ゲイムギョウ界に来てしまった!?〔改稿中〕   作:ULTRA-7

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今回はネプテューヌと二人っきりになります、フラグを立ててみたんですがうまく言ったか少し心配…そして主人公の力となるあるものが登場、お楽しみに!


第七話 二人きりのクエスト 前編(改稿中)

この世界に来て約二ヶ月が過ぎた、いまだに元の世界に帰る手立ては見つか

らない。だけどここの生活も今となっては当たり前となっていた、慣れって

怖い。今日も今日とて書類整理に精を出そうとすると…

 

 

「遺跡の調査~?」

 

「ですか?」

 

「はい、そうです」

 

 

イストワールさんに呼び出された俺とネプテューヌ、それはとある遺跡の調査

を頼んできたのだ。でもまさか俺が駆り出されることになろうとは…

 

 

「遺跡って一体何処の?」

 

「バーチャフォレストで最近新たな遺跡が見つかったのです。どういった経緯

で作られたのか、そこは危険な場所なのかの調査をしてほしいのです」

 

「そのことについてアイエフたちは?」

 

「アイエフさんたちにも協力してもらおうと思っていたのですが彼女たちには

別のクエストを依頼しているので…すみませんがネプテューヌさんと真司さん

二人だけに向かってもらうことになります」

 

「え~!?そうなの!?せめてネプギアだけでもいてほしかったな~」

 

 

確かに二人だけだと心もとないなあ…俺もあれからアイエフに鍛えてもらって

はいるけど不安なところはまだまだある、俺が足手まといになるかもと思うと

心苦しい。

 

 

「ネプテューヌさんはネプギアさんに頼りすぎです!たまには自分の力で仕事

をこなすということを覚えてください!」

 

「ねぷ!?怒られた!?」

 

「まったく…少しは真司さんを見習ったらどうですか?仕事ぶりも真面目で、

この世界に来てまだ二ヶ月とは思えないくらいですよ?」

 

 

と、まさかここで俺が出されるなんて思わなかった。俺を見習えって、でも俺

はそこまで賞賛される事なんてなんてしてないと思うが…

 

 

「お、俺は別に…」

 

「真司さんも謙遜しないでください。真司さんがこの世界の言葉を覚える時も

、アイエフさんに戦い方を学んでいた時も努力していた事を知ってますよ?」

 

 

イストワールさんにベタ誉めされたよ…正直言ってすごく嬉しい、自分の努力

が他の人に認められるって。

 

 

「だからこそ真司さんにはこの依頼を受けてほしいのです、無理にとは言いま

せんが…」

 

「…いえ、この依頼受けさせてもらいます!」

 

 

思えば、クエストには行ったがみんなの戦いを見ているかスライヌを倒すのが

せいぜいだった。これは俺自身のレベルアップにも繋がる、俺が感じている限

界を超える時なんだ。

 

 

「それでは…これが遺跡までの地図になります、道中モンスターが出ると思う

ので気をつけて行ってきてください」

 

「ありがとうございます、ほらネプテューヌ、うなだれてないで行こうぜ?」

 

「ねぷう…は!?真司待ってよ~!!」

 

 

叫ぶネプテューヌをよそに俺は準備をするためそそくさと部屋を出た、さて…

今から頑張りますか!

 

 

 

 

 

 

 

                 ◇

 

 

 

 

―――――バーチャフォレスト

 

 

「やっぱりここまで来るとモンスターも多いよな~」

 

 

進むごとにいろいろ出てくるんだもん、スライヌ以外にもチューリップとかコ

インマンとか出てくるし。でも難なく撃退することができた、これも特訓の成

果なのだろう、それに今俺は木刀ではなく剣を使用している。ノワールとの一

件の後、アイエフに頼んで使えるよう鍛えてもらったのだ。最初こそ重たかっ

たが今ではなんとか振れるようにまでなった。

 

 

「本当にここまで来るのに長かった…」

 

「真司どうしたの?泣いたりしちゃって」

 

「いやね、漸くまともな武器が使えると思うと嬉しくってさ」

 

「ふ~ん、そういえばさ、目的地には後どれくらいで着くの?」

 

「地図によるとあと少しなんだけど…」

 

 

俺は再度地図を見る、方向も方角もここで会ってるはずなんだけど…

 

 

「あ!あれじゃないか?」

 

「おお!これぞまさに遺跡!」

 

 

漸く辿り着いた遺跡、周りは苔とつたに覆われてこれぞ古代遺跡って思う様な

雰囲気を感じさせる。こんなファンタジーの世界にはうってつけの場所だなと

思った。

 

 

「よ~し!それじゃあ突入するよ~!!」

 

「ちょっ!?急かすなよ!?」

 

 

俺の手を引っ張り遺跡に入るネプテューヌ、このリーダーシップぶりには称賛す

るが少しは冷静になることを覚えてもらいたい。女神化したらこの性格とは正反

対になるのになあ…

 

 

 

 

 

 

                ◇

 

 

 

 

 

「特にモンスターらしいものもいないよな…」

 

「な~んだ、拍子抜けしちゃうな」

 

 

遺跡の中は崩れかけた祭壇や古代文字が綴られているくらいでモンスターもおら

ずこれと言って危険なものはなかった、ネプテューヌも言った通り少し拍子抜け

したが危険がないに越したことはない、とりあえず安心した。

 

 

「ほら、モンスターがいないってことは少しは安全だってことなんだからそんな

こと言わない!危険がないのはいいことだろ?」

 

「そう言ってもさ、一応ここダンジョンだよ?古代遺跡の、こう言うところにこ

そ危険やらトラップやらロマンあふれる冒険があるもんじゃん」

 

「あのねえ…それ間違いなくフラグだから!そんなこと言ったら間違いなくそう

言うことが起こるからマジでやめてよ!!」

 

 

ロマンや冒険心はもちろん大事だと思う。俺だって男だ、そう言った思いは抱

いた事だってある。だけどそれを今望むものじゃない、正直フラグが立ちまく

っている感がビンビンなんですよっ!?

 

 

「おお!奥に進めそうな場所発見!もしかしたらお宝が眠ってる可能性も!?」

 

「…はあ」

 

 

人の意見さらっと無視…こうなったらもう止められん、この二ヶ月でそのことが

よくわかったからな…俺は奥へと走るネプテューヌについて行った。

 

 

 

――――――――

 

 

 

「むぅ~…何もない」

 

 

ムスッと頬を膨らましているネプテューヌ。この場合は何もなかった事を喜ぶ

べきところなのでは?…今の彼女に行っても無駄か。

 

 

「もういいんじゃないか?ここら辺のことはあらかた調べ終わったし」

 

「もう?真司ったら仕事早い!」

 

「ネプテューヌが散々走り回ってる間にな…」

 

 

乾いた笑い顔を浮かべる俺、もう何も言うまい…

 

 

「そんじゃ戻るとしますか、イストワールさんも心配してることだろうし」

 

「はあ~…もうちょっと冒険したかったけど仕方ないか、それじゃあ…っ!?」

 

「え?ネプテューヌ!?」

 

 

ガラガラとなにかが崩れる音がする、すると俺たちが立っている場所が崩れ落ち

てきた!俺はどうにかして崩れていないところに捕まりネプテューヌの手を掴み

引き上げようとする。

 

 

「ネプテューヌ大丈夫か!」

 

「ね、ねぷう!?だ、大丈夫!それより真司の方が…」

 

「俺は大丈夫だから!それより引き上げるぞ!!」

 

 

俺はネプテューヌを片腕で思いっきり引き上げる、幸いネプテューヌの身体が軽

かったおかげなのかどうにか引き上げることができた、ネプテューヌはなんとか

よじ登ることに成功する。

 

 

「真司!捕まって!」

 

「おう!…っ!?ネプテューヌ避けろ!!」

 

「え?きゃああ!?」

 

 

ネプテューヌの背後にはリザードマンが数対戦闘態勢をとって身構えていた、し

まった…モンスターはいないと思っていて油断した…

 

 

「この!邪魔しないでよ!!」

 

 

ネプテューヌは刀剣でリザードマンに切りかかり内の二体を倒した、だがその内

の一体が俺の方へ向かいその足で俺が捕まっている方の手を踏みつける。

 

 

「ぐあ!?」

 

「げげげ!」

 

「真司!?この!!」

 

 

残りのリザードマンを片付けたネプテューヌはすぐに俺の方へ赴き俺の手を踏み

つけていたリザードマンに切りかかり倒す、だがその衝撃が掴んでいた場所まで

響いていたようで…

 

 

「わぁあああああああああああああ!?!?」

 

「し、真司ぃいいいいいいいっ!!」

 

 

俺は奈落の底へと転落していった…

 

 

 

――――――

 

 

 

「う…ここは…っ!?いっつ~…」

 

 

痛みを感じる中、俺は目を開ける。どうやらこの遺跡の地下にまで落ちた様だ、

その際に右足に怪我を負ってしっていたのだ。まだ利き腕が使えるからいいもの

を…

 

 

「まいったな、ネプテューヌと連絡する手段がないし…ここからどうしよう?」

 

 

現実問題本当にまずい、ネプテューヌとは何とかして合流しないと…今この状態

でモンスターなんかに遭遇したらたまったもんじゃない、俺は何とかして立ち上

がり右足を引きずりながら歩き出す。

 

 

「まずはネプテューヌとの合流かな、まさかあの穴から落ちてくるなんて…」

 

―――――――――

 

「…まさか」

 

――――――――ぃ

 

「本当に…」

 

――――――――じぃ

 

「うそぉおおおおおおおおおお!?」

 

「真司ぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

 

 

まさか本当に落ちてくるかよ普通うううううううううううううう!?

 

 

「ぐぎゃああああああああ!?」

 

「ねぷぅうううううううう!?」

 

 

ネプテューヌはそのまま俺に正面衝突する、俺の意識はブラックアウトした。

 

 

 

―――――――

 

 

 

「う…ん、あ、あれ?」

 

 

俺確かネプテューヌと正面衝突しちゃって…それにこの後頭部の柔らかい感触は

一体?

 

 

「あ、起きた?」

 

「ね、ネプテューヌ?」

 

 

いきなりドアップのネプテューヌの顔、その髪からふわりと甘い香りがした、思

わぬことにドキドキしてしまう…まて?もしかして今この状態…

 

 

「えへへ、膝枕なんて初めてだよ」

 

 

やっぱり!?え?何でこんな事になってるの?

 

 

「あ、あのさ…どうして膝枕なんか…」

 

「ねぷ?えっとね、あの時真司とぶつかったでしょ?その時真司が気絶しちゃっ

てさ、さすがに地べたに寝かせるのはどうかな~って思って」

 

「あ、ありがとう…もう大丈夫」

 

 

俺はむくりと起き上がる、さすがにあのままの状態は恥ずかしい…

 

 

「むふふ~!美少女の膝枕を堪能しちゃって!この役得もの!」

 

 

ネプテューヌの言う事は強ち間違ってはいない、間違いなく彼女は美少女の部類

に入るだろう。そんな彼女に膝枕されたのだ、嬉しくないはずがない。でも自分

で美少女って言っている時点で残念に感じる…

 

 

「自分で美少女って言うなよ…それよりさ、何でお前まで落っこちてくるんだよ」

 

「ねぷ…真司のことが心配だったから…」

 

 

しょんぼりしながら答えるネプテューヌ。うん、気持ちは非常に嬉しい。俺の事

を思っての行動だったのだろう、だけど…

 

 

「女神化すればよかったんじゃ…」

 

「…あ!」

 

 

今更思い出したよこの人!本当に女神としての自覚があるのか!?ああ…イスト

ワールさんの胃がまたキリキリ痛み出すさまが頭に浮かぶ…

 

 

「あはは!真司のことで無我夢中だったからつい…」

 

「ネプテューヌ…」

 

 

こういったまっすぐなところはネプテューヌのいいところだ、このことを少しは

仕事にも向けてもらいたいけど…今は言わないでおこう。

 

 

「まずはここから脱出しよう、話はそれからだ」

 

「あ~…真司、そのことなんだけど…」

 

「?」

 

「あの後真司が気絶した後なんだけどね?その…私たちが落ちてきた場所が崩れ

落ちちゃって…穴塞がったんだよね~、あはは…」

 

「…うそ~ん!?」

 

 

俺はすぐに隣を見る、物の見事に塞がっていた、わーお…

 

 

「はあ…ここから歩いて出口を探すしかないか…」

 

「真司元気出して!大丈夫!私がいるんだから!!」

 

「…それもそうか」

 

 

俺は今一人じゃない、ネプテューヌがいるんだ、それだけでも心強い。俺はなん

とか立ち上がり足を引きずる。

 

 

「ねぷ…真司その足…」

 

「落ちた時に怪我したみたい、まあなんとかなるよ」

 

「私に捕まって、その足じゃまともに歩けないでしょ?」

 

「サンキュ、助かる」

 

 

俺はネプテューヌに肩を貸してもらいゆっくりと歩き出した。

 

 

 

 

 

                 ◇

 

 

 

 

 

「なかなか出口らしきところが見つからないな…」

 

 

歩き始めて数時間が過ぎようとしていた、出口らしきところが見つからず内心焦っ

ている、ここからどうしたものか…

 

 

「私が冒険したいなとか言っちゃったからかな…」

 

「ネプテューヌ?」

 

 

俺を支えて歩いているネプテューヌが少し暗い表情でポツリと話した、普段は明る

い彼女しか見ていないから少し戸惑ってしまう。

 

 

「そのせいで油断しちゃいけないのに油断しちゃって…真司に怪我もさせちゃった

し…私って駄目な子だなあ…」

 

「…そんな事言うなよ」

 

 

笑いながら言うネプテューヌ。だけど言葉には元気がない、本気で落ち込んでいる

のがわかる。いつも明るいと思っていたネプテューヌが、まさかこんなに気落ちす

るなんて思わなかった。

 

だけどそうじゃない、そうじゃないよネプテューヌ。君は…

 

 

「一応自覚はあるんだよ?あいちゃんやコンパ、ネプギアにいーすんがいないと私

ってばダメダメだし…私女神に向いてないのかも…」

 

「ネプテューヌ!」

 

「ねぷぅ!?」

 

 

ネプテューヌが暗い話をしていたら見ていられなくなった、その姿だけで胸が痛む、

俺はネプテューヌに話しかけた。

 

 

「確かにネプテューヌは仕事も真面目にしない、ダラダラし過ぎてる、ゲームばっ

かりして本当に駄女神だと思うけども!」

 

「サラッと本音言ったよね!?傷心の私に対して塩をすり込む行為だよ!?今私の

中の全米が号泣と鼻水の嵐だよ!?」

 

「俺を助けてくれた!」

 

「え…」

 

 

つい本音が出てしまったが、後半に話したことも嘘じゃない。俺を助けてくれた、

さきほど俺の事を心配してくれて追いかけて来てくれた。それだけじゃない…

 

 

「さっき俺のことを全力で助けてくれた、この世界で俺が生きる術を与えてくれた

、今ここに俺がいるのはネプテューヌのおかげだろ」

 

「真司…」

 

 

この世界で、俺が生きるための環境も彼女は与えてくれたのだ。今ここにいるのは

ネプテューヌのおかげと言っても過言ではないのだ、俺は自分の本音をありのまま

ネプテューヌに伝えた。

 

 

「だからそんな暗い顔しないでよ、いつもみたいにばかやって…笑っていてほしい、

笑ってる顔のネプテューヌの方が俺は…好きだ…」

 

「え…そ、それってどういう意味…?」

 

 

…おい、これってどう考えても愛の告白じゃねえかああああ!?やっちまった!?

言っててすごい恥ずかしい!?しかもネプテューヌもしおらしく頬を赤くして俯い

てるし!?何この可愛い子…

 

 

「ね、ねぷぅ…」

 

「え、いや!?深い意味はなくてだな!?」

 

 

 

訂正しかけた丁度その時、俺たちは広い空間にでてきた、そこだけはなぜかとても

明るく神秘的な場所だった。

 

 

「ここは一体…」

 

「ねぷ!真司!あれ見て!!」

 

「あれって…」

 

 

ネプテューヌが指さす方向へ目を向けるとそこには…

 

 

「祭壇?それに…なんだあれ?」

 

 

神秘的な腕のようなもの、籠手が祭られてあったのだ。

 

 




本日はもう一話投稿します、そちらの方も楽しんでいただけたら幸いです!

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