防弾処理の施された兵器はBB弾ではなくペイント弾でしかダメージを与えられない。
攻撃ヘリ:高い対地性能を備えたヘリコプター。大口径の機関砲やロケット、ミサイルは地上戦力には脅威となる。
軍用・装甲トラック:高いAPと悪路走破性能を持つトラックに機銃を搭載し攻撃と輸送を両立した優秀な兵器。
更に荷台に物資や歩兵用の武器を積む事も可能。
野戦砲:APと機動力を犠牲に高い火力を持った兵器。射程も長いため場所によっては脅威となりうる。
今俺達は取り敢えず倉庫の中に隠れて作戦を練っていた。
「さて、何か案がある奴はいるか?」
「好きなようにやればいいんじゃないか~?」
「駄目だ、2年は20人以上残ってるからな、散開したら各個撃破されるのがオチだ」
「なら何処かに防衛線を敷くか逃げ回るかですね」
「ああ、俺も防衛線は考えたんだが火力が足りないんだよ」
「なら兵器か武器取りに行こうよ」
「無理だな」
「上級生の群れですもんね・・・」
さっき茜が倒したがそれでも24人残っている。その中走っても7秒でENDだろうからな。
「ていうかお前達の兵器は何だ?」
「僕は88mm砲です」
「あぁ~アハト・アハトね、それがあればかなり火力はアップするが・・・どうやって持ってくるかだな。茜、お前は?」
「私は軽・重機関銃付きの装甲トラックだよ~」
「「・・・・・・・」」
問題、解決。
てか機銃付きってガントラックにすれば良かったじゃん。
「よし、それじゃあ茜はトラックでアハト・アハトを持ってこい。ヨモギと俺は籠城出来る場所を探す。ヨモギ、いいか?」
「了解です。ところで恭平さんの兵器は無いんですか?」
「そういえば私も恭くんの兵器だけ聞いてない!」
「ん?俺の兵器か?陸上兵器がLAV-25航空兵器がAH-64Eだ。まあどっちもカスタムしてるけどな」
俺は兵器を2機持っている。
やっぱり陸と空のどっちもあった方がいいからな。ビビリ?チキン?何とでも言え。
「2機持ちなんて珍しいですね」
「まあ確かに兵器を1つだけにした方が能力の向上は早いけど、自軍に陸上戦力しかいなかった時とか敵軍の航空兵器に一網打尽にされちまうからな」
「確かにそうですね。それで恭平さんは今回どっちを使うんですか?」
「多分2年に対空兵器持ちは居ないだろうからな。ロングボウで出る」
「りょーかーい。んじゃ取りに行ってくるね」
「よし、じゃあ俺達も行くか」
「そうですね」
三⊂⊂⊂( ^∀^)⊃⊃⊃ブーン!
茜と別れ俺達は今籠城出来る場所を探している。
元々銅鉄高校はサバイバルゲーム用にかなり広い敷地面積があるから場所に困る事はない。しかし広過ぎる為に候補がありすぎた。5分掛けて利点と欠点を出し合い・・・結局この体育倉庫に籠ることにした。
まあまあ読者の皆、そんなつまらなさそうに睨まないでくれ。これにはちゃんとした理由があるんだよ。
第一に『防衛線を敷きやすい』
この倉庫は校舎の近くにあり侵入出来る道は一ヵ所のみ、しかも近くには時計塔があるから上から一方的に攻撃出来る。
第二に『堅牢な建物がすぐ近くにある』
屋外だと上空からヘリや戦闘機で攻撃しようにも味方に当てないようにしなければならないが味方が建物に入ってしまえば航空兵器は存分にその力を発揮出来るのだ。
そして一番の利点が『ここから移動する必要がない』という事だ。
これだけではただ単に移動が面倒だと思っているだろうがちゃんと理由がある。
というか考えてみろ、学校に入学した日に歩いたこともない広大な敷地でおいかけっこして問題なく走破出来るものか。
一年が直ぐに倒されたのも上級生が相手だったからというのもあるが一年にもトッププレイヤーばりの実力を持った奴もいる。それほどの奴が何故倒されたかというのがいかに地形を把握しているかだ。たとえ実力があっても地の利がなければ不利なままなのである。
で、茜に籠城場所が倉庫になったことを無線で伝え俺達は互いの武器を確認する事にした。
「お前の装備は・・・まあ見れば分かるけどさ」
前回にも言ったようにヨモギの武器はM82の様だ。だが全武器カテゴリ中トップクラスの重さがある対物ライフルの中でもM82はセミオートで撃てるためかなりの重さの筈だ。それを軽々持って走れるのはマッチョくらいのものと思っていたのだが・・・。
「これ以外にもありますよ?」
「なん・・・だと・・・!?」
ヨモギがリュックから取り出したのはH&K社の傑作銃Mk.23とMP5、ベレッタ社を代表する名銃M92Fだった。
なんだろう、茜といいこいつといい人外過ぎて負ける気がしない。
「それで恭平さんは何ですか?」
「あ、あぁ」
半ば放心状態で自分の武器を見せる。
「・・・えっとこれがM11、まあ2挺あるけど両手撃ちはあんまりしない。」
そして今の俺のメインアームであるステアーを見せる。
「んでこれがステアーAUG強襲狙撃カスタム、略して『AUGAS』アーガスだ」
AUGASはAUGA3をベースにバレルとハンドガードを延長して下部レイルにハリスバイポッドとグリップ、上部レイルに2-6×4倍のスコープと小型のドットサイトを装着してマガジンは大容量のCマグ(キンタ○ガジンなんて言わないで!)にしている。バイポッドを立てた時マガジンがモノポッドの代わりになるから気に入ってる。
何で強襲を入れたかは・・・ほら、『AUGS』だと読みづらいし入れた方が格好いいじゃないか!
「すごいゴテゴテですね」
「これより凄い改造してる人はそこら中に・・・!」
「どうしました?」
「倉庫入口の前を2人通った」
小声で報告しながらM11にサプレッサーを装着して耳を澄ます。
『残りの1年見付からないな』
『もう殆どの場所探したんだがな』
『何処いるんだかな』
『全くだ』
どうやら倉庫の中を探す気は無いようで素通りしていったのでこっちからいかせてもらう事にする。
ドアをほぼ無音で開け2人に近寄りM10を射撃する、2人が気付いたのはBB弾が服に当たってパチン!という乾いた音を響かせてからだった。
(。∀°)アヒャヒャ!
上級生を2人退場させて数分後。
茜がトラックに8.8mmとロングボウを載せてきた。
「持ってきたお~」
「おう。そのトラックで片方の道を塞いでくれ」
「は~い」
「僕は逆に行くね」
「おう」
茜とヨモギがそれぞれ自分の兵器と一緒に位置に付いたのを確認してからAH-64Eに乗り込み上昇、近場の敵を探す。
「少し飛び回ってくる」
『わかりました』
会話の後倉庫から少し離れた所で2年を7人確認した。
「こちら恭平、敵兵7人を確認した。そっちはどうだ?」
『恭くん!直ぐに戻ってこれる!?』
「・・・!?何があった!」
『ヘリがいなくなってすぐに攻撃を受けました!数は13、ストライカー装甲車が1台です!』
「マジかよ・・・!」
俺達はどうやらはめられたらしい。
まあ、そしたら目の前の奴等には構ってられないな。
機関砲の照準を上級生に合わせ後退しながらトリガー。避ける間もなく全員がヒットし俺は倉庫に戻る。
「わりぃ、待たせた!代わりといえば何だが敵兵を7人撃破しといた!」
『了解!残りはここを攻撃している人達だけ・・・待ってください!生存者が1人足りません!』
「何だと!?」
あと1人だけ別な場所にいるのか?いやそれは恐らく有り得ない。現に2年は総力戦を仕掛けて来ている。だとすれば・・・・・。
「・・・まさか『ガギギギギガガギギン!』やっぱりか!」
『どうしました!?』
「対空砲、M167だ!飛行は困難、着陸する!」
『待って!僕が狙撃する!』
ヨモギが倉庫の窓から顔を出しM82を2射、1発目でM167に特殊塗料が付着、設定された耐久値以上の攻撃が与えられたことによりM167が使用不可能になり、2発目で射手が色鮮やかに染まった。
あの不安定な構えでしかもM82A1を使って遠距離の標的を正確に撃ち抜くとは・・・ほんとに規格外だな。
とはいえこれで形勢逆転、攻撃ヘリのあるこっちが有利になった。
「さあ・・・もう邪魔者はいない・・・残りの時間を楽しもうじゃないか!兵装選択ロケットポッドォ!エネミーインサイトォ!発射ァ!」
圧倒的な力によって2年が蹂躙されていく。
「なぁ!反撃してこいよォ!さっきみたいにさァ!アハ!アハハハハハ!」
『・・・・・おーい恭くーん?どったのいきなり笑い出して?』
「アハハハハハハ!アハハハッゲホッゲホッ!」
『あ、む せ た』
「・・・あーすまん、ちょっとテンション上がっちまった。はい最後」
着弾した弾頭から無数のBB弾が飛び出し最後の1人に当たった。
『勝者、1年生』
アナウンスが流れた瞬間『『『『『ウォオオォォォォオォォォ!!』』』』』という歓声が轟いた。
恭平はテンションが高くなるとACVの主任みたいな性格になります。