ハドラー子育て日記   作:ウジョー

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ハドラーの復活とはじまり

                ハドラー子育て日記

 

           

                                       

 

 

 

『ハドラー・・・ ハドラーよ・・・ 目を覚ましてください・・・・・・』

 

 

「・・う・・・うう・・・ こ・・・この感覚は、ま・まさかオレは《ま・また、生き返った》・・・のか!?」

 

 

『そうです。私は聖母竜マザードラゴン、竜の騎士の生と死を司る神の使い。

このたびはあるお願いのため あなたをこの神の世界にて甦らせました』

 

・・・今 見知らぬ場所で オレの目の前に喋るドラゴンがいた。

いやそれよりもやはりこの感覚、かつて大魔王バーンやミストバーンにより死から呼び起こされたものと同じだったか。

しかし、オレは超魔生物として生まれ変わったときに二度と復活できない体になったはずだ。

そしてダイとの決戦で敗北し 死神の罠を退け、宿敵アバンの腕の中で灰となったのだが・・・

 

『あらゆる条件の中からあなたがもっともこの仕事に適役と判断し、

あなたの灰の一部を元に 一時的に肉体を与えこのように会話を可能にしました』 

 

・・・オレは正直 大魔王バーンとの過去のいきさつからこの手の頼みごとを受けたくはないのだが、

神の使いを自称するこのドラゴンが、灰の状態だったこのオレをわざわざ指名した仕事の内容や理由が

気になるところではある。

全てをかけて闘い 燃え尽きた今のオレにはかつて感じたこともないほどの余裕だけが残っていた。

 

「お願いと言ったな聖母竜とやら 仕事をオレに頼みたいということだがかつて魔王として世界を席巻し

魔軍司令として大魔王の尖兵となり再び地上で暴れまわったこのオレに何をさせようというのだ」

 

『あなたに頼みたい仕事、それは・・・《子育て》です』

 

 ・・・は・・・・・・?

                    タラ・・・

 

 こんな時にも鼻水がでるのか、と妙なことに気付いたところで冷静になり聞き返した

 

「今オレは《子育て》と聞こえたのだが、気のせいか?」

 

『その言葉のとおりです、あなたにはここで1年間ほど一人の子供を無事に育ててほしいのです』

 

「どういうことだ?

オレは357歳まで生き 魔王時代から自分の部下を禁呪などを用い生み出し、魔軍司令時のフレイザード

超魔生物に生まれ変わってから結成した親衛騎団のヒムやアルビナス達は子とも呼べる存在ではあるが

別に直接育てたわけではない上、そんなことをしたこともない」

 

『あなたが納得いかないのも無理はありませんが 先程言ったようにあなた以上の適任者はいないのです

その子供は貴方にとっても関わりの深い子ですから』

 

ム?・・・ いや、待て、竜の騎士の?!それに《関わりの深い子》だと!!まさか!!!!

 

『そう、その子供は当代の竜の騎士バランの子ディーノ、あなたたちが勇者ダイと呼ぶ子のことです』

                   !?

 

「なに!どういうことだ!! 

やつはオレとの闘いの後、アバンらと共に大魔王バーンとの決戦に向かったのではないのか?!」

 

『ええ、そして激戦の末、大魔王を打倒したものの死神キルバーンの罠により瀕死の重傷を負ったのです

それを私が保護し治療のため この天界に連れてきて一度赤子に戻したのです』

 

「またあの死神か!!! だが、ならばなぜ そこでオレがでてくるのだ!?

灰になったこのオレを甦らせることができるのであれば バランやダイの母親を甦らせればいいだろう!!

それにデルムリン島には赤子のダイを育てた鬼面道士ブラスがまだ生きていたはずだ!

魔王時代に目をかけていたから憶えているぞ どう考えても他に適役がいるではないか!!」

 

『それは無理なのです 勿論初めはバラン達 ダイの両親の復活を考えましたが・・・

バランは現在ダイの紋章の中でダイを守っているのです だからこそこうやって今治療が可能なのです。

そして母親のソアラですが、亡くなってから時が経ち過ぎて 蘇生が不可能なのです。

そしてこの天界には生者を直接呼ぶことができない事情があります』

 

「それで消去法でたまたま近くで死んでいたオレに白羽の矢が立ったわけか」

 

『いえ、そうではありません ダイが大魔王を倒したときに至近距離で爆発したのですが、

服の中に入っていた【あなたの灰】と【輝聖石・アバンのしるし】が彼を守ったのです。

私はあのときたしかに何かを感じ あなたの灰と砕け散った輝聖石の欠片を私が回収したおかげで

ダイは地上までほぼ無傷で帰ってこれたのです』

 

オレとアバンがのこしたものがダイの命を救ったというのか!

 

『それに 私はかつてダイがバーンとの敗戦で傷ついた時に力を与えてから彼の中で生き続け、

ダイの視線でその後の戦いにつぐ戦いを見ておりました。

それであなたのことを知り、またダイの心の中でもあなたの存在が非常に大きいことが分かったのです。

それは彼の仲間たちと比べても劣らぬほどに・・・』

 

なんだと?! オレにとってダイやポップ達はオレの生き方さえも変えてしまう程の大きな存在であったが

その当人の中にもオレが刻まれていたのか!

 

そのとき、オレにはもう答えがでていた・・・

 




はじめてこちらで小説を投稿しますウジョーです。
まだ話が動いてもいませんがとりあえずここまでです。
一応投稿が一区切りしたのでチラシの裏からこちらに移動してみました。
それに伴い少しずつ手直ししていきます。
オリキャラはでませんが聖母竜は原作で出番が少ないので色々難しいけど面白いです。

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