ACE COMBAT ZERO-Ⅱ -The Unsung Belkan war-   作:チビサイファー

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「うp主!? 死んだはずじゃ!?」
「残念だったなエースパイロットの諸君。トリックだよ」

お待たせしました。私は生きています。とうとう半年の間が空いてしまいましたが絶対に失踪なんてしません。前回射命丸文の視点でお送りする予定と言いましたが、大幅変更ししてメイン以外のキャラたちがくっちゃべるだけです。お許しを!!


追伸、エースコンバット7発売決定おめでとう!!!!


Mission26 -一時の平和-

 

 親愛なる上司、ブレット・トンプソン氏へ。

 

 

 

 お久しぶりです、射命丸文です。ユージアに移住してから退屈な毎日を送っていましたが、「彼ら」の登場でまったく退屈しなくなりました。おかげで毎日がスクープの様なものです。

 

 あなたが追っていた「鬼」の弟子や、その実の娘から大企業のテストヘッダー空母、ユージアが隠し持っていた特務護衛艦隊、つい最近合流したユークトバニア側の協力者が提供してくれた対潜水艦特化型駆逐艦とイージス艦、オーシアの協力者から提供された護衛艦など、何も知らない人たちが見たら腰を抜かすような光景が広がっています。

 

 現に、艦内を歩くとオーシア兵とユークトバニア兵が複雑な顔をしながらお互いの母国にいる家族について話し合っていたり、お酒が入れば音楽流して腕組んで「The Journey Home」の大合唱をしています。それを見ていると彼らの求めている平和がここにあるのだと実感できます。

 

 さて、今回は私が彼らの潔白を証明するために書いた記事のサンプルをあなたに見てもらうために連絡しました。今後一部表現の変更、カットなどあると思いますが、どうぞご確認ください。あなたの知りたい「鬼」についても触れることができました。後は添付されたファイルからご確認してください。

 

 私はこの後のクリスマスパーティーに準備要因として捕まってしまったので、これにて失礼します。じっくりとご一読ください。それでは、メリークリスマス。

 

 

 

 

 空母ヴァレーの厨房は、本日の昼食時間が終わるや否や関係者以外立ち入り禁止の張り紙が張られてしまい、おかげで時間を過ぎて食堂に訪れた乗組員たちは皆肩を落として売店に行く羽目になっていた。しかし、そんな馬鹿なことがあるかと二代目ガルム1事サイファーは堂々と食堂に入り声を上げようとした結果、にとりが作ったセンサー反応式対人ファランクスに蜂の巣にされて廊下で就寝する羽目になった。

 

 現在食堂の中にいるのは、空母ヴァレーに乗り込んでいる女性乗組員たちだった。ある者は厨房で包丁を握り、ある者はテーブルを並べ、ある者は壁に飾り付けをしたりと、忙しそうに走り回り、特に厨房に関しては料理を振るう女たちの殺気で満ち溢れていた。

 

「姉ちゃん、ターキー二つ目の下準備終わったよ」

 

 と、如月海里の妹であり、ISAF新型機開発部門主任でもあり、船の操舵が得意という隠れ特技を持った如月夏芽がずっしりと重いはずのターキー二つを軽々と持ち上げながら、重さ300キロ近くありそうなマグロを解体する海里へと呼びかける。

 

「おっけー、オーブンが後二十秒で空くからそっちを焼いておいて」

「あいあいさー」

 

 と、夏芽は皿の上に置かれたターキーを持ちながら厨房の間をすり抜け、大型オーブンの前に到着するとそのタイミングで先に焼かれていた特大ニシンのパイが焼き終わる。

 オーブンを開け放ち、パイを取り出すと入れ替わりでターキー二つを中に入れると時間をセット。パイを抱えると完成した速罪が置かれている台車の上に置き、ゆたかがそれをテーブルに運び出す。

 

「みなみちゃん、これ三番テーブルと五番テーブルのおかず! 盛り付け任せるね!」

「わかった」

 

 みなみが台車に置かれた食材を持ち上げ、素早く正確に、かつ音もなく完璧な配置で白いテーブルクロスに装飾をしていく。ゆたかは走り回る一方で、耳にかけていたイヤホンから聞こえてくる悲痛な叫びに答えていた。

 

『こちら犬走です! IHコンロが三台沈黙、私でも手におえないので誰か救援をくださーい!』

「こちらゆたか、了解です。全周波数へ通達、この中でIHコンロの修理が得意人、あるいは予備があるという方は至急私に報告をください」

『こちら河城にとり、前いじったことあるから私がいきまーす』

「確認しました。今からにとりさんが向かうそうなので椛さんはそれまで持ちこたえてください」

 

 きゅ、とかかとをブレーキにして直角ターン。厨房の料理受け渡しエリアまで戻り、追加された豚の丸焼きを乗せるとゆたかは再び走り出す。背中に料理長の怒号が響く。

 

「コラァッ!! そんなとこに調味料置くんじゃないよ!! 作った料理の味が変わったらどうすんだ!」

 

 世はまさに大料理時代。ISAF率いる世界連合艦隊旗艦、ヴァレーの厨房は戦争状態であった。

 

 

 そんな戦場と化した食堂を飾り付け用の脚立の上で、永森やまとはあきれ半分で見つめている。彼女は本来なら最優先される料理組のほうへと配属される予定ではあったが、飾り付け組の人数が急きょ足りなくなったことから、女性陣の中で一番若く、なおかつ料理をしたことのないやまとがこちら側へ転属になったのだ。彼女はおそらく

 

(正直こっちでよかったわ)

 

 と、彼女は心底そう思っているだろう。料理チームのあまりの過酷さに耐えきれず、数人が食堂の隅でシスターさとりの心のケアを受けている。料理長に怒鳴られたシェフ(見習い)がえぐえぐと泣きじゃくり、シスターが頭を数回撫でて言葉をかける。そうして五分間彼女は話し続け、手を握って最後に一言。おそらく「がんばりましょう」と言っているのだろう。その言葉を聞いたシェフ(見習い)はまぶしい笑顔になって颯爽と厨房へ消えていき、一体なにを教えられたのだろうと興味が湧いてしまう。

 

 そんな光景を、射命丸文は愛用の一眼レフカメラを片手に、聖なる夜を盛り上げるべく奮闘する乗組員の写真を撮っていた。彼女の手伝いは撮影掛り兼何でも屋。普段はフリーだが人手が足りないところへ配属されるという役割だった。

 

「長いこと戦争記者やってますけど、こういうお祭り騒ぎもいいですね」

 

 カシャッ。フレームの向こうには小さな体に豊かな心を持った、ヴァレーの妹こと小早川ゆたかの姿。容姿が子供っぽいせいでよくからかわれている彼女だが、その身に宿るオペレーターとしての才能、そして並大抵の男では持ち合わせていないであろう度胸は幾多の男の心を粉砕してきた。従姉妹の泉こなた曰く、最近腹黒さが増したらしい。

 

 ゆたかがテーブル前に急停車すると、テーブルの前で待っていたのはエメラルドグリーンの髪と、背の高いスレンダーボディを持ち合わせた女性、岩崎みなみが彼女の運んだ料理を慣れた手つきで置いていく。その立ち姿はさながらウェイターの様で、背の高さも相まってか男装すればきっと多くの女性を虜にすることは間違いないと思えた。

 

 だが男装向きという事はその胸部は涙が出るほど平面だという事を意味しており、彼女自身もそれを気にしてか、物陰でぺたぺたと自分の胸を触る彼女の姿をヴァレークルーに目撃されている。文は料理を並べるみなみの姿をフレームに収め、シャッターを切った。

 

「夏芽! 今手が空いてるなら炒め物手伝ってちょうだい、鍋が後二つ必要なのよ!」

「無茶言わないで、片手ですら辛いのに無理よ!」

「もう片方空いてるならできるわ、さぁこっちの中華鍋に火を通して!」

「姉ちゃんは腕二本で炒め物四つ対応できる化け物だって自覚してよ!」

「散々料理のやり方教えたでしょ、あんたならできる!」

「あんな雑技団みたいな料理できるかぁ!!」

 

 厨房から如月姉妹の怒号。見ると如月海里は本当に四つ並べられた中華鍋を均等かつ正確に振るい上げ、中華部門の回鍋肉を炒めていた。しかも鍋をさらに移し替える際、放置される時間を考慮してすべてがちょうどいい炒め具合になるように彼女は計算していた。ここまで来ると本当に化け物である。

 

「いいねぇ、海里ちゃんその心意気最高! よかったらここで働かない?」

「戦いが終わったら専業主婦になる予定なのでごめんなさい!」

「あっはっは! 旦那がうらやましいねぇ!」

 

 料理長の太鼓判までもらってしまった。旦那(正確には幼馴染)を追いかけて戦闘機乗りになったと聞いたが、あの若さでこのスキルの高さは地球上に何人いるのだろうか。

 

「ほら夏芽! 具材放り込むから焦がさないでよ!」

「悪魔、鬼神の娘!」

「あんたもよ!」

 

 厨房から響く油の跳ねる音が大きくなり、如月夏芽の悲鳴が上がる。本当に放り込まれたのだろう、炎が上がって夏芽は厨房内を行ったり来たりしている。空母で働く乗組員のために、クリスマス料理を作る女たち。そんなタイトルもいいかなーと思ってシャッターを切ろうとしたが、見つかったら巻き込まれそうな気がしたからやめておく。ブン屋はネタには首を突っ込むが、自分に面倒事が飛び火するなら近寄らぬのもまた戦略である。

 

 と、文が耳に差し込んでいたイヤホンからコール音が鳴り、すぐさま受信状態に入った。

 

『業務連絡、こちら小早川ゆたかです。にとりさんがIHコンロの分解を手伝ってくれる人募集しているので、射命丸文さんを指名します』

「うぇえ、私ですか?」

『知り合いの方が何かとはかどると思いますので、お願いしますね』

 

 有無を言わさず、ゆたかは文に命令を出すと再び台車を押して走り回る。文は走り抜けていくゆたかを見つめ、頭を数回ほど掻くと「仕方ないですね」とつぶやいて歩き出す。厨房近くのテーブルの上に工具箱を広げたにとりがIHコンロの一台を分解しているところだった。

 

「にとりさん、応援ですよっと」

「んああ、サンキュー。さっそくで申し訳ないけどこれでコンロの裏にあるねじ全部はずしてくれる?」

 

 と、にとりは視線を離さずドライバーを手渡し、文はそれを受け取るとカメラを傍に置いて修理待ちのコンロに手をかけた。

 

「しっかし、この船は女性率高いですね」

「それは私も思うかな。私自身空母に乗ったことなんて数えるくらいしかないけど、どれもこれもほとんど男だったよ。トラウマが抜けてないときは地獄かと思った」

「今はすっかり改善したみたいですね」

「おかげさまでね。文がいなかったら今頃野垂れ死にしてただろうし。君には感謝しかないよ」

 

 電源部分に手をかけ、覗き込むにとり。彼女を横目に見ながら文も見える範囲で解体を続ける。少しして切りがよくなったのか、にとりの方から話題が出る。

 

「文はしばらくフリーでユージアに居たって聞いたけど、具体的には何してたの?」

「んまぁフリーのジャーナリストですから、地域密着の取材が中心でしたね。やれどこかの動物園でシロイルカの赤ちゃんが生まれただの、やれバンドのスカイキッドのライブ会場で交通機関が一時マヒしただの、やれスクールアイドルという新しいアイドルが登場しただの、いろいろですね。そこそこのネタはあったりしましたけど、こういう世界を揺るがすニュースのほうが私は好きなのでね。おかげでこの特ダネはよだれが出るってレベルじゃなかったです」

「相変わらず危険構わずつっこむねぇ」

「それが私のアイデンティティですから」

 

 文はひとまず一個目のIHコンロの解体を終了させる。と言ってもプラスドライバーで外せる範囲の場所を外しただけで、まだ特殊な工具を使って開ける個所は残っていたが、にとりにはそれだけで十分だった。

 

「ありゃま、これケーブルが切れてるだけじゃん。ならちょいとつなげば大丈夫かな」

「そちらも機械に対しては相変わらずですね。ふつう骨折してたら仕事するものじゃありませんよ」

「整備士っていうのはやりすぎなくらいで一人前さ。自分の手をかけた機体なら最後まで面倒を見る、そうしないと…………」

 

 にとりは一瞬言葉に詰まり、手が止まる。文は横目にその手が震えるのを見て察し、何か声をかけようと思った矢先ににとりが再び口を開いた。

 

 

「……怖くて仕方がないんだ」

「…………」

 

 怖い、か。間違いなくあの時のことを気にしているんだろう。文には手に取るように分かり、やれやれとため息をついた。そんな彼女の反応に、にとりは少しだけ怪訝そうな顔で声をかける。

 

「なんかため息ついてるけど、理解してる?」

「ええ、私のことでしょう?」

「そうだよ。すっごい他人事みたいな反応だったけど」

「いやまぁそれなりにショックでしたよ。私だって女です、好きな男が死んだら泣きもします。けど年月というものは、荒んだ心を洗い流してくれますよ」

「にしたって、ちょっとあっさりしすぎじゃない?」

 

 そう問いかけるにとりに文はもっともだろうと思う。いくらか月日が流れたとはいえ、ここまで淡泊になれるのはそうそう居ないだろう。白状もの、愛はなかったのかと問いただされそうだ。

 しかし、実際文は彼のことを心底愛していた。だがその愛が覚めるきっかけが存在していたのだ。

 

「実を言うとですね。彼浮気してたんです」

「ファッ!?」

 

 にとりの素っ頓狂な声が食堂に響き渡り、作業をしていたほとんどが手を止めて彼女のほうを見る。唯一留めなかったのは中華包丁を握りしめた如月海里だけだった。

 

「声が大きいですよ」

「いや、え、まじで? あんなに仲良かったのに。相手だれよ?」

「小○生です」

「ひょ!?」

「だから声」

 

 文は呆れた顔でにとりを制する。対するにとりは口をあんぐりと開けて文を見つめ、その手が完全に止まっていた。ベルカにいたときは機械をいじっている彼女には何を話しかけても生返事ばかりだったのに、男一人に恋したらこの反応であるから何が起きるか分かったものではない。

 

「ちょちょちょちょ、どういうこと。完全にアウトじゃん。どういった経緯なのよ」

「出会い系サイトですって。彼の携帯の履歴見たらびっしりと」

「うわぁ……」

 

 ドン引きするにとり。彼女のこんな顔初めて見たかもしれないと文の唇が軽く吊り上がる。ちょっと面白そうなので話を続けることにする。

 

「なんていうか、酔った勢いとか出来心とかならまだ検討の余地あったんですけど、メールの文面でアウトだと思いました」

「……なんて書いてたのさ」

「ここからは取材料がほしいですねぇ」

「金取るのかよ……」

 

 げんなりとするにとりではあったが、少しだけ唸るとおもむろに財布を取り出し、ひいふぅみとお札を数えだした。本当に払う気かと今度は文が驚き、慌ててそれを止める。

 

「ちょちょちょ、冗談ですって! なにお札数えてるんですか!」

「え、正当な報酬。これくらいでどう?」

「もはや札束! そんなのくれなくてもお話ししますから!」

「うし、文に勝った」

 

 そういわれ、文は主導権がにとりに移っていることに気づいてはっとする。基本的に自分から、というのが多かったからにとりにしてやられるのは初めてで、戸惑う一方で彼女が本当に変わったということを実感した。

 

「……ふふっ、もう大丈夫そうですね」

「うん。いろいろな人のおかげさ。文とこうしてまた話せるのもね」

 

 にとりは微笑み、再びIHコンロに向き直ると配線の修理に取り掛かる。文もコンロの分解を再開し、にとりの言葉に耳を向ける。

 

「実を言うとね。私また死のうって思ってたんだ」

「それは最近ですか?」

「うん、本当につい最近。仲間たちを巻き込んでしまったから、自分はもう生きるべきではないって。でもね、ゆたかちゃん居るでしょ。あの子にビンタされて止められたんだ。基地に来たばかりの時はいつも格納庫の裏で顔色悪くしていたあの子に、生きろって言われた。生きて償え、死ぬことなんて許さないってね」

 

 ただものではないとは思っていたが、そこまでする少女だったとは。文は台車を押して走り回る小さなオペレーターを見つめる。

 

「せっかく文に助けてもらった命なのに、また捨てようとしたんだ。だから君にはもう一回謝るべきなんだと思ったけど……」

「もう謝るのは終わりにしましょう」

 

 文は言葉を遮り、そんな彼女をにとりが見つめる。

 

「確かにあなたは世間一般すべてに許されることはないかもしれません。でも」

 

 カシャ。文はにとりの顔をフレームに収めると、にっこりと笑顔を向けた。

 

「私はあなたの親友です。だからずっとにとりの味方ですよ」

 

 にとりじっとみつめるにとりの目じりが潤んでいくのが手に取るように分かった。にやにやしながら再びカメラを向けると、はっとしたのか彼女は顔を背けてコンロの修理を再開する。耳まで真っ赤にしている親友を、射命丸文はじっと見つめていた

 

 

 

 

「お……終わった……」

 

 クリスマス用の料理の全調理が終了し、厨房からようやく解放された如月海里の双子の妹、如月夏芽はぐったりと厨房の片隅に置かれたテーブルの上に突っ伏した。残りの仕事は空母の厨房担当が請け負ってくれるとのことで、手伝いの夏目はようやく解放されたのだ。さすがにもう中華鍋四刀流は二度としないと誓う。

 

「お疲れさまでした。大活躍でしたよ」

 

 と、正面から声がして夏芽が顔を上げる。そこには同じく一仕事終えた犬走椛が炭酸ジュースをテーブルの上に置いてにこやかに微笑んでいた。夏目は会釈してジュースを受け取る。

 

「んあー、ありがとさん。けどもうやりたくはないわね」

「ふふっそういうと思いました。でもこんな時ですから、みなさん息抜きしたいんですよ。私たちが一役買えたのはむしろ光栄なことです」

「ポジティブねー」

 

 プルタブを開け、夏芽はジュースを飲む。ややきつめの炭酸が喉を抜けていく感覚は疲れた体には最高の補給だった。時刻を見るとそろそろパーティーの開始時刻が迫っていて、あちこちでは飾りつけの最終チェックが行われていた。そのすぐそばを甲板に用意されたパーティー会場へと運び込むための料理が運搬されていく。

 

「こうしてみると戦争やってるなんて嘘みたいよね」

「ですね。でもこうしている間にもオーシアもユークトバニアもいがみ合ったまま。それもベルカの残党の要らない工作で」

 

 椛は自分のジュースを口に入れる。今でこそ大きな戦闘は起きていないとのことである。年に一度、争いを行わない聖なる日はほんの一瞬の平和を太平洋に与えていた。

 だが、それもあと8時間もすれば終わる。本来なら今すぐにでもハーリング大統領とニカノール元首が握手を交わす姿を全世界に放送したいところではあるが、そのためにはオーシアとユークに食い込んだベルカの息がかかった連中を排除する必要がある。今現在水面下で隠密部隊がその下準備を行っているのだ。

 

「噂では伝説の傭兵がその工作員の排除に関わっているらしいですよ」

「それって俗にいうBIG BOSSって奴? 噂程度にしか聞かないからどんな兵士か想像がつかないわね」

「噂では冷戦時に核戦争の勃発を阻止したらしいですよ」

「まっさかー。それだったら今よぼよぼの爺さんよ。そんな兵士が現役なんて、漫画やゲームじゃあるまいし」

「あくまで噂ですよ」

 

 噂ねぇ。夏芽はフムンと鼻を鳴らしてジュースを飲み干し、げふと息をついた。

 

「ところで、機体のデータ収集の状況はどうですか?」

「上々よ。兄貴もスザクも姉ちゃんもよくやってくれてるわ。FLANについても、クライアントは集まったデータに満足してるらしいし」

 

 夏目はタブレット端末を取り出し、いくつかのセキュリティをクリアして機体管理のタブを開くと、Su-47ADVANCEの図面をタップする。

 

「FLANの学習能力もこの短期間のテストと戦闘で急成長しているわ。スザクの癖もほぼ覚えたみたい」

「XFA-27で蓄積したデータが役に立ちましたね」

 

 実のところ、スザクのXFA-27にはFLANのダウングレードコピーともいえるコンピューターが積み込まれており、ヴァレーにいた時からスザクの戦闘データを蓄積していたのだ。ファーバンティに到着した際、そのデータをFLANに移植させることにより、学習期間の大幅な短縮を行ったのだ。

 

「いうなら、スザクとスザクの癖を知っているもう一人が乗り込んでる、って感じでしょうね。さしずめ兄の世話を焼く妹って言ったところかしらね」

「まるで夏芽さんですね」

「あー、確かに」

 

 思えば自分の双子の姉も、放っておくと何やるかわからない性格だ。それを見越して、父親はISAFのコネクションを自分に教えたのだ。おかげでしばらく仕事に忙殺されかけた。

 

「まったく、面倒事を言ってくる両親だわ。ご丁寧に私を新型機開発主任に放り投げて、兄貴のX-02のテストと、委託でXFA-27とY/CFA-42の調整、我慢できなくて戦闘機のりを志願した姉への対応、とどめにスクラップ同然のSu-47の修復、大幅改造なんて仕事が舞い込んできたから殺すつもりかと思った」

「あの時はてんてこ舞いでしたもんね。私なんか寝ながらモニター調整してましたもん。記憶ないです」

 

 たった数年で何度も嘔吐しそうな局面を迎えた夏芽と椛は、当時のことを思い出して盛大にため息をつく。世の中理不尽だとつくづく思った。

 

「あーあ。おかげでいい男が見つからないわ。私の青春返してほしい」

「まだまだこれからですよ。腐りかけが一番おいしいって言いますし」

「それケンカ売ってる?」

「冗談ですよ」

 

 ぺろりと舌を出す椛に、夏芽は大きくため息をつく。ふと厨房のほうに目を向けると、ついに侵入に成功したサイファーがフライドチキンをつまみ食いしようとして海里に蹴飛ばされた瞬間だった。

 

「あの二人がうらやましいわ」

「そうですね。サイファーさんもすごく立派な人だと思いますし、行動を起こした海里さんもこれほどにない立派な女性です」

「私に男ができないのは多分姉ちゃんとバカ兄貴のせいだと思う」

 

 実際、鬼神こと初代サイファーは海里が行動を起こすことを見越していたのだろう。だから夏芽にISAFの籍を用意していた。もちろん、強制はしなかった。平凡なOLにもなってもいいと何度も念を押され、それと同じくらいISAFへ参加してくれと頼んだ。一般人の生活に憧れていないかと聞かれれば憧れている。だが残念なことに、如月家はどうも呪われた一家らしく、ベルカの呪縛にこうして憑りつかれているのだ。

 

「ま、私が居なかったら姉ちゃんはどこかで暴走するのは目に見えていたからこうしてISAFに入ったわ。どうせ行動を起こすなら、一人よりも誰かがいたほうがいいし。ああ見えても姉ちゃんは脆いのよ」

「すごくたくましそうなのにですか?」

「意外とメンタル弱いところがあるのよ。特に兄貴に対しちゃ依存に近い形で接してるから、離れると一層ね」

「もはや恋人とかそういうレベルじゃないですね」

「姉ちゃん曰く、毎日結婚してくれって言われてるらしいわ。死亡フラグへし折るために」

「うわ、きもい」

「私もきもいと思う」

 

 それから二人同時に目があってどちらからともなくくすくすと笑いあう。確かに死にそうになる仕事だ。だが、こうして時々バカっぽい話をするのがそれ以上に好きだったし、やりがいだって感じる。夏芽は、きっとどこかであの二人を見守ることを決意していたのだろう。だから、それでもいい。

 

「本当は、親父も母さんも私たちを巻き込みたくなかったのよ。でも15年前の呪縛はそれを許さなかった。私にISAF入りの話をしたとき、親父は泣いていたのよ。本当にすまない、戦いに実の娘たちを巻き込むのは親失格だってね。でもこうしたほうがよかったんだと私は思う。そうじゃなきゃ、私も兄貴たちも生きていられるかわからないから」

「じゃあサイファーさんはどうして戦闘機乗りになろうと思ったんですか? それも普通の戦闘機乗りより、こうしているほうが過酷な運命を背負うことに……」

「兄貴が望んだのよ。まぁ正確に言えば訓練課程を終えてから事情を話した感じね。でも兄貴はこの道を選んだ。理由は……言わなくてもわかるわね」

「愛妻家ってことでいいですか?」

「そのとおり。でももちろん半端な正義感だけじゃやっていけないから、親父は兄貴を試したわ。丸一日、兄貴を相手にしてドッグファイトしてた。姉ちゃんは知らないだろうけど」

 

 その様子を夏芽は思い出す。夜になって戻ってきたサイファーは、地面に降り立った瞬間盛大に嘔吐した。戻すものがなくなっても目を回し、足取りもおぼつかずに一歩間違えれば基地の駐機場にそのまま寝ていたかもしれないほどだった。

 

「そんな状態になるまで……」

「でも何というか、兄貴もバカでね。吐いた後なんて言ったと思う?」

「もう一回やるって言ったとか?」

「正解」

 

 その言葉を聞いたとき、夏芽はさすがに止めた。よせ、死ぬ気かと。しかしサイファーはこう答えた。「あと少しで、鬼神に勝てた。だからもう一度だ」と。

 

「で、その直後にもう一回吐いた。吐かなきゃかっこよかったのに」

「なんというか……すごいとしか言いようがないです」

「姉ちゃんもこれは知らないからね。で、覚悟があると見込んで親父は兄貴に『サイファー』の名前を与えてヴァレーに送ったのよ」

 

 ほう、と夏芽はため息をつくと、頬づいて夏芽は二代目鬼神と双子の姉を見つめる。海里は動かなくなったサイファーを抱え上げ、やれやれという風に外に運び出す。時計を見ると、そろそろパーティーの開始時刻だった。

 

「兄貴は姉ちゃんに降りかかる如月家の呪縛を自分で受けようとしたのよ。だから誰よりも姉ちゃんがこの一件に関わることを反対する。空母に乗り移ってからのあの態度も、そのため」

「でも、海里さんは来た」

「そうよ。姉ちゃんの性格上黙って待つなんてできない人だから。まったく、夫婦そろって馬鹿よ」

 

 呆れて口調でそう言う夏芽だったが、その眼は優しく二人のことを見つめている。それを見て椛は思う。夏芽はきっと、誰よりもあの二人のことが好きなのだろうと。

 

「さーて、二人が無事に結婚して、故郷で幸せに暮らせるようになったら私たちも男でも探そうかね」

 

 夏芽は大きく腕を伸ばして伸びをする。パーティー開始の時刻となり、扉が開いてぞろぞろと乗組員が入ってきた。

 

「あの、夏芽さん」

「んー?」

「その、さっき私たちも男探そうって言いましたよね」

「うん、そうだけど?」

「私……いるんですよ、夫が」

「…………」

 

 夏芽はしばし沈黙し、犬を思わせる癖毛の銀髪少女を見る。見てくれは子供、年齢も自分より少し上で大差なし。左手の薬指、指輪あり。

 

「いつもは整備の時ははずしてるんですけど、今日くらいはってことで」

「…………裏切り者ぉおーーーー!!」

 

 夏芽の絶叫は、食堂にむなしく響き、乗組員たちの喧騒に飲み込まれて消えた。

 

 

 

 

 夜。空母ヴァレーの甲板に並べられた料理は乗組員たちの舌を唸らせ、あちこちで乾杯が起こる。普段の疲れをここぞと発散しありったけの料理を口にする者もいれば、したたかに杯を進める者もいる。中にはすでに酔いが回って服を脱いで甲板を走り回る者や極寒の海に飛び込もうとする馬鹿も現れて甲板の上はどんちゃん騒ぎだった。

 

 そんな中、集団から少し離れたE-2Dホークアイの翼の下で座り、少しばかり酔いが回って火照った体を風にさらしながら小早川ゆたかと岩崎みなみは二人で飲む初めての酒の味を堪能していた。

 

「こうして二人でお酒を飲むのは初めてだね」

「うん。ただ、きついのはちょっと無理かな」

「私も。この前誕生日パーティーしてもらったときにきつめのお酒飲んでみたんだけど、そこから先の記憶がなくて。にとりさんに聞いたら『きついお酒だけはやめて』って言われちゃった。確かに二日酔いひどかったけど、それだけじゃなさそうな気もするなぁ」

 

 ちなみに、言うまでもなくゆたかは自分が酔った時のことを覚えていない。その恐ろしい変貌たる様はサイファーたちの間でのみ語り継がれる伝説となるだろう。

 

「飲みすぎも、よくないから……それでいいと思うよ」

「そうだね、そうするよ」

 

 くい、とゆたかは梅酒のソーダ割りを口に運び、皿に置かれた唐揚げをつまむと、視線を夜空に向ける。雲一つない快晴で、星々が彼女たちを見下ろしている。視線をゆっくりと下し、水平線まで広がる星々をみていると、今にも海に沈みそうな南十字星が見えた。

 

「…………みんな、元気にしてるかなぁ」

 

 ゆたかは高校にいた時を思い出す。確か受験するときは早速気分を悪くして化粧室でため息をついていた。そこにみなみがハンカチを渡してくれて、入学後もずっと一緒に過ごしてきた。

 

 もちろんみなみだけではなく、ほかにも多くの友人ができた。確か、漫画を描くのが大好きだった子は今漫画雑誌で連載を持っているはずだ。その単行本のあとがきには彼女の苦労話や、高校の時のことに触れられたりして、その中に自分やみなみのことも書かれていたし、ゆたかの出したエアメールに返事ができないことを詫びもしていた。けど、直接会ったのは自分がオーシアを離れる日の見送り以来だから、数年ほどご無沙汰である。

 

「今度、アニメになるみたいだからまだ忙しいみたい」

「ほんとに!? すごい、録画しなきゃだね!」

 

 他にも、留学生の子は今でもオーシアに居て翻訳氏していたり、委員長は公務員になっていたりと、いろいろな話を聞いた。こうして友人のその後が上手くいっているのを聞くのはとても楽しく、早くみんなに会いたいとゆたかは思う。

 

「でもみなみちゃんが会いに来てくれたのはびっくりしたよ。それも管制機のパイロットなんて」

「うん。無事で本当に良かった。でも、ちょっと失礼だったかなって、思ってる」

 

 みなみの意外な言葉に、ゆたかは不思議そうな顔になる。自分はこうして会えたことが何よりも嬉しいのに、彼女の中では何が不満なのだろうか?

 

「その……私はゆたかのことが心配でパイロットになったけど、心配なんていらなかったって。むしろ、心配で様子を見に来るのはゆたかのことを信じていなかったことになるから、それを考えると……」

 

 ああ、なるほど。ゆたかは納得がいく。みなみはクールで表情も大きく変わらないが、中身はすごくまじめで些細なことに関してはすごく敏感で、そして深く考える。故に自分のことはどうしても後回しにしがちだったから、その点でゆたかは心配に思っていた。

 

 しかし、もう自分たちは大人なのだ。誰が何をしようと、責任は自分で取る。本人が満足いく結果を得られるならまったく構わない。みなみは、それを実行したまでなのだ。

 

「いいんだよみなみちゃん。あなたがそうしたいって思ったならそれに間違いはない。それに、私はとっても嬉しかった。また会えて、これからも一緒に居られるから心強いの。だからありがとうね」

「…………うん。ありがとう、ゆたか」

 

 みなみはそれ以上言わなかった。ただ、やはりゆたかは変わったのだと思う。だがその一方でやはり変わっていないとも思う。

 

(やっぱり、ゆたかといると自分の悩みがばかばかしくなるな……)

 

 この子にはいつも気づかされる。やっぱり彼女を最高の親友だ。だから、必ず守って見せよう。この子の手足となって鷹の目になろうと、みなみは誓う。

 二人の真上を、二機の戦闘機が飛んでいく。することがなくて暇だと発艦したサイファーのX-02とそれに付き合ってる海里のY/CFA-42だ。二機は余興代わりに艦隊の上空を低空飛行で通過する。艦隊を囲うようにしてぐるりと一周すると、二機は急上昇して花火を搭載した特別仕様のミサイルを発射する。それはしばらく上昇したのち、大きな花火となって夜空を照らした。

 

 

 

 

 航空母艦ヴァレー娯楽エリアの隅に佇むバー、Lucky☆StarはCLOSEの札がかけられ、誰も入れないようになっている。ただ、そんなことをしなくても今日に限っては誰もこっちには来ないだろう。今頃乗組員たちは甲板でどんちゃん騒ぎをしているのだから。

 

 そんな日でも、やはりその男はいた。ヴァレー艦長、芹川凪乃。彼はお気に入りのこなたオリジナルカクテルを傍らに、カウンター席に座っている。その隣にはシスター古明地さとり。そしてカウンター内に泉こなたの珍しい三人だった。

 

「いやー、上はすごいみたいだよー。誰が海に飛び込むのかで賭けが起きてるみたい」

「あまり危ないことはしてほしくないんだけどな。マーティネズ・セキュリティー社に文句を言われるのは僕だ」

 

 いつもは仕事用のタブレット端末を持つ凪乃であったが、今日はさすがに持ち合わせてはいなかった。クリスマスくらい仕事を忘れてもいいじゃないかという彼の考えであり、この考えが空母内でのクリスマスパーティーの開催につながったのだ。

 

「今のところそういった方は出ていませんし、今後出ることもありませんよ。私が保証します」

「シスターの言うことって預言者並みにあたるから安心だね」

 

 どうぞとこなたはつまみのフライドポテトを差し出す。凪乃は待ってましたとケチャップにポテトをつけて口に入れる。揚げたてのジューシーな風味が口に広がった。

 

「それで? ケストレルの方はどうだって?」

「今日くらい仕事の話はしたくないんだが……ニカノール元首の方は交渉するための準備をしているってさ。ハーリング大統領もオーレッドに極秘で帰還している。首都官邸奪還任務の決行は明日だ。BIG BOSSの支援ももらっているし、彼らなら大丈夫だろう」

 

 二本目のポテトを手に取り、今度はマヨネーズにつけて口に入れる。それに続いてこなたも数本ほど摘まむと、そのまま口に運んで自分の分のグラスを取り出す。選んだのはカルアミルクだ。

 

「あ、私にもお願いします」

「おやぁ、シスターさんもお酒飲むんだ」

「今日くらいは、です。妹も上で楽しんでるみたいですしね」

 

 そういいながら、シスターさとりはポテトをつまみ食いしようとした黒猫お燐の額を優しくたたく。お燐、抗議の目。小さく「みゃう」と鳴く。

 

「猫舌のあなたが食べられるものじゃないですよ。あなたはこっちです」

 

 さとりはこなたに皿を一つ頼み、ポケットから猫缶を取り出して皿に盛りつけると、お燐はすぐにご機嫌な鳴き声を上げてカウンターに乗り、ご馳走にありついた。

 

「こいしちゃんは上で何やってるんだろうね~。私には想像できないや」

「たぶんあちこちで料理を食べていると思います。すばしっこいですから誰にも気づかれることはないでしょう」

 

 あの気配の薄さはすばしっこさだけで説明できるものではないのだがとこなたは思ったが、そこには触れないようにしておく。二人分のカルアミルクを注ぎ込み、女二人で乾杯した。

 

「僕は仲間はずれかな」

「女同士ってものもあるんだよ凪乃」

「そうですよ、艦長さん」

「まいったな……」

 

 ばつの悪そうな顔になり、凪乃は頭をかく。二人は軽く笑いあい、こなたはポテトを一本差し出す。

 

「ほれ、あーん」

「子供か僕は」

「いいじゃんいいじゃん、私たちの仲なんだしさぁ」

「付き合いが長いだけだ」

 

 とは言いつつも、凪乃はこなたの瞳をほんの少しだけ見つめて、降参のため息を吐くとそのままポテトを口に入れる。シスターさとりはそんな二人を微笑ましく見つめて言う。

 

「お熱いですね」

「勘弁してくださいよ。いらない勘違いしている乗組員が多いみたいですが、僕たちは付き合いが長いだけで何でもないです」

「それが本当って保障はどこにもないですけどね」

「同時に本当じゃない保証もないです」

 

 確かに、そうですね。さとりはグラスを傾けると、むしゃむしゃと餌を食べるお燐の尻尾をやさしく握ってやる。凪乃はやれやれと机に突っ伏す。冷たいカウンターが頬を冷たく受け止める。こなたはそんな凪乃の頭に手を置き、動物を扱うように優しく撫でた。

 

「……こうしてすべてを忘れて休めるのはこれで今年最後だろう。明日からすべての歯車が動く。そのどこかで歪が生まれれば、噛み合わなければ僕たちは負ける」

「けど、私たちができることは全てやり尽くした。後はサイファーたちに任せようよ。それが私たちにできる最後の仕事さ」

「……ああ。わかってるよ」

 

 そこから先は特に会話もなく、三人はただその場でそれぞれの考えに耽る。古びた針時計の音だけが静かに、そして確実に時を刻む。

 

 2010年12月25日。世界は、その日だけ平和だった。

 

 だが、その一方で15年前の呪縛は蠢き続ける。世界が平和でも、必ず蠢く。いつでもどこでも、呪縛はそこで生き続ける。誰かが息の根を止めない限り。

 

 2010年終了まで、あと6日。

 

 

 

 


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