ハドラー子育て日記   作:ウジョー

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勇者[ダイ]に聞く!!

ダイが呪文に苦手意識をもっている原因を聞いたところ

 

《おれ勉強が苦手なんだ

特にブラスじいちゃんの魔法の授業が大っキライだったなあ・・・!

呪文が全然使えなかったし 読み書きが今でもてんでダメだし》

 

正直なところ意外だった

素直で成長速度も驚異的なダイがブラスも交えた過去で

これほど勉強への苦手意識をもっていたことが

だが・・・

 

《でもちゃんと習わなきゃダメだね・・・!!》

 

この前向きで 向上心の強さがあれば時間の問題だろう

ここでもう一押ししてやるか

 

「フッ・・・ このオレは人間の言語だけでなく

魔族言語 竜言語も使いこなせる 任せておけ」

 

力を求める過程で様々なものを調べる上に必要なことだった

 

「想像してみろダイよ

おまえがポップたちと再び冒険をしているとき

巨大な扉に閉ざされた横に 謎の文字で書かれた石版があったとする」

 

うんうんとうなずくダイに話をつづける

 

「頭を悩ませるポップ達 破壊を提案するヒュンケルを制し

おまえがサラサラと石版を解読し 扉が開く・・・」

 

《かっこいい!!》

 

・・・これでやる気は最高潮だろう

あとはガンガンいくだけだ

 

実際苦手だと言ったわりには おぼえがいい

オレが地面(雲だが)に書く文字をどんどんおぼえていった

時折額の紋章が光るあたり バランの入れ知恵かもしれんが

 

・・・

・・・・・・語学の授業を一区切りして 一休みした後

ダイの魔法修業を再開した

 

「ダイ おまえ回復呪文はまったく使えないのか?」

 

《ブラスじいちゃんに契約の儀式はやってもらったけど

一度もできなかった

おれキアリーを使えるようになりたいんだけど結局・・・》

 

竜の紋章を使ってもか?

 

《うん》

 

バラン お前は以前ダイに回復呪文を使っていたな

 

        ヒィン

 

『ダイがあなたの手で致命傷を負ったときですか・・・』

 

聖母竜の非難の目がオレに向けられるがそれはこの際置いて、いや

 

「・・・ダイよ 回復呪文を受けたことなら何度もあるな

まずはそれをよく思い出すのだ

バランやブラス お前の仲間達 幾度も経験したはずだ

瞑想しながらそれだけを考えるのだ」

 

《うん わかった》

 

ダイは目を閉じ素直に瞑想をはじめた

その間にオレはその辺の雲をひっつかみ形をととのえた

・・・どうでもいいが天界の雲は不思議の塊だな

 

     こねこね・・・

 

「こんなところか。 ダイよ 目をあけてこれを見ろ」

 

《ん これはゴメちゃん!?》

 

オレが雲でつくったゴールデンメタルスライムの模型は

流石に色こそ再現できなかったが中々の出来のようだ

 

「オレの配下にもいない怪物だが 何度か

おまえ達と一緒にいるのを見たことがあるからな」

 

《でも このゴメちゃん羽が》

 

「あえて羽をひとつ つけていない

おまえはこのスライムが怪我をしていると思って

回復呪文を使ってみるのだ

おそらくそれが一番の近道だろう」

 

『なるほど! それはいい考えですね』

 

        ヒィン

 

『竜の騎士の本来の使命である 天罰を与える力ではなく

ソアラから受け継いだ 傷ついたものに差し伸べた

あの手の力・・・ですか、バラン・・・』

 

ダイがスライムの模型を抱きかかえ呪文をとなえた

 

《ホイミ(回復呪文)!!》

 

         パアッ

 

今 たしかに発しているこの光はホイミによるもの

 

ダイがはじめて回復呪文を成功させたのだ

その背中はかつて瀕死のダイをオレの極大呪文からかばい

回復呪文をつづけた 父バランを思い出させるものだった

 

「バランよ やはりお前の息子だ

母だけでなく 父にもよく似たようだな」

 

       ヒィーン ヒィーン

 

ダイの額の紋章が輝く

まるでバランが泣いているような音をだしながら・・・

 

オレはダイの頭に手を乗せた

・・・今ならオレにもできそうな気がした

 

「ホイミ」

 

               パアアッ

 

 

 

              ハドラーはレベルがあがった

 

              ちからが2あがった

 

              すばやさが2あがった

 

              たいりょくが3あがった

 

              かしこさが3あがった

 

              うんのよさが2あがった

 

              さいだいHPが4あがった

 

              さいだいMPが4あがった

 

              ホイミをおぼえた




ハドラー子育て日記 初投稿から早2年近くがたち
完結したのは昨年ですが久しぶりに投稿してみました
天界でのダイと親バカトリオのやりとりは久しぶりでも
いまだに書きやすかったです。
こんなハンパな投稿で気付く人がいるかどうか
ちなみに現在連載中のコーセルテルの世界ではかつて竜が
世界中を支配した時期があったことで竜言語が共通語のようで
ハドラー様も竜言語を使っています。

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