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プロローグ
時は平安、都の貴族の男性の間では一つの書物が流行っていた。
その名を『竹取物語・裏』である。
……内容は、輝夜姫をモデルにしたエロ本だ。
装丁は普通の『竹取物語』と変わらないが、中身はまったく別物だった。
学の無い者によって書かれ、文体もおかしく、下品だったが、密に流行り、中には保存用と言って、隠す貴族まで現れた。
――そして、100年後、貴族によって使われ、その後、隠された一冊が長い年月を経て九十九神になった。
……それも、完璧な人型で。
見た目は、流石『竹取物語』と同じ!と言える見た目なのだが、いかんせん中身があれじゃ……。
なにせ九十九神になって初めの一言めが「性欲が、溢れ出す。」である。
残念過ぎて何も言えない。
これは、そんな彼がいろんな女の子と出会い、まともになる物語である。……だと、いいね。