学園艦誕生物語   作:ariel

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いよいよ大洗艦を作り出すための予算措置についての話が始まりました。とはいえ、メインはあくまでも知波単学園の改装で、大洗艦の新造はおまけ扱いです。ちなみにこの物語で現在動いている知波単学園は、黒森峰女学園の学園艦と比べてだいぶ小さな艦です。アニメ設定では、黒森峰女学園と知波単学園(三段甲板の赤城)は同程度の大きさのため、その大きさにするための改装をこの時代に行なう予定です。


第45話 予算措置

1972年 8月 首相官邸

 

 

7月に行なわれた自民党総裁選で勝利した田中角栄は、そのまま内閣総理大臣となっていた。そして総裁選前に話していた通り、自分に総裁選で協力してくれた橋本登美三郎を党幹事長に据え党運営の全てを任せた。また田中は9月に中国への外遊を控えていたため、早い段階で国内の問題を片付ける事に決めた。そして、それらの中でも特に予算的な問題を抱えている学園艦計画について閣内の根回しをするため、関係する閣僚三人を首相官邸に呼び出した。

 

「忙しい中、こうやって集まってもらって申し訳ない。今日は、来年度の予算を組む上で大きな案件になるだろう学園艦計画について、関係閣僚間の刷り合わせをするために、植木君、稲葉君、そして中曽根君に来てもらったのだ。この学園艦計画については、岸先生や佐藤先生の意向もあるから、今回は私の顔に免じて協力をお願いする。」

 

「角さんにそこまで言われてしまっては、協力せざるを得ませんな。とはいえ、必要な数の学園艦は粗方建造は終了していますから、今更大きな案件にはならないのではありませんか?それに文部大臣の稲葉さんと、大蔵大臣の植木さんがここに呼ばれているのは分かりますが、通産大臣と科技庁長官である私が呼ばれているのは、どう言う事ですか?」

 

文部省は学園艦に関する許認可権を持つ、そして予算関係の話のために大蔵大臣が呼ばれているのは分かる。しかし学園艦計画にはあまり関係のない自分が何故呼ばれているのか、通産大臣と科学技術庁長官を兼務する中曽根は不思議に思っていた。

 

「学園艦の件とは少し別案件かもしれないが、今回は中曽根君も絡む案件なのだ。まぁ、いわゆるその…科学技術庁絡みの案件だと考えて欲しい。とはいえ、その前に本題の学園艦計画の方からいこう。次来年度の予算作成だが、学園艦1艦の改装予算と新造艦1艦分の予算を入れてもらう。既に皆も知っていると思うが、改装の方は一号艦の改装を行なうための予算だ。これについては新造艦を作るよりも予算が必要になるが、なんとしてもこれについては認めてもらう。」

 

「角さん。一号艦の改装予算と言いますと、以前岸先生からチラッと聞かせてもらいましたが、試算では現在量産している公立の学園艦タイプ6艦分の新造予算に匹敵します。これに更に1艦新造するとなると、大変な額の予算になると思います…出来ないとは言いませんが、かなり難しい橋を渡る事になりますぞ。」

 

「植木君、そこを何とかするのが大蔵大臣たるあなたの仕事だ。それに新造艦の方は、最悪規模が小さくなっても良い。メインはあくまでも一号艦の改装の方になる。そういえば、たしか稲葉君のお孫さんは、来年一号艦を卒業するのではなかったかね?岸先生からは、受け入れ生徒数が既に限界に達していると聞いているが、実際のところをお孫さんから聞いていないかね?」

 

「そうですな。今年の正月に家に戻ってきた孫娘から少し話は聞いていますが、現在受け入れている生徒数でも、既に学園艦の容量を大幅に超えているようですな。昔は二人で一部屋だった生徒寮も、孫が入学した時は四人で一部屋になっていたとか。ですから私としては、知波単学園の規模を大きくする事は賛成です。実際に、一号艦の知波単学園と二号艦の黒森峰女学園は進学校としても有名になっていますし、入学希望者は益々増えています。少なくともあの二つの学園の規模は同程度にする必要があるでしょう。」

 

自分の孫が知波単学園の三年生として在籍している文部大臣の稲葉は、そのように田中に伝えた。孫の話では、知波単学園の教育は非常に素晴らしく、楽しい学園艦生活を送る事が出来ていると言う。また孫娘は、知波単学園で戦車道にも参加しているようで、残念ながら全国大会に出る事は出来なかったが、知波単学園を卒業していったプロリーグに所属している先輩達とも時々会う事が出来るようで、知波単学園での生活を満喫しているようだ。

 

しかし居住環境だけは、あまりにも狭すぎる事に不満を漏らしていた。昔は二人で使っていた部屋を現在は四人で使用しているため、寝る時はすし詰め状態とは言わないまでも、かなりの窮屈を強いられているらしい。また知波単学園自慢の露天大浴場も、常時非常に混雑しているようで、ゆっくり大浴場を楽しむ事も出来ないと不満を口にしていた。

 

これに対して、二号艦である黒森峰女学園は学園艦の規模も大きく、現在の受け入れ生徒数は知波単学園の約2倍。それにも関わらず生徒寮では、一人部屋と二人部屋を選択する事が出来る。その話を孫から聞かされた稲葉も、知波単学園の規模をなんとかして大きくしてやりたいと考えていた。

 

「角さん、大蔵大臣としては、一号艦の改装予算についてはなんとか出来ると思います。しかし、幹事長の橋本さんの協力があれば党内は纏められると思いますが、予算委員会でまた社会党から色々言われるでしょうな。まして、今回の改装の対象はあの一番艦です。以前からあの党は、戦車道に大きく絡んでいる一番艦や二番艦に良い思いを抱いていません。その一番艦の規模を大きくするとなると、また予算委員会で言われますよ『軍靴の足音が聞こえてくるような学園を大きくするなど、言語道断だ!』とね。何か対策はあるのですか?」

 

「その点については、この角栄抜かりはない。民社党と公明党を抱き込めば、強行採決で乗り切れるだけの数は確保できる。それに来月には中国に行く事になっているが、そこで上手く外交成果を出す事が出来れば、社会党も今回は大人しくせざるをえなくなるだろう。それに、いざとなれば社会党の中にも個人的にお願い出来る人間は何人かいる。そういう意味では、今回の予算作成はチャンスでもあるのだ。植木君、今回はよろしく頼むよ。」

 

「なるほど、外交成果で黙らせるという事ですな。まぁ、それについては良いのですが、新造艦…これについても、どうしても今年度の予算で動かす必要がありますか?たしかに、規模が小さくても良いのでしたら、これまでの学園艦計画関係の予算規模を考えますと問題なくねじ込む事は可能ですが。ただし正規の学園艦計画は既に終了していますし、例のM資金も流石に底をついています。改装ではなく新たに新造艦を作るとなると、色々党内でも異論が出てくるでしょうな。」

 

「すまないが、これについてもどうしても今年度の予算でねじ込んで欲しい。これは、この角栄にとって男の約束でもあるのだ。私は、一度口に出した約束は必ず守る男だ。だから植木君、今回は私の顔に免じて新造艦1艦分の予算をお願いする。なに、規模は通常の1/3程度でも構わない。それに正規の学園艦の予備艦扱いにしておけば、計画終了後に新造艦を作る理由もなんとかなるだろう。」

 

田中の話を聞いた大蔵大臣の植木は、通常の公立学園艦の1/3の規模であれば、予算を通すのはそれ程問題なく出来るだろうと考えていた。しかし問題は、一号艦の改装の方だ。こちらは、通常の公立学園艦6艦分の予算が必要だ。ただし、この一号艦改装については何処かの時点で行なわなければならない事を植木も承知していた。稲葉の孫娘は来年一号艦を卒業するようだが、実は植木の孫娘も初孫は二号艦『黒森峰女学園』に在籍しているが、二番目の孫は一号艦『知波単学園』への入学を強く希望しており、二年後に受験を迎える。自分の孫娘のためにも…それに、田中が総理に就任して間もない最も力があるこの時期でなければ、これほどの予算を組む事は出来ないだろう。これは今回の予算編成は本腰を入れて組まなければならない、と植木は覚悟を決めた。

 

「角さん、分かりました。私の責任で予算は組ませてもらいます。ところで新設の学園艦ですが、何処の県の所属にする予定ですか?これについては、文部省が管轄になりますから、私が口を出す事ではないのでしょうが。」

 

「植木さん、よろしく頼むよ。だがこの件については、総理総裁である私が全責任を負う。だから、植木さんの思うようにやってくれ。それと新造の学園艦の所属だが、これは茨城県所属とする。これについては一つの県に三艦目の学園艦ということで異論もあるかと思うが、決定事項だ。稲葉君、文部省でそのように取り計らってくれ。」

 

「分かりました、角さん。まぁ、一つの県に三艦の公立学園艦というのも、前例がありますからなんとかなるでしょう。それにしても…橋本さんへの論功行賞という所ですか?」

 

「まぁ、いわゆるその…。私を総裁にするためにあれだけ尽力してくれたからな。これくらいの無理を聞いてやるのは、必要だろう。」

 

田中の返答に稲葉は、総裁選であれだけ活躍した橋本さんのためなら仕方ないか…と考え、文部省に戻ったら早速事務次官に指示をしなくてはならないな…と考えていた。

 

「それでは学園艦関係の予算については、これでいいだろう。後は、中曽根君と稲葉君に関係する話だな。次年度、科学技術庁にこれまでとは別枠で十億予算を追加する。これを岸さんの居る戦車道連盟に研究基金として出してくれ。この件は文部省の高等教育局に絡む話だが、この十億は東北大学のとある部署に出す事になる。稲葉君はそのように承知しておいてくれ。」

 

「分かりました、角さん。しかし十億程度の予算で、角さんが私達に直接指示を出してくるというのも珍しいですね。一体何があったのです?」

 

「まぁ、いわゆるその…ちょっとあってな。いや、非常に面白い陳情を受けたわけだが、それもあってこの件は、私の責任で遂行せねばならんのだ。大蔵の事務次官には既に予算措置をするように伝えてあるから、科学技術庁には次年度に確実に十億行く。だから私が言ったように措置をしてくれ。」

 

「分かりました、角さん。しかし戦車道連盟に十億渡すのは良いのですが、わざわざ基金にするのですか?十億でも基金にする前例はありますが、えらく小規模の基金ですね。」

 

田中の言葉を受けて科学技術庁長官を兼務する中曽根は少し不思議そうな表情をした。たしかに総理大臣である田中が直接口利きをして、閣僚である自分に申し送りをするにしては、規模が小さすぎる予算の話だ。しかも基金化するとなると、多年度に渡ってその金を使用するということだ。単年度で十億であればまだ分かる。しかし数年に渡って十億使うとなると、政治的にはそれ程大きな話ではないだろう。何故そんな小さな事に総理である田中が直接関わっているのだろうか。そんな中曽根の不思議そうな表情を見て、田中は少しニヤッと笑って説明をした。

 

「中曽根君、先日私の元に岸先生の紹介で一人の…そうだなせいぜい20代後半の女性が陳情に来たのだよ。それがね…ハハハ、いや実に傑作だったのだが、その娘が私にどれだけの予算の陳情に来たと思うかね?」

 

「はぁ…岸先生の紹介で、角さんの所に陳情に来たとなると、やはり数億から数十億の陳情でしょうかね。しかし、そのような若い娘が何故そんな額の陳情に?誰かの使いという訳ではないでしょうね?」

 

「いや、中曽根君。正真正銘、本人が必要とする予算だったな。ちなみにその娘は、東北大学の付属研究所…名前は何と言っていたかな…少し忘れてしまったが、そこで助手をしていると言っていたな。それで、自分の研究案に予算をつけて欲しいという陳情だったのだ。なんでも戦車道に絡んだ研究をしたいらしいが、今年度文部省に申請していた研究は採択されずに予算が出なかったそうだ。本来であれば文部省の稲葉君か科技庁の君のところに陳情に行くのが筋のはずだが、岸先生経由で正規のルートではない私の所に来たのだから、余程切羽詰まっていたのだろうな。私に色々と研究の有用性について説明してくれたが、私にはさっぱりだったよ…ハハハ。ただ金がどうしても必要なのだと言う事と、本人の情熱はよく分かった。それで、私は単刀直入にどれだけの額が必要なのだ?と尋ねたら、その娘は黙って指を二本出したな。」

 

「二億ですか…しかし、その娘は岸先生の紹介で、角さんの所に来たと言っていましたよね?二億程度なら岸先生の一言で動く額ではないですか?」

 

「ワハハハハ。そうだろう。やはり中曽根君もそう思うわな。ところがその娘は、この私の言葉に焦ったような表情をして言ったのだ『桁が違う』とな。」

 

田中と中曽根の話を聞いて、大蔵大臣の植木は『そうだろうな』と思っていた。中曽根が言ったように二億程度の予算であれば、岸の一言で片がつく程度の額だ。その岸がわざわざ田中の所に寄越したと言う事は、岸では動かす事が難しい額、そして総理大臣である田中の力が必要な額だ。『二十億か…』と植木は考えたが、そのような若い娘が二十億もの金を要求するとは、一体どんな事を申請したのだろうか?と興味を持ち、田中に質問した。

 

「二十億ですか…流石にその額となると、総理大臣の角さんの力が必要になるでしょうな。しかし、そのようなまだ三十にも満たない小娘が二十億もの金を出して欲しいと要求してくるなど、余程な事があったのでしょうな。」

 

大蔵大臣の植木がそのように田中に聞くと、田中は一瞬沈黙したが、次の瞬間噴出すように笑い出した。田中があまりにも大笑いし始めたので、その場にいた三人は一体何があったのだろうと興味を持ち、田中の次の言葉を待った。

 

「ワハハハ…いや、そうだろうそうだろう。植木君が今言ったように考えるのが、普通だろうな。うんうん。それで私もその娘に『二十億か…たしかに、私の力を持ってすれば動かせない事もないが、流石に次年度予算に二十億を今からねじ込むのは私でもかなり難しい。二年間で合わせて二十億なら今この場で約束できるが、どうだろうか?』と言ってやったのだ。そうしたら、その娘は目を丸くしてな…ワハハハ、いや今思い出しても笑いが止まらんよ。」

 

田中が再び噴出すように笑い出したのを見た三人は、『まさか…』という表情をして田中の顔を見た。

 

「そうしたらな、その娘が言ったのだ。『必要な額は二千万だ』とな…ワハハハ。この角栄に向かって二千万の予算をつけてくれと陳情に来たのだぞ。それも岸先生の紹介でだ。あまりの小額に私の方が逆に驚いたよ。」

 

「まさか角さん。その娘の言う通り、たった二千万を角さん自らが調整したわけではないでしょうね?」

 

「当たり前だよ、稲葉君。この角栄が二千万程度の額を動かすために大蔵の官僚に指示を出した事が知られたら、この角栄の名折れだ。それに詳しくその娘から話を聞くと、その娘は岸先生に必要な額を話していなかったらしい。まぁ、これは岸先生のミスだわな。ただ岸先生の紹介で来た陳情者に対して、この角栄が二千万しかつけなかった事が知られたら、私の面子は丸つぶれだよ。」

 

角栄の言葉に、その場に居た三人は頷く。いくら陳情者の希望が二千万だからといって、岸から紹介されて田中の元にやってきた人間に、二千万円を出して終わらせてしまっては、田中の面子は丸つぶれだ。田中は金権政治家とか金満政治家と陰口を叩かれる事はあっても、ケチだと陰口を叩く人間は野党にもマスコミにもいなかった。

 

「それで…例の十億になったわけですか。しかし、十億であれば単年度予算でその娘に渡してしまった方が手続きは楽だったのではないですか?わざわざ戦車道連盟を迂回させて基金化させるよりも」

 

中曽根が当然の指摘を田中に行なった。実際に、十億であれば今回田中が三人に語ったように簡単にねじ込む事が出来る。それならば、単年度予算でその娘に渡してしまった方が後々の手続きも必要なくなり楽に処理できる。逆に基金化してしまえば、その基金の元手が無くなるまで長期に渡って予算管理をしなくてはならなくなる。手続き的にどちらが楽なのかは、自明の理だった。

 

「そうだな、中曽根君。私も最初は、単年度予算で十億をその娘に渡す事を考えて、それを娘に伝えたのだ。そうしたら、その娘は何と言ったと思う?『一年で十億ももらっても使いきれない』だそうだ…ワハハハ。他の陳情団の人間にも聞かせてやりたい言葉だと思わんかね。あればあるだけ寄越せと言う人間ばかりだからな。この角栄が直接口利きをするのだ。十億という総額は譲れん。そこでだ、その十億を基金化して十年に渡ってその娘に渡すという形で折り合いをつけたという事だ。」

 

「なるほど。それで基金化という事ですね。それにしても、『使いきれないから、止めて欲しい』という言葉は我々からすると斬新ですね。それで岸先生はもう了解しているのですか?」

 

「あぁ、中曽根君。全ての事情を話したら、私に『すまなかった』と言ってきたよ。岸先生も、まさか二千万程度の陳情とは思ってもいなかったようだな。いや…ひょっとしたら、知っていて更に予算を付けさせるために私の元に寄越したのかもしれんがね。岸先生ならそれくらいの事はするだろうからな。ただ今回の話から、戦車道連盟でもこれからは大学や国立研究所を対象として、戦車道関係の研究に対して助成金を出すようにしたいと言っていたから、結果的にその娘の今回の陳情は色々な物を動かした事になるわな。」

 

田中の言葉を聞いて、その場に居た三人は岸が田中に謝罪した事に対して、それはそうだろうと同意した。現役の総理大臣に一億にも満たない案件を持ち込ませたのだ。岸も内心でしまったと思っているだろう。ただ田中が指摘しているように、岸ならば全てを知った上で、予算増額のためにその娘を送り込んだ可能性も否定は出来なかった。ただ結果的にその娘は、自分の希望を完全に叶える事に成功し、なおかつ戦車道連盟まで動かす事に成功したのだから、十二分に今回の陳情の成果があった事になる。そんな事をした娘の素性が気になったのか、中曽根は田中にその娘について聞いた。

 

「角さん。聞いていますと、その娘は一回の陳情で満額回答どころか希望以上の物を手に入れた事になると思いますが、一体誰なのです?岸先生の紹介で、旧帝国大学の人間となるとかなりの人物だと思いますが。」

 

「あ~。名前は何と言っていたかな…、たしか、東か西か南か忘れたが、苗字は方角の一文字だったな。ただ岸さんとは直接の関係はないようで、知り合いの伝で岸先生に紹介をしてもらったと言っていたな。まぁ、いずれにせよそれだけの予算をつけたのだ。近いうちに頭角を出してくるのではないかな。」

 

田中が、陳情に来たその娘の苗字が、『西』だったと思い出すのは、中曽根達が退出してからになる。陳情者についての話が終わった事で、田中の話は全て終わったようだ。この場に呼ばれた三人は、田中が既にこれらの件については、強い意志をもって進めようとしている事を知った。そして、これまで田中から受けた恩を考えると、自分達は閣僚として田中がやろうとしている事に協力していくことが最良の道だと感じて、首相官邸を後にした。




たぶん次回は外伝扱いで、今回の陳情に対する西さんからの視点で話を書くことになりそうです。ですから、ガルパンの世界感と全然違うよ!というのは無しで、もう少しだけ政治ネタの話を楽しんでもらえたらな…と思います。実際に、これだけの学園艦を作る話ですから、政治なしでは動かないわけで^^;

色々と評価や好みもあると思いますが、筆者にとって角栄さんは結構好きな政治家ですし、この時代には必要な政治家だったという評価をしています。ですから、どうしても角栄さんは好意的に書いてしまうことになるわけでして^^;。角栄さんのエピソードは色々ありますが、特に金の渡し方などのエピソードは大好きだったりします。ですから、次回の外伝ではその辺りの事も絡めるかもしれません^^;

今回も読んでいただきありがとうございました。

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