異世界?での改変生活   作:松竹

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今回も色々オリ設定などありますがいつもの事なのでそういうものだと流してください。
何度か前書きなどで書いてますがこの作品はネギま!をベースとしたオリジナルの世界だという認識の下読んでください。後々他の作品とクロスする予定ですし原作との違いについては気にしないで下さい。

以前感想でヒロインは誰ですか?と言った質問がありました(スミマセン。いつも目を通している訳じゃ無いので最近まで気付きませんでした)。

なのであとがきにその辺の事を書いておこうと思います。ついでに今後のというかこの作品の方針の様な物も書いておこうかと思うので興味のある方はそちらにも目を通してください。


大戦勃発!

年が明けて直ぐ遂に大戦が始まった。危ういバランスで保たれていた両国間の緊張は辺境で起きた小競り合いでついに切れ、互いに数万の軍勢を派遣する本格的な戦争に突入。開戦当初は拮抗していると思われていた戦力は直ぐにその予想を覆された。ヘラス帝国の強さは連合のお偉方の想像を超えていたらしい。派遣された軍の数は連合側の方が上回っていたがほぼ一方的に敗北。圧倒的勝利の勢いに乗ったヘラスの軍勢はそのまま侵攻を開始しあっと言う間にメセンブリーナ連合の国土を蹂躙。連合側は現在もヘラス帝国の侵攻を止められず時間稼ぎが精一杯といった所だ。そう遠くない内にこの国にも戦火は広がるだろう。

 

現状ヘラス帝国にほぼ一方的に圧されている連合側だがけして負けっぱなしと言うわけでもない。

 

流石に戦況を変えるほどではないが局所的には勝っている。というか幾つかの戦場では強力なヘラスの軍勢を圧倒しているらしい。ここオスティアまで流れてくる噂によるとそれらの戦場では<千の呪文の男>を名乗る赤毛のチビとその仲間がヘラス軍を一方的に蹂躙しているらしい。俺の幼馴染のチートっぷりはあいかわらずの様だ。とりあえず今のところ解っている戦況はこんな所だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウェスペルタティア王国の現状もまた大きく変化した。以前のお忍びの会談から数ヶ月程度しか経っていなかったがアリカは僅かな期間でキッチリ自分の仕事を成し遂げた。

 

現在の不安定な政情でまともに機能していない国家の指導者など不要と父王とその取り巻きの貴族どもを国政から排除し国王から王位を継承。今まで水面下で手を回し味方につけた貴族を前王の取り巻きと総入れ替え。磐石とまでは言えないが国内も纏め上げすでに戦争に備えている。

 

此方がビックリするほど上手く事が運んだが、以前から準備を進めていたアリカやアルナの優秀さも然る事ながら一番大きな理由としては父王の抵抗がほとんど無かった事だろう(王の取り巻きどもは騒いでいたが所詮は甘い汁を吸いたいだけの典型的な駄目貴族。あっという間に制圧された)。

 

此方の動きが早くて抵抗できなかったのか単に興味が無かったのか(まぁおそらく後者だろう)アッサリ王の座を退いて現在は王宮内の一角で軟禁状態で隠居している(以前から隠居していた様な物なので実質何も変わってないが)。

 

因みに俺はこの件に関してはほぼ係わってない。そもそも俺に政治なんぞ出来ないしアリカ達もそんな事は期待して無いだろう。なので俺はアリカ直属の護衛として二人についていただけだ(護衛といってもそもそも抵抗自体が無かったお陰でただ突っ立ってただけで何にもやってないが)。

 

そんな微妙に役立たずでやる事が無かった俺だが最近もう一つ仕事を任された。この国まで戦火が広がるのはもう少し時間がかかるので現状だと差し迫って危険が無い。なので常にアリカ達について回る必要が無いと判断され(勿論王宮内から出るなら別だが)もう一人の重要人物の護衛?に回された。

 

 

 

 

 

「ハァ・・・今日はどうするか」

 

最近癖になってしまった溜め息をつきながら王宮内を歩き護衛対象の元に向かう。

 

「いい加減話題も尽きてきたんだよなぁ~マジでどうしよ」

 

溜め息の理由は俺の護衛対象だ。別に性格が悪い訳じゃないし我が儘を言う訳でも無い。むしろ素直で言う事を良く聞くいい子だ。だがそれが問題だ。あの子は俺の言う事を良く聞く。というか言われた事しかやらない。けして反論しないし我が儘も言わない。ほとんど動かないし喋らない。原作知識から多少はこの状況も知っているつもりだったがここまで酷いとは考えて無かった。

 

「っともう着いちまった」

 

いつの間にか部屋の前に着いてたようだ。

 

「サイだ。入ってもいいか?」

 

ドアをノックしつつ声をかける

 

 

シ~ン

 

 

「じゃあ入るぞ」

 

返事が無いのはいつもの事だ。気にせずドアを開けて中に入る

 

「おはよう。元気にしてたか?」

 

「・・・・・」

 

部屋の中にいるのはまだ幼い子供だ。見た目4~5歳ほどのオッドアイの女の子。幼いながらも整った顔立ちで笑えばとても愛らしいだろう。だが残念ながらその顔は人形の様な無表情。声に反応したのかベッドに腰掛こちらに顔を向けてはいるがそれ以外何の反応も無い。アリカもほとんど表情が変わらないがそんなレベルじゃない。アリカからはまだ感情の揺らぎとでもいうか人間味を感じるがこの子からはほとんど何も感じないのだ。

 

「もう朝食は食べたか?」

 

「・・・たべた」

 

「そうか。美味かったか?」

 

「・・・・・(コク)」

 

「んじゃ今日も一日よろしくな」

 

「・・・・・」

 

もうお気付きだろう。俺の今の護衛対象はエンテオフュシア3姉妹の末っ子にして黄昏の姫巫女と呼ばれる王家の秘蔵っ子。アスナ=ウェスペリーナ=テオタナシア=エンテオフュシア王女殿下だ。まぁ護衛と言っても基本的に自室から出る事の無いアスナに危険な事などそうそう無いのでやっている事は実質アスナの子守だが。因みに俺がアスナに対して砕けた態度で接しているのは今のこの子に必要なのは臣下じゃなくて家族や友人と言った存在だろうと判断してのことだ(アリカにはちゃんと許可を貰っている)。

 

<完全なる世界>に狙われているとはいえ別にアスナを部屋に閉じ込めている訳じゃない。下手に動き回られるよりは一箇所にいてくれた方が守りやすいのは確かだが、だからと言ってそれを理由に部屋に閉じ込めるんじゃ前王とやってる事は変わらない。外に出るならともかく王宮内での行動に関して制限したりはしてないが今までの境遇の所為でアスナには自我というものがほとんど無い。

 

はっきり言ってしまうと今のアスナは与えられた事をこなすだけの人形といえる。もちろんこのままでいいなんて思ってないがこれがなかなか難しい。アリカ、アルナの2人も公務の合間を見つけては部屋に来てアスナに話しかけてはいるがイマイチ効果は薄いし(今の2人は凄まじく忙しいのでなかなか会いに来れない)、俺も思いつく限りいろんな話をして少しでも興味を引こうとしているが今の所全て失敗してる。

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

遂に話題も尽きてアスナとにらめっこをする事5分少々。完全に手詰まりになってしまった。なんとか興味を引こうと頑張ってみたが正直お手上げだ。

 

「なぁアスナ」

 

「・・・・・」

 

「あ~あれだ。何かやりたい事とか無いか?何でもいいぞ?」

 

「・・・ない」

 

駄目だ。どうにもならん。

 

最近気付いたんだがこの世界に生まれてから今までほぼ全ての時間を修行などに使ってきた所為で俺のコミュ力は結構低いのかも知れない。どうやら会話だけでお姫様を楽しませるのは俺の能力では不可能らしい。こうなったら仕方ない。今まで万が一の事を考えて避けていたが思い切って周りの環境を変えてみるか。

 

「・・・決めた!!」

 

「・・・・・」

 

突然立ち上がって声を上げた俺をアスナが見る

 

「街に行こう!!」

 

「・・・まち?」

 

「お?少しは興味あるか?」

 

「・・・わからない」

 

「あ~そりゃそうだな。今まで外に出たこと無いんだし」

 

よくよく考えてみれば今まで塔の外を知らなかったアスナに外の世界の話をしてもイマイチ想像出来なかったのかも知れない。

 

「とりあえず着替えだ」

 

「・・・なんで?」

 

「そんな高そうなドレス着てたら目立つからな。ちょっと待ってろ今からアスナのお姉ちゃんに話してくるからな。その間にメイドさんに着替えさせて貰え」

 

「・・・わかった」

 

部屋の外でて近くにいた侍女に事情を説明、アスナの事は彼女に任せアリカの元へ向かう。確か今日は謁見やらは無かったはずだから執務室にいるはずだ。

 

 

 

 

 

SIDE アルナ

 

 

あ~物凄く忙しいです。父とその取り巻きどもは本当に何にもしていなかったようですね。毎日毎日書類の山と格闘するばかりでこれでは何時まで経ってもアスナと遊べないではありませんか!!

 

まぁ今この国は政変を起こしたばかりで色々と不安定ですし国外でも帝国と連合の戦争が始まってしまいましたから仕方が無いことだとはわかっていますが、こう忙しいと愚痴の一つも言いたくなると言う物です。今までこの国の重職に就いていた人間はほとんど父のシンパでしたから今回の一件でその顔ぶれも総入れ替えですし(そうそう私の可愛い妹を苦しめた害虫どもにはキッチリお仕置きしておきましたよ?まぁ命があるだけ感謝して欲しいくらいですが)、その所為で書類が増えるのは仕方がありませんが私が許せないのはそれとは関係の無い問題が多すぎることです!

 

私と姉様が今まで請け負ってきた仕事は主に外交関係です。父は病床?の身で母は他界している以上現在動ける王族は私たちのみ。一応外交官もいますがウェスペルタティアは小国ですので連合内でも力のある国を相手にするならば只の外交官では判断できないような無理難題を吹っかけられる事もありますし私たちが自分で動いた方が色々と都合が良い事が多いんですよね。

 

そういった訳でこの国の内政面に関しては余り積極的に関れなかったのですが、現在女王として即位した姉様と今まで通り姉様の補佐として公私にわたってサポートをしている私は今回初めてこの国の内情を目の当たりにしました。

 

そうしたらでるわでるわ汚職の数々。権力でもみ消した事件は数知れずメセンブリーナ連合の首脳部である元老院に流れた賄賂はここ10年ほどで国庫を半減させるほどです!全く・・・国を食いつぶすだけの寄生虫どもが!!

 

っと少し熱くなりすぎましたね。とにかくそんなわけで今の私たちは内外に多数の問題を抱えている訳で碌に寝る時間も取れませんし姉様とのティータイムも最近はありませんし折角アスナと自由に会えるようになったと言うのに一緒にいることも出来ません。あの子には少しでも家族の温もりを感じて欲しいというのに。

 

 

 

「どうかしたのかアルナ?」

 

おっといけません姉様が此方を見ています。いつの間にか手が止まっていたようですね(ああ因みに姉様と私は同じ部屋で仕事をしていますよ?その方が効率がいいので。最近は別々に動く事も多いので何時も一緒という訳ではありませんが)。

 

「いえいえ。ちょっと考え事を。大した事ではありませんからお気になさらないで下さい」

 

「ふむ・・・少し休むとしよう。もう少しで一区切りつくしの」

 

いけませんね。姉様に気を使わせてしまったようです。まぁここはお言葉に甘えさせていただきましょう。

 

「そうですね。それなら久しぶりにアスナも一緒にお茶にしませんか?ここの所忙しくてあの子と碌にお話も出来ていませんし」

 

「そうじゃな。なら・・・」

 

コンコン

 

「ん?だれじゃ?」

 

また問題でも起きましたかね?本当にいい加減にして欲しいのですが。

 

「サイです。入室してもよろしいでしょうか?」

 

あ~サイですか。そういえばサイに会うのも久しぶりですね。彼には護衛兼遊び相手としてアスナに付いて貰っていますから最近は顔を合わせてないんですよね。

 

「かまわぬ。入れ」

 

「失礼します」

 

扉を開けては入って来る青年に眼をやる。

 

年は20代半ばと言ったところでしょうか?サラサラの金髪(姉様には遠く及びませんが)に美形と言うほどではありませんがそこそこ整った顔立ち。180cmほどの身長と鍛えられバランスの取れた体。見た目は穏やかな好青年と言った所ですね。事情を知らない者からすれば姉様自ら直属の護衛にと連れてくるほど信も厚く将来性も抜群。まぁ侍女たちが噂するのも分からなくはありませんね(私の趣味ではありませんが)。おや?いつの間にか二人が話していますね。また思索に耽ってしまいました。私の悪い癖ですね。気を抜くと回りへの注意が散漫になってしまいます。

 

「ふむ。アスナを街へか・・・」

 

「ええ。今の環境だといまいち刺激が少ないみたいで。街へ出れば何かアスナが興味を持つ物もあるかと思うんですが。アルナ様はどう思われますか?」

 

「私ですか?そうですね・・・」

 

サイが此方に話を振ってきました。正直聞いて無かったのですが話の流れから言ってアスナを外に連れて行くかどうかと言った所ですかね?

 

「良いんじゃないですか?今まで一度も外に出た事の無いアスナにはいい経験になるでしょうし」

 

正直に言えば「私も一緒に!!」と言いたいのですがそういう訳にもいきませんのでその点は非常に残念ではありますがアスナの情操教育の為にも外へ出ていろいろな物を見て回るのは良いと思います。

 

「そうじゃな。ではサイよアスナの事を頼んだぞ」

 

「了解です。お二人のお土産は何がいいですか?」

 

「ひさしぶりに屋台の食物を食べたいな。以前食べたクレープというのは中々美味じゃった」

 

「クレープですか?確かに王宮じゃあの手の物は出ませんからね」

 

「そうじゃな。前に料理長に頼んで作って貰ったんじゃが何処か違っての」

 

「まぁああいうのは場の雰囲気も一緒に楽しむものですからね。アルナ様はどうされます?」

 

「私ですか?私も姉様と同じ物でいいですよ」

 

私にも話を振りつつ会話する二人を見る。姉様も本当に変わりましたね。身に纏う空気がかなり柔らかくなりました。女王として振舞うときは若輩ながらも王の威厳を身に着けつつありますが(流石は私の姉様!!)それ以外のときは本当に穏やかになりました。皆の前では主人と忠臣と言った感じですが今は精々友人同士の会話ですね。姉様が信頼できる相手が増えるのは良い事です(問題が有りそうな相手なら私が排除するだけですし)。

 

サイに関してはまぁ信用は出来ますし大抵の事は平均以上にこなせる位には優秀ですし特に問題はありませんね。しいて言えば偶にもの言いたげに私を見ている事があるのが気になりますが何なんでしょうね?私と二人だけで話すと少し居心地が悪そうですし何か言いたい事でもあるんですかね?

 

そういえば彼は前世の記憶持ちだそうです。彼と初めて顔を合わせた時に姉様から聞いたと話したら緊張した顔で肯定しました。アルナになる前の私ならそんな胡散臭い話は信じないでしょうがこの世界には魔法なんて力もあるわけですし私自身人の事は言えないのでそういう事もあるんでしょうね(え?自分の事は話して無いですよ?何で態々話すんですか?)

 

今はお互い信頼できる相手と言うだけでそれ以上の感情は持ってない様ですが今後は分かりませんね。私としては姉様が幸せならばそれでいいのでもしそうなれば応援する積もりですが流石に女王と只の一臣下では難しいですかね?念のため色々準備しておいた方がいいかも知れません。

 

 

 

 

SIDE サイ

 

 

「では失礼します。日が落ちるまでには戻りますので」

 

「うむ。頼んだぞ」

 

一礼しつつ執務室を後にする。久しぶりに顔を見たので話し込んでしまった。

 

「ふぅ。やっぱりアルナ様の前だとまだ少し緊張するな」

 

アリカが相手ならいい加減なれたので普通に話せる。勿論最低限の礼儀は弁えている。仕事の話をする時や他の人の前(アルナ、アスナは除く)では臣下として。それ以外の時は以前街を見て回った時の様に(アリカからそうしろと言われたんで)。実際アリカもまだまだ子供と言っていいような年齢だ。常に王として振舞うなんて息が詰まりそうだし偶に息抜きぐらいしてもいいと思う。

 

アルナはアリカ以上に子供の筈なんだが偶にそうは見えない時がある。アリカやアスナの前では理知的ながら年相応なんだがそれ以外が相手だと雰囲気が変わる。二人の前だと本当に楽しそうに嬉しそうにニコニコ笑ってるんだがそれ以外が相手だと笑顔の質ががらっと変わり顔は笑ってても眼が笑ってないと言うか何とも言えない迫力がある(解かるかな?あの感じ。ただ居るだけで場を支配すると言うか自分より絶対的上位の人間を前にした時の無条件に頭を下げたくなる感じというか)。

 

なのでなるべく二人っきりでは話さないようにしている。本当は俺と同じ存在なのか確認したかったんだが正直怖くてそんな事聞けない(ヘタレと言いたければ言えばいい。俺には無理だ!)。アリカに多少ぼかしたとは言え自分が前世の記憶持ち(いわゆる転生者)だと話したのもアリカ経由でアルナにも伝わるだろうし俺と同じなら何かリアクションがあると思ったからだが(なるべく誠実に接したいと言うのも本心だ)サラッと流されたし最近は「別にどっちでも良いんじゃね?」と思っている。

 

今まで見てきたアルナの性格ならアリカやアスナの不利益になるような真似はしないだろうしそれなら俺の目的にも反しないのでお互い協力しあえると思う。実際こんなにも上手く事が運んでいるのも彼女の力が大きい。

 

アリカは確かに優秀だがそれでも足りない所もある。それは仕方ないと思う。どんなに優秀でも15歳で何でも完璧にこなすなんて流石に無理だ。その足りない所を補っているのがアルナだ。アリカの立場を考えてなるべく目立たないように補佐に徹しているが恐らく彼女はアリカ以上に人の上に立つ能力に優れている。アリカ自身「本来ならアルナが王位を継いだほうが良いと思うんじゃがな」と言ってそれを認めている程だ。アルナがまだ幼なすぎる事と自分が第一王位継承者だった事、妹に王と言う重責を押し付けるのを良しとしなかった事と言うのがアリカが現在女王に就いている理由だそうだ。

 

という訳でアルナの年齢からすると異常とも言える能力は俺に「やっぱり転生者なんじゃ?」と思わせる理由でもある訳だが自分の身近にも将来世界最強になるだろうチートが居た所為でこの世界じゃ年不相応なレベルの天才は居てもおかしくないのか?とイマイチ確信が持てない。どちらにしても今後もその疑問が解ける機会は無いのかもしれない。

 

 

「さてと。余り遅くなるとアスナが待ちくたびれるか」

 

思ってたより時間がかかってしまった。着替えくらい直ぐ済むだろうし余り待たせるのも悪い。折角初めて外に出られるんだし散策に使える時間は多い方がいい。

 

 

 

 

 

 

 

「サイだ。着替えはすんだか?」

 

アスナの部屋の前で声をかける。まだまだ幼いとは言え女性の着替えに鉢合わせるのは拙い。

 

 

ガチャ

 

 

「・・・きがえた」

 

ドアが開き着替えをすませたアスナが出てくる

 

「スマン。少し遅くなったな。待ったか?」

 

「・・・いい(フルフル)」

 

話しかけながら白のワンピースに着替え外套を羽織ったアスナを見る

 

「うん。それなら大丈夫そうだな。可愛いぞ」

 

「・・・よくわからない」

 

特に装飾も無いシンプルな服だが本当はいい生地が使われた高級品なんだろうね(俺には服の良し悪しなんか解らんが)。まぁ見た感じ目立たないし大丈夫だろう。

 

「それじゃあ行くか」

 

「・・・(コク)」

 

アスナの手を取り外へ向かう。街へ出ただけでアスナの現状が良い方へ向かうかは解らないがずっと部屋に篭っているよりはいい。今後も出来るだけ外へ出て色々見せてやりたい。原作通りに世界が動くなら近いうちにこの街にも戦火が及ぶ。未だ表立って動く気配を見せない<完全なる世界>も何時までも沈黙を続けることは無いだろう。そうなればこうやって気軽に街へ出ることも出来ない。とはいえ・・・

 

「今そんな事気にしててもどうにもならんしね」

 

「・・・なに?」

 

「何でも無い。まぁ初めての外だ。精一杯楽しめ!」

 

「・・・わかった」

 

とりあえず今はお姫様を笑顔に出来るように頑張るとしますか

 




補足

*アルナについて

・アルナは基本的に家族大好き!(父除く)なシスコンです。前世の家族と折り合いが悪かったので今の家族であるアリカ、アスナが大好きで二人が幸せならばそれで良い人です。なので前世について関心が薄くサイの事情にもさして興味がありません。二人に近しい距離にいる人物として相応しいかどうか見定めているくらいです。必要が無い限り今後も自分から前世の事を口にする事は無いでしょう。

・アルナの優秀さはチート能力的なものではなく元々優れた才能を持っていただけです。前世の頃から人の上に立つ人間として教育されてきたので精神的には既にアリカ以上の経験値を持っている大人でありその分アリカより優れていると考えてください。まぁかなりの天才ではあります。


*この作品の方針とヒロインについて

・前提として私は最強、ハーレムものが好きです。チートの類も嫌いじゃ無いです。なので少々そういった要素に対して批判的な感じになるかもしれませんが特にそういった意図はありません。それを踏まえた上でこの作品の方針を書かせて頂きます。

まず以前感想で頂きましたが才能が乏しいと原作のチート組に勝つのは中々難しいんじゃ?についてですがハッキリ言うと私もそう思います。まぁその辺はある程度ご都合になるかもしれませんが私が考える原作トップ4であるナギ、ラカン、エヴァ、造物主にはガチでやり合っても現状勝てないですがそれ以外とは互角にやれる程度と思ってください。上記の4人には私自身勝てる所が想像できないので今後何とかしたいなぁ~とは思ってますが。

オリ主にチートを付けなかったのはオリ主が強すぎると原作キャラの影が薄くなりそうだったのとサイは元々ただの一般人ですので大した努力もしてない人間が大きな力を振るうのはどうなのかな~と思ったからです。自分自身に置き換えて考えるとかなり危ないと思います。正直私なら自制できる自信はありません。サイの基本的な設定は<現実で何処にでも居る様な一般人>なので貰い物の力ではなく努力によって強くなりそれに見合う精神も身に付ける様にしました。まぁ現実に何十年も努力できる人間が何処にでも居るかは疑問ですがその辺はフィクションですので流してください。

以上を踏まえた上でこの作品の方針としては

みんなでがんばりましょう

になります。オリ主一人であれもこれもやるのではなく原作キャラなども含めて全員が協力して事を成す様にしたいと思ってます。サイには圧倒的な才能や能力は無いのでそれぞれ任せる所は他の人間に任せて自分のやれる事をする感じになると思います。

・ヒロインについて

ヒロインについてですが少なくとも大戦期で特定の人物と恋人になる事は無いです。私はハーレムものが好きなのでこの作品もそうするつもりですが女性陣がすぐにオリ主に惚れる事はありません。あまりアッサリ惚れるとなんとなく「軽すぎじゃね?」と思うわけです。いわゆるニコポ・ナデポやつり橋効果などで出会ってすぐに惚れるのでは無くある程度の期間接してきてその上で惹かれる様にしたいと思っています(まぁつり橋効果については惚れる理由の一つとして使う事はあると思いますが)。サイを超イケメンにしなかったのも同様の理由です。見た目でアッサリ落とすとかどうなのかな~と思うので。

サイはもともと現実に生きていた一般人だったという設定なのでフィクションのキャラっぽさをなるべく少なくしたいと思っています。要するに不自然なレベルで鈍感とかでは無いです。かといって誰かとくっついてしまえばその後で他の女性に手を出せば只の浮気野郎だしそれがアッサリ女性陣に受け入れられるのも変かと思います。なので基本的には

好意はあれど恋愛感情まではいかない(もしくは自覚してない)

くらいで行くつもりです。なのでヒロインは誰?という質問についてはサイの回りに居る子がヒロイン候補ですとしておきます(後々ご都合のハーレム展開にするかもしれませんが。ハーレムENDは好きなので)。

後々サイの回りに女性陣が増えると思いますが誰も彼もサイに惚れる様な展開にはする気は無いです。基本的に私はどんな要素であれやり過ぎなのは好きじゃありません。

例えば強さで言えば<紅き翼>をまとめて相手にしても勝てるとか

ハーレムで言えば出てくる女性陣のほぼ全てが惚れるとか

なので今後は強さはどんなに強くなっても精々原作最強と互角程度、ハーレムに関しては多くても5人程度になると思います。

注:少し批判的な事も書きましたが上記の私の考えはあくまで好みでありそういった要素の作品であっても面白いと感じるものは多々あるので別にそれらの作品を貶める意図はありません。

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