異世界?での改変生活   作:松竹

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ものすごくお久しぶりです。僅かながらも居てくれる私の稚拙な文を読んでくれている方へ、スミマセンでした。
遅くなった理由としてはこれからどうしようかな?と思い参考までに他の方の作品などを読んだりしていたらついついあれもこれもと読み漁ってしまい書こうという意欲が薄れてしまったのと、何故か大戦後の原作開始までの空白期にとある作品とクロスさせたいな~と思ってしまいそちらの事ばかり考えてたのでなかなか内容が思いつかなかったからです。
一応今後も不定期かつ遅くなるとは思いますが続けていくつもりですので気長に付き合って頂ければ幸いです。(因みに今は待ちに待ったテイルズに少々忙しいので特に遅くなるかもしれません。現在オート戦闘でレベルを上げつつ同時進行でのんびり書いています)


会談

1982年 オスティア市内

 

 

 

 

 

オスティアの町並みを眺めながら考える。

 

 

どうしてこうなったんだろう?

 

 

今日もいつも通りの朝だった。日課の鍛錬を終えアリカと接触する為の準備をするために魔法球の外に戻ってきた。先ずは腹ごしらえと朝食の準備をしている時に来客があった。

 

基本的にオレの家に客が来ることは無い。毎日修行や調査、術式の開発などに忙しかったので知り合いなど居ないし近所付き合いもほとんど無いのだ(仕方ないだろ?残り時間も少ないしそれどころじゃ無かったからね。・・・別に寂しくなんか無いんだからね!!)。今までこの家に人が来たのは修行に集中しすぎて家賃を滞納してしまい大家が取り立てに来た時位の物だ。その時の鬼の様な大家を見て以来「家賃の滞納だけは二度としない!」と月の初めに必ず収めている。誰が来たんだ?と疑問に思いながら戸を開けるとそこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何をしている?早く案内せよ」

 

「ハイハイすみませんね。直ぐに行きますよ殿下」

 

「その呼び方はやめよと言ったのを忘れたか?」

 

「・・・了解しました。アリカ」

 

 

アリカ王女殿下がそこに居た。

 

 

 

アリカ=アナルキア=エンテオフュシア

 

 

ウェスペルタティア王国第一王女にして王位継承者。未だ15歳という若さながら病?に伏せる父王に代わり国を維持するために奔走する若き指導者。老獪な元老院の政治家相手にも一歩も引かず立ち向かう様は既に女王の風格すら漂うと専らの噂だ。まさに女傑と呼ぶに相応しい女性だろう。

 

そして何故かこの国で現在最も重要な人物とも言える相手と一緒に街を散策しているオレ。内心「これってナギの役目じゃね?」と原作を思い出しながら考えてしまう。確かにアリカと会って話をしたいとは考えてた。

 

オスティア崩壊を阻止するにはアスナを<完全なる世界>から守らないといけない。そのためには王宮内に入る必要がある。それに戦争をなるべく早期に終結させるには権力者と繋がりを持つのは必要だと思う。どれだけ強くなろうと個人で出来る事など高が知れている。その二つの条件を満たす人物としてアリカに目を付けた。

 

しかしまさか護衛も連れずにイキナリ家に来るとは思わなかった。原作でもナギと一緒に敵のアジトを襲撃したりとかなり活動的な性格だったがこの世界でも其処は変わらないらしい。そもそもオレとアリカが何で街を散策しているかと言うと話は2時間程前に遡る。

 

 

 

 

 

~2時間前~

 

 

 

コンコン

 

「ん?客か?」

 

珍しい事もあるもんだ。ドアをノックする音に疑問を感じてしまう。修行修行でほとんど人付き合いなどしてないので訪ねて来るような人間に心当たりは無い。

 

「今月の家賃はちゃんと払ったし…誰だ?」

 

コンコン

 

「ハイハイ今開けますよ。どちら様ですか?」

 

ドアを開けると其処にはローブで身を包みフードで顔を隠した人物が一人で立っていた。

 

「ここはサイ=ローウェルの家で合っているか?」

 

「そうだけど。・・・アンタ誰だ?」

 

少しだけ警戒しながら答える。声の感じから若い女性の様だ。しかし非常に残念な事にオレの知り合いに若い女性は存在しない(大家は恰幅のいいオバちゃんだ)。

 

「ご挨拶じゃな。お主の招待に応じたつもりじゃが。私の勘違いだったか?『守護者』よ」

 

「なっっっ!!・・・・・・アリカ王女殿下」

 

フードの下にある顔を見て絶句してしまう。たしかにオレの居場所は手紙を読めば簡単に探し出せるだろう。しかしアリカ本人が直接ここに来るとは考えてなかった。まず使いの兵士やらが来て呼び出されるか連れて行かれると思っていた。

 

「何を呆けておる。早く中に入りたいのじゃが?」

 

「・・・どうぞ。汚い処ですが」

 

 

 

         ・

         ・

         ・

 

 

「ふむ・・・少々狭いが悪くない家じゃな」

 

「ありがとう御座います」

 

椅子に座り部屋を見渡すアリカに飲み物の用意をしながら答える

 

「どうぞ。お口に合うか解りませんが」

 

「気遣いは無用。いきなり押しかけたのは此方じゃ」

 

アリカの前にお茶を置きオレも椅子に腰掛ける

 

「それで本日はどういったご用件でいらしたのでしょうか?」

 

アリカがオレを訪ねる理由など一つしか無いが会話の切っ掛けとして聞いてみる

 

「<完全なる世界>の事に決まっている。手紙などではなくお主に直接話を聞きたいと思っての」

 

「そうですね。オレも貴女と話したいと思っていました」

 

「それにしては随分と回りくどい真似をしたの?」

 

「いきなり押しかけても話など出来ないと思いまして。それに最低限オレの話に興味を持っているという保障が欲しかったので」

 

「だから待っていたと?王族を動かそうとは随分と不敬な男じゃな」

 

「申し訳ありません。私にも余裕がありませんので」

 

「・・・まあよい。それでは情報交換といこう」

 

それから一時間ほど互いの情報を交換した。オレは原作知識にある<完全なる世界>の情報を、アリカはオレの手紙から得た情報を元に調べた事を話し合い、今後はさらに緊密に協力し合うと言う事になった。いろいろと危ない橋も渡ったが結果的には上手く行ってよかった。

 

「それにしてもお主は何処から其処までの情報を手に入れたのじゃ?組織の首魁やその部下の情報など簡単には手に入らぬ」

 

アリカの問いに何と答えるか迷ってしまう。適当な嘘で誤魔化すのは簡単だ。しかし折角最低限の信用を得たのにもしその嘘がバレればそれを失ってしまうかも知れない。それだけは何としても避けたい。

 

「どうした?答えられぬ事か?」

 

アリカの眼を見る。多分オレを疑っている眼じゃないと思う。純粋に疑問に感じているだけの様だ。

 

「その前に一つ聞いても良いでしょうか?」

 

「何じゃ?」

 

「どうしてオレを信用してくれたのですか?もしかしたら<完全なる世界の>罠かも知れないのに貴女は一人で此処に来た。遣いを寄越して呼び出すことも出来たでしょう?」

 

「そんなことか。私を害するつもりなら何時でもやれたはずじゃ。お主が何度私の自室に忍び込んだと思っている?」

 

「申 し 訳 御 座 い ま せ ん で し た !!」

 

すぐに床に跪いて土下座する。話し合いの前にまず謝るべきだった。アリカの態度が余りに普通だったから完全に忘れていた。別に好き好んでやってた訳じゃないが女性の部屋に無断で入ったのだ。本来ならもっと嫌悪感を持たれててもおかしく無い(表情があまり変わらないからもしかしたら内心では「汚らわしい変態が!!」とか思ってるかも知れないが)。

 

「よい。最初は不快じゃったが今は気にして居らぬ。しかし今後は許さんぞ?」

 

「ありがとう御座います!!二度と致しません!!」

 

背中に冷たい汗を掻きながら二度と侵入しないと心に誓う。「許さんぞ?」と言った時アリカが薄っすら笑ったのだが眼が全く笑って無かった。前世も含め60年は生きてきたが正直今までで一番恐ろしかった。

 

「それに・・・」

 

「それに?」

 

「それにあんな手紙を送ってくる馬鹿者にそこまでの知恵があるとも思わんしの」

 

グ サ ッ

 

「・・・・・・」

 

今のはかなり効いた。アリカの無表情で言われると心が痛い。悪乗りしてふざけ過ぎたようだ。やっぱりもう少し真面目に書くべきだったか・・・。

 

「聞きたいことはそれだけか?」

 

「・・・ええ。ありがとう御座います」

 

「ところでまだ私の質問に答えて貰っておらんが?・・・まぁ言いたくなければ構わん。只の興味本位じゃ。王族ゆえ二心を持って近付いて来る者も多い。これでも人を見る眼には長けているつもりじゃ。私はお主を信用しておる」

 

「・・・わかりました。」

 

なぜオレを其処まで信用してくれているのかわからないが出来る限り誠実に答えるべきだと思う。信頼には信頼で応えねば今後協力し合う事などできない。

 

「オレは・・・」

 

オレは自分について話せる事を話した。ネギま!というマンガの事は流石に荒唐無稽過ぎて話せなかったのでオレが生まれた時から幾つか前世の記憶を持っていてその中に<完全なる世界>の知識があった事にした(別に嘘は付いてない。言ってないことがあるだけだ)

 

「・・・なるほど。俄に信じがたいが嘘をついている様でもないな。もっとも全てを話しておる訳でもなさそうじゃが。」

 

「すみません。ですがけして嘘は付いてませんし貴女を裏切るつもりも無い。オレの目的は<完全なる世界>を止める事ですから」

 

「・・・まぁいいじゃろ。いずれ話せるときが来れば聞かせよ」

 

「わかりました」

 

「さて。これで話し合うべきことは済んだかの」

 

「そうですね。今話すべき事は一通り済んだかと」

 

上手く行って良かった。アリカと繋がりも持てたしオレの事も信じてもらえた。最低限の信頼関係は出来たと思うし考えうる限り最上の結果と言えるだろう。

 

「それじゃあ城までお送りしますね。それとも迎えでも呼びますか?」

 

「何を言っている?まだやるべき事が残っているじゃろ」

 

「は?まだ話し合うことがありましたか?」

 

まだ何かあったか?情報交換は済んだし今後の協力体制についても話し合った。ついでにオレの事も話したからもう話すことなんて無かったと思うんだが?

 

「そうではない。折角城を抜け出して来たのじゃ。この機会に民の暮らしを見てみたい」

 

「民の暮らし…って言うかもしかして黙って城を抜けてきたんですか?」

 

「心配いらん。アルナには言ってある」

 

一人で来るからおかしいとは思ってたけど黙って城を抜け出すとか・・・。原作のアリカってこんな性格だっけ?

 

「では行くぞ。案内せよ」

 

「は?」

 

「お主は私一人で街を歩かせるつもりか?」

 

「そんなつもりは無いですけど・・・本気ですか?」

 

「当たり前じゃ。そのために供も連れずにここまで来たのじゃ。護衛など連れてこればそんな真似は出来んからな」

 

仕方ないか・・・拒否すれば本当に一人で街を散策しかねない。それは流石に拙い。

 

「解りました。準備しますので少しお待ち頂けますか?」

 

「ああそれとその話し方は止めよ」

 

「話し方ですか?」

 

何かおかしかったか?不敬にならない様に出来る限り丁寧に話してたつもりだが

 

「そうじゃ。そんな話し方では一般人じゃないと言っている様な物じゃ。お忍びの意味が無い。私はいつも通りの民の生活が見たいのじゃ。もっと普通に話せ。呼び方もアリカで構わん」

 

「いや・・・それはちょっと拙いと思うんですが」

 

王族にため口きいて呼び捨てとかハードル高すぎる!そんな真似が出来るのはナギやラカンのアホくらいだ!

 

「これは命令じゃ」

 

「・・・解り・・・解った。出来る限り普通に話します」

 

「まだ少しかたいが・・・まぁいいじゃろ。では行くぞ。もう用意できたじゃろ」

 

「了解。じゃあオレについて来て下さい」

 

 

 

~現在~

 

 

「サイよ。あれは何じゃ?」

 

「あれは・・・」

 

「これは?」

 

「ああこれは・・・」

 

アリカの質問に答えながら先ほどまでのやり取りを思い出す。何故かこんな事になったがこれも信用を得た証と思えば悪くないのかもしれない。なんとなくフラグっぽい物を立ててる気がするが勘違いだろう。この程度でアリカがオレに惚れるなど在り得ないし。そもそもアリカの相手はナギだろうしね。この世界が現実だと考える以上、今後原作知識は参考程度にするつもりなので無理に二人をくっつける気は無いが(無理矢理原作に沿うのはこの世界の人間を只の登場人物だと考えてるって事だろう?それは二人に対する侮辱だ)何もしなければ自然とそうなると思う。

 

「・・・・い」

 

たぶんアリカがナギに惹かれたのはナギの誰に対しても代わらない態度が心地よかったからだと思う(もちろんそれだけが理由じゃ無いだろうけど)。一応「姫さん」とかナギにしては丁寧に呼んでたけど明らかに王族に対する態度じゃないし。王女としてではなく只のアリカとして接してくる存在が新鮮で嬉しかったんじゃ無いだろうか?(ラカンも似た様な感じだったけどあれは筋肉の塊でちょっと暑苦しいし下品だしね。原作でも全裸で千雨と話してたし)

 

「・・・・さい」

 

オレは最低限の礼儀には気を付けてるし特に好感度が上がる様な事もした覚えが無い(むしろ下げまくりだ)。つまりアリカがオレに惚れる要素は微塵も無い!と言う事だ。自分で言ってて悲しくなるが、そもそもよくある創作のオリ主の様に原作キャラでハーレム!!見たいな事は初めから考えてない(てかそんなのリアルで出来る訳ねーし)。やることやったら適当にダラダラしつつ恋人でも見つけてのんびり暮らしたいなーとは思ってるが(さすがにずっと一人とか泣けるしね)。

 

「・・・・・」

 

しかし正直この世界は美人ばっかりだ(アリカなんかはさらに綺麗だけどな)。勿論全員がそうじゃないけど基本的に不細工と呼べるような人間がほぼ居ない。こうして街を歩いてても可愛い子ばっかりだ。オレもどうせなら可愛い(もしくは美人)恋人が欲しいもんだね。

 

「無視をするな無礼者が!」

 

バシィィィィィィン

 

「ぶは!?」

 

何時までも反応が無い事に業を煮やしたのかアリカの右腕が霞むほどの速度で振られその手が俺の顔を捉えた

 

「ようやく気付いたか。会話の途中で考え込むなど余り誉められた事ではないぞ?」

 

「・・・そうっすね。でももうちょっと優しく教えて欲しかった」

 

凄い威力だった。まさかビンタで宙を舞うとは思わなかった。常人なら一発でK.Oだろう。これを何度も受けて平然としてたナギはやはり凄い。

 

「何度呼んでも気付かん方が悪い」

 

「・・・でどうしました?」

 

「これなんじゃがどれがいいと思う?」

 

「へぇ・・・ペンダントか」

 

アリカが見ていたのは露天の一つにある銀のアクセサリーだった。

 

「買うんですか?」

 

「土産じゃ。アルナには何時も世話になっておるしの。・・・アスナにもな」

 

アスナの名を口にしたとき少し表情が暗くなった気がした。仕方ないだろうアスナは半ば監禁されていて王の許可が無ければアリカであろうと自由に会う事が出来ない。オレも何度か忍び込んだときに調べたが王宮にある塔に隔離されていてオレでも容易に突破できないほど厳重な警備と結界に守られていた。

 

「アリカの気に入ったので良いと思うけど?こういうのは気持ちだし」

 

アリカの表情は見なかった事にしてなるべく明るく答えた。正直なんと言っていいか分からなかったからだ。しかし王を排斥する準備はしているので(原作みたいに殺す気は無い。元老院につけ込まれる要素は極力排除するつもりだ)近いうちに必ずアスナは救うし、そうすれば姉妹仲良く暮らせるはずだ。

 

「そうか・・・ではこれにするか」

 

そういって手に取ったのは一対の翼のペンダント。二つで一つになる様に作られているのでそれぞれに渡すつもりなんだろう。

 

「店主。これを貰えるか」

 

「まいど。直ぐに包むから待っててくれ」

 

二人のやり取りを聞きながら少し考える。折角姉妹でお揃いなのに一人だけ持ってないのはどうなんだろう?彼女達は3姉妹なんだし

 

「さて行くぞ」

 

そう言って店を後にするアリカ。やはり自分の分は買わない様だ。

 

「オッチャンこれも貰えるか?」

 

そういって一つアクセサリーを手に取る

 

「さっきのベッピンさんプレゼントかい?兄ちゃん」

 

「ああ。せっかくのデートなんだから記念に一つくらいな」

 

店主のオッチャンがニヤニヤしながら聞いてくるのを流してサラッと答える。流石にこの程度の冷やかしで動揺するほど若くない。それにアリカは確かに美人(大人っぽいので可愛いという感じじゃない)だが年の差もあるので女性としてというより妹や娘みたいな感じがする(別に涸れてるわけじゃないよ?ただ父性的な物を感じるだけだ)。

 

「ごちそうさん。大切にしてやんな」

 

「当然だろ。ちゃんと守るさ」

 

店主にから包みを受け取り店を後にする。アリカとの関係を勘違いしてたみたいだけどいちいち訂正する必要も無いので話を合わせておいた。大切なのは本当だしね。

 

「遅かったな?どうかしたのか?」

 

「ああ。これを買ってたんですよ」

 

アリカに包みを見せる

 

「お主も何か買ったのか?」

 

「ええ。プレゼントです。どうぞ。受け取ってくれると嬉しいです」

 

そう言ってアリカに手渡す

 

「私にか?」

 

予想外だったのか珍しく無表情を崩し驚いていた

 

「折角ですから。記念にという事で」

 

「何の記念じゃ?」

 

「さぁ?これからもよろしくとか?」

 

「何じゃそれは・・・」

 

アリカから呆れた様な空気を感じたがちゃんと受け取ってくれたから良しとしよう

 

「まぁ何でも良いじゃないですか。もしかしたらデザインとか気に入らないかもしれないけど」

 

「こういうのは気持ちなのじゃろ?折角のプレゼントじゃありがたく受け取っておく」

 

そう言って本当に僅かにだったけど微笑んでくれた。今の顔を見れただけでも慣れない事をした甲斐があったね

 

「では次へ行くぞ」

 

「了~解」

 

 

その後も俺のお勧めの店で食事をしたりしつつ街を見て回った。ほとんど表情が変わらないので多分だけどそれなりに楽しんでくれたと思う。一応アリカとしては民の視察であり仕事の一環だったんだろうけどたまには遊んでリフレッシュするべきだろう。正直この年で仕事中毒とかちょっとどうかと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~オスティア城前~

 

 

 

「今日は世話になった」

 

「いえいえ。楽しんでくれたなら俺としても案内したかいがあった」

 

「ムッ。別に遊んでいたつもりは無いぞ。政務の一環として視察していただけじゃ」

 

「解ってますよ。でも仕事だからって楽しんじゃいけないなんて事は無いでしょう?」

 

「それはそうじゃが・・・」

 

あまり納得行って無さそうだ。やっぱり原作のネギの生真面目な性格は母親似なんだろうね。

 

「まぁいいじゃないですか。たまには息抜きくらいしないと体が持ちませんよ?」

 

「この程度なれておる。だが・・・そうだなお主の忠告は覚えておこう」

 

「それならよかった。これから忙しくなるし休めるときはちゃんと休んでくださいね」

 

「そうじゃな・・・忙しくなるなこれから」

 

そう言って背後の王城を見上げる。その顔は何時も通りの無表情だがなんとなく普段より険しい気がする。まぁ当然か。ヘラスと連合の情勢は既に一触即発だ。いつ戦争が始まってもおかしくない。そうなれば2国に挟まれているこの国も無関係じゃいられない。それまでになんとかアリカを中心とした体制を作る必要がある。

 

「サイよ。この国を守るため私は王になる。お主にも働いてもらうぞ」

 

視線を俺に向けアリカは言った。王になると。ならば俺の答えは決まっている。

 

「仰せのままに我が主よ。この身は貴女の剣であり盾だ。いかなる苦難があろうと貴女の道を切り開いて見せましょう」

 

俺はアリカの前で膝をつきそう宣言する。ちょっと(だいぶ?)芝居掛かってたけどその辺はノリだよね。素でやるのは結構恥ずかしかったけどこういうのが相応しいかな?と思ったんだ。後で後悔したけど(因みにセリフはどこかで聞いたことがある様なのを言っただけだ。流石に原作のナギのセリフをパクるのはいろいろと拙いんで咄嗟に思い浮かんだのがアレだった)

 




補足

・アリカが割とアッサリ主人公を信用した理由は一応かなり前から接触自体はしているのでその積み重ねの上の物であると考えてください。あとは創作世界におけるご都合主義です。

・王族が気軽に一人で出歩くとかおかしくね?についてですがまだ戦争は始まってないので国内は安定していて特に治安は悪くありません。原作でも割と自由に動いてたのでこの程度はいいかと。あとは創作世界におけるご都合主義です。

・なんで街の人間はアリカに気付かないの?についてですがまさか護衛も連れずに王族が出歩いているとは思わないのと仮に気付いてもまさか本人に王女ですよね?などと声をかける訳にはいかないでしょう。なので精々よく似てるな~くらいの感覚だと考えて下さい。あとは~以下略。

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