学園艦誕生物語   作:ariel

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あけましておめでとうございます。

年も変わりましたし、この物語も新しい章に移したいと思います。今回の章は、前章から10年程経過した1970年代になります。この物語の中では、既にほとんどの県に最低一艦ずつ学園艦が存在しており、学園艦建艦計画は終わりを迎えている時代になります。そんな中、いわゆる無理筋を通す形で新造の学園艦を作り出そうというのが、この章になります。そして、ここで誕生する学園艦を『県立大洗女子学園』としようと考えています。いわゆる員数外の学園艦扱いのため、廃艦計画でも最初に文科省から目を付けられたという設定に出来るかな…と考えました。今回の章は、前半部分は学園艦を建造するための駆け引きが中心になると思うので、ガルパンの世界感からはだいぶ外れると思いますが、こんな感じで大洗艦が出来たのかも…と思って楽しんでもらえると幸いです。


第4章 員数外の学園艦
第44話 地元のために


1971年  7月5日 首相官邸

 

「それでは田中君、今回の内閣改造で君には通産大臣をやってもらうよ。君には今回の総裁選で世話になったからね。私は今期で総理を退く事になるだろうが、次は君か福田君になるだろう。それまでの間、よく力を蓄えておくことだね。」

 

「佐藤先生、通産大臣の件、お引き受けします。」

 

1964年から長きに渡って総理大臣の職にあった佐藤栄作は、自由民主党では前代未聞の四度目の総裁選に勝利し、更に総理大臣を続ける事になっていた。しかし実際には様々な政治的駆け引きや思惑の末の四選だった。そして長期安定政権であったが故に後継者選びは難航を極めており、佐藤が前総理だった池田勇人から政権を譲り受けたような平和的な禅譲を望めるような状況ではなかった。その事もあって、佐藤に近い有力な後継者として田中角栄と福田赳夫の二人が居たが、佐藤は未だ後継者の指名も行なっていなかった。

 

田中は久々に内閣の一員として行政府に所属する事になった事を素直に喜んだが、岸―池田―佐藤と続いてきた流れがそろそろ終わりに近づいている事を肌で感じていた。そして、その来るべく新しい時代に自らが頂点に立つためには、今の段階で力を蓄えなければならないという思いを強く持った。田中が、首相官邸から党本部に戻ってくると、それまでの第三次佐藤内閣で運輸大臣を務めていた橋本登美三郎が、田中を待っていた。

 

「角さん、今度通産大臣に任命されたようだね。まずはおめでとう。ただ、佐藤さんの今回の四選には党内にも色々と批判があるのは確かだ。おそらくそれほど遠くない時期に、新しい総裁を選ぶ事になるだろう。準備は出来ているのか?」

 

「橋本先生。この角栄、その辺りに抜かりはありません。まぁ、いわゆるその…実弾が不足するような事態にはならんでしょう。最後は微妙な票読みになるでしょうが、福田さんには負けませんよ。」

 

「そうか、分かっているなら問題ないな。角さん、次の総裁選では、私が角さんの大番頭として、必ず角さんを頂点に就かせてみせる。だから、大船に乗った気でいてくれよ。」

 

「橋本先生には、ご苦労をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。」

 

第三次佐藤改造内閣は始まったばかりだったが、次代を担うと思われている政治家達は、既に次の総裁戦を念頭に動き始めていた。現在の自由民主党では、前総理大臣の池田勇人から政権を禅譲された佐藤栄作が安定政権を担っていたが、次の総裁は実兄である岸信介から派閥を引き継いだ福田赳夫が有力だろうと当初思われていた。しかし佐藤が長期政権を担っている間に、自分の派閥である佐藤派の中で着実に力をつけてきた田中角栄も、総裁としてやっていける力をつけており、どちらが次期総裁になるのかは全く分からない状態だった。そんな中、有力な政治家の一人である橋本登美三郎が、自分を強力に援護してくれるという事実は、田中にとって非常にありがたい物であった。

 

 

 

1971年 12月 茨城県 橋本事務所

 

 

年の瀬も近づき、政治家達もそれぞれの地元に帰郷し地元への挨拶周りで忙しい時期を迎えていた。そんな中、角栄を支持する事を決めた橋本登美三郎も、地元である茨城に戻っており、自分の支持者でもある県会議員達からの陳情を受けていた。

 

「登美三郎先生、私等が以前からお願いしていた事ですが、どうなりそうですか?やっぱり先生のお力をもってしても難しいですか?」

 

「学園艦の事か…私も建設大臣や運輸大臣は勤めたが、学園艦の管轄からは外れていたからな…なかなか一筋縄ではいかんよ。それに、既に我が茨城県には県立茨城学園の他に、鹿島工科学園という2隻の学園艦が存在している。通常は一つの県に一つの学園艦の所を、鹿島は学園艦建造でこれまで多大な貢献があるという特例で、工科学園の設置が認められたという経緯があるのだ。この状態で更にもう一隻となると、流石に難しいだろう。」

 

数年前から橋本の元には、子飼いの県会議員達から学園艦をもう一隻建造して欲しいという陳情がなされてきた。現在の茨城県には、「各県に一隻の学園艦を」という池田勇人内閣時代の運動に基づき建造された県立茨城学園という男女共学の学園艦が存在している。そして佐藤栄作内閣の時代、これまで学園艦建造に多大な貢献をしてきた鹿島市からの陳情が認められ、鹿島工科学園という学園艦まで建造してもらった。通常であれば、それぞれの県に一隻しか存在しない学園艦が、既にこの茨城では二隻存在している。この状態で流石にもう一隻作ってくれというのは、有力な政治家である橋本にとっても難しいことだった。実際に、各県に三隻以上の学園艦が存在しているのは、首都のある東京や、大都市のある大阪、神奈川、愛知など限られた場所しかない。また愛知県の場合は、「知波単学園」という特殊な国立の学園艦を含めての三隻という数字のため、純粋に公立の学園艦で三隻以上運用しているのは、東京・神奈川・大阪の三つとなる。

 

「しかし、先生。鹿島工科学園はたしかに公立の学園艦ですが、実質は国立の男子校です。ですから、女生徒に更に門戸を開くという意味で、女学園を一つ建造してもらいたいというのが、私達県会議員としての希望です。なんとか、先生のお力で実現してもらえないでしょうか?勿論、私たちも流石に正規の学園艦は望みません。通常の半分…いえ1/3の大きさでもいいですから、是非。」

 

「う~ん…。私としても地元のためになんとかしてやりたいとは思うのだが。まぁ、規模が通常の1/3でも良いと言う事なら、場合によっては話を持っていけるかもしれんが。すまないが、この話は私に預からせてくれ。」

 

「先生、是非お願いします!」

 

今年も地方議員達から昨年と同じ陳情を受けた橋本は、「困った物だ」と思ったが、自分の選挙をこれまで地方で支え続けてきた子飼いの県会議員達の陳情には、それなりに対応する必要があり、あまり無碍な対応も出来なかった。そして橋本は、自分が支持している田中が国政の頂点に立つ事が出来れば、ひょっとしたら自分の希望も通るのではないかと考えていた。

 

「しかし、もしあと一隻建造できる事になったとして、どのような形で運用する気なのかね?先程、女学園にしたいという意向だったが。現在我が茨城県には、水戸市が本拠地の県立茨城学園と、鹿島が本拠地の鹿島工科学園がある。そうなると県内のバランスを考えると、もう一つの学園艦は県北部が本拠地になるだろうから、日立辺りを本拠地にするかね?」

 

「それが…先生。県北部の学生は既に福島の学園艦に越境入学している者も多数おりまして…。それもあって、水戸からは近いですが、学園艦停泊用に港湾整備が進められた大洗町辺りを本拠地に出来ればと考えています。なにせあの町には、これまで大小多数の学園艦の停泊でお世話になっていますし、学園艦への補給などに十分に対応出来るノウハウが既にあります。ですから、新設学園艦にも対応可能だと思われます。」

 

「フム…大洗か。まぁ、場所についてはそれでも良いだろう。多少人口に問題があるが、あれだけの港を整備した場所だから、本拠地としては申し分ないだろうからな。まぁ、この話が実現したらという仮定の話だから、今の段階では絵に描いた餅だがな。」

 

今回、橋本の元に集まった県会議員達も、流石にこの話を実現する事は難しいと分かっていた。しかし現在の国政でかなりの力を持っている橋本が、「自分がこの話は預かる」と言ったため、橋本の力に全てを賭けようという気持ちになっていた。

 

 

 

1972年 7月3日 自民党本部

 

 

「角さん、いよいよだな。結局、佐藤さんは福田さんを推すようだが、佐藤派の過半数を角さんの田中派に取り込んだ今、佐藤さんに以前までの力はないだろう。出馬を表明しようとしていた中曽根君の説得工作も成功したし、票割れは計算しなくても良いだろうな。」

 

「流石は橋本先生。よくここまで票を纏めてくれました、感謝します。とりあえず、決戦投票までには持ち込めるだけの票は確保できています。まぁ、実弾が効いた用で、中曽根君が立候補を辞退した事が大きかったですね。」

 

自民党総裁選を明後日に控えた角栄は、自分をこれまで支持し、票固めに奔走してきた橋本と談笑していた。途中、中曽根康弘が総裁選に立候補するかもしれないという話が上がり、角栄はおそらくブラフだろうと考えたが、もし本当に中曽根が立候補するような事態になれば、自分の票が割れ決選投票まで持ち込めない可能性がある事も認識していた。そのため、7億という莫大な実弾を中曽根に渡す事で、中曽根に総裁選立候補を辞退させた。明後日に向けてやれる事は全てやった二人は、あとは天命を待つのみという心境に達していた。

 

「橋本先生には今回の総裁選では本当に世話になりっぱなしです。もし、私が総理総裁になれたあかつきには、橋本さんにはそれなりの論功行賞を考えていますよ。どの大臣でも席を準備しますから、今のうちにやりたい大臣を言ってもらえますか?」

 

「いや…角さん。私はもう行政府に入るつもりはないよ。これまで、十分に大臣はやったからね。今度は政権内ではなく、党から角さんを支えるから、党幹事長職を貰いましょう。」

 

「しかし、橋本先生。これだけの大恩を受けた事に対して幹事長職では、この角栄の名が廃るというもの!たしかに、私の政権の大番頭として党幹事長をやってもらえるのはありがたいですが、橋本先生ともあろう方に、今更幹事長をやっていただくのは…。」

 

「いや、角さんが政権をとったら、私は裏方に回ろうと考えていたから、是非幹事長をやらせて貰うよ。それと…ひとつだけお願い事がある。いや、個人的なお願いではなく、政治家としてのお願いだがね。もし角さんが総理大臣になった時は、よろしくお願いするよ。」

 

田中は、橋本が大臣職を要求してこなかった事に対して少し不思議に思ったが、大番頭として党幹事長を引き受けてくれるという事には素直に謝意を表した。実際に、政権内部については様々な派閥間のバランスを考えなければならないが、党に自分の味方が、しかも党内運営の要である幹事長職に居る事は、田中にとっても非常に心強かったからだ。また橋本は最後に、政治家としての自分の願いを叶えて欲しいとの事を言っていたが、『政治家として』の部分に田中は安心感を抱いていた。政治家として…ということは、橋本の地元になんらかの公共事業のような物を回して欲しいという事だろう。それくらいの事であれば、総理大臣になってしまえば多少の便宜をはかることは出来る。

 

「橋本先生、感謝しますよ。その時が来たら党の幹事長をよろしくお願いします。それと、橋本先生の政治家としてのお願いと言う事ですが、この角栄、必ずなんとかします。私は一度やると言ったことは、必ずやる男です。先生の今回のご恩は必ずお返ししますよ。」

 

田中のその言葉を聞いて、橋本は安堵の表情を見せた。これで地元に錦を飾ることが出来る。

 

 

 

1972年 7月5日 自民党本部

 

 

「決戦投票の結果、田中角栄君282票、福田赳夫君190票。よって、次の自由民主党総裁は田中角栄君と決まりました。」

 

「万歳~!」「万歳~!」「万歳~!」

 

翌々日の自民党総裁選は、当初から言われていたように第一回の投票では決着がつかず、決選投票までもつれ込んだ。しかし最終的には、多数派工作に成功した田中角栄が当選し、第6代自由民主党総裁となった。田中は自分が総裁に選ばれた事が分かると、いよいよ自分の時代が来た事を確信し、満面の笑みを見せた。そうしていると、既に自民党の長老となっていた戦車道連盟会長でもある岸信介が、田中の元にやってくると手を差し伸べながら話した。

 

「田中君。これまで色々あったと思うが、これからは君達の時代だ。しっかり日本の舵取りを頼むよ。私もそうだが、弟の栄作もおそらく早晩政治家を引退する事になるだろう。最早、私達の時代は終わったという事だな。」

 

「岸先生。これまでご指導いただきありがとうございました。私は大学も出ておりませんが、吉田先生や岸先生達のおかげで、ここまで来られました。皆さんへの恩は、この角栄決して忘れません。ありがとうございました。…ところで、岸先生。先生が以前から言っておられました、学園艦の改装の件ですが、私の内閣でなんとかしますので、ご安心ください。」

 

「そうか、それは助かるよ。弟の栄作は結局、何も出来なかったからね。流石に一号艦は大きさが既に限界を超えている。私としてはお願いしか出来なくなってしまって申し訳ないが、よろしく頼むよ。」

 

田中の力強い言葉に、岸は安心したような表情を見せた。岸が長年に渡って面倒をみてきた戦車道連盟は、これまで戦車道の普及に力を入れていた。しかし、その肝心要となる学園艦の一つである一号艦『知波単学園』は、既に生徒数に対して学園艦のキャパシティーが限界に達しており、学園艦の大規模な改装が求められていた。しかし様々な理由から現在の知波単学園を廃艦にする事は出来ないため、改装でこの危機を乗り切らなければならなかった。ところが今ある学園艦を元に、改装だけでこの危機を乗り切ろうとすると、新造艦を作るよりも更に多大な費用が必要であると試算が出ていた。そのため、前総理大臣の佐藤栄作は岸の実弟でもあったが、その計画遂行に難色を示していた経緯がある。

 

そのような経緯から、岸は池田内閣で田中が大蔵大臣を勤めていた頃から、田中に対してなんらかの措置を出来るだけ早くとって欲しいとお願いをしていた。田中も、当初はその多大過ぎる費用に二の足を踏んでいたが、知波単学園に対する様々な建艦経緯を岸から聞かされた後は、自分に権限が出来たらなんとかしようと考え直していた。そのため、今回田中が内閣総理大臣となり全権を握った事から、岸の長年の希望が適う事になる。岸が田中から離れていくと、続けて橋本が田中の元にやってきた。

 

「角さん、ついにやったな。これでいよいよ角さんの時代だな。ところで先ほど岸さんが来ていたが、何かあったのかな?岸さんは佐藤さんと同じく福田さんを支持していた立場だと思ったのだが…。」

 

「まぁ、佐藤先生もそうですが、岸先生も今でこそ福田さんを応援していますが、私にとっては恩人の一人ですからね。まぁ、いわゆるその…色々あるという事ですね。それに岸先生には、以前からお願いされていた事がありますから、その件については、この角栄が必ず自分の代で実行すると約束したところですよ。」

 

「ほぉ、あの岸さんが、角さんにお願いした事があったかね。それは大したものだな。…で、あの岸さんがお願いしたということは、やはり難しい案件なのかね?もし良かったら私にも聞かせてもらえると、お手伝いできると思うのだが。」

 

「まぁ、難しいといえば難しいお願いですね。ただ本当にやると決めてしまえば、それほど難しいお願いでもないのですが。佐藤先生はその決断が出来なかったようで、岸先生としては少し不満があったようですね。」

 

戦後から今にかけて常に一定の権力を維持してきた岸信介、そして現在でも自民党に隠然たる影響力を持っている。そんな男が、一体どんなお願いを田中にしたのか?橋本は非常に興味があった。そしてそんな橋本の様子を見た田中は、岸のお願いを少し話してやる事にした。実際、岸のお願いを叶える為には党の協力は不可欠であり、その党運営の要である幹事長に就任する事が決まっている橋本の協力が必要だった。

 

「岸さんのお願いというのは、実は学園艦の事でしてね。橋本先生は、学園艦の建造経緯というのを何処まで知っていますか?私は、当事者でもある岸さんから、直接話を聞いているため粗方知っていますが、学園艦の一番艦には陛下が絡んでいる事を聞いたことはありますか?」

 

「一応その辺りの事は知っているよ、角さん。なんでも、陛下が艦に名前を与えたために、本来であれば実験艦だった筈の一番艦は廃艦に出来なくなったという話だろう?でも、それが何か岸さんのお願いと関係あるのかね?」

 

「現在、その一番艦は『知波単学園』という学園艦として運行しています。橋本先生もご存知かもしれませんが、この学園艦は二番艦『黒森峰女学園』と同じく国立の学園艦で、現在普及させている各県が運営している学園艦とは根本的に異なります。そして皮肉なことに一番艦も二番艦も、現在ではまず入学する事が出来ない人気校となっています。そのため、二つの学園では年々その定員を増やしていますが、知波単学園の方は元々実験艦だったために、大きさの問題があり、もう受け入れ可能人数の限界を超えているようです。」

 

「…なるほど、それで知波単学園を大きくしたい…しかし廃艦には出来ないから、改装で乗り切りたい、ただし多大な費用が必要になるという事だな。…それで、岸さんとしては、なんとか改装が出来るだけの予算措置をお願いする…よく分かりました。」

 

田中からの話を聞いて、橋本は岸の願いを理解できた。学園艦計画の計画立案段階から深く関わってきた岸にとって、一番艦は自分が手塩にかけて作り出した作品だ。そのため自分の選挙区の陳情ではなくても、最後まで自分が可能な限り便宜を図りたいという事なのだろう。岸の願いが分かった橋本は、丁度学園艦の話題になっている今、田中に対して自分の願いも伝えておこうと考えた。

 

「角さん、以前私が政治家としての願いをひとつ叶えて欲しいと言った事を覚えているかね?」

 

「あー、勿論覚えていますよ。そういえば、私もこれで総理大臣になる事は確実ですから、橋本さんとの約束を果たさなくてはなりませんね。一体どんなお願いなのですか?」

 

「角さん、私の願いも実は学園艦に絡んだ願いでね…。我が茨城県に、もう一つ学園艦を作って欲しいのだよ。」

 

橋本の願いを聞いた田中は、一瞬怯んだような顔をしたが、一度した約束を違える事はなかった。田中は橋本に対して『よっしゃ』と即答したという。




第一章は実在の人物が主人公になりましたが、第四章も前半部分は実在の人物が主人公となります。後半部分は大洗艦が出来てからの話に移すつもりなので、そこからはオリキャラが主役になると思います。そういう意味では、今回は第一章に続いて『学園艦誕生物語』という名前にふさわしい話に出来るかな…と思っています。

茨城の政治家でこの時期にそれなりに権力を持っていた議員さんというと、橋本登美三郎(はしもと・とみさぶろう)先生くらいしか思いつかなかったので、この人に頑張ってもらう事にしました。幸いなことに橋本先生は、田中角栄との関係が深い政治家でしたから、かなり無理やりな感じもありますが、大洗女子学園艦を作り出す理由はなんとか出来るかな…と^^;。正直に言いますと、橋本先生の存在は昔から知っていたので、大洗艦を史実に絡めて作り出すためには、この人の力を借りるしかないだろうなと、この物語を書き始めた頃に考えていました。

しかし、この時代に内閣総理大臣となる角栄さんとの関係まではそれ程詳しく知らなかったので(田中内閣当時の党幹事長だった事くらいまでしか知りませんでした)、第三章を書いている頃にこの辺りの政治史を調べた所、角栄さんの最初の総裁戦で相当協力していた事が分かり、これならなんとかなりそうだ…と少しホッとしました。やはり、どうせやるなら史実をあまり変えずに、ガルパンの世界にもっていきたいな…と考えていましたから^^;

今回も読んでいただきありがとうございました。

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