ギャレンはギャレンラウザーを構えてトライアルEと対峙する。
トライアルEはアームガンをシングル、バーストと使い分けながら攻撃を仕掛けた。
だが、ギャレンはキングラウザーを巧に操り、飛んでくる弾丸を全て撃ち落す。
「(見える)」
仮面の中で弾は飛んでくる弾丸がスローモーションに動くのを的確に撃ち落していく。
視覚が前より鋭くなったみたいに弾丸の動きが見える。
弾は地面を蹴る。
一瞬で、トライアルEへと間合いを詰めた。
「うぉらぁ!」
繰り出した拳はトライアルEの片腕を弾き飛ばす。
そしてトライアルEは壁に叩きつけられた。
「これは・・・・速めにケリをつけるしかないな・・・・」
体に漲る力は止まる所を知らない。
このままだと自分はおかしくなってしまう。
危険信号が脳内で響いている。
「ハイジョ・・・・ハイジョスル」
「橘さんの声で・・・・汚い言葉使うんじゃねぇ!」
叫ぶと同時にギャレンは力を発動させた。
トライアルEは無数に現れたギャレンに戸惑いつつもアームガンで応戦するが全て外れる。
やがて本体のギャレンへ分身が集り、炎を纏った蹴りがトライアルEの頭部に叩きつけられた。
『オレ・・・・ハ!』
頭部が陥没し大爆発を起こす。
爆煙と衝撃から橘は咄嗟に山田真耶を守る。
しばらくして、熱と風が弱まり橘は振り返った。
黒い煙がもくもくとあがっている。
「山田先生、大丈夫ですか?」
「はい・・・・橘さんは!?」
「大丈夫です・・・・」
ふらふらと起き上がった橘は黒煙の方へ視線を向けた。
煙が弱まるとそこに立っていたのはギャレン。
各部にディアマンテゴールドが装備されたギャレンをみて、橘はなんといっていいのかわからない表情を浮かべた。
ギャレンはターンアップハンドルを引いて、元に戻る。
と、同時に地面に倒れた。
「弾!」
倒れた弾に駆け寄る。
「ぐ~~」
弾は熟睡していた。
IS学園の入口、箒達、専用機持ちが奮闘している所に一夏と簪が合流していた。
ブレイラウザー同士を振るって、二人のブレイドはぶつかりあっている。
援護を箒とラウラにしてもらいながら戦っている。
最初の動揺と異なり、一夏は冷静に観察していた。
「お前は、違う!」
叫ぶと同時にブレイラウザーを操りブレイド(トライアル)にダメージを与えていく。
箒の空裂がブレイド(トライアル)に直撃し、離れようとしたところでラウラのワイヤーブレードがブレイドの動きを封じてしまう。
「「一夏!」」
『キック』
『サンダー』
『マッハ』
『ライトニングソニック』
ブレイド(一夏)が地面を蹴り、ライトニングソニックをブレイド(トライアル)に叩き込む。
雷撃の蹴りを受けたブレイド(トライアル)の体のバックルが弾け飛んで、異形が姿を見せる。
「それが、本体か」
ブレイドはラウズアブゾーバーにプライムベスタをラウズした。
『アブゾーブ・クィーン』
『エボリューション・キング』
キングフォームとなったブレイドはキングラウザーを構える。
『スペード10』
『スペードJ』
『スペードQ』
『スペードK』
『スペードA』
『ロイヤルストレートフラッシュ』
「ウェェェェイ!」
五枚のギルドラウズカードを突き抜け、ブレイドがキングラウザーを振り下ろす。
トライアルは避けきれず体に一撃を受けて大爆発を起こした。
「うわっ・・・・とと・・・・」
変身を解除した途端、一夏はバランスを崩して倒れそうになるがそれをラウラと箒の二人に支えられる。
「無茶をする嫁だな」
「ラウラのいうとおりだな、このヘタレ一夏」
「ちょっ!?ヘタレ関係ない!」
「これで、封印できないって・・・・トライアルはチートだな」
「・・・・そんなこといったら、私達ってどーなるの?」
「それもそうだな」
一方、カリスとレンゲルのほうと対峙しているトライアルは専用機持ちの弾丸の雨を受けていた。
その様子を離れた所で二人は見ている。
「とっとと倒れなさいよ!」
「一夏さん達を苦しめたその命、神に返しなさい!」
「ふふふふ、こいつらを倒したらダーリンとデート☆!」
「させないよ!始とデートするのは私だ!」
トライアルは少なからず反撃を見せているが抜群の連携を見せている彼女達の前になす術もない。
彼女達ならば国家と戦っても勝てるかもしれないと錯覚してしまう。
「あいつらが哀れだからというわけじゃないが・・・・ケリつけるか」
「そうだね」
『エボリューション』
『アブゾーブ・クィーン』
『フュージョン・ジャック』
ワイルドカリス、レンゲルジャックフォームとなり弾丸の嵐が止まると同時に前に飛び出しおぼつかない足取りのトライアル二体に拳を繰り出す。
攻撃を受けて後ろに倒れこむトライアル達に二人はそれぞれの必殺技を放つ。
「これで終わりだ」
『ワイルド』
「終わらせる・・・・」
『ラッシュ』
『ブリザード』
『ポイズン』
『ブリザードゲノム』
ワイルドサイクロン、ブリザードゲノムのダブル攻撃を同時に受けたトライアルはその場で大爆発を起こす。
「終わった」
「うん」
数日後、
弾が目を覚ますと、涙を流している蘭の顔がそこにあった。
「・・・・おにぃのばかぁ!!」
「いっでぇぇ!?」
目を覚ましてすぐに妹に殴られて弾の頭は混乱してしまう。
「な、殴る事はないだろ!?ってうぐぇ!?」
「このバカガキ」
「爺ちゃん!?爺ちゃんにまで!?」
「それほどおにぃがバカなの!橘さんから聞いたときはびっくりし何日も眠ったままなんだからぁ!」
「えっと・・・・」
「お前が病院に運び込まれて5日が経過した。その間、ずぅっと寝てたんだよ。なんともないか?」
「体がすこしだるいくらい・・・・」
「ふん、お前に客だぞ。蘭」
「うぅ・・・・後でお説教だから」
「え!?」
まだ泣いている蘭を残して厳は部屋から出て行く。
しばらくして控えめなノックで部屋に一人の女性が入ってくる。
「あ・・・・」
「はじめて、ではないですけれど・・・・布仏虚といいます」
「あ、ご丁寧にどうも・・・・五反田弾といいます」
虚の挨拶に弾は戸惑いながら返す。
え、どうなっての!?と頭の中で混乱する。
どうしてこんな美少女が病室に!?といろいろな意味で思考回路が暴走していた。
「先日は助けてくれて、ありがとうございます」
「いえ、その、俺はただ当たり前のことをしただけで・・・・」
ふと、弾は気づく。
――当たり前?
「・・・・五反田さん?」
「(そっか・・・・俺は考えすぎだったのか、アホらし)すいません、少し考え事してました・・・・えっと、布仏・・・・さん?」
「虚、と呼んでください」
「ふぁっ!?」
「・・・・ダメ、ですか」
「いいえ、とんでもありません!でしたら・・・・虚さん」
「はい」
弾の思考回路がさらに混乱する。
え、これ、どうしたらいいの!?
瞳を潤ませて弾を見ている虚。
冷や汗を流して、困っていると、ドアが開いた。
「・・・・」
ドアを開けたところで固まった橘朔也の姿がある。
手元に果物が詰まったバスケット。
「・・・・あ、邪魔だったか・・・・楽しんでください」
「「誤解です!!」」
何か勘違いをした橘を慌てて二人は追いかける。
それから、弾と虚はお互いに連絡先を交換した。