ゲイムギョウ界に来てしまった!?〔改稿中〕   作:ULTRA-7

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何かお久しぶりです、どうにかして書きあげられました。仕事辛ぇ…

日々増していくパワハラの声、早く…早く…止めたい!!

更新また遅れるかも、でも書き続けます!





番外編その二 小っちゃくなっちゃった!?(改稿中)

プラネテューヌ教会――

 

 

 

「はぁ…」

 

 

ここのところため息ばかりです…あ、みなさんこんにちは。私の名前はコンパと

申します、プラネテューヌで看護師の仕事をしています。…私は誰に向かって自

己紹介してるのでしょうか?

 

溜息の理由、それはある人のことを思い出すと出てしまうんです。その人とは誰

なのか、…もうわかっているです。

 

 

「真司さん…」

 

 

異世界から来た男の人。この世界の事がわからなくて、それでも一生懸命頑張り

ながら私達と一緒に過ごしてきた人。

 

命を懸けてねぷねぷやギアちゃん、女神様たちを救ってくれた恩人。そしてつい

この間も私を助けてくれたです、黒いエンシェントドラゴンから私を…

 

 

 

―――もう大丈夫だ。安心しろ、コンパの事もちゃんと守ってやるから

 

 

「っ…!」

 

 

あの時の言葉が頭に浮かぶ、そしてすごく胸がドキドキするです…この気持ちは

もしかして…もしかするんですか!?

 

 

「だ、ダメです!!」

 

 

私は顔を横に振る。確かに真司さんはかっこいいです、優しくて強くて一緒にい

てすごく楽しい人です!ねぷねぷ達もそんな真司さんが大好きで、真司さんもみ

んなの事が好きで…真剣に愛し合っているみんなの中に私が入るなんてできない

です…それに私がそうなった理由はあの時助けられた時に声を掛けられたと言う

だけ、もしかしたら一時の気の迷いかもしれないです。でも…

 

 

「はぁ…」

 

 

また溜息、そして高鳴る胸の鼓動。私はどうしたらいいんですか…?誰か教えて

ほしいです…

 

 

「た、たたたたたたたた大変だよぉおおおおおおおおお!?」

 

 

私が考え込んでいるとドアがいきなりバタンと開きました、びっくりした私が振

り向くとそこには…

 

 

「ふぇ!?ね、ねぷねぷ!?ギアちゃんにあいちゃんも、どうしたです?」

 

 

ねぷねぷにギアちゃん、あいちゃんが息を荒げて入ってきたです。そして見知ら

ぬ小さな男の子が、ねぷねぷが背負って来たみたいですね。

 

 

「こ、こんぱぁ!?どどどどどどどどどうしよう!?し、真司が!?」

 

「し、真司さんがどうかしたです?」

 

「ち、小っちゃくなっちゃったぁあああああああああ!?!?!?」

 

 

するとねぷねぷが背負っていた男の子を私に突き付けたです。ふぇ?え?もしか

してこの小さな男の子が真司さん?

 

………ふぇえええええええええええええ!?!?!?

 

 

 

 

 

―――一方その頃ルウィー

 

 

 

「確認完了、異常は見られないわね…」

 

「や~ん♪やっぱり可愛い!」

 

「もふもふ…♪」

 

「「「キュア~♪」」」

 

 

ルウィーのとある希少生物保護区域、ここにはかつて密猟者に乱獲されていたス

ノウゴマたちが静かに暮らしていいた。ブランたちはスノウゴマの生態調査、及

び視察に来ていたのだ。

 

 

「さて、調査も終わったことだし。ロム、ラム、帰ろう?」

 

「え~?もうちょっとここにいようよ!」

 

「まだスノウゴマと遊びたい…」

 

「二人とも、我儘は…ん?」

 

 

駄々をこねる二人に、ブランが叱りつけようとした時だ。ブランの服のポケット

から携帯端末の着信音が鳴る、通信に出てみるとその相手は…

 

 

「ネプテューヌ…?どうしたの?」

 

『ブランんんんんん!!!真司が…真司がぁああああああ!!!!』

 

「っ!?真司に何かあったの!?」

 

 

ネプテューヌだ、ものすごく慌てた様子。その後ろのネプギアもアワアワしてい

た、どうやらただ事ではないのは確かだ。

 

その時――

 

木の陰に小さな影が。そしてその小さな影はゆっくりと近づいて行きリュックサ

ックの中へ、リュックサックはブランが調査に必要なものを入れるために持って

きたものだ。

 

 

「今すぐに行くから!ロム!ラム!!」

 

「うん!」

 

「お兄ちゃん…!」

 

 

ブランは通信を切るとロムとラムに声を掛ける、そして持ってきたリュックサッ

クを背負うとすぐにプラネテューヌへ行く準備を始めた。

 

 

「んしょ…ん?こんなに重たかったかしら?」

 

 

背負った時に違和感を感じるブラン。だが今はそんな事はどうでもいい、一刻も

早く真司の下へ向かうために女神化を始めた。

 

 

「真司!待ってろよ!!」

 

 

その速さは流星の如く、それにロムとラムも続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

                     ◇

 

 

 

 

 

 

 

「う~ん…どうやら間違いないですね」

 

 

プラネテューヌの教会。そこには真司ラヴァーズ、仲間たちが集結していた。ま

だここにはブランはいない、その中でイストワールが確信を持った答えを出そう

としていた。

 

 

「いーすん!間違いないって?」

 

「真司さんがこのような姿になった原因です」

 

 

イストワールの目線の先、そこには年齢的には四~五歳くらいの小さな男の子が

コンパに抱えられて眠っていた。どうやらこの子が真司らしい…一体何故この様

な姿になってしまったのか?

 

 

「これは人を子供に戻す毒キノコ、『リドモコタケ』のせいですね」

 

「リドモコタケ?」

 

「はい、それを食べてしまうと今の真司さんの様に子供に戻ってしまう作用があ

る毒キノコなんです。姿だけではなく知能も幼児化してしまう、今の真司さんは

普通の小さな子供と変わらないでしょう」

 

 

イストワールがその場にいる全員に説明すると再び真司に目線を移す。可愛らし

い寝息を立てて眠っている真司、その様子を見ているノワールやマーベラスAQL

、ユニに5pb.は頬を緩めながら真司の周りに集まっていた。

 

 

「や、やだ…すごく可愛いぃいいい♡」

 

「真司くんって小さい頃はこんな感じだったんだぁ…」

 

「母性本能をくすぐられるってこの事なのかなぁ…」

 

「ふぁ…癒されるよぅ♡」

 

「すぅ…むにゅ…」

 

 

四人は真司の可愛さにメロメロになっていた、まさに心のオアシスを見つけたと

いうところだろうか?だが疑問に思うことが一つ、真司が何故リドモコダケを食

べてしまったのか?その経緯である。

 

 

「何故真司さんはリドモコダケを?誰か心当たりがありますか?」

 

「うっ!?え、えっと…」

 

「……ネプテューヌさん?」

 

 

ネプテューヌがものすごく眼を泳がせて冷や汗を掻いていた、怪しい…

 

 

『ネプテューヌ、何か知ってるんだろう?』

 

「ドラちゃん?えっと~…たぶんあれがそのリドモコダケじゃないのかなって」

 

「あれ?」

 

「うん、クエスト中になんだけどね――」

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「さて、一区切りついたところで飯にしますか」

 

 

クエストが一段落ついた真司とネプテューヌ、アイエフは持ってきた弁当を広げ

て舌鼓を打つ。するとネプテューヌがあるものに気づいた、それは…

 

 

「あ、これ!」

 

「ネプテューヌ?」

 

「ネプ子?」

 

「このキノコ!これすっごく美味しいんだよ!」

 

 

ネプテューヌによると、前に一人でクエストに行ったときに食べたことがあるキ

ノコらしい。彼女が食べたことがあることから毒キノコとは疑わなかった、その

キノコを真司の炎の魔法で炙り、真司が徐に口にすると…

 

 

「うっ!?」

 

「真司!?どうし…ってうぇえええええええええええ!?!?」

 

「お、お兄ちゃんが!?」

 

「な、何これ!?」

 

 

真司の身体が縮みだす、そしてそのまま幼児化した――

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

「ってことが…」

 

「思いっきりそれが原因じゃない…」

 

「リドモコダケは普通のキノコの色と形と大差ないですから間違いやすいんです

よ、仕方がありません」

 

 

項垂れながらも反省するネプテューヌ、だが過ぎてしまったことは仕方がない。

今は真司をどうするかが問題だ、ドラゴニック・ハートはイストワールに向き直

って尋ねた。

 

 

『イストワール殿、真司を元に戻す方法はないのか?』

 

「それに関しては問題ありません、リドモコダケの効能は最高でも三日までなん

です。その時には真司さんは元の姿に戻るはずです」

 

「よかった…真司は元に戻るんだ…」

 

 

安堵するネプテューヌ、それはラヴァーズやみんなも同じだった。

 

 

「とりあえずは一安心ね、それじゃあ次は…」

 

 

ノワールは別の方面へ視線を移した、その先にいた者とは…

 

 

「ベールの治療をしなきゃね…」

 

「ウフフフフフフフフフ…(だくだくだく…)」

 

 

鼻から愛を垂れ流し、満面の笑みでぶっ倒れてるベールが。その顔はとても幸せ

そうである、ノワールはそれを見てため息をついた。

 

 

「わ~、ふにふにだ~」

 

「おにーちゃんちいさ~い!」

 

「ふみゅ…んん…」

 

 

プルルートは真司のほっぺをぷにぷにと触り堪能する。ピーシェは真司が自分よ

り小さくなり不思議がっていたがすぐに順応し、可愛がっていた。

 

 

「うにゅ…ふぇ…」

 

「あ~、おっきしたよ~」

 

 

どうやら真司が目を覚ましたみたいだ、眠い目を擦りながらむくりと顔を上げる

。目をパチクリとさせて周りを見渡す真司、すると…

 

 

「ひぅ!?うう…」

 

「ふぇ?真司さん?どうかしたです?」

 

 

真司がビクッとなり、コンパに思いっきりしがみ付いてしまった。コンパは少し

慌ててしまう、真司はどうしたというのだろうか?

 

 

「真く~ん?もしかして~、恥ずかしいの~?」

 

「へ?恥ずかしい…?そうなんですか?」

 

「こくこくこく…!」

 

 

どうやらその様だ。幼児化に伴いネプテューヌたちの記憶も失ったらしい、それ

故に周りの人たちは知らない人ばかりという事になる。会ったこともない人達に

囲まれて一層羞恥心が増したみたいだ、今も尚真司はコンパを抱きしめる力を緩

めなかった。

 

 

「お兄ちゃん、小さい頃は恥ずかしがり屋だったのかな?」

 

「嫌いじゃないですわ!!」

 

「うわっ!?ベールが復活した!?」

 

 

いきなり起き上がって叫んだベール、鼻からは未だに愛が溢れんばかりだ。それ

には周りのみんなも若干引いている、だがそんな事もお構いなしにベールは真司

ににこやかな顔をして近づいてきた。

 

 

「真ちゃ~ん♡恥ずかしがることはないですわよ?お姉ちゃんがい~っぱい可愛

がってあげますわ♡ハァハァハァ…♡」

 

「ぴっ!?や~!!」

 

「ガ~ン!?!?!?し、真ちゃん…」

 

 

ベールの申し出に真司は完全拒否、まあ目が完全にイッていて鼻から愛がダダ

漏れで近づいて来たら誰でもそうなると思う。今現在ベールは石化中、愛しの

弟に拒絶されたのだから当然と言えよう。

 

 

「ベール様、完全に固まっちゃった…」

 

「致し方あるまい、あんな迫り方をしたら誰だって真司の様になる」

 

「しくしくしくしくしくしく…」

 

 

ついには体育座りになって泣き始める始末。中には同情する人もしばしば、そ

の時だ。部屋のドアが開き中に入ってきた人物が、どうやらブランが到着した

ようだ。

 

 

「真司!無事なのか!?」

 

「お兄ちゃん!」

 

「お兄ちゃん…!」

 

「ブラン!来てくれたんだ」

 

「当然でしょ、真司のためなら何処にだって…あら?真司は…?」

 

 

ブランは辺りを見渡すが真司の姿が見えない、その様子を見たネプテューヌは

苦笑いを浮かべながらブランに声を掛けた。

 

 

「えっとね、ブラン。真司はその…」

 

「真司は…?」

 

「今コンパに抱えられてる子が…真司」

 

「へ…?………はぁ!?」

 

 

ネプテューヌが指さす方へ視線を向けるブラン、一瞬フリーズしたがすぐに持

ち直し驚愕の声を口にする。ブランは事の経緯を知らないから当然と言えよう

、ブランは真司を指差し落ち着かない様子で問いかけた。

 

 

「こ、この小さい子が真司!?い、一体何がどうなって!?」

 

「ブラン落ち着いて~!?説明するからぁああああああ!?!?」

 

 

 

ネプテューヌ説明中――

 

 

 

「…と、いうことなの」

 

「そういうこと、毒キノコで…」

 

 

ネプテューヌに事情を聞いて理解したブラン。だがその後、ブランはネプテュ

ーヌのほっぺをむにゅーっと思いっきり引っ張り怒りを露わにした。

 

 

「原因はお前だろうが!何やってんだよこの駄女神!!」

 

いふぁいいふぁい!?ひゃめれ~!?!?(いたいいたい!?やめて~!?)

 

「ねぷてぬ、ほっぺびろ~ん!あはははは!!」

 

 

ネプテューヌがほっぺを引っ張られている姿を見て笑うピーシェ、やられてる

本人はたまったものじゃないが…ネプテューヌとブランがそんなことをしてい

る間に、他のみんなは真司の周りでキャイキャイと笑い合っていた。

 

 

「お兄ちゃん小っちゃ~い♪可愛い!」

 

「今のお兄ちゃん…私より小っちゃいんだ、なでなで…」

 

「あぅ…うう…」

 

「恥ずかしがる真くん可愛いね~♪」

 

「寧ろ癒しだわぁ…♪」

 

 

ロムとラムは自分より小さくなった真司を抱きしめたり頭を撫でたりしている

、完全にお姉ちゃん状態だ。プルルートやノワールと言った面々は真司を愛で

ては癒しに浸る、まさに幸せオーラ全開であった。

 

 

「……はぁ、あんな場面見せられたら怒る気失くしちゃうじゃない」

 

ほうほもっへいるほなら(そう思っているのなら)ほのへをはふひてほひいんはへほ…(その手を外してほしいんだけど…)

 

 

他の面々が幸せオーラに包まれている様を見てため息をつくブラン、その間に

もネプテューヌは涙目だ。

 

 

「それにしても真司、コンパにはよく懐いているような気がするわね」

 

「ふぇ?」

 

 

アイエフがふと言葉を漏らす、それを聞いたコンパは少し抜けた様な言葉を発

した。そしてその場いいた全員が一斉にコンパの方へ視線を移す、それを見た

コンパはひうっ!?と真司を抱きしめながらビクついた。

 

 

「確かにそうかも。さっきから真司、コンパから離れようとしないし」

 

「コンパちゃんの雰囲気は柔らかいから傍にいると安心するのかな?」

 

「そ、そんなことないですよぅ…ね?真司さん?」

 

「……ぎゅー」

 

「あぅ…」

 

 

コンパはファルコムと鉄拳の言葉を否定し、真司に尋ねた。だが真司はコンパ

を見上げると、再びコンパに抱き着いた。まさにコンパの言葉を玉砕した瞬間

である、コンパは頬を赤らめて恥ずかしそうにしていた。

 

 

「ほら、やっぱり真司もそう思ってるのよ。子供はそういうところは敏感だか

らね」

 

「で、でも柔らかい雰囲気ならぷるちゃんだって…」

 

「ん~?あたし~?」

 

「う?……びくっ!?ひぅ…」

 

「へ?真司さん?」

 

 

プルルートを見た途端、真司はビクついて再びコンパに抱き着く。それを見た

面々は何故だろうと頭に?マークを浮かべた、一体真司は何を感じ取ったのだ

ろうか…

 

 

「と、とりあえず今は真司さんの今後です!少なくとも三日間はこのままです

し…」

 

「そうですね、普通に生活する分には問題ないかと思いますが…」

 

「う?」

 

「保護者的な誰かがついていないといけませんね、今の真司さんは小さい子供

そのものですから」

 

 

あどけない顔でイストワールを見つめる真司、それはそうと…確かにイストワ

ールの言う通りだ。今の真司は知能も子供そのもの、それ故に安全のために誰

かが保護者となり付き添わなくてはならないからだ。

 

 

「それなら私!本妻である私が!!」

 

「預けるとものすごく不安要素が多いから却下」

 

「ぎゃおう!?」

 

 

ブランから漸く解放されたネプテューヌが勢いよく挙手するが、イストワール

に即刻却下された。確かにネプテューヌでは不安な要素が多すぎる…

 

 

「それなら私が預かるわよ?三日間責任を持って真司の面倒を見るわ」

 

「ノワール、それは私の役目よ…真司のお世話は私が!」

 

「聞き捨てなりませんわ!真ちゃんは姉である私が責任を持ってお世話します

、貴女たちに譲るわけにはいきませんわ!」

 

「それずるい!私だって真司くんのお世話したい!!」

 

「僕だってそうだよ!ここ最近真司くんとずっといられなかったんだもん!!

その埋め合わせもしたいよ!!」

 

「こうなるから言い出しにくかったんですよねぇ…」

 

 

言い争いをする真司ラヴァーズ、コンパたちはそれを見て苦笑いしていた。こ

れが女同士の争い、互いに譲らない。そんな時だ…

 

 

「っ!?」

 

「ブラン?」

 

 

ブランが突然驚きの表情になる。そして背負っていたままのリュックサックを

慌てて取り外すと、そのまま地面に放り投げた。そのリュックサック、何やら

モゾモゾと動いている!?

 

 

「うぇ!?な、なになになに!?」

 

「ブラン、あの中に一体何が入ってるの!?」

 

「変なものじゃないわ、今日は希少動物の安全区域の視察に行ってたの。その

ために必要なものしか入れてないわ…」

 

 

ブランは淡々と説明するが、未だにリュックサックはモゾモゾと動いている。

すると開閉口が開き、中から何かが出てきた。その正体は…

 

 

「キュ?」

 

「………え?」

 

 

中から出てきたのは白い物体。もとい、ルウィーの希少動物であるスノウゴマ

が姿を現したのだ。あどけない表情でその場にいる全員を見つめるスノウゴマ

、一同は思わず目を見開いていた。

 

 

「ふ、ふゎ~♪何この生き物!可愛い!!」

 

「この子は一体…」

 

「ルウィーの希少生物であるスノウゴマよ、でも何でここに…」

 

 

ノワールとベールの言葉にブランが答える。だがブランが言った通り、何故ス

ノウゴマがついてきたのか?疑問が膨らむのだが…そのスノウゴマはキョロキ

ョロと周りを見渡し何かを探しているようだ、そしてある一点を見た瞬間動き

が止まった。

 

 

「……う?」

 

「……キュ~♡」

 

「ふぇ!?」

 

 

その一点とは真司、スノウゴマは真司の姿を見るや否やまるでずっと会いたか

ったといわんばかりに思いっきり抱き着いてきたのだ。今現在、スノウゴマは

真司に頬ずりをしまくっている。

 

 

「キュ、キュ、キュ~♪」

 

「あぅ…」

 

「真司さんにこんなに懐いているです?ん…?まさかマシロちゃん!?」

 

「キュ?キュ!!」

 

 

コンパの言葉を肯定と言わんばかりに元気よく小さな手を上げるスノウゴマも

といマシロ、どうやら本当の様だ。

 

 

「マシロ?この子の名前?」

 

「うん、お兄ちゃんが付けた名前なの。真っ白でふわふわしているからマシロ

って」

 

「……なんか安直ね」

 

「ほわぁ~、ふわふわ!!」

 

 

ユニの言葉にネプギアが答える、そして思った通りの返答だ。ピーシェの方は

マシロに興味を持ったのか、マシロを優しく抱き上げて頬ずりした。マシロの

方もピーシェに頬ずりを返す、早速仲が良くなったみたいだ。

 

 

「あれ~?マシロちゃんは~、真くんを真くんってわかったのかな~?」

 

「言われてみれば…」

 

 

プルルートの言葉に疑問に思う一同、何故マシロは真司が小さくなっていても

彼だとすぐにわかったのだろうか?

 

 

「マシロちゃん、この子が真司さんだってわかったです?」

 

「キュ?キュ!キュ~!!」

 

「わかってたって言いたいのかな?」

 

「あの時も真司に思いっきり懐いていたからね、見た目じゃなくて本能でわか

ったのかも」

 

 

ネプテューヌの言葉になんとなく理解する一同、動物にはそういった力が多々

あるから不定はできない。そして現在進行形でピーシェとマシロはじゃれ合っ

ていた、その雰囲気は何とも柔らかい。

 

 

「ぴぃちゃんとも仲良しさんですね」

 

「うん!ぴぃ、なかよし!」

 

「キュ!」

 

「……あ」

 

 

その様子を見ていたらしい真司、何故かマシロの方をジッと見てウズウズして

いた。どうやらマシロと触れ合いたいようだが…いかんせん恥ずかしがり屋の

性格が災いして中々手が出せないみたいだ。

 

 

「キュ?…キュイ!」

 

「わわ!?」

 

 

するとマシロはピーシェの傍から離れると、パタパタと背中の羽で飛び立ち真

司の下へ。そしてニコニコ顔で自分の頭を差し出す、触ってもいいよというこ

となのだろうか?

 

 

「あ…」

 

「キュイ!」

 

「真司さん、触ってみるです?」

 

「…こくこく」

 

 

コンパは抱き上げていた真司を一旦降ろす、そして真司はおずおずとしながら

もマシロに近づいてそっと頭に触れた。柔らかな体毛に真司の手が埋もれる、

その感触に真司はパアッと笑顔になった。

 

 

「ほ、ほわぁ…」

 

「キュキュ!キュイキュイ!!」

 

「へう!?う~!」

 

「キュ~ン♪」

 

 

真司に撫でられてうれしかったのか、マシロは真司に飛びつき頬ずりしながら

じゃれついた。真司もマシロを抱きしめ、温かさと柔らかさを堪能した。

 

 

「じゃれつく姿も絵になるわね、和むというか…」

 

「ですわね、本当に愛らしい♡」

 

「「「………」」」

 

「ネプテューヌ?ブラン?ネプギアちゃん?どうかいたしまして?」

 

 

真司とマシロがじゃれ合う姿を見て和むノワールとベールとは裏腹に、ネプテ

ューヌ、ブラン、ネプギアは深刻そうな顔をして話し合っていた。

 

 

「何でマシロちゃんはブランのリュックに…」

 

「真司に会いたかったからというのが妥当ね…」

 

「でもブランさんがお兄ちゃんに会いにいく保証はないのに…愛の成せる技と

いうべきなのかな…?お兄ちゃんェ…」

 

「何深刻そうに話し合ってるのよ…?」

 

 

ネプテューヌたちの会話に思わずツッコみを入れるノワール、それは周りの者

たちも同意見だ。真司とマシロがじゃれ合っていることには何も問題はないは

ず、だがこの三人は知っている…マシロが真司に対してどう思っているのか。

 

 

「ノワールたちは知らないからそういうこと言うんだよ、マシロちゃんはね?

真司のことが大好きなんだよ」

 

「…?それは見ていてわかることじゃない」

 

「そうだよね、すごく愛らしいし」

 

「そのマシロが真司に恋愛感情を持っていたとしたら?」

 

「「「「「………なにぃ!?!?」」」」」

 

 

ラヴァーズたちに衝撃走る!!それはもちろん他の者も一緒だ。全員が思わず

眼を見開き驚く、その中でネプテューヌたち三人は頭を抱えていた。

 

 

「ちょっ!?それどういうことよ!?恋愛感情って!?マシロって動物じゃな

い!?人外よ!?」

 

「そうなんだけどねー…でもちゃっかりほっぺにはちゅーしてるし」

 

「僕と同じことを!?」

 

「まさかこんな動物にまでフラグを立てるなんて…!?」

 

 

驚愕の表情を浮かべ、中には頭を抱えながらのた打ち回る者、へたり込み床を

ガンガン叩く者が後を絶たなかった。真司ラヴァーズ限定で…

 

 

「真司くんらしいと言えばらしいのかな…?」

 

「でもさすがに動物までとは思わなかったけどね…」

 

「罪作りな男だな、真司は…」

 

 

鉄拳にサイバーコネクトツー、MAGES.が揃って言い切った、他のみんなも苦

笑いしながら真司を見つめる。ラヴァーズたちも涙目になりながら真司を見つ

めるが…

 

 

「ほわほわ、かわいい…」

 

「キュイ♪」

 

「おにーちゃんもましろもぎゅー♪」

 

「だったら私も~♪」

 

「「「「「「ほっこり…」」」」」」

 

 

その場の柔らかい空気に飲まれて思わずほっこりとした笑みを浮かべた。ま

さに癒しの空間、ほのぼのとしていた。

 

 

「何だかもう、ねぇ?」

 

「こんな光景見たら悔しがる気も失くすというか…」

 

「可愛いは正義ってこういうことを言うんだろうね」

 

「………はっ!?」

 

 

癒し空間にほのぼのしているところでベールが携帯端末を取り出し、何やら

何処かへ連絡を入れた。

 

 

「今すぐこの画像に移っているものの用意を…時間が足りない?そんなもの

気合いで何とかなさい!!大至急ですわ!!」

 

「べ、ベール?」

 

「こほん…すみません、少々取り乱しましたわ。しばしお時間をいただける

かしら?」

 

「い、一体何の話を…」

 

「時期にわかりますわよ」

 

 

ベールの言葉の意味とは?一同は疑問に思う――

 

 

 

 

 

一時間後――

 

 

 

 

 

「こ、これは…」

 

『何とも…』

 

「か、可愛いぃいいいいい♡」

 

「うゆ?」

 

 

あどけない表情で首を傾げている真司に全員が注目した、それは今の真司の

姿によるものである。今真司はスノウゴマの着ぐるみパジャマを着ているか

らだ、何故このようなものが用意されているのかというと…

 

 

「くぅううううううううう!!!!!!やっぱり似合っていますわ!!私の

見立てに狂いはなかったということですわね!!」

 

「それを数十分弱で用意させるベールは鬼だと思うわよ…」

 

「可愛い弟のためならなんのその!さぁ真ちゃ~ん、こっちを向いてくださ

いな~♡ハァハァハァ♡」

 

 

そう、ベールが用意させたものなのだ。まさかこんな短時間で用意をさせる

とは…ツッコみをノワールが入れるもどこ吹く風、今現在ベールは何処から

か取り出したビデオカメラで真司の撮影の真っ最中だ。

 

 

「何でビデオカメラなんか…」

 

「弟の成長記録は姉としての責務でしょう!!!!!」

 

『わーお…』

 

 

関心半分、呆れ半分といったところだろうか?そして再びビデオカメラを手

に撮影を続けるベール、全員が苦笑いを浮かべていた。

 

 

「ベール様、真司さんがまた怯えちゃうですよ。ん?ふぇ?誰です?…真司

さん?」

 

 

コンパがやんわりとベールに忠告していると、真司がコンパのスカートを引

っ張り呼び止めた。コンパは真司の目線に合わせてしゃがみ、声を掛ける。

 

 

「どうかしたです?」

 

「…おねぇちゃん」

 

「なっ!?私を差し置いてコンパさんを!?」

 

「ちょ!?ベールさん落ち着いて!!」

 

 

涙目になりながらコンパに掴みかかろうとするベールをネプギアが必死にな

って止めようとしていた、コンパもこれにはひぅっと悲鳴を上げて後ずさり

する。だが真司の言葉を聞くために、どうにかいまいる場所に留まった。

 

 

「え、えっと…真司さん?どうしたですか?」

 

「あ、あのね…」

 

「キュ?」

 

 

コンパは再び真司に尋ねる、すると真司は抱えていたマシロを少し持ち上げ

てモジモジしながらコンパに尋ねた。

 

 

「えっとね…このね、しろくて、まあるくて…やわらかいいきものは、どこ

にいけばかえるの?」

 

「「「「「「「「………へ?」」」」」」」」

 

 

この時全員に衝撃走る!!

 

 

「「「「「「「「くぅっはあああああああ!!!!!!」」」」」」」」

 

「へう!?」

 

 

その場にいる全員が叫んだ、ラヴァーズに至っては全員鼻から愛が噴き出る

始末。それを見た真司は思わずビクつき、コンパに抱き着いた。当のコンパ

も真司を愛でたくてどうしようもない表情をしていた、だがそこはグッと理

性を押さえて我慢していた。

 

 

「え?何?なんて可愛らしいの!?こんなに小さい子がこんな表現できるも

のなの!?」

 

「感性が豊かにもほどがあるよ!?ああもう!!抱きしめたい!!」

 

「だ、ダメ…緩む頬が止められないわ…!!」

 

「我が人生に…一生の悔いなし…ですわぁ…♡」

 

「はぅぅ…母親として頭を撫でてあげたい…!いえ!撫でましょう!!」

 

 

全員の顔が緩みきっている、あのイストワールでさえ真司の言葉にメロメロ

になってしまっていた。まさに一撃必殺、全員の心をノックアウトした。

 

 

「真くん小さい頃からすごく感性が豊かだったんだね~♪」

 

「本当よね…もうすごいとしかって…ネプ子!?何女神化してんの!?」

 

 

アイエフがネプテューヌを呼び止める、何故かネプテューヌが女神化をして

いたからだ。ネプテューヌだけじゃない、真司ラヴァーズの女神たちは全員

女神化を完了していたのだ。

 

 

「あいちゃん、そうね…私にもわからないわ」

 

「あれじゃねぇか?真司への愛故に感情が高ぶって力を制御できなくなっち

まったとか?」

 

「そんな設定ないけどね、でも…ふふ…その方が妥当だわ」

 

「真ちゃん…真ちゃん…グへへ…♡」

 

「お兄ちゃん…えへへ…抱きしめてもいいかなぁ…?」

 

「アタシも…じゅるり…♡」

 

「何かもう、忍びの技を駆使してでもモノにしたいというか…」

 

「僕、我慢できそうにないよぉ…♡」

 

 

全員の鼻息が荒い、中には涎を垂らす人物も…正直言うと、かなりホラーで

ある。

 

 

「みんなの目がヤバい!?!?」

 

「ねぷてぬたちのめ、こわい…」

 

 

真司の言動や仕草を見て、ラヴァーズたちは我慢の限界らしく…息を荒げて

目もイッていた。そしたら全員真司の下へとにじり寄ってくる、しかも未だ

に鼻から愛が引き出たままで…それを見た真司、そして傍にいたコンパは怯

えながらヒィッ!?と奇声を上げた。

 

 

「真司、怖がらなくてもいいのよ?全てを私に委ねて…?」

 

「寧ろ気持ちいい事よ?うふふ…」

 

「たっぷり可愛がってやるからなぁ…?」

 

「愛しの弟…可愛い弟…あんなことやこんなこと…じゅる…」

 

「私のお兄ちゃん…いっぱい撫でまわしたい…うへへ…」

 

「お兄ちゃん、ハァハァ…」

 

「こんな真司くんにお姉ちゃんって言われたその日は…いやぁん♡」

 

「僕も抱きしめたい僕も抱きしめたい僕も抱きしめたい僕も抱きしめたい僕

も抱きしめたい僕も抱きしめたい…♡」

 

「ひぃう!?ふ、ふぇ…」

 

 

目が完全にイッている状態で、しかも大勢で近寄るその姿はまさに恐怖その

もの。それ故に真司はとてつもなく怯えていた、コンパを抱きしめる力をよ

り一層強くする。

 

 

「さあ、真司…」

 

「可愛がってあげるから…」

 

「「「「「「「「さあ…!」」」」」」」」

 

 

 

――ひぐっ…

 

 

 

「うう…ひっく…うぐ…うぇええええええええええええん!!!!!!」

 

「ふあ!?し、真司さん!?」

 

 

するとどうだろうか、真司は大粒の涙を流しながら大声で泣き始めてしまっ

たのだ!ラヴァーズたちはおろおろし始め、コンパは真司を抱きしめて落ち

着かせるように背中を擦った。

 

 

「し、真司!?どうしたの!?」

 

「みなさんがあれだけ寄ってたかって迫ってくればこうなるです!!」

 

「と、とりあえず落ち着かせないと…」

 

 

ノワールが真司に手を掛けようとした、その時…

 

 

「キュ!!キュウアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!」

 

「「「「「「「「いたたたたたたたたっ!?!?!?」」」」」」」」

 

「マシロちゃん!?」

 

 

マシロがネプテューヌたちの下へ飛び立つと、自身の尾っぽで叩きはじめた

のだ。マシロの顔は…何やら怒っているようにも見える。

 

 

「キュ!!キュウ!!キュ~!!!!!!!」

 

「な、何て言ってるです?」

 

『私が通訳しようか?』

 

「出来るの!?」

 

『ああ、問題ない。それでは…』

 

 

ドラゴニック・ハートはコホンと咳払い、そして今現在真司ラヴァーズに向

かって怒っているマシロの鳴き声を通訳した。

 

 

「キュ!!キュイキュイ!!キュ~!!!!!」

 

『こんなに小さな子を泣かせて!いい大人が恥ずかしくないんですか!!恥

を知りなさい!!』

 

「キュキュキュ!!!!キュア~!!!!!!」

 

『それにその内の六人は女神様でしょ!!もっと自分の行動に自覚と責任を

持ったらどうなんですか!!』

 

「キュイキュイ!!キュ~!!!!!!」

 

『下手すれば心に一生の傷が残ることになるんですよ!!ちゃんと反省しな

さい!!』

 

「「「「「「「「ご、ごめんなさい…」」」」」」」」

 

 

マシロの説教で正座となり、謝るネプテューヌたちラヴァーズ一向。それに

しても、マシロは怒っていても可愛い顔だ。頬膨らましてパタパタと羽根を

バタつかせ、小さな手を腰に当てて怒りをアピールしている。

 

 

「女神一同が正座って…」

 

「すっごいシュールね、スノウゴマに怒られてる女神って…」

 

「ドラゴニック・ハートさんが女声になったのも驚きですけどね…」

 

『そこはまあ仕様ということで』

 

 

仕様で女声になるとはすごい…それともかく、怯えて泣きじゃくっている真

司は未だにコンパに抱き着いたままだ。コンパは優しくあやす様に背中を擦

り、マシロは真司の傍へ寄り小さな手で頭を擦った。

 

 

「ひぐっ…うぇええええええ…」

 

「大丈夫ですよ、怖い人はもういないですから」

 

「キュ、キュ~」

 

「…これで決まりかもですね」

 

 

ネプテューヌたちが正座し、コンパとマシロが真司をあやす中、イストワー

ルが声を掛けた。決まりとは?

 

 

「真司さんの保護者役をコンパさんに一任しようと思います」

 

「ふぇ?ええええええええ!?わ、私がですか!?」

 

「あー…確かにそれが妥当かもしれないわね」

 

 

イストワールの言葉にコンパは驚き、アイエフたちは納得したようにうんう

んと頷いた。だがネプテューヌたちは納得していないようだ、イストワール

に食って掛かった。

 

 

「いーすん!?何でこんぱなの!?」

 

「先ほど思いっ切り真司さんを怯えさせた貴女達が言えたことですか?まっ

たく…」

 

「「「「「「「「うぐぅ…」」」」」」」」

 

 

まさにぐうの音も出ない、ラヴァーズ達は渋々イストワールの言葉に従う他

なかった。でもこればっかりはしょうがないと言うもの、あれだけの事をす

れば当然である。

 

 

「それに真司さん、コンパさんにすごく懐いているようですし。安心できる

のでしょう、ですからどうかお願いできないでしょうか?」

 

「え、えっと…」

 

 

コンパは真司をチラッと見る、涙目になりながらも必死にしがみ付いて自分

を離そうとしない真司を見てコンパは決意した。

 

 

「…わかりましたです、私が責任を持って真司さんの保護者役をやらせてい

ただきます!」

 

「ありがとうございます、コンパさん!」

 

 

コンパは真司の保護者役を買って出てくれた。コンパは一旦真司を自分の下

から離し、しゃがみ込んで話しかけた。

 

 

「真司さん、今日から私が一緒にいてあげるです。だから元気出すです」

 

「ひっく…ほんと?」

 

「はい、もちろんです!」

 

「ぐじゅ…おねぇちゃん…ぎゅー…」

 

「はわわ!?」

 

 

コンパの言葉が嬉しかったのか、真司は再びコンパに抱き着いた。そんな真

司をコンパは優しく抱きしめ、頭を柔らかく撫でた。

 

 

「これで一安心だね~♪」

 

「ああ、何よりだ」

 

「むぅ…こんぱ、今からでも変わって…」

 

「キュ…?」

 

「「「「「「「「すみません!!」」」」」」」」

 

 

マシロの一睨みでラヴァーズたちは押し黙った、とりあえずこれで真司の安

全は確保されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

                   

                   ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、真司さん、ここが私のお家です」

 

「こくり…」

 

 

あれから少し時間が経ち、コンパは真司と自分が住んでいるアパートへと戻っ

た。その後は結構大変だったようだ、マシロの真司ラヴァーズへの説教、それ

に加えてイストワールからのお叱り。正直苦笑いを浮かべるしかできなかった

らしい…ドラゴニック・ハートはコンパに、真司のことをよろしくと頭を下げ

て頼まれた。

 

 

「それじゃあ入りましょう?今日はいろいろあって疲れちゃったですから」

 

「うん!」

 

 

元気よく声を出す真司、それと同時にお腹の音も鳴り響く。それを聞いた真司

は、恥ずかしそうに顔を赤くした。

 

 

「はう…」

 

「ふふ♪入ったら晩御飯にしましょうか、真司さん♪」

 

 

二人は手を繋ぎながら玄関のドアを潜って中に入って行った――

 

 

 

――――――――

 

 

 

「真司さん、何か食べたいものあるですか?好きなもの作ってあげるです!」

 

 

コンパはエプロンを着けながら真司に尋ねる、真司はモジモジとしながらコン

パに返答した。

 

 

「えっと…おむらいす…」

 

「了解です♪それじゃあ作っている間、居間でテレビでも見ておいてくれます

か?」

 

「…ぼくもおてつだいする」

 

「へ?真司さん?」

 

 

コンパは目を丸くして真司を見た、どうやら真司はただ待っているだけじゃ

嫌なのだろう。そんな真司を、コンパは優しい微笑みを向けながら頭を撫で

て声を掛けた。

 

 

「それじゃあ一緒に作るです、でもちゃんと私の言うことを聞かないとダメ

ですよ?約束できますか?」

 

「うん!」

 

「いい子です♪それじゃあ一緒に頑張りましょう!」

 

 

二人で手を上げておー!と元気に声を上げた。その姿は仲が良い母と子、姉

弟に見える様だった。

 

 

 

――調理中

 

 

 

「お野菜を切る時は、こうやってお手てを猫の手にして切るですよ~」

 

「んしょ、んしょ…あう!?めがしみる~」

 

「はわわ!?玉ねぎを切る時は気を付けるで…私もですぅ~!?」

 

 

二人で野菜を切る共同作業、コンパは真司に手を添えながら玉ねぎをきざん

でいた。だが玉ねぎを切ったせいで互いに眼が染みる、ある意味本末転倒と

言えよう。

 

 

「うう…眼が…いたっ!?」

 

 

するとコンパは包丁で指を切ってしまったようだ、指先から血が微量だが流

れ出ていく。

 

 

「おねぇちゃん、だいじょうぶ?」

 

「えへへ、大丈夫です!これくらいなら舐めておけば…」

 

「…ぱく、ちゅー」

 

「ひゃうん!?し、真司さん!?」

 

 

真司はコンパが切った指を銜え込むと、吸うように舐め始めた。いきなりの

ことだったので、コンパは思わず悲鳴を上げてしまった。

 

 

「ちゅぱ…これで、とまった?」

 

「は、はいですぅ…ありがとうです…(び、ビックリしたですよぉ…)」

 

「おねぇちゃん?」

 

「ふぁい!?じゃ、じゃあ続きをしましょうです!?」

 

 

少しボーっとしていたコンパは、真司に声を掛けられてまたもや悲鳴を上げ

しまった。

 

 

(うう…真司さん唐突ですぅ…でも、真司さんのお口の中すごく温かかった

です…ふぁ!?わ、私ってば何を考えてるですかあああああああ!?!?)

 

 

コンパは顔を真っ赤にして、悶えながらも調理を続けた。

 

 

 

 

 

――そして調理終了、実食へ

 

 

 

 

 

「出来ました~♪」

 

「わ~♪」

 

 

テーブルに並べられたのはふわふわ卵のオムライス、野菜も色とりどりに並

べられていて実においしそうな色合いだ。ケチャップで描かれたものはコン

パらしいハート型、二人はスプーンを手に取り手を合わせる。

 

 

「それじゃあ…いただきます」

 

「いただきます!」

 

 

一口掬って口に運ぶ、卵の柔らかさとケチャップライスの程よい酸味が口の

中にいっぱいに広がった。二人とも満足そうな笑みを浮かべる、まさに至福

を感じている顔だ。

 

 

「我ながらうまくいったです!真司さん、おいしいですか?」

 

「うん!おいしい!!」

 

「ふふ、よかったです♪」

 

 

よほどおいしいのか、一心不乱にオムライスを口の中にかきこむ真司。口の

周りにはご飯粒が多々付いていた、コンパは微笑みながら真司の口の周りに

あるご飯粒を指で丁寧に取って行く。

 

 

「慌てなくても大丈夫ですよ?誰も取ったりしないですから、…んむ」

 

「えへへ…」

 

「ふふ♪…あれ?」

 

 

取った米粒を口の中へ運ぶコンパ、だがそこであることに気づく。真司の口

の周りのものを自分の口へと運ぶ行為、これぞまさしく…

 

 

(わ、私!?か、かかかかかかかか間接キスしちゃったですぅ!?!?)

 

 

悶え再び、コンパは顔を真っ赤にしながら思いっきり顔を横に振る。自分が

したことに後悔しながら、そしてものすごく恥ずかしい思いでいっぱいだっ

た。

 

 

(ふぇえええええええん!?!?私ってば何をやってるですかぁあああああ

ああああああ!?!?真司さんが今幼児化してるからって油断し過ぎですよ

おおおおおおおおおお!?!?これじゃあ変に意識して…)

 

「うゆ?」

 

(はぁう!?うう…そんなに純粋な眼で見ないでください!?真司さぁああ

ああああああああああん!?!?!?)

 

「ハグハグハグッ!!!!!!!!」

 

「おねぇちゃん!?」

 

 

コンパは自分の気持ちをごまかす様に、勢いよくオムライスを口の中へと

かきこんだ。それはもうすごい、いつもの彼女とはかけ離れている姿だっ

た。

 

 

(食べないと!食べないとやってられないですぅうううううう!!!!)

 

 

オムライスをかきこみながら、羞恥と戦っているコンパがいた…

 

 

 

 

コンパSide

 

 

 

「ふぅ…」

 

 

今日は真司さんに変に意識し過ぎてるです、今朝のことを考えているから

でしょうか?…たぶん間違いないです。

 

そしてそこに何のためらいもなく甘えてきたり、懐いてきた真司さん。正

直意識するなと言うのが無理な話です、今の真司さんは幼児化しています

が…

 

でも本当にドキドキしたです。抱き着かれて、甘えられて、おねぇちゃん

と呼ばれて…心の中ではものすごく嬉しいと感じているです。

 

でも、とりあえず今は…

 

 

 

「真司さん、痒いところはないですか~?」

 

「うん、だいじょうぶ…」

 

 

今現在は真司さんとお風呂の真っ最中です、え?何で一緒に入っているの

かですか?小さい子を一人で入らせたら危ないです!滑って転んで頭でも

打ったら?浴槽で溺れかけたら?ね?危ないでしょう?だからこうして私

が一緒に入っているわけです!

 

意識しないのかって?…はぅ!?そ、そんなこと言ったら今まで意識して

いなかったのにまた意識しちゃうじゃないですか!?あうう…こ、こうい

う時こそ平常心です!平常心平常心…

 

 

「お、おねぇちゃん…痛い…」

 

「はわ!?ご、ごめんなさいです!?」

 

 

つい力が入りすぎて真司さんの頭を強く押さえちゃったです、慌てていた

私はすぐに入れていた力を弱くしました。はぅ…悪いことしちゃいました

です…

 

 

「真司さんごめんなさい…大丈夫ですか?」

 

「えへへ…うん、だいじょうぶ。おねぇちゃん」

 

 

笑いながら許してくれた真司さん、優しいところは小さい頃から変わらな

いんですね…いつもいつも、本当に優しい真司さん。思えばその優しさも

真司さんのことを気にするきっかけになっていたのかも…

 

命懸けでねぷねぷたちを助けてくれた真司さん、自分のことを顧みずこの

世界を救ってくれた真司さん、考えれば考えるほど真司さんがどれだけす

ごい人で素敵な人かがわかります。

 

それだけ素敵な人に惹かれないわけがありません、私だって本音を言えば

、言えば…

 

 

「…好き」

 

「…?ぼくもおねぇちゃんのことだいすき!」

 

「へ?ふぇえええええええええええええええ!?!?わ、わわわわわわわ

私!?こ、こここここここここここここここ声に出ていたです!?!?」

 

 

うぁあああああああん!?何たる事ですかぁああああああああ!?!?よ

りにもよって真司さんに聞かれてしまうなんてぇええええええ!?!?

 

 

「おねぇちゃん?」

 

「へう!?し、真司さん!?え、えええええええっと!?そのですね!?

これは何かの間違いと言うか!?勘違いと言うか!?」

 

「…おねぇちゃんぼくのこときらい?」

 

「…え?」

 

 

私が慌ててると真司さんがしょんぼりした表情になりました、私はその表

情を見た瞬間にあたふたしていた気持ちが失せていったんです。すると真

司さんはゆっくりと、少し悲しそうにしながら喋りはじめました。

 

 

「おねぇちゃん、ずっとあわあわしてる…ぼくといるから?」

 

「そ、それは…」

 

 

違うと言えば嘘になります、でもこれは私が勝手に慌ててるだけで…

 

 

「ぼくもっとおりこうでいるから…ぼくのこときらいにならないでよぅ…

おねぇちゃん…ひっく…」

 

「あ…」

 

 

すると徐に抱き着いてきた真司さん、それも泣きながら…

 

 

 

私ってばバカだったです、自分が勝手に暴走してこんなに真司さんを不安

にさせていたんですね…私は真司さんを優しく抱きしめました。

 

 

「真司さん、ごめんなさいです。私のせいで不安になったんですね…でも

大丈夫ですよ?真司さんのこと、嫌いじゃないです。寧ろ大好きです!」

 

「ひぐ…ほんとう?」

 

「はい!真司さんのこと、大・大・大・大好きです!そうじゃなかったら

一緒に晩御飯も食べないし、お風呂にだって入らないです!」

 

 

私の言葉を聞いて、真司さんは安心したのか笑みを浮かべていました。あ

れ?私ってば真司さんにこ、こここここここ告白しちゃってるです!?は

わわ!?ま、まだ心の整理がついていないのに!?ど、どうするです!?

どうするです私!?

 

…でも、何だか告白してすっきりしたというか。さっきより真司さんを面

と向かって見れるようになったような気がしないでもないです…

 

今更ですけど、本当に今更ですけど!私やっぱり…

 

 

「真司さんのこと、大好きですよ!」

 

 

今の私の気持ちに、嘘偽りはありません。好きになったのは本当に些細な

きっかけ、でもこの気持ちは本当で…誰にも代えられないものなんです!

 

ねぷねぷ、みなさん、ごめんなさい!私は貴女たちが愛した人を本当に好

きになってしまいました。この事はいずれちゃんと話します、私のこの思

いを…嘘偽りなく全部!だから今だけは許してください…

 

真司さんを好きだと言うこの思いを…

 

 

 

コンパSide END

 

 

 

「おふとんふかふか~♪」

 

「真司さん、ベッドで暴れたら危ないですよ?」

 

 

お風呂から上がり、髪を乾かしホッと一息入れた二人。その後はテレビを

見て、ゲームをして大いに楽しんだ。後はぐっすり眠るだけ…

 

 

「それじゃあ電気を消すですよ?」

 

「は~い」

 

 

部屋の電気を消し、真っ暗闇になる。それが何故だか面白くなり、真司は

笑い声を上げた。コンパも微笑みながら真司が入っているベッドの中へ、

そして二人は身を寄せ合うようにくっついた。

 

 

「おねぇちゃんあったか~い♪」

 

「真司さんも温かいです、ほわほわしてて気持ちいいです…」

 

 

ぎゅうっと互いを抱きしめ合う、それに二人は安心と温かさを覚えた。

 

 

「…おねぇちゃん」

 

「ん?どうしたです?」

 

 

すると、不意に真司がコンパに声を掛けてきた。コンパは優しく真司の言

葉に耳を傾ける、そしたら真司は俯きながらもコンパに話しかけた。

 

 

「ぼくのこと、だいすきってほんとう?」

 

「ふぇ?」

 

 

いきなり言われてコンパの思考は一瞬フリーズした。でもどうにか持ち直

すと、真司の言うことを真剣に聞いた。

 

 

「おねぇちゃんにだいすきっていわれたら、すごくどきどきして…かおが

あつくなるの…それと、すごくうれしくなるの。いまのぼく、すごくへん

なのかな…?」

 

「…そんなことないですよ?誰だって好きと言われたら嬉しいです、私も

真司さんに大好きって言われてすごく嬉しかったです。それにドキドキも

するんですよ?今だって、ほら…」

 

「はわ…」

 

 

コンパは自分の胸に真司の顔を埋めた、真司は顔が熱くなるがそれと同時

にコンパの胸の鼓動に気がつく。

 

 

「おねぇちゃん、すごくどきどきしてる…」

 

「今真司さんが感じてるものと、私が感じてるものは一緒なんです。だか

ら変だなんて思う必要はまったくないんですよ?」

 

 

コンパは真司の顔と向き合って優しく答えた、すると真司は首を傾げて再

びコンパに尋ねた。

 

 

「おなじものって、なぁに?」

 

「真司さんがもうちょっと大きくなったらわかりますよ、今はまだよくわ

からないと思うです。だからゆっくりわかっていけばいいんです、焦る必

要はないですから」

 

「うん、ふにゃ…むにゅ…」

 

「ふふ、そろそろ寝ましょうか?しっかり眠って、明日も頑張るです!」

 

「うみゅ…おや…すみ…なさ…い」

 

 

真司の言葉に返答した後、真司はまるで糸が切れた操り人形の如く力が抜

けて眠りについた。そんな真司を、コンパは頭を優しく撫でてあやす様に

していた。

 

 

「真司さん、私のことを好きだって…なんだか嬉しいです♪」

 

 

笑みを浮かべるコンパ、そして再び真司を抱きしめる。壊れ物を扱うよう

に優しく、すると自分の顔を真司に近づけ…

 

 

 

チュ…

 

 

 

頬にキスをした…

 

 

 

「これが今私にできる精一杯です、私の気持ちは真司さんが元に戻った時

に…ちゃんと伝える勇気が持てる様になったら伝えるです。その時は絶対

にほっぺじゃなくて、唇です♪」

 

 

その言葉を最後に、コンパは眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

                   ◇

 

 

 

 

 

 

――三日後、プラネテューヌ教会

 

 

 

「真司よかったわね、ちゃんと元に戻れて」

 

「自分じゃ全然記憶にないんだけどな、そんなにすごかったのか?」

 

 

真司は無事に元の姿に戻ることができた、その間の三日間の記憶は全部抜

けているのだが。

 

 

「すごかったのは主にネプ子たちだけどね…」

 

「あえて聞かないことにするとして…コンパ、いろいろとお世話になった

みたいで悪かったな。また今度お礼させてくれよ」

 

「いえいえ、私も三日間楽しかったですから気にしてないです♪」

 

「…やけに機嫌良いな?いい事でもあったのか?」

 

 

コンパのニコニコ笑顔と雰囲気に真司は問いかけた、コンパはその問いか

けに笑いながら答える。

 

 

「はい!い~っぱいありました!」

 

「…?そっか、それならいいか」

 

「真司~!久しぶり~!!」

 

「ネプテューヌ?みんな!」

 

 

真司は少し考えたが、コンパが笑っているならそれでいいと思い笑顔で声

を返した。その時だ、部屋のドアが開きそこからラヴァーズを含めたみん

なが入ってきたのだ。

 

 

「おにーちゃん!」

 

「あ~!真くん元に戻ったんだ~」

 

「ピーシェ、プルルート!悪い、心配かけたな」

 

 

ピーシェは真司に思いっきり抱き着いた、プルルートは笑顔を向けて真司

の下へ。真司は抱き着いてきたピーシェを受け止めると、優しく頭を撫で

た。

 

 

「キュ~♡」

 

「うお!?お前もしかしてマシロか!?久しぶりだな~♪」

 

「キュイキュイ!」

 

 

そしてマシロ再び、真司に飛びつくと思いっきり頬ずりをしてきた。どう

やらまたもやブランについてきたらしい、マシロは元の真司に存分に甘え

ていた。

 

 

「とりあえず、無事に元に戻って何よりだわ」

 

「本当、あのまま会えなくなると思うと…」

 

「精神的に…うう…」

 

「立ち直れなくなるというか何というか…」

 

「あの時のアタシのライフ、底を尽きかけたわ…」

 

「人の心って…難しいんだね…」

 

「僕、反省してます…」

 

「みんなに一体何があったんだ…」

 

 

乾いた笑いを浮かべてみんなを見ている真司、それは彼には知りえない事

である。

 

 

「と、とにかく!これで真司とのイチャイチャが再開できる!真司、甘え

られなかった分いっぱい甘えちゃうからね!」

 

 

そう言ってネプテューヌが真司に抱き着こうとしたら…

 

 

「ヒッ!?」

 

「ねぷぅ!?え?真司?」

 

 

真司は冷や汗を掻き、顔を青くしてネプテューヌを避けた。そして徐にコ

ンパの後ろへと隠れる、ガタガタ震えながら…

 

 

「真司さん?どうしたです?」

 

「い、いやな?何だか知らないけどネプテューヌ達がこ、怖いんだよ…こ

う心の奥から湧き上がる恐怖が込み上げてくるというか…」

 

「…どうやら真司さん、ネプテューヌさん達のことにトラウマを覚えたみ

たいですね」

 

「「「「「「「「え?えぇええええええええ!?!?」」」」」」」」

 

 

記憶になくても心と体は覚えているという事なのだろう、真司は今現在

ネプテューヌたちを完全に避けていた。それを見ていたイストワール達

は呆れ顔、まあこうなるのは必然だと思ったのだろう。

 

 

「あれだけのことすればねぇ…」

 

『確かにな、あれだけは私でも耐えることはできないだろう』

 

「お姉ちゃんたち、怖かった…(ぶるぶる)」

 

「キュイキュイ」

 

「普段のお姉ちゃんの方がまだましかも…」

 

「ぶっちゃけあれはないと思ったにゅ」

 

「これは戻るまでに時間がかかるかも…」

 

「仕方があるまい、やってしまったものはな」

 

「あはは…」

 

「「「「「「「「そ、そんなぁああああああ!?!?」」」」」」」」

 

 

落胆するラヴァーズ達、それを見ていたピーシェは面白そうに笑ってい

た。真司は思わず苦笑い、そしてふとコンパを見上げる。すると、思わ

ず笑顔になる真司がいた。

 

 

「真司さん?」

 

「あはは…悪い。でもさ、今コンパの傍にいると安心するというか…」

 

「…そうですか♪」

 

 

コンパも同じく笑顔になる。あの時のことを、小さな真司と過ごした時

の事を思い出しながら…

 

 




女声になった相棒のイメージボイスは相坂優歌さんです。(アンジュ・ヴィエルジュ 日向美海)

ついに自覚したコンパ!次にはどうなるのか!!

次回!ナス回!!ワレチューの心がハードブレイク!!そして新たなフラグ!!

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