ゲイムギョウ界に来てしまった!?〔改稿中〕   作:ULTRA-7

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後編始まります、いずれ主人公の力となるこの籠手とは一体なんなのか?それはまた後々に…そしてついに立つネプテューヌのフラグ!やっぱりねぷ子は大好きだ~!!


第八話 二人きりのクエスト 後編(改稿中)

「これ何だ?籠手?」

 

「すごい!お宝発見だ!!」

 

 

俺達は祭壇まで登り籠手を見つめる、まるで龍の腕だ。色は銀と金、そして赤

色が中心で手の甲の部分には丸い水色の宝玉が埋め込まれている。そしてその

周りには紫、黒、白、緑の小さな宝玉が埋め込まれていた、まるで…

 

 

「ネプテューヌ達みたいだ…」

 

 

そう、その小さな宝玉はネプテューヌ、ノワール、ブランさん、ベールさんを

イメージしてるみたいだった、これは女神に係わる代物なのだろうか?

 

 

「う~ん!!これ重い!!と言うか動かない~!!」

 

「…何やってるんだよ」

 

 

ネプテューヌは鎮座してある籠手を持ち上げようとしたが、押しても引いても

ビクともしない様だ。見た目はそんなに重そうには見えないんだが何か仕掛け

でもあるんだろうか?そう思い俺は手を触れてみる…

 

 

「え?」

 

「光った?」

 

 

俺はすぐに手を離す、それに合わせ籠手から発せられた光も消えた、俺とネプ

テューヌは驚きの表情で目を合わせる。

 

 

「も、もう一度触れてみてよ!」

 

「お、おう…」

 

 

俺はもう一度籠手に触れた、するとどうだろうか、先ほどより強く、眩い光が

俺を包み込む!

 

 

「うわぁああああっ!?」

 

 

叫び声を上げる、俺はそのまま謎の光に飲み込まれてしまった――

 

 

―――――っ

 

 

「っ…こ、ここは…」

 

 

眼を開けると光は収まっていた、周りを見渡すとそこは暗く広い空間、そして

あることに気づく。

 

 

「ネプテューヌ?ネプテューヌ!!」

 

 

ネプテューヌの姿が見えない、もう一度叫んでも返事が返ってこなかった。まさ

かあの籠手は掴んだ者を別の場所へワープさせるためのトラップだったのだろう

か?

 

だとすればネプテューヌが触れた時に発動するはずだ、俺より先に触れたにもか

かわらずどこにも飛ばされていない、だとすればこれは一体…

 

 

―――君が…

 

 

「っ!?誰だ!!」

 

 

声が聞こえる、透き通るような感じで男の声、でも周りを見渡しても誰もいない

、そしてその声はまだ続く。

 

 

―――君は私の力を受け継ぐ者…

 

 

「力?一体何を言って…」

 

 

―――いずれわかる、だが今はその時ではない…

 

 

「何を言ってるのかさっぱりなんだけど…」

 

 

―――今はそれでいい、だがもし君が力を欲する時、それは君が覚醒する時だ…

 

 

「覚醒?」

 

 

―――それもいずれわかる…

 

 

「ちょっ!?おい!!」

 

 

声はいつの間にか聞こえなくなりその場にポツンと取り残された、力を受け継ぐ?

覚醒?一体何のことなんだ?

 

 

…!

 

別段悪い感じはしなかった、むしろ温かさを感じる声だった…

 

…じ!…ば!!

 

?…誰かが俺を呼ぶ声が聞こえる…

 

…んじ!!ねえ!!

 

この声は…

 

 

「真司!!どうしたの!!ねえってば!!」

 

「っ!?ね、ネプテューヌ…」

 

 

誰かに揺り動かされ、声をかけられる。俺は段々と意識を取り戻していく、そ

してその声の主に気づくことが出来た。ネプテューヌが今、必死になって俺に

声をかけていたのだ。俺は慌てて応答する、今まで一体何があったのか…

 

 

「いきなりどうしたの!!お宝が砂の様に消えたと思ったら真司が急に動かな

くなるしさ!!」

 

「え?籠手が消えたって…」

 

 

目の前を見たらさっきまであった籠手が綺麗さっぱり無くなってなっている、

あるのは籠手が祭られていた祭壇だけだった。

 

 

「本当だ…」

 

「あ~あ…、せっかくお宝GETだぜ!!状態だったのにまさかのフェイント…

ついてないよ~…」

 

 

見ただけでわかる様に項垂れる、気持ちはわからんでもないけど。でも何であ

の籠手は消えてしまったのか?そして俺が聞いたあの声、あれは一体何だった

んだ?考えてみてもよくわからない、謎は深まるばかりである。でも今は、目

の前にいるネプテューヌだろう。無茶苦茶気落ちしている、よっぽどあの籠手

の事が残念で仕方がなかったのだろう。一応声をかけておくか、気休め程度に

しかならないと思うが…

 

 

「ま、まあこんなことダンジョンでは結構定番じゃないか。それに今はここか

らどう脱出しないといけないか考えないといけないし」

 

「それもそうだけどね、残念でならないんだよ~、お宝~」

 

「はいはい、帰ったらプリンでも奢ってあげるからさ」

 

「本当!?」

 

「立ち直り早いなおい!?」

 

 

ネプテューヌのプリン好きには目を張るものがある、この単語を聞いた瞬間か

らのネプテューヌの有頂天ぶりときたらもう…さっきからはしゃいで走り回っ

てるし。

 

 

「そうと決まれば早速脱出しよう!!いつ行くの?今でしょ!!」

 

「わかったからそんなに慌てない!俺一応怪我人なんだぞ…」

 

 

はしゃぎにはしゃいで脱出を急かす、まさに我が道を行かんと言わんばかりだ

。先ほどまでの落ち込み様は何処へやら…でもこの方がネプテューヌらしいと

言えばらしい、とりあえず元気が出てよかったと喜ぶべきかな?何にせよ早く

ここから脱出しないと、俺は足を引きづりながら出口を目指す、その時だ。

 

 

「な、何!?」

 

「何だ!?」

 

 

壁が突如崩れ落ちる、一体何事か!?ネプテューヌと共に崩れた場所を凝視す

る。俺達の目線の先に浮かぶ巨大な影、唸り声、その正体はすぐに明らかとな

った。

 

 

「グォアアアアアアアアッ!!」

 

「え、エンシェントドラゴン!?」

 

 

そう、エンシェントドラゴンである。ラステイションのクエストの時にも見た

巨大なドラゴン、口から湯気の様な吐息を吐きだし、涎を垂らしながら俺達を

黄色い瞳で見つめる。だけどこのエンシェントドラゴン、何かがおかしい。

 

 

「でもなにか形と色が違うような…」

 

 

確かにエンシェントドラゴンに似ていたが、突起物や体色、何もかもが違う。

恐ろしく禍々しい感じがこちらにも伝わり、思わず身震いしてしまった。この

エンシェントドラゴンからの殺気、尋常ではない。今この瞬間、腰が砕けそう

で立てるのがやっとだった。

 

 

「真司、離れて!変身!!」

 

 

ネプテューヌはパープルハートに姿を変え、手に持つ剣を振りかざして切りか

かる。狙いはエンシェントドラゴンの首、剣は真っ直ぐに振り降ろされ、確実

にエンシェントドラゴンの首へと命中するはずだった。

 

 

「グルル…!」

 

「なっ!?くっ!?」

 

「剣を掴んだ…」

 

 

その一撃を、巨大な腕で軽く受け止めたのだ。ネプテューヌは必死に、掴まれ

た剣を引き抜こうと躍起になるが、エンシェントドラゴンに捕まれている剣は

ビクともしない。その時、エンシェントドラゴンの口元がつり上がる。まるで

この程度か?と言う様に。次の瞬間、エンシェントドラゴンは掴んだ剣ごと、

ネプテューヌを壁へ叩き付けたのだ。

 

 

「あぐっ!?うう…!?」

 

「ネプテューヌ!!」

 

「グォアアアアアアアア!!」

 

「え?うぁあああっ!?」

 

 

ダメージを負い、それでもネプテューヌは立ち上がろうと力を入れた。だがそ

の時、エンシェントドラゴンはネプテューヌを掴み上げ、力任せに握りしめて

きたのだ。その力は尋常じゃない、みしみしと骨が悲鳴を上げているのがわか

る。その力の前に、ネプテューヌが抗う術がない。全身に走る激痛に、彼女は

その口から悲鳴を上げる。

 

 

「うあっ!あぁあああああっ!?」

 

「ネプテューヌ!?くそ…!ネプテューヌを離せ!!」

 

 

目の前にいる彼女が危ない。その光景を目の当たりにした俺は、怖がる自分を

必死に奮い立たせる。痛みが走る足を押さえ、引きずりながらネプテューヌが

いる場所へと向かう。

 

 

「グォオオオオオオッ!!」

 

「がはっ…!?」

 

「し、真司…」

 

 

だが俺の行為も空しく、ドラゴンの尻尾が俺を襲い俺は壁に激突する。想像を

絶する痛みが全身を襲う、これが攻撃される痛みなのか?こんなものをネプテ

ューヌ達は毎度受けて来たのか?正直今の俺には耐えられそうにない、その痛

みのせいで意識が朦朧とし始める。その朦朧とした目線の先に見えるもの、ネ

プテューヌが痛みに耐えながらも俺の身を案じ声をかける姿だった。

 

 

「げほ…が…」

 

「に、逃げて…うぁあああああ!?」

 

「グォアアァアアッ!!」

 

 

だがドラゴンはお構いなしにネプテューヌを締め上げる、彼女の悲鳴は俺の耳に

も届き、痛々しく思わず耳を塞ぎたくなった。この声を聞きたくない、早く解放

してくれ、そんな思いとは裏腹に彼女は激痛に悲鳴を上げ続ける。このままじゃ

ネプテューヌはどうなる?エンシェントドラゴンに握りしめられたまま、力の限

り締め上げられている彼女はこのままじゃ…

 

このままじゃ、ネプテューヌは…死ぬ?

 

ふざけるな…

 

 

「がは…し、真司…?」

 

 

よろよろと俺は起き上がる、身体はあちこち痛い…だけどそれ以上に怒りが

こみ上げてくる、目の前の異形に、俺の命の恩人が…大切な人が殺されよう

としている…

 

 

「止めろよ…」

 

「グオ?ガァアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

 

エンシェントドラゴンは俺に威嚇の咆哮を上げる、不思議と恐怖を感じない

。あるのは…目の前の偉業に対しての怒りのみ…

 

 

「その手を離せ…ネプテューヌを離せ…」

 

「グガアアアアアアアアアアアアア!!」

 

「うぐああああああああ!?」

 

 

エンシェントドラゴンは、ネプテューヌを握りしめてる手を更に強くする。

ネプテューヌはあまりの激痛に叫んだ、…もう我慢の限界だ!

 

 

「止めろって言ってんだろうがぁああああああああああああっ!!」

 

「グオ!?ガァアアアアアアアアアアアアッ!?」

 

「う、あ…し、真司…きゃ!?」

 

 

真司はドラゴンに怒りの咆哮を向けた、するとどうだろうか…ドラゴンがネ

プテューヌを掴んだ手を開く、そして白目を向いて口から泡を吹き倒れこん

だのだ。

 

 

「一体何が…っ!真司!!」

 

 

ドラゴンが倒れると同時に真司もその場に倒れた、ネプテューヌはすぐに起

き上がり真司の下へ駆け寄る、見てみると真司はひどく疲れ果てた顔をして

いた。

 

 

「はあ…はあ…ね、ネプテューヌ…無事か…?」

 

「ええ、大丈夫よ。それより真司の方が…」

 

「よかった…」

 

「真司!?」

 

 

真司はその場で気を失ってしまう、ネプテューヌは慌てて真司を抱きかかえ

る、彼女の腕の中で真司は寝息を立てていた。

 

 

「すぅ…」

 

「寝て、しまったの…?はぁ…」

 

 

安堵したのか、溜息を立てその場にへたり込むネプテューヌ。その手の中に

は真司が安心しきった顔をしていた。

 

 

「何でエンシェントドラゴンが気絶を…真司が何をしたというの?」

 

 

疑問は浮かぶばかりだ、倒れこんだエンシェントドラゴンは起き上がる気配

すら見せない、いまだに身体を痙攣させ泡を吹いている。

 

 

「…今は無事を喜ぶべきかしらね」

 

 

ネプテューヌは壊れ物を扱うように真司の頬を撫でる、今の彼女の表情はま

さに女神と呼ぶにふさわしい素敵な笑顔だった。

 

 

「貴方が無事でよかったわ、そして結果的には私を助けてくれた…のよね?

たぶん…」

 

チュッ…

 

ネプテューヌは真司の額にそっと優しくキスをした、当の本人も少し頬を赤

く染めている。

 

 

「これはお礼よ、女神からキスされるなんて滅多にないんだから…」

 

―――笑ってる顔のネプテューヌの方が俺は…好きだ…

 

ドキッ…

 

「な、何でこんな時にあの言葉を思い出すのよ…」

 

 

この胸のドキドキがなんなのかネプテューヌはまだ知らない、でも今は二人

の無事を喜ぶべきところだろう、こうして二人きりのクエストは幕を閉じた

のだった。

 

 

 

 

 

 

                 ◇

 

 

 

 

 

クエストが終わったその日の夜の事

 

 

「真司さんは疲れて寝てしまいましたか、すみません…まさかそんな危険な

モンスターが出てくる場所だったなんて…」

 

 

今日のクエストの報告を受けたイストワール、申し訳なさそうに頭を下げる

。それを見たネプテューヌは、手を横に振って笑いながら、イストワールに

返事を返した。

 

 

「あれはしょうがないよ~、ダンジョンの隠しキャラって設定はよくある事

だしね」

 

「それよりねぷ子、本当なの?真司がエンシェントドラゴンを気絶させたっ

て言うのは?」

 

 

アイエフがネプテューヌに尋ねる。報告を受けた時に、真司がエンシェント

ドラゴンを気絶させた事もみんなに話したのだ。だがネプテューヌは眼を瞑

り、一呼吸置いた後頭を掻きながら答える。

 

 

「たぶん…」

 

「たぶんって、どう言う事です?」

 

 

ネプテューヌの曖昧な返事に、コンパが尋ねた。たぶんと言うネプテューヌ

の答えには誰もが納得できない、だがその答えた本人も、あの時起こった事

が曖昧な様なのだ。

 

 

「本当によくわからないんだ、真司が叫んだと思ったらドラゴンがいきなり

泡を吹いて倒れるんだもん」

 

「それだけじゃわからないね」

 

「その前に真司さんに変わったことがありませんでしたか?」

 

 

考える素振りの後、イストワールは再びネプテューヌに尋ねる。もしかした

ら他にも原因があるのでは?そう考えた様だ。ネプテューヌも、こめかみに

人差し指を当てて考える。少しの沈黙の後、あっと言うネプテューヌの言葉

に、みんなが反応した。

 

「そうだ!お宝!!」

 

「「「「お宝?」」」」

 

「そう!そのモンスターが出てくる前にすっごいお宝を見つけたんだ!何か

龍の手の様な…籠手?だったっけ?私が動かそうとしたらうんともすんとも

言わなかったんだけど真司がふれた途端砂の様に消えちゃって、そしたら真

司が動かなくなっちゃったの!声をかけても全然反応がなかったし」

 

「龍の籠手…」

 

 

ネプテューヌの言葉に考え込むイストワール、龍の籠手、そのワードに何か

引っかかることがあった様だ。

 

 

(少し調べてみましょうか、真司さんを元の世界に戻すための方法も平行し

て…)

 

 




修正完了!

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