ACE COMBAT ZERO-Ⅱ -The Unsung Belkan war-   作:チビサイファー

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暫定公開。あとで手直ししておきます


Mission25 -ニカノール元首救出作戦-

 

 

 クリスマスを数日後に控えた12月21日。ある数字が情報収集船ヒビキに送られた。ユークトバニア側からの協力者からの物ではあったが、明確な内容が書かれておらず、あとは日付と緯度経度、周波数が書かれているだけだった。これを見た芹川凪乃が不審に思い、一応と言うことで何か思い当たる節はないかとサイファー達にその数字が見せられた。その数字はこうである。

 

『287.500.472.500 1222 0000 127.121 24°0601N 099°0713』

「なにこれ?」

 

 海里が不思議そうな顔で見つめる。それはサイファーとスザクも同感で、しかしどこかで見たような既視感を覚えて記憶のページをめくる。ただ、どうも思いだしたくないような数字な気もしていたからちょっと引っかかる。これは一体何だったのだろう?

 

「なんだっけこれ……何か良い物じゃない気がするんだが……うーん……あっ!!」

 

 と、サイファーは思いだした。何と言うことだ、確かに思いだしたくない数字だ。そしてこの番号を知っているのは自分の人生の中でただ一人しか居ないと言うのも。

 

「これ、俺の訓練時代の座学の点数だ……」

「へー。じゃあもう片方はスザク君のってことね」

「ああ、そうだ思い出した。確かにこんな点数取ったわ」

「で、どっちがどっち?」

「前者がサイファー」

 

 うーわ、と海里は眉を潜めた。こいつまたやらかしたのかと言いたげな顔である。いや、実際そう言いたかったのだろう。二人きりだったら一時間くらいは解放されないだろ。

 

「あんた……相変わらず座学はダメね……知識はあれども知能が無い」

「うっせうっせ、戦闘になったら頭脳なんて関係ないんだよ!」

「なーによこれ、ギリギリ半分超えてるだけじゃないのよ。スザク君の方が優秀ってどう言う事よ」

「こいつ座学の時は半分くらい寝てたな」

 

 というスザクの発言に、海里は目に見えて呆れた顔になり、額を手で押さえて首を振る。そして一言、「バーカ」と言った。

 

「お前らなんか嫌いだちくしょう!!」

 

 嫌な思い出である。なんでまたこんな事思い出さなければならないのかと大きく嘆いたが、今はそれどころではないと言うことで一旦持ち直す。

 

「……俺たちの座学の点数……それを知ってるのは訓練時代の同期、またはバートレット教官だけだ。つまり、これは俺たち宛ての暗号通信ってことか」

「これではっきりした。今度の作戦は君たちの恩師からの依頼と言ったところだろう。しかし、それならそそくさとこちらの情報網を使って通達すればいい。だが、今回はそれをしなかった。つまり、我々の中に更にスパイがいる可能性を危惧しての行動だろう。そこで次の任務だ」

 

 次の任務、という単語にサイファー達ガルムチームは横に整列し、身構えて凪乃に向き合う。

 

「現在、12月21日18時27分。約二時間半後に空母から発艦、目標地点へと向けて出発。当該空域で指定された周波数からの伝達を待て。以上だ」

 

 

 

 

 現在日時、12月21午後11時47分。長い長い長距離フライトと言う物はとてつもなく退屈で、それが夜間になると見えるのは必要最低限の計器だけで、あとは満天の星空だけである。最初こそは美しい事この上ないのだが、それが数時間続くとなると飽きて来るし、そうなってしまったら苦痛以外の何物でもない。

 

 もう帰っていいかな。サイファーはそんな事を何度も思っていたが、目標空域に近づいたことを知らせるアラートが鳴って意識を引っ張り戻す。そしてモニターに何か文字が書かれている事に気がついて読み上げる。

 

<集中しなさい、ガルム1>

「……スザク、お前なんか飛ばしたか?」

『FLANに送ってもらった』

「おんめぇ覚えてろよ」

『無駄口叩かないの、もうそろそろよ。周波数合わせなさい』

「あいよっと」

 

 周波数のつまみを回し、指定された周波数へと調整する。予定時刻まであと数分。久々に自分の教官の声を聞くと言うのはなかなか気恥かしい気もするし、さて第一声はどうなるのかとやや緊張気味である。

 

(ところでここはどこだ? いや、ユークトバニアの旧炭鉱地帯の上空だって言うのは知ってるが、正確な位置までは掴めない。蛇が出るか鬼が出るか)

 

 指定された座標のすぐ目の前までガルム隊は到着していた。こんな遠路はるばる呼び出して一体何をさせられるのだろうか。あの教官はいつも口うるさくて何かと口に表現するのが面倒、と言うか下手な人だったと思いかえす。

 

 ザザザッ、とスピーカーにノイズが走る。来た。ガルム隊の空気が張り詰める。しばらく雑音とチューニングの音が混じってまだかまだかと緊張するが、すぐにクリアな音が響いてサイファーとスザクにとって懐かしい声が聞こえて来た。

 

『……こちらハートブレイクワン、バートレットだ。来たなひよっこども、こちらはエンジン音とそっちの編隊を確認した』

「やっぱり教官でしたか。お久しぶりです」

『なるほど、編隊飛行は上手くなったな。今はサイファーって呼んだ方が良いんだっけか。まったく訓練時代からそう名乗ってたが、結局そのままとは。加えていっちょまえに先頭に陣取るとは、随分と偉くなったものだな』

 

 生意気な奴だと言いたげなバートレットの声色。この鬼教官まるで何も変わってないなとサイファーとスザクは察した。

 

「手厳しいですね。こちらと手しっかりと先代から継いだ名前ですしおすし、最初から最後までこの名で通すつもりですよ。教官、お変わりないようでなによりです」

『そっちもな。相変わらず口だけは達者だ。さて、もう少し懐かしい話をしたいところだがそうもいかない。こっちは今からこの鉱山跡地に幽閉されているニカノール元首の救出作戦を開始する。重要な作戦のため内容までは打電できず、お前たちを呼ぶことになった。それについては無礼を詫びよう。だがこの作戦は航空支援なしでは完遂は不可能な内容だ。そちらの空中管制機にデータを送る。随時確認してくれ』

 

 程なくして、太平洋上空で待機しているラッキースターからのデータリンクが全機に届けられた。

 内容はこうである。現在ニカノール元首はユークトバニア旧炭鉱地に掘られたトンネルを利用した収容所に閉じ込められている。バートレット大尉は密かに集めた協力者たちで一個小隊を作り、収容所を強襲。しかしこの近辺には廃棄された滑走路も存在し、そこから航空隊が出てくる可能性もある為、制空権確保のためにサイファー達が呼ばれた。

 

 加えて、地上の守りが強固だった場合にも航空支援を要請するつもりだった。その為、サイファーのX-02のウェポンベイには対地ミサイル4AGMが搭載されていた。

 

『奴らもバカじゃないからな。大量の航空隊でここを護衛しようものなら流石に怪しまれる。だから少数精鋭の戦闘機部隊を隠している可能性が高い。こちらと手腕利きの兵士を集めたが、流石に空の敵にはどうしようもない。そう言う訳で、上は任せたぞ』

「了解です、上はお任せください。バートレット教官もお気をつけて」

『へっ、他人を心配するとは出来るようになったじゃないか。だが減点個所があったら容赦なく鉛玉ぶち込むから覚悟しろ』

「ひえー」

 

 時刻は午後11時58分。作戦開始時刻は午前0時ジャスト。ガルム隊に緊張が走る。地上からの交信はあったが、正確な位置はサイファー達も知らない。半径10キロ範囲を旋回し続け、作戦開始時刻を待つ。残り一分を過ぎ、FLANがガルム隊にデータリンクを飛ばしてカウントダウンを開始する。

 

<10、9、8、7……>

(ドンパチ始まるか……)

 

 操縦桿を握り直す。気付けばグローブの中がじっとりと汗に包まれていた。これからユークトバニアの首相を救出するのだ。今後の戦争を大きく左右する作戦であるのは間違いない。そしてもし空の敵が出て来るならキニゴス以上に厄介な相手かもしれないと思うと、やはり緊張は拭えなかった。

 

<3、2、1、0>

 

 カウントが0になると同時に、地上の一角で派手な爆発が上がる。それも一か所ではなく二か所、三か所目と真っ暗な炭鉱地に爆炎が巻きあがって周囲を照らし出す。一体いつの間にそんな爆弾を仕掛けたのだろうかとサイファーは変な汗を流しながら機体を傾けて地上に目を向ける。

 

『おっしゃあお前ら! 派手にドンパチやるぞぉお!!』

 

 無線越しにバートレットの雄たけびが聞こえてくる。あの人も大概飛行機バカだったから長いこと地面に足を着いたままで鬱憤が溜まっているのであろう。やたらと鈍い銃撃音が長く響き渡る。軽機関銃をぶちかましているのだろうと察した。

 

『ハイヨー!! 撃ってきた、撃ってきたぁああ!! 野郎ぶっ殺してやらぁああーーーーっっ!!』

『……どうしてこう飛行機乗りってバカが多いのかしら』

 

 海里が呆れた様子で呟いた。いや、あの人はテンションが上がるとこうなるぞと言ってやりたかったが、余計なことを言うと本当に口を針と糸で縫い合わせに来そうだったからそっと心にしまっておく。レーダーに意識を向けて敵航空部隊が接近しないか注意を向ける。

 

『大尉! 右方向から戦車です!』

『奴らこんな物まで隠してやがったのか。RPG持ち出してぶちかませ!』

 

 その言葉から数秒置いて、RPGの発射音が響く。その直後に再び地面に火球の花が咲く。機体を傾けてみると、戦車のキャタピラが崩壊して炎が上がっていた。

 

『致命弾ではありません、主砲がこっちを向きます!』

『掴まれ!』

 

 バートレットのジープが森の中をドリフトする。生き残った主砲でジープ撃ち抜こうとするも、放蕩の回転が間に合わずにあらぬ方向へと飛ぶ。サイファーがミサイルの切り替えスイッチを押しこんだ。

 

「ガルム隊各機へ。一旦編隊を離れる。スザク、上は任せる」

 

 操縦桿を捻り、ハーフロール。機体を降下させて対地攻撃モードに入れるとHUDを睨み、地面との衝突に細心の注意を払う。

 

「教官、ちょいと生き残った奴潰します」

『ほう、気がきくじゃないか。恐らくまだ何台かいる。また出くわしたときは頼むぜ』

 

 ウェポンベイ解放。パイロンに搭載された四本の対地ミサイルが顔を覗かせる。対空射撃があった場合に備えて急降下。木々が触れるギリギリで機首を引いて射程内に入るとロックオン。一発発射し、急上昇して離脱。切り離されたミサイルは目標上空にたどり着くと垂直に降下し、止めを刺した。

 

『ほー。対地攻撃も腕を上げたな。十分合格点だ。ただもっと高度落とせると思うぞ』

「教官、戦うか指導するかどっちかにしてください……」

 

 高度を落としながら、バートレットの救助車両隊を視界に入れる。暗くてよく見えなかったが、数台の車両が一列に旧鉱山地帯の麓に向けて走行していた。と、海里のY/CFA-42の追加広域レーダーが地面に移動する物体を新たに捉える。数四、一本道を塞ぐ形で展開しつつあった。

 

『サイファー聞こえるか! そっちでも見えてると思うが、敵の戦車に道がふさがれそうだ。どうにか排除してくれ』

「お安い御用です。ガルム3、データリンク飛ばしてくれ」

『おっけー、地上レーダー発信。リンクデータ送信。しっかりやんなさいよ』

 

 モニターに敵戦車部隊のアイコンが表示され、サイファーは機体を傾けて目視する。四つのキューが集まりつつあり、あと一分もしないうちに進路がふさがれるだろう。その前に叩く。

 

 ローリング、急旋回。エアブレーキを展開して目標を真正面に捉える。シーカー冷却、ターゲットにカーソルが重なろうとした瞬間、カンカンと機体を叩く音がした。一瞬何かと思ったが、敵戦車周辺から発砲の光が見え、歩兵がアサルトライフルで攻撃しているのが分かった。戦闘機の装甲には大して有効ではないが、油断はできない。ロックオン完了、発射。銃弾を避けるためにそのまま急上昇。ミラーを確認すると膨れ上がる火の玉が三つ。一台撃ち漏らした。

 

「やっべ、一台漏らした!」

『バカ、詰めが甘いぞ』

 

 後ろからスザクのSu-47ADVANCEから発射された通常ミサイルが戦車に突き刺さり、弾薬に引火して内側から爆発して周りにいた兵士を巻き込む。おかげで戦力が低下し、バートレット率いる突入車両部隊の道が開けた。

 

『よぉし、よくやったお前ら! 防衛網突破だ、野郎ども飛び込め! 安全装置外せよ!』

 

 車両部隊が鉱山入口前で停車し、車体を壁にして臨時の防衛ラインを作り上げるとバートレットが軽機関銃を担いで突入部隊とともに中へと飛び込む。その間車両と鉱山を守るべく、防衛部隊が弾幕を作って敵の侵入を阻止する。と、海里が叫んだ。

 

『サイファー! レーダーに反応、鉱山の入り口から6マイルに攻撃ヘリ!』

「隠れてやがったか、相手してやる!」

 

 地上部隊にとって、攻撃ヘリは戦車よりも厄介な相手だ。誘導ミサイルがなければ撃ち落とすのは至難の業であり、火力だって場合によっては戦車よりも高い。早急に撃ち落さなければバートレットの帰り足がなくなってしまう。

 

 スロットルをMAXまで押し込み、反転。スザクに周辺空域の確保を命じてサイファーは離陸地点に急行する。いた。HUDに表示されるAH-64Dの文字。低空を進み、高山地帯へ向けて飛行している。すぐに叩き落とす。そう思っていた矢先、コックピットをミサイルアラートが叩いた。

 

 とっさに急上昇。後ろに首を向けると、生い茂る林の中からミサイルが二発。地対空ミサイルが配備されていたか。サイファーは舌打ちしながら急上昇。フレアをばら撒いてミサイルの赤外線の目をつぶす。回避成功するも、AH-64Dはバートレットに再度接近し続けていた。

 

「スザク! そっちで撃ち落とせるか!?」

『任せろ、レーザーぶち込むから射線上に入るなよ!』

 

 スザクがマルチディスプレイに指を走らせ、FLANが意図を察してTLSのチャージを開始する。目標AH-64D二機。照射時間五秒、出力30パーセントに設定。発射準備完了。

 

 右旋回、接近するヘリに向けて機種を向ける。背中に背負った無骨なTLSの砲口が光る。HUDにTLS専用の照準が現れ、狙いを定める。サークルの中心点、またはサークルの中にターゲットを入れれば補正が入って自動的に命中させることができる。

 

 TLSの初の実戦射撃だ。威嚇ではない、敵を撃ち落とすためのモードだ。サークルに一機目のヘリが入る。二秒待って、もう一機も照準内に入り、目標を手前のヘリに向けてトリガーを引く。マルチディスプレイに『FIRE』と小さく表示された。

 

 直後、キャノピーの上を真紅の光が現れ、真っ暗な空に向かって一直線に伸びていく。そしてその先にいた一機目のAH-64Dのテイルローター付近を焼き千切り、バランスを崩して回転しながら落ちていく。一機目撃墜、二機目へとターゲットを切り替えてすぐさまFLANの補正が入り、二機目の胴体に直撃する。質量をもった光の筋は、あっという間にヘリの装甲を溶解させて風穴を開けた。

 

 一瞬の出来事である。トリガーを引いて二秒と掛かってない。ターゲット消失を認識したFLANが自動的に照射を終了させ、TLSの冷却を開始する。正直なところ、スザクの脳内はとてつもなくやばいものを使ってしまったという軽い恐怖がじわじわと覆っていた。

 

『……改めて思うが、これ使っていい兵器なのか?』

 

 そんな声が無線に届く。サイファーも大概やばいものを作ったなと思いつつも、今の作戦はそんなことにこだわっている暇なんてないと思い直し、声を張り上げる。

 

「今は気にするな、こちらとてお国の代表助けるためにやってるんだからそっちが優先だ!」

 

 隠れていた対空ミサイルを潰し、サイファーはスザクの目の前を横切る。その衝撃波でスザクは気合いを入れなおし、悪魔の妹を背負った二番機もまたリーダーに続く。

 防衛ラインに戻ると、押し入ったバートレットたちを追い込もうと体勢を立て直した装甲車両部隊が近づいてきていた。数こそ少ないがそれはこちらも同じこと、早急な対処が必要である。

 

 サイファーは再び機体を降下させ、対地ミサイルを選択するとすぐさまロックオン。発射ボタンを押しこんでガンモードを選択し、機銃掃射のおまけ付き。二回、三回とボタンを押しこんだ後に急上昇。ミラーで爆発を確認する。

 

『こちらハートブレイクワン、ちゃんと帰りのタクシーは待っているんだろうな? さっきから爆発の音がこっちまで響いてるぞ』

「うるさいクレーマーを追い払ってます、そちらのお客さんは見つかりましたか?」

『もう少しで収容されている部屋だ。それまで頼んだぞ。っておいこらぁ!! 弾幕薄いぞ、何やってんだ!』

 

 バートレットの怒号とともに、派手な銃撃音がスピーカーに響いて思わず顔をしかめる。その向こうからトリガーハッピー状態の恩師の声。楽しそうで何よりである。

 

『サイファー、地上に反応! それと同時に方位265から敵影接近!』

 

 と、モニターにY/CFA-42からのデータリンクが飛ぶ。地上反応多数、空港跡地から戦車隊が接近中と表示され、東から三機の敵影。移動速度からして戦闘機部隊だと言うのは間違いない。

 

『隠し玉だ! FLANから解析、Su-35が三機で接触まで三分!』

「スザク、空の方に先行して時間を稼いでくれ!」

 

 そう叫ぶサイファーだったが、それとほぼ同時にFLANからデータリンクが飛んできて二人で迎撃すべきだという意見が表示される。一瞬サイファーは怪訝そうな顔になるが、しかし敵戦車は森の中を突き進み、木々に阻まれて明確な決定打を与えられる可能性が低いと判断してそれに従うことにした。

 

「よし、今回はFLANのプランを試してみようじゃないか。ガルム3、データ収集及びジャミング援護一旦解除、地上の敵に向けてけん制を。こっちは気にするな!」

 

 スザクが左後ろポジションに付いて迎撃態勢。ここで一発撃ち込みたいところだが、残念ながらサイファーは今回長距離対空ミサイルを積んでいない。ならばスザクのTLSでどうかと思うが、ジェネレーターの調整が上手くいかなかったため、そんなに無駄撃ち出来るほどのエネルギーが充填されていない。さっきのアパッチへの攻撃は緊急のため撃ち込んだのだ。先手の撃てない二人の耳に早速長距離レーダー照射の警告音が鳴る。

 

「ブレイク!」

 

 同時に左右に展開し、一時的に照射を振り切るがすぐさま再キャッチされる。アフターバーナー点火、速度を上げてX-02の主翼が収納される。その時、ミサイルアラートが鳴り響いてチャフをばらまく。アルミ箔の断片がレーダー波を打ち消し一発目を回避。続けて二発目が迫る。急上昇、エアブレーキ開。ベクターノズルが上を向いて主翼展開、クルビット。それと同時に再びチャフをばらまいて回避成功。目の前をSu-35が横切る。

 

 スロットルを押しこみ、再加速。外は暗闇でスザクの状況が分からないが、レーダーで見る限り健在である。サイファーは視界の左へ抜けたSu-35を捉えると、熱源ロックを仕掛け、敵は更に右へ急旋回。

 

 サイファーは逃すまいと右ラダーペダルを蹴り飛ばして機首の向きを変え、ほんの一瞬敵を真正面に捕えた瞬間にロックオンを仕掛け、ミサイルを発射する。機体のバランスを取り戻し、後ろに食い付いた二機目に注意を向ける。案の定、右に回避した一機に食らいついた瞬間を狙っていたのだろう。あのまま追撃していたら至近距離でミサイルを食らったに違いない。

 

『敵の隊長機を狙え! あの三枚翼だ!』

「混線か、俺を狙うとは良い度胸だ!」

 

 どうやら向こうは二対一でサイファーを追い詰めるらしい。確かに執拗に二機に追われ続ければ、師匠である元祖鬼神の手ほどきを受けた彼と言えども疲労が蓄積して動きが鈍るだろう。しかし、サイファーは哀れだと思う。自分を、自分たちを落とすならば戦闘機一個大隊を三つくらい連れて来なければならないと言うのに。

 

<サイファー、二秒後に急上昇>

 

 FLANからのコマンドが飛ぶ。カウントダウン、2、1、ナウ! サイファー迷わず操縦桿を引き、急上昇する。サイファーが空を突っ切った直後、その真後ろを突っ切る形でスザクのSu-47ADVANCEがSu-35の進路を妨害した。相手はたまらず急旋回するが、その進路上に赤い一筋の光が伸びる。ベルクート改のTLSだ。

 スザクは敵機の進路を妨害した瞬間、主翼を立ち上げて機体を急反転させ、TLSの射線を無理矢理敵機進路上に置いたのだ。照射時間、わずか一秒。だが敵の主翼を溶断するには十分すぎる時間だった。

 

 TLSの直撃を受けたSu-35は主翼の付け根を溶かされ、その隙間から漏れた燃料にレーザーの高温が引火し、機体を中身から吹き飛ばした。瞬き一回分の時間である。敵部隊は何が起きたのか全く理解できなかった。

 

『なんだ今のは!? ミサイルじゃないぞ!』

『レーザー光線とでも言うのか……そんなSFアニメじゃあるまいし!』

「事実は小説より奇なりってな」

 

 混乱する二機にX-02の鼻先が向く。ロックオン、フォックスツー。片方の一機にサイドワインダーが突っ込む。一瞬反応が遅れた片方のフランカーは一発目の回避には成功するも、二機目が垂直尾翼に突き刺さる。が、運悪く信管が作動せず、垂直尾翼二枚を吹き飛ばしたにとどまった。直後、コックピットから脱出を確認。パラシュートが暗闇で開き、やがて見えなくなった。

 

「不良品掴まされたか……あとでにとりに報告だな」

『サイファー、残り一機が退避していくぞ。どうする?』

「いや、無視でいい。アテナの加勢に戻るぞ」

 

 すぐさま旋回に入り、地上の戦車部隊にミサイルと機銃でけん制を与えるガルム3への加勢に入る。じわりじわりと侵攻を許していたが、間に合った。海里は十分な働きをしたと言えるだろう。

 

『サイファー、七秒遅刻!』

「充分だろ!」

『父さんだったらあと九秒早く来るわ』

「それ言われると……」

 

 機体を左バンクさせて降下。ミサイル切り替え、4GM。背の高い林の下に隠れている戦車隊にロックオン。直撃するとは思えないがそれでも足止めにはなると発射。目標の直上まで接近したミサイルは急降下し、戦車隊を襲う。だが、やはり木々に囲まれて上手くダメージが通らない。

 

『こちら地上バリケード、敵戦車の砲撃が正確になってきた! 大至急応援を!』

「了解、どうにか足止めする!」

 

 とは言うものの、敵はサイファー達の攻撃をかわす為に森林が深いエリアを通りながら鉱山に近づいているようで、これが厄介だった。再度サイファーが攻撃を加えるが、敵が散り散りになって一台を追いかけると他の複数車両がさらに前進する。主に空の敵を相手にしてきた付けが回って来たようだった。

 

『ガルム1、こちらハートブレイク・ワン。手こずってるようだがしっかり守ってるんだろうな?』

「現状何とか足止め出来てますが、あと十分が限界です!」

『ならあと三分完全に足止めしろ。こちらも手がある。いいか、一歩も動かすなよ!』

 

 それだけ言うとバートレットは通信を切り、サイファーは「そんな無茶な……」と呟きながらもスザクにTLSの使用を促す。一番近い位置に居る戦車に向けて発射。進路上に二秒間の照射ではあったが、右キャタピラを潰すことに成功したようで沈黙する。

 

『こちらガルム2、もうTLSのエネルギーが五秒照射で空っぽだ』

「了解、ミサイルと機銃で嫌がらせしてやれ」

 

 サイファーは再び低空で機体を反転させて4AGMをロックオンすると全弾発射。続いて二時方向に居たもう一台に通常ロックオンを仕掛けてけん制。急上昇、携帯ミサイルにロックオンされるがすぐに振り切る。と、その時だった。

 

 鉱山に近づいていた戦車の一両が突如火を噴き爆発した。サイファーは何事かと首を曲げるが、地上IFFに反応が出る。地上の援軍? どこから?

 

『間に合ったか』

 

 バートレットの安堵の声。まさか彼の言っていた手とはこのことだったのか。無線機に新たな声が入る。その声は意外なことに凛とした美しい女性の持つもので、しかしその中に強い意志があることを思わせた。

 

『こちらユークトバニア特務戦車隊黒森峰隊戦車長、西住まほ。ナスターシャ中佐の命令によりバートレット大尉の援護に参りました。これより敵戦車の排除のため、戦闘を開始します』

 

 と、カモフラージュネットを引きちぎり、その中からレオパルド2A6戦車が姿を現す。サイファーは西住の名に聞きおぼえがあった。たしか、ベルカ戦争時に劣勢に追いやられていた連合軍地上戦車部隊を復活させ、ベルカ陸軍を追い詰めたことで有名な戦車長西住しほ。彼女の戦いぶりは大胆かつ繊細、そして脅威の成功率を誇りその戦い方は「西住流」と味方に称えられたと言う伝説の戦女神。そして西住まほはその娘,

長女である。

 

「なんてこった、西住流のご登場とは……」

 

 続々と草木に擬態していた戦車隊が姿を現し、その姿は合計六台になる。二台が鉱山の前に立ちふさがり、壁を作ると残りの四台は混乱する敵戦車を追い詰める。心強い味方が来てくれて助かった。

 

『バートレット、聞こえるかしら?』

『ん、お前かナスターシャ。戦車に乗ってご登場とはなかなか派手じゃないか。こっちはせいぜい機関銃しか装備していないおんぼろジープだぜ』

『貧乏性なのは昔からでしょう。むしろその方がお似合いよ。もちろんいい意味でね。ここは彼女たちに任せて、そっちは早くニカノール元首を』

『分かってる。間もなく目的地だ。それまで上の連中と上手いことやって帰り道残しておいてくれよ』

 

 解放はもうすぐだ。サイファーたちは一層警戒を強める。今のところ滑走路跡地からの動きはなく、地上部隊も西住まほ率いるレジスタンスの戦車隊によって駆逐されている。作戦完了は目前化に見えた。

 

 だが、その直後に突入部隊の緊迫した無線が飛び込んできた。

 

『こ、これは……ミスターB! これをご覧ください!』

『…………なんてこった』

「教官、どうかしましたか?」

 

 バートレットは思わず持っていたアサルトライフルを取り落すところだった。ニカノール元首が囚われてる区画の手前に、組み立て途中の弾道ミサイルが転がっていたのだ。しかも、その弾頭部分にはまだ真新しい塗料で描かれた「Trinity」の文字があった。

 

『なんてこった……ここはトリニティ弾頭の生産工場も兼ねてやがったのか』

「トリニティの!?」

 

 ヴァレーを二度も破壊しようとした、あの弾頭ミサイルがここにある。サイファーだけでなくスザクも背筋が凍りついた。諸悪の根源がここにある。そしてそれは今も作り続けられていると思うと嫌な汗が噴き出してきた。

 

『ミスターB! 先行部隊がニカノール元首を保護しました! 意識がもうろうとしているようですが命に別状はなしです!』

『……よし、よくやった。味方が出口を抑えてくれているうちに脱出するぞ』

『しかしこの弾頭は……』

 

 もちろん放っておくつもりはさらさらない。ベルカ戦争時には企画で終わった代物だが、15年たった今、復讐の塊となって蘇った。核ミサイルV1、V2程ではないにしろ、大量殺りく兵器になるのは間違いない。考えられる処遇はただ一つだった。

 

『永遠に封印してやるんだ。サイファー聞こえるか?』

「教官のくしゃみまでまるっとすっきり聞こえてます」

『よーしいい子だ。折り入って頼みがある。お前らの持てる限りの火力でこの鉱山をぶっ潰せ。もちろん俺たちが脱出した後にだ』

 

 サイファーは残弾の確認に入る。通常ミサイルにはまだ余裕はあるが、対地ミサイルがそろそろ底を尽きそうだった。おそらくあの岩盤はかなり丈夫だろう。手持ちだけで落とせるか微妙なところだった。

 

 だが、宛がないわけではない。サイファーはスザクを呼ぶ。

 

「スザク、TLSの残弾はあとどれくらいだ?」

『五秒照射でからっぽだ』

「ふむ……ならやってみるか。教官、あとどれくらいで出れますか?」

『あと三十秒待て。こちらとて全力疾走で走ってるんだ。最後尾、もっと根性見せろ!』

 

 突入部隊の先頭が鉱山から飛び出し、茂みの中にいる歩兵に向けて発砲する。黒森峰隊の本隊が合流し、バートレットたちの搭乗を死守する。

 

『奴らを近づけさせるな! 西住流の誇りにかけて、ニカノール元首を守れ!』

 

 西住まほのレオパルド2A6が最前面に飛び出して砲塔を回す。コックピットにいても伝わりそうな衝撃波とともに、森の中にいる警備隊に向けて続々と砲弾を飛ばす。

 

『こちら最後尾、乗車しました!』

『点呼確認、できたところから急げ!』

『二号車、完了!』

『三号車完了! ニカノール元首も居ます!』

『一号車、完了! ナスターシャ中佐も乗車済みです!』

『よし、脱出だ! 護衛戦車隊、感謝する!』

『こちら戦車隊隊長西住まほ。バートレット隊長、ナスターシャ少佐を頼みます。ご武運を』

 

 ジープが走り出し、森の中へと一気に飛び込んでいく。黒森峰隊の装甲車二台が前後を挟み、護衛していった。ならいよいよこちらの番だろう。

 

「ガルム隊、全機対地戦闘用意! 穴倉をぶっ潰すぞ!」

 

 トライアングル編隊を組んだ三機の翼が月明かりを鈍く照らし返す。目指すは憎しみを生み出す悪魔の巣窟。終わらない連鎖を断ち切るべく、地獄の猟犬たちはその牙をむける。

 

『ガルム隊、こちらの砲撃で岩盤を脆くします』

 

 レオパルドの砲塔が180度回頭し、ぽっかりと空いた鉱山の入り口の上に向けられる。けん制射撃用の四台以外のすべてが同じ場所を向き、徹甲弾が押し込まれた。

 

『私の砲撃に続け。撃てぇーーつ!!』

 

 砲身から次々と炎が噴き出し、発射された徹甲弾が岩盤に突き刺さり爆発する。戦車八台からの砲撃を受けた岩盤はその衝撃の大きさにひとたまりもなく亀裂が入り、入り口付近が半分崩落した。

 

『くそ、これで限界か。ガルム隊、申し訳ないがこれで限界だ。我々も撤退する。あとは任せられるか?』

「ああ、問題ない。むしろ十分すぎるくらいだ。もしよかったら戦争が終わった後食事にでも行かないか?」

『ナンパですか?』

「いや、俺の嫁も交えてだ」

『なるほど、純粋なご好意ですか。しかしその申し出を受けたら俗にいう死亡フラグというものが立ちそうなので遠慮させていただきます。またの機会に』

「そりゃ残念だ。黒森峰隊の武運を祈る。また会おう」

『了解。全車両撤退! バートレット隊長の車輛郡に追いつく!』

 

 黒森峰の戦車部隊が素早く森の中へ消えていく。これで残ったのは航空戦力にはほぼ無害の地上歩兵部隊と少しの車輛だけだ。サイファーたちは悪魔の巣窟をつぶすべく、セーフティを解除した。

 

「編隊を組め。スザクは止めだ、まずは俺とガルム3で行くぞ」

『オッケー、ついていくわ』

 

 X-02とY/CFA-42が編隊を離れて岩盤への爆撃コースに乗る。ウェポンベイ解放、対地ミサイル全弾発射用意。ラッキースターからのデータリンクのアップデートが入り、ターゲットのキューが表示される。機体減速、ターゲットロックオン。トリガーを引き絞り、四本のミサイルが切り離されて一気に岩盤に向けて突っ込む。すぐさまミサイルを切り替えてさらに二発発射、その後方からヴァンパイアのミサイルが追い打ちをかける。

 

 合計で八発のミサイルが岩盤に突き刺さり、膨大な火薬による衝撃が山の中を突き破り、崩落が始まる。着弾地点にはぽっかりと大きな穴が開き、さらにその先の岩盤がむき出しになっていた。おそらく、あれを破壊すれば決まる。

 

「スザク、あと任せた!」

 

 サイファーと海里が離脱し、スザクのSu-47ADVANCEが低空から侵入する。FLANが最適進入角度をHUDに表示し、TLSのチャージを開始する。残りのエネルギーは少ないが、直撃させればいける。FLANもその予測を打ち出していた。

 

「FLAN、発射タイミングの指示は頼む。出し惜しみはなしだ、確実に破壊する」

<了解>

 

 速度を落とし、主翼の迎え角が大きくなる。より低速かつ安定を保って破壊するのだ。一秒も無駄にできない。だが失敗のイメージをスザクは感じなかった。まるで誰かに支えられているような、そんな安心感があった。

 

 いや、あながち間違いな表現でもないだろう。事実一人ではここまで来れなかったからだ。

 

<FIRE.>

 

 その表示が出た瞬間、スザクはトリガーを引いた。Su-47の背中に搭載されたメガワットクラスレーザー兵器がその閃光を吐き出し、岩盤へと突き刺さる。強大な熱の攻撃に行く手を阻んでいた岩石の塊たちはその圧倒的高熱の暴力によって、瞬く間に溶け出し、確実にその穴を広げて強度を失っていく。二秒、三秒、四秒、五秒。TLSのエネルギー残量が尽き、スザクは上昇。首を曲げて背後を確認する。

 

 鉱山はすでに崩落をはじめ、巨大な土煙があたり一面を覆い尽くしていた。山の中腹にはぽっかりと穴が開き、それは同時に中の岩盤すべてが崩落したことを意味していた。

 

『こちらラッキースター、鉱山の完全破壊を確認しました。作戦成功です!』

 

 ほう、とサイファーは安堵の息をついた。まだ敵地のど真ん中だから御法度なのが、そうでもしないと精神的に持ちそうになかったから束の間の休息を味わうことにする。それは海里やスザクも同じことだった。長い長い道のり帆経てここまでたどり着き、そしてまだ空母に帰るための長距離フライトが待っていると思うとため息しか出てこなかった。

 

「こちらガルム1、対象破壊了解。これよりヴァレーに帰還する」

 

 さて、今度は夜明けの鑑賞会でもしようか。そんなことを考えながら、サイファーは空母が待つ太平洋に向けて旋回する。東の空が、うっすらと明るみを帯びていた。

 

 

 

 

 ヴァレーに着艦したのち、サイファーたちはニカノール元首が無事に空母ケストレルに到着したことを知らされ、安堵した。ベルカのスパイによって牛耳られているユークトバニアの統制を取り戻すため、準備が行われているとのことだった。

 

 長距離フライトを終え、機体から降りて甲板に足をつけた瞬間にサイファーは強烈な睡魔に襲われた。まるで酔っぱらいのように足がふらふらで、まっすぐ歩くのもまともにできないような状況だった。海里がそれを支えようとするが、当の本人も疲労がたまって支え方がぎこちなかったため、見かねたにとりが加勢することにした。

 

「はぁ。まったくだらしないパイロットだね」

「もっと頼れる旦那になってほしいわ」

「うぇぇ……眠い……お布団がほしい……」

「サイファー、しっかりしなさいよ。デブリーフィングが残ってるわ」

「もう寝たいんじゃ俺は……」

「……サイファーってさ、昔からこんな感じなの?」

「寝るの好きなのよね、こいつ」

 

 にとりは既に鼻提灯を作って寝ているサイファーを見て、次に海里の顔を見て目が合う。二人とも同じ動きをしていて意味もなく笑みがこぼれた。

 

「……部屋に送ってあげようか」

「そうだね。デブリーフィングは私たちで聞いておこう」

 

 水平線の向こうから上った太陽が、航空母艦ヴァレー率いる特務連合艦隊を照らし出す。さながら過去の呪縛を解き放つために武器を手に取り、立ち向かう彼らの行く末を予言するかのように透き通った青空が広がっていた。

 

 

 

 

 デブリーフィング

 

 今回の作戦の結果、ジャック・バートレットはニカノール元首の救出作戦に成功。空母ケストレルヘと乗艦し、以後早急な終戦に向けて動き出すことになる。また、ナスターシャ中佐が持ち帰った機密ディスクの解析が現在アンドロメダで行われており、情報収集戦ヒビキもまたこの解析に携わっている。

 

 なお、今回の作戦で交戦した敵戦闘機部隊は、ベルカの息が掛った部隊であることが判明した。恐らくグラーバグ航空隊の指導を受けた飛行隊とみられ、まだ似たような飛行隊はオーシア、ユークトバニア両国に多数残存していると思われる。現在戦力をかき集めて我々に迎え撃とうとするだろう。

 

 最後にニカノール元首が捕えられていた鉱山についてだ。詳しい調査は行えなかったがトリニティ弾頭の生産工場であったのはほぼ間違いないと見て良いだろう。これでもうヴァレーに居た時からの付き合いであるミサイルに悩まされなくて済む。以上、報告を終わる。

 


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