくださいね、
「せ、せめて模擬戦闘室でやってちょうだい!」
あ、戦うのはいいんですね。そしてマシュよ、なんだその勝ってきてくださいと言わんばかりの目線は。面白がるな藤丸