Persona 4-マニアクス-   作:ソルニゲル

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第8話 Demifiend 5月19日(木) 天気:晴

暑い暑い、この『熱気立つ大浴場』で五人は居た。

 

 

 

「そ、それは・・・なに?」と天城はシンに尋ねる。

 

 

シンはため息を吐く。

シンの体は青黒く発光し、この霧と靄の中でもすぐにわかるほどである。

 

「・・・どれを話せばいいかな」とシンは腕を組む。

「全部じゃなくていい、シンが納得する話をしてくれ。」と鳴上は真っ直ぐな目でシンを見つめる。

 

「相棒がそういってるし、俺もそれでいい」

そういう花村は少し笑ってみせる。

 

 

そういわれると、シンはぽつぽつと話し始めた。

 

 

 

「・・・君達はきっと知らない。

2004年に確かにこの世界はその姿、様相を変えた。

 

それは多分、この人類の歴史の中で初めてのことだったろう。

 

『受胎』だ。

 

その時に、俺は『生まれた』

 

『悪魔』として」

 

 

「『受胎』?」と鳴上は言う。

「そう。『東京受胎』」

 

「・・・え?つまり、シン君は『悪魔』ってこと?」と千枝はシンに尋ねる。

「まぁ、『俺は完全な人間だ』とは言えないから、そうなるかも」とシンは淡々と答える。

 

「そうか。」と鳴上は淡々と答える。

 

「・・・驚かないんだな」とシンは少し驚く。

普通の人間なら恐れ慄いていただろう。

 

「驚かないって言うか・・・まあ、『悪魔』連れてきた時点でなんとなくそうなんだろうなって思ったし、俺たちもこんな『力』を持ってるしな。

そんなに変わんねしー!」

そういうと、花村は頭をポリポリ掻き、恥ずかしそうに笑う。

 

「そうだね。それに悪い『人』?・・・『悪魔』?じゃないし」と千枝も納得したように頷く。

「こうやって、私達と一緒に助けようって思ってくれてる訳だし」

 

「シンが誰であっても、俺たちはもう仲間だろ?」と鳴上は真っ直ぐな目で見る。

 

 

 

 

その言葉はシンに突き刺さった。

(仲間か・・・)だが、確かにシンの中にある何かが少し動いた。

「・・・変わっているな君達は」とシンは少し微笑む。

 

 

「それにさ、俺たちにはシンよりもっと変な奴がいるからな」と花村はクマを見る。

『なんですとー!それはクマの事クマか!?』

「そうだよ」と天城は淡々とクマに言い放つ。

「雪ちゃん・・・しどい!!」とクマはショックそうに大声を出す。

 

「暑いから、先に行こう」と鳴上が言うと皆、歩き出す。

 

 

 

 

「素晴らしい友人たちですね。主。」とクーフーリンは周りの『シャドウ』を掃討し終わったのか、シンの元へと戻ってくる。

 

「・・・そうだな」とシンは少し自分の手を見つめる。

ふと、顔を上げ霧を見ていると、昔の自分がいるように見えた。

鏡に映ったように俺に似ている。

 

そして、そいつが口を開く

 

コレハ カワリマスカ(・・・ ・・・・・・)?)

 

 

だが、俺は何も返さない。

 

そうしているうちにそれこそ、霧の様に消えた。

 

 

「・・・何を期待したんだろう」

 

そうポツリとつぶやくと、シンは少しため息を吐き、鳴上たちについて行った。

 

 

 

 

 

 

 

クーフーリンが槍を持ち替え、相手に投げ付けるように槍を投げると、そこから衝撃波が発生し、相手を一撃で消し飛ばす。

 

 

『烈風波』である。

 

 

「・・・強すぎない?クー・フーリンさん」と千枝はそれを見て口に出す。

「そんなことはありません。私はまだまだ修行不足です」とクー・フーリンは槍を手元に戻す。

 

「主のほうが物凄く強いんですよ」とクー・フーリンはシンを見る。

 

「これ不思議な味だ」とシンは鳴上から貰った大量の胡椒博士NEOを飲み干す。

「相棒。流石にSPが」と花村が言うが鳴上は横に首を振る。

 

「あ、俺が飲んだわ」と胡椒博士NEOの空き缶を見せる。

「シン!!てめぇ!」と花村がシンに攻撃しようとするが避ける。

そして、暑いこのダンジョンで二人は走り回る。

 

 

「・・・本当?確かになんか冷静沈着だけど」

千枝はそれを見て、クー・フーリンに尋ねる。

「そうですよ」

「・・・そうなのかな」と天城も首を傾げる。

 

 

そんなクー・フーリンだが、時にはクー・フーリンも何もせずに彼らの戦闘を見ていた。

 

「・・・どうした?」

「いえ。彼らは良い目をしています」

「武人として戦いたくなったか」

「・・・まだ、彼らは未熟です。それが輝いたとき、我が戦ってみたいと思う瞬間です」とクー・フーリンの手に軽く力が入る。

 

それは同時に彼らがうらやましく見えたからである。

成長する彼らが。

 

 

「主はどう思っていらっしゃるのですか?」

「うーん?別に」とシンは彼らの戦闘が終わるのを確認すると、『メディアラハン』で彼らを回復させる。

 

 

「いやぁ、助かるね。ホント」と花村はシンに向かって言う。

「そう言ってもらえるとありがたいね」

 

「あ、階段あったよ」と千枝は靄の中、曲がり角の先を指さし、言う。

「よし行こう」と鳴上が言い皆階段を上がって行った。

 

 

そして、三つ目のフロアーまで来ていた。

 

 

『うっ!このフロアー何か居るクマ。気を付けるクマ!』

クマの声が皆に伝わる。

 

「気合れて行くぞ」

「「「おー!」」」と鳴上の掛け声で皆気合を入れる。

 

そして、鳴上たちは歩き出した。

 

「・・・確かに何か居る様ですが・・・大したことはなさそうですね」とクー・フーリンはシンに耳打ちするように言う。

「そうだな。」とシンも軽く欠伸をして言う。

「・・・私はアマラの方に帰還いたします。師匠が呼んでいますので」

「『スカアハ』か。まあ、こっちは問題ない。あの『酒飲み連中』にも言っておいてくれ『こっちに来なくていい』と。部屋が酒臭くなる」とシンは鳴上たちの後を追いながら言う。

 

「『酒飲み』・・・とはバアル様やマダ様のことですか?」

「そうだ」

「わ、わかりました」と少し恐縮しながらクー・フーリンは帰還した。

 

 

そして、ドアの前でクマが声を発する。

 

『およ、この気配・・・中にカンジクンか・・・?』

「いるね。なんか」というシンだが、緊張感は皆無だ。

 

「入ろう」と鳴上が言い、そしてドアを開けた。

 

 

 

入ると、そこは少し広い空間であった。

その真ん中に人影がある。

走って近付くと、その人物は上半身裸のふんどし一丁でいた。

 

「やっと見つけた!」と千枝はその男性に声をあげる。

「完二!!」花村もまた、大声を出す。

 

それに気が付くと、こちらを向く。

その手にはマイクを持っている。

 

「ウホッホッホ、これはこれは。ご注目ありがとうございまぁす!」

四人と一匹はそれに注目している。

 

「さあ、ついに潜入しちゃった、ボク完二。

あ・や・し・い・熱帯天国からお送りしていまぁす。

まだ、素敵な出会いはありません。

この暑い霧のせいなんでしょうか?

汗から立ち上がる熱気みたいで、ん、ムネがビンビンしちゃいますねぇ。」とまるで盛ったゴリラのような動きをしている。

 

とその途端、その男の頭上にテロップが現れる。

『女人禁制!突☆入!?愛の汗だく熱帯天国!』

 

皆、一斉に一歩引く。

「ヤバい・・・これはいろんな意味でヤバい」と花村は困惑しながら言う。

「女人禁制・・・すでに居るが」とシンは千枝たちを見る。

「お、お前は相変わらず冷静だな」と花村はそれにもため息を吐く。

 

「確か雪子の時もこんなのりだったよね・・・」と千枝は天城を見て言う。

「う、うそ・・・こんなじゃないよ・・・」と言うとまるでアメリカンホームコメディの様な笑い声がその部屋に響く。

 

「"また"この声。てか、前より騒がしくなっていない?」と千枝は不快感を込めて言う。

 

「また?」とシンは髪の毛を掻きながら言う。

「天城の時にもあったんだ。変な笑い声がさ」と花村はシンに言う。

「ふーん」そういうとシンは目を閉じた。

それは余りにもくだらない茶番に感じたからだ。

 

その時、花村がひらめいたように口を開く。

 

「この声ってもしかして・・・被害者しかいないのに、誰の声なのか不思議に思ってたけど・・・これって外で見てる連中ってことか?」

「"番組"で流れてる事の影響って事?」と千枝は感じに目線をスライドさせる。

「うわ・・・今の完二くん見られてんだとしたら、こりゃ余計な伝説が増えそうだね・・・」

「ま、シャドウなんだけどさ、普通のやつには分からないもんな」と花村が付け加えるように言うと、ザワザワとその声が騒ぎ出す。

 

 

「シャドウたちめっさ騒いでるクマ」とクマが警戒しながら言う。

 

 

「ボクが本当に求めるモノ・・・見つかるんでしょうか、んふっ。

それでは、更なる崇高な愛を目指して、もっと奥まで、突・入!

はりきって・・・行くぜコラァアアア!!」と物凄い気合を入れてその裸のシャドウ完二はドタドタと歩き奥へと消えて行ってしまった。

 

「完二くん!!」と天城が止めようとするが

 

するとクマが「あれはもう一人のカンジだクマ・・・自分をさらけ出そうとしているクマ。ユキチャンの時より危険な感じクマ・・・カンジだけに」

 

「"カンジ"と"感じ"・・・」と雪子はつぶやく。

「うお、来るか?」と千枝は天城を見る。

 

 

 

「・・・さむ」と呟く。

 

 

そう言われた瞬間、クマが膝を付いて倒れた。

 

「・・・ん?終わった?茶番」と目を開きシンは言う。

「シ、シン君に至っては聞いてもいなかった・・・」と更にクマはしょんぼりする。

 

「終わったよ」と鳴上は言うと。

「じゃあ、先に行こう」とシンはズシズシと歩き始めた。

 

 

 

 

「なんかシン君ってこういうところって歩き慣れてるの?」と天城はシンに尋ねる。

「どうしてそう思う?」とシンは壁を触りながら何の迷いも無く歩いている。

「なんつーか、すげぇよ。

だって、お前の行くところ殆ど階段だぜ?

まあ・・・収集癖のある相棒のせいで結局、フロアー全体を歩くことになるんだけどな」と花村は宝箱を開けようとする鳴上を見る。

 

だが、肝心の鳴上はしょんぼりとしている

 

「どうしたんだ?相棒」

「・・・鍵がない」と金色の宝箱の前で鳴上はチラチラと宝を見る。

「そればっかりはどうしょうもないでしょ」と千枝は少し呆れ気味に言う。

 

「・・・」と鳴上はその金色の宝箱を背に何度も宝箱の方を向き、トボトボと歩き始めた。

 

(意外な一面だな)とシンは思いながら、そんな鳴上を見ながら鳴上たちについて行くのであった。

 

 

 

 

『プロミネンス』

 

 

シンが手を軽く翳すと、真っ青なシンの身長よりも遥かに大きい青い炎が『闘魂のギガス』を焼き尽くした。相手は一瞬にして灰となった。

 

「すげぇ。」と花村はただ茫然と思ったことを口に出す。

 

「でも、これだと私たちに経験値が入らないんだよね。なぜか」と天城は言う。

「なんでなんだろうね」と千枝も言う。

 

「・・・さあ?」とシンも首を傾げる。

 

「・・・リーダーが違うからだろうか」鳴上は真剣に悩む。

「って、俺が倒してしまったけどいいのか?」とシンは鳴上に尋ねる。

 

「まあ、レベルはこいつのせいで歩きまわされたし。周りも雑魚になってきたしな」と花村は武器をクルクルと回しながら言う。

 

「よーっしこのまま一気に進もう!!」と千枝の掛け声と共に皆叫ぶ。

 

 

 

その言葉通り、案外すんなり進んだ。

敵と遭遇すれば、彼らは連携良く戦い、俺はそれを後ろから見ている。

戦闘が終わると、『メディアラハン』で回復する。

そんな簡単なことなので、まあ・・・退屈な訳だ。

しかし、そんな中でも鳴上の宝箱を発見した時の顔と言ったら、とんでもなく変わる。普段は俺と同じく淡々として、尚且つ淡泊としてるが、宝箱を見つけるとまるで子供の様にはしゃぐ。

 

案外こいつもここを楽しんでいるように見える。

 

途中、完二の声が聞こえたが俺は周りの『シャドウ』を倒すので特に聞いていなかった。

クマ曰く「シンクンが来てから、前よりも『シャドウ』が騒いでるクマ!」と言っていた。恐らく俺の『種族』が『混沌王』だからなのだろうか。

・・・何とも皮肉だ。

 

そんなこんなで、俺たちは階段を上がるとすぐに大きなトビラの前に来た。

 

 

「案外、君達はタフだな」とシンは鳴上たちを見て言う。

「っていうか、SP切れ以外回復はシン君がしてくれたし、それのおかげかな」と天城は言う。

 

「そうか」

「うーっし!この勢いで、とっとと完二助けて、早くこのムシムシした場所から出ようぜ」と花村が言い、その大きな扉を開けた。

 

 

 

その扉を開けると、二人の完二が居た。

だが、片方は制服、もう片方は先ほどと同じふんどしである。

 

 

 

「いた!」

「完二!!」と花村は大きな声で完二を呼ぶ。

 

 

「お・・・オレぁ」と制服の完二は困惑した顔で言う。

すると、ふんどしの完二が言う。

「もうやめようよ、嘘つくの。人を騙すのも、自分を騙すのも、嫌いだろ?

やりたい事、やりたいって、何が悪い?」

 

「それと・・・これとは」と更に困った顔になる。

「僕はキミの"やりたい事"だよ。」

「違う!」と声を荒げて否定する。

 

「女は嫌いだ・・・」

そういうと、ふんどしの完二の顔つきが変わる。

 

「偉そうで、我がまま、怒れば泣く、陰口は言う、チクる、試す、化ける・・・

気持ち悪いモノみたいにボクを見て、変人、変人ってさ・・・

で、笑いながらこういうんだ。

"裁縫好きなんて、気持ち悪い。"

"絵を描くなんて、似合わない。"

 

"男のくせに"・・・

"男のくせに"・・・

"男のくせに"・・・!」

 

そういうと声のトーンが低くなる。

 

「男ってなんだ?男らしいってなんだ?女は、怖いよなぁ・・・」

「こっ、怖くなんかねぇ。」と制服の完二は否定するがその声は少し震えている。

 

「男がいい・・・」と呟く様にふんどしの完二は言う。

「男のくせにって、言わないしな。そうさ、男がいい・・・」

「ざっ・・・けんな!テメェ、ひとと同じ顔してふざけやがって・・・!」

「キミはボク・・・ボクはキミだよ・・・分かってるだろ・・・?」

 

「違う・・・違う、違う!」と少し怯えているように見える。

 

 

「テメェみてぇのが・・・オレなもんかよ!!」

 

 

そう制服の完二が言った瞬間、ふんどしの完二の雰囲気が変わった。

 

 

「来るよ。構えようか」とシンは臨戦態勢に入る。

「結局こうなるのかよ!!」

「そうだな」と鳴上は言うと武器を取り出した。

 

「ふふ・・・ふふうふふ・・・ボクはキミ、キミさァァ!!」

 

そういうと黒い霧に包まれ、その姿を変えた。

制服の完二は思わず倒れ、そのまま気を失った。

 

相手は

白と黒の体。そして、頭部は薔薇に囲まれて中には上半身裸の完二が居る。

 

 

「完二くん!」と天城は制服の完二に駆け寄る。

それを見て感じを守るように鳴上たちは構える。

 

 

 

すると、完二の影は言う

『我は影・・・真なる我・・・

ボクは自分に正直なんだよ・・・だからさ・・・

邪魔なモンには消えてもらうよ!』

 

 

「これ・・・完二君の、本音なの?」と天城は驚いた顔で言う。

「こんなの本音じゃねえ!タチ悪く暴走しちまってるだけだ!」と花村は否定する。

 

『もう君らには関係ない!消えてもらうって言っただろぉ!?』と完二の影は言うと『狂信の雷』を花村に放つ為に構える。

 

 

「やっべ!いきなり、あんなの喰らったら!!」と花村が言うが無情にもそれは放たれる。

 

 

『仁王立ち』

 

 

「え?」と花村は思わず間抜けな声を出す。

 

「なんかしたか?」と花村の前にはシンが何事も無いように立っていた。

「ここにも犯人いなかったな」とシンは冷静に言うと。

そうシンは少し怒っていたのだ。犯人があれを作り出したと踏んでいたからだだが、結果は完二以外誰も居なかった。そのショックさに興ざめしたのだ。

 

 

前かがみになり、力をためる。

すると体が全体から発光し始める。

 

「や、やばそうだね」と千枝は少し慌てる。

「伏せとくといいよ」とシンが言うとその通りにみんなする。

 

 

 

『ゼロス・ビート』

 

 

 

そうシンが言った瞬間、体から無数の光が放出され、それが壁に反射して相手に何度も直撃する。

物理技だが、シンには『貫通』が付いている。無情にも『無効』ではどうすることも出来ずに相手の『ナイスガイ』『タフガイ』は消え去った。

 

その苛烈な攻撃に完二の影は変な声を出し、倒れる。

 

 

 

「す、すげぇ」と花村はそれを見て思わず息を飲む。

そして、千枝と天城はクー・フーリンの言葉が本当だと信じた。

 

いつの間にか相手は先ほどのふんどし姿で倒れていた。

 

 

「ち・・・くしょう・・・」と制服の完二は立ち上がる。

 

「完二くん!!」と天城は心配そうに完二に言う。

「待つんだ。案外しぶとい」とシンは再び構える。

 

そういうと再び立ち上がる完二の影。

 

「ま、まだ向かって来るクマ!よっぽど強く拒絶されてるクマか・・・?」とクマは驚いた表情でふんどしの完二を見る。

 

「そりゃ、こんだけギャラリーが居ちゃ、無理もないな・・・」と花村は軽い同情をこめて完二に言う。

 

「一撃でボクを倒すなんて・・・情熱的なアプローチだなぁ・・・」

「は?」とシンは首を傾げる。

「四人とも・・・素敵なカレになってくれそうだ。特に・・・刺青のキミ」とシンを見て言う。

 

 

シンは口に何かを溜めようとしている。

 

 

「あー!ストップ!すとーっぷ!」と千枝に止められる。

 

「や、やめろってー!そんなんじゃねー!」と花村は一歩後ずさる。

鳴上も、そして、クマも。

 

 

「や・・・めろ・・・何、勝手言ってんだ、テメェ・・・」と制服の完二は辛そうな声でそれを言う。

 

「誰でもいい・・・僕を受け入れて・・・」

「や・・めろ・・・」と制服の完二はふんどしの完二に近づく。

「ボクを受け入れてよおおおお!!」と叫んだ瞬間、

「やめろっつってんだろおおおお!!!」と制服の完二にふんどしの完二は殴られる。

 

 

相手は綺麗に吹っ飛び、壁に叩きつけられる。

 

それを見ていたシンは(いいパンチしてんなあ。と昔の俺とは全然違う。)と人修羅になりたての自分を思い出していた。

人を殴ったことも無いのに、悪魔を殴れと言うのだが、なかなか大変だった。

そんなことを思いだした。

 

 

 




ハッキリ言って、この小説で戦闘はメインには考えていないので、
「あれ?なんか戦闘ショボクネ?」とか「あっけなwww」みないな感想を持つかもれません。

それは人修羅が介入した時点でそうなることは確定していたわけでありまして、実際、人修羅になってすぐなら、苦戦なんてあったかもしれませんが、閣下倒した人修羅なんてもう・・・ね・・・

察してください。

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