ゲイムギョウ界に来てしまった!?〔改稿中〕   作:ULTRA-7

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ようやっとかけた四十九話、真司やネプテューヌたちの心情を描く話となります。

真司とネプテューヌたちの運命はいかに!そして最後にはいよいよあの子が登場!

OP『Dimension tripper!!!!』

ED『Fiy High!』


第四十九話 みんなで幸せになっちゃえばいいんだよ!(改稿中)

「………」

 

 

執務室で一人仕事をこなす、みんなに告白の返事を打ち明けてから一週間ほど

経過していた。みんなとはあまり連絡を取り合えていない…

 

ネプギアもあれから俺とネプテューヌを避けるようになってしまった、俺が声

をかけようとしたがアイエフたちに止められた。『今は時間が必要だから』、

アイエフが俺に言っていた。

 

 

「恋愛って、難しいんだな…」

 

 

心の中ではみんなとこれまで通りうまくいくかもとバカみたいな期待をしてい

た、でもそんなことはなかった。俺がネプテューヌを選んだことによりみんな

が傷ついてしまった…

 

でもネプテューヌを選んだことは後悔していない。俺が自分で考えて出した答

えだし、何より俺は本当にネプテューヌのことが好きなんだから。それだけは

自信を持って言える、俺はネプテューヌのことが大好きだ。

 

 

『真司、気を落とすな。君は女神たちに自分の気持ちを嘘偽りなく答えたのだ

から、今彼女たちには受け入れるための時間が必要なんだ』

 

「…ありがとう、相棒」

 

 

声をかけてくれた相棒にお礼を言う、時間か…確かに必要だと思う。みんなも

俺も…またみんなと一緒に笑い合う日が来るのを信じて。

 

 

「真司」

 

「ん?ネプテューヌ?」

 

 

声がかかり顔を上げるとそこにはネプテューヌの姿があった。少ししんみりし

ながらも俺に微笑みを向けてくれる、でもやっぱりみんなのことを気にしてる

様子だった。

 

 

「私が真司と結ばれちゃったからこうなったのかな…みんなとずっとこのまま

なのかな…そんなの私、嫌だよ…」

 

「ネプテューヌ…」

 

 

眼から涙が滲み出ていた。ネプテューヌだってみんなのことが大好きなんだ、

ノワールのことも、ブランのことも、ベル姉のことも、ネプギアのことも、ユ

ニちゃんのことも、マーベラスのことも、5pb.のことも…

 

みんなみんな大好きで、とても大切な存在なんだ。俺だってこのままじゃ嫌だ

、みんなとまた…笑い合いたい。

 

 

『大丈夫だ』

 

「相棒?」

 

「…ドラちゃん?」

 

 

…ドラちゃんっておい、国民的人気アニメキャラのニックネームじゃねぇか。

いつからそんな風に相棒のことを呼んでたんだよ…

 

 

「真司が目を覚ます前から」

 

「俺の心をサラッと読むなよ…」

 

『まあ真司の思ってることは今は置いておこう』

 

 

置いておきたくはないけど今はそんなことは確かにどうでもいいしな、俺たち

は相棒の言葉に耳を傾ける。

 

 

『確かに彼女たちは真司の告白を聞いて傷ついたかもしれない、それほどまで

に君のことを想っていたのだから。だがそれと同時に君自身の幸せも彼女たち

は望んでいるんだ、だから真司を嫌いになることは絶対にない。ネプテューヌ

、それは君にも言えたことだ』

 

「私に?」

 

『そうだ。確かに君たち女神は争いを続けていた、だがそれを乗り越え今では

友好条約という大きな一歩を踏み出した。その中で培われた絆は消えることは

ない、そうでなければ君たちは永遠に争い続けていただろう?』

 

「ねぷ…そう、かも…」

 

『それにネプテューヌ。君は仮に真司が他の女神や女の子を好いて告白して、

今の彼女たちと同じような気持ちになったとしたら…君は彼女たちを嫌いにな

るかい?』

 

 

相棒の言葉に考え込むネプテューヌ、そしてゆっくりと口を開き…

 

 

「嫌いに…ならない、なれるわけないよ!私…私はみんなのことだって大好き

なんだから!」

 

 

ネプテューヌの答え、それは紛れもなく本物だった。涙を流しながら訴えるそ

の姿はすごく心に響くものがあった…

 

 

『なら大丈夫だ。真司やネプテューヌが彼女たちを嫌いになることがないのな

ら、彼女たちもまた二人を嫌いにはならない。絶対に大丈夫だ』

 

「相棒…」

 

 

相棒の言葉が胸に沁みる、今は信じよう…みんなとまた笑い合える日が来るこ

とを…そう思いながらネプテューヌと笑い合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

                 ◇

 

 

 

 

 

 

「…ふう」

 

 

私の部屋でため息ばかり、これが一週間以上続いていた。私ノワールはつい最

近失恋というものを経験した、こんな思いは生まれて初めて…振られるってこ

んなに痛いのね…

 

あの日の晩、真司の答えを聞いた日。私はベッドで延々と泣いた、大好きだっ

た人に選ばれなかった…どうして自分じゃなかったのだろう?その思いが私の

中を巡ってはズキズキと胸が痛んだ、今まで感じた痛みの中で一番痛い。

 

 

「でも…やっぱり真司のこと…」

 

 

大好き、好きで好きで…この思いは一生変わることはない。それだけは自信を

持って言えるわ、そしてネプテューヌのことも…あの子は本当にいい加減で、

グータラで駄女神だって思う。でも嫌いにはなれない、ネプテューヌのことは

大事な友達だって思ってるもの。…本人の前じゃ絶対に言わないけど!

 

真司が幸せになってくれるのなら私は嬉しい。でも私のこの、好きだというこ

の気持ちだけは抑えることはできない。この思いが真司の重荷になるだけだっ

てわかってるはずなのに…それでも私は――

 

 

「ノワール」

 

「…え?ブラン?ベール?それに…ネプギアにユニ、マーベラスAQLに5pb.も?」

 

 

いつの間にか目の前にはみんなが、真司に好意を持っている子たちが勢ぞろい

していた。いつの間に来たの!?

 

 

「お姉ちゃん呼んでも全然返事が無くて、みんな来たよって言ったんだけど全

然無反応だったし…」

 

「中々面白かったですわよ?貴女の百面相なんてそうそうお目にかかれません

から」

 

「~~~~~~っ!!いたんならちゃんと言ってよ!!」

 

「自分の不甲斐なさを他人のせいにするなんて…滑稽ね…」

 

「な・ん・で・すってええええええええええええ!!!!!!!」

 

「ノワールさん落ち着いてえええええええ!!!!」

 

 

ネプギアが必死になって私を止める、くう!?離しなさい!!こいつらには今

ガツンと言ってやらないと気が済まないのよ!!

 

 

「…漸く調子が戻ったわね」

 

「へ?」

 

 

ふとブランの言葉に間抜けな声が出てしまう、それってどういう…

 

 

「貴女のことですから、真ちゃんに振られたことを延々と考えてるんじゃない

かと思いまして。まあ人のことは言えませんけど…」

 

「うっ!?」

 

「あはは…でも私も同じですよ、お兄ちゃんの答えを聞いた時は本当に悲しく

て…ベッドでずっと泣いてましたから」

 

 

しんみりした表情で笑いながらネプギアが言った。他のみんなも同じような表

情を浮かべている、やっぱりみんなも同じだったのね…

 

 

「でも…真司くんやネプちゃんのことは嫌いになんてなれないんだよね」

 

「マーベラスAQL?」

 

 

マーベラスAQLの言葉に思わず目を丸くした、私も同じことを考えていたから

なのかもしれない…その言葉を皮切りにみんなも口々に言葉を発した。

 

 

「私もそう、確かに真司はネプテューヌを選んだわ…でも私が真司を想うこの

気持ちは変わらない…それにネプテューヌのことも、大事な友達だもの」

 

「確かに真ちゃんとネプテューヌが結ばれてすごく胸が張り裂けそうな思いを

しましたわ。でも私は二人の恋を応援したい、幸せになってもらいたい…姉と

して…友人として…でも、それでも真ちゃんが好きということは変わりません

わ」

 

「それが二人の重荷になったとしても?私の思いが真司の心にのしかかったと

しても?」

 

「それでもいいんじゃないでしょうか?だって真司くんにも僕たちの気持ちは

変えられない、大事なのは僕たち自身の気持ちだから…それに真司くんだって

僕たちが悩んでいるより笑ってる方がいいって言うと思う」

 

「みんな、強いわね…」

 

 

素直にそう感じた、みんなも真司に振られて辛いはずなのに…

 

 

「その強さもくれたのは真司くんだもん、ノワール様もそうですよね?」

 

「…そう、ね」

 

 

みんな真司のことが好き、私も…真司のことが好き。大事なのは気持ち…か…

そうよね、今更この気持ちを変えることなんてできない。結ばれないとわかっ

ている、でも私はこの気持ちを大事にしたい…持ち続けたい。

 

 

「明日にでも真司に会いに行こうかしら?私の今のこの気持ち、ちゃんと伝え

たいし」

 

「お姉ちゃん…うん!私も行く!」

 

 

少しだけ、心が軽くなった気がするわ。みんなのおかげでこの気持ちに気がつ

けた…感謝しなきゃね。

 

 

「私も行くわ、一週間も真司と連絡取れてなかったし…そろそろ真司の声も聴

きたいわ」

 

「私も真ちゃん分が取れてないせいで気が滅入ってしまってますわ、それに私

は合法的に真ちゃんを抱きしめることができますしね!なんて言ったって私は

姉ですから!」

 

「ベールさんずるい!それなら私だってお兄ちゃんに抱き着く権利があります

よ!私はお兄ちゃんの妹なんですから!!」

 

「ネプギア!!それはずるいわよ!!アタシだってお兄ちゃんの妹だもん!」

 

「私は!!私は…う~…!!どうしよう!?5pb.ちゃん!?」

 

「ふえ!?それを僕に振るの!?」

 

 

騒ぎ出す面々、正直頭が痛くなるけど…こんなに騒いで笑うのは久しぶりかも

。真司やネプテューヌがいた時は当たり前のように騒いでいたのにね、二人の

存在がそれほど大きかったということか…

 

まだチクリと胸が痛むけど、今なら笑って二人のことを祝福できる。そして伝

えなきゃ…

 

 

 

おめでとうって、これからも大好きだって――

 

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

 

 

「ハア…」

 

 

その日の夜。俺はまた一人、プラネタワーの最上階で佇んでいた。満天の星空

が広がる、あの日ネプテューヌに告白した日みたいだ…

 

 

「真司…」

 

「ネプテューヌって…何で女神化してるんだよ…」

 

 

声がかかり振り向くとネプテューヌがいた、女神化した姿で。ネプテューヌは

そのまま俺の隣に寄り添う、正直ドキドキが止まらない。

 

 

「何でって、この方が雰囲気的にいいじゃない?真司はこの姿の私は嫌?」

 

「嫌じゃないよ、むしろずっといたいと思うし。…あ」

 

 

思わず本音が漏れる、ネプテューヌはそれを見てクスクスと笑った。

 

 

「お望みならずっとこのままでいてあげてもいいけど?」

 

「維持できないでしょうが。それに俺は女神化してないネプテューヌのことも

同じくらい好きなんだ、どっちの姿も俺にとっては最高に愛おしいんだよ」

 

「あ…もう、いきなり恥ずかしいこと言わないで!どう反応したらわからない

じゃない…」

 

 

頬を赤く染めてそっぽを向くネプテューヌ、女神化した姿でその反応はすごく

心にグッとくるものがあった。可愛い…

 

 

「…それより何か悩んでたみたいだけど、どうかしたの?」

 

「んー…みんなのこと、相棒は確かにああ言ってくれたけど…やっぱり不安で

さ」

 

 

みんなとまた会ってちゃんと話ができるのだろうか?また笑い合えることがで

きるのだろうか?そんな思いが俺に不安を掻きたてる、考えれば考えるほど…

その思いは大きくなる一方だった。

 

 

「告白の返事をした時。みんなを傷つけるかもって…いや、みんなを傷つける

ってわかってたはずなのに…これまで通りにみんなと過ごしていけるかもって

、甘い期待をしていた。だから、もしかしたらもうみんなと笑い合うことがで

きないんじゃないかって――んむ!?」

 

 

心の内を打ち明けていたら不意にネプテューヌが俺にキスした、まるで怖がる

俺の心を優しく包む様に…

 

 

「ん…はぁ…真司の気持ち、私もわかるわ。さっきまで私も同じ様なことを思

っていたもの、でも…たぶん大丈夫」

 

「え?」

 

「みんなが私たちのことを思ってるように私たちも同じくらいみんなのことを

思ってる、そんな私たちが笑い合えないなんて未来がくるなんてありえないも

の。私はみんなのことも、真司のことも信じてるから」

 

「ネプテューヌ…」

 

 

その言葉を聞いて不思議と心が温かくなる、不安が消えていくのがわかる…

 

 

「…ありがとう」

 

「ふふ、どういたしまして」

 

 

互いに寄り添い合う俺たち、今この時だけは幸せを噛みしめていたい。そう思

いながらネプテューヌを見つめていた…

 

 

(みんな全員と幸せになる方法…難しいかもしれないけど…私も頑張るわ、真司)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、その日も俺は執務室にて仕事をこなす。ネプテューヌは今日も仕事場に

おらず…こんな状況でもマイペースだなぁ、でも今はそこが羨ましいかも。

 

 

『真司、そろそろ昼ごろになるが。少し休憩したらどうだ?』

 

「ああ、そうだな。う~ん…書類整理も一区切りついたし、何か作って食べよ

うか」

 

 

いつもならここでネプギアが軽い食事を持ってきてくれたんだよな。あはは…

今更ながらネプギアの有難味に気づいたよ、早くネプギアとも笑い合えたらい

いのにな…

 

 

コンコン

 

 

そう考えてると部屋のドアをノックする音が、誰だろう?

 

 

「お兄ちゃん、入っていい?」

 

「っ!?ね、ネプギア!?どわぁ!?」

 

 

ネプギアの声が俺の耳に入った、いきなりのことで座っていた椅子から思いっ

きり滑り落ちてしまった。

 

 

「お兄ちゃん!?大丈夫!?」

 

『大丈夫か?』

 

「いつつ…あ、ああ…なんとか…」

 

 

ネプギアが慌てて部屋に入り俺の下へ駆け寄る、心配そうな眼で俺を見つめて

いた。こうしてちゃんと眼を合わすのは久しぶりだ…

 

 

「どこも怪我してない?」

 

「うん、大丈夫。椅子から滑り落ちただけだし」

 

「よかった…」

 

 

ホッと胸を撫で下ろすネプギア、だが俺は反射的に眼を逸らしてしまう。笑い

合いたいと言った反面、今何をどう話したらいいのかわからないから…

 

 

「お兄ちゃん。お腹、空いたよね?サンドウィッチ持ってきたんだけどよかっ

たらどう?」

 

「ネプギア…」

 

「お兄ちゃんが何を考えてるかなんとなくわかるけど、今はそれは無しにしよ

う?私が言うのもなんだけど…お兄ちゃんとお話したり笑い合いたい気持ちは

本当だから」

 

「…ああ」

 

「さ!せっかく持ってきたから残さず食べてね、今日は我ながらうまくできた

と思うんだ!」

 

 

ネプギアは笑って俺にサンドウィッチを差し出した、一つ手に取り口に運ぶ。

トマトの酸味、卵の甘さ、そしてこれは…アボカドとエビを混ぜたものかな?

豊かな風味が口いっぱいに広がる。うん、うまい。

 

 

「うまいよ、ありがとうネプギア」

 

「えへへ♪どういたしまして、ドラゴニック・ハートさんもいかがです?」

 

『うむ、それでは遠慮なく』

 

 

この後俺はネプギアが作ったサンドウィッチに舌鼓を打ちながら、久しぶりに

二人で会話を楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

 

「さて、そろそろ仕事に戻ろうかな…」

 

 

ネプギアと久しぶりに会話することができ元気が出てきた俺、このままみんな

ともこうやって会話することができたら切に願う。

 

 

「私も手伝うよ、最近お兄ちゃんとは離れてお仕事してたから」

 

「そうか?それじゃあ久しぶりに…」

 

 

ネプギアと共に仕事を始めようとしたその時だった…

 

 

コンコン

 

 

再び部屋のドアがノックされる、ネプテューヌ?それともイストワールさん?

ともかくドアを開ければわかること…

 

 

「はい、どちら様d「真ちゃあああああああああん!!」ほげっ!?」

 

 

ドアを開けた瞬間誰かに抱き着かれる。柔らかな弾力を帯びたものが二つ、俺

の顔面に押し付けられていた。こ、この柔らかいものは…そしてこの声は…

 

 

「うふふ♪お久しぶりですわ、真ちゃん♪」

 

「べ、ベル姉!?」

 

 

なんたってベル姉がここに!?それに俺の顔面に押し付けられてるものは…ま

さか…胸ぇ!?

 

 

「ちょっ!?ベル姉!?離れて…」

 

「い・や!ですわ。ずっと会えなかったんですもの、今日は一週間分の真ちゃん

分を取り込んでおかないと滅入ってしまいますわ!」

 

「何だよその真ちゃん分って!?」

 

「私が生きるのに必要な成分の一つですわ。真ちゃんを抱きしめることによって

吸収できる大切な成分です、真ちゃ~ん♪ギュ~ッ♪」

 

「ほわぁ…」

 

 

ベル姉がより一層抱きしめる力を強くする。それにより俺の顔面に押し付けらて

いる胸はムニュムニュと形を変える、柔らかい…そしてベル姉のいい匂いが…

 

 

「いつまで…」

 

「そうしてるつもりなんだ?」

 

「ふぇ…?の、ノワール!?ブラン!?」

 

 

声がかかり上を向くとそこには…背後に般若と赤い炎を纏ったノワールとブラン

の姿が、それだけじゃない…

 

 

「お兄ちゃん?何してるのかな?」

 

「むう~!!おっぱいの大きさなら私だって負けてないよ!!」

 

「真司くん!!えっちなのはダメ!!」

 

 

ユニちゃんにマーベラス、5pb.までもが加わる。怖い!?むっちゃ怖い!?そ

してみんな各々の武器やギターを片手に振りかぶる。

 

 

「覚悟はいいかしら?」

 

「ちょっ!?俺どっちかというと被害者サイド!?」

 

「「「「「「問答無用おおおおおおおおおおお!!!!!!!!」」」」」」

 

「んぎゃああああああああああああああ!?」

 

 

あれー…これと同じようなこと前にも受けた様なな気がしないでもないぞ?あは

は…これがデジャビュってものなのかー…冷静に考えられる自分に敬礼!

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「俺…生きてる…」

 

『ああ、真司。君はちゃんと生きているぞ?』

 

 

あれだけボコ殴りにされたというのに俺ちゃんと原型止めて生きてる。よかった

、このままだったら間違いなくスプラッタなことになってたかもしれない。

 

 

「まったく、せっかく来たのにエッチなことしてるから悪いのよ」

 

「反省しなさい…」

 

「悪いことしてないのに何?この込み上げてくる罪悪感は…」

 

 

一人机に突っ伏して呻く俺、うう…確かにベル姉の胸は気持ちよかったと思うけ

どさぁ…あ、それ考えてる時点でエッチなことじゃん!?真司涙目…

 

 

「まあそれはそうと、久しぶり。連絡もしないでごめんなさいね?」

 

「ノワール…いや、別にいいよ。またこうして話しできただけでも嬉しい」

 

 

久しぶりに聞くノワールの声、久しぶりに見るノワールの笑顔。思わず俺も笑顔

が零れる、それはブランやベル姉、ユニちゃんにマーベラス、5pb.にも言えたこ

とだった。

 

 

「あー…その…ん…」

 

 

何か喋らないと、そう思うが何を言ったらいいかわからなかった。あの日のこと

を思い出すとどうにも言葉が出てこない、今更みんなに何を言ったらいいのか…

 

 

「真司」

 

「ノワール?」

 

 

不意にノワールが俺の手を取り声をかけた、柔らかく温かい彼女の手が俺の手を

包み込む。そして微笑みながら口を開いた。

 

 

「真司がネプテューヌを選んで、ネプテューヌのことが好きだってことはちゃん

とわかってる。初めは悔しくて悲しくて泣いたけど…真司やネプテューヌのこと

を嫌いになることなんてないから」

 

「………」

 

「そしてこれは私の我儘、真司がネプテューヌのことを好きなままでいいいの。

私を選んでとは言わない、でも…私が真司のことを好きでいることは許してほし

い…」

 

 

強く握られる手、ノワールの思いが伝わってくるのがわかる…

 

 

「私もそう、真司が誰を好きでいようと…私は真司のことが好き…」

 

「真ちゃんの気持ちもお構いなしに、私たちは真ちゃんのことが大好きなのです

わ。心の底から…貴方のことを愛しています」

 

「変えられない気持ちなら真司くんも仕方がないよね?返品だってお断りだよ?」

 

 

みんなの言葉の一つ一つが胸に沁みる。…正直、みんなに嫌われたのかと思って

た。俺を好きでいてくれたのに俺はみんなの好意を受け取らなかったから、俺は

ネプテューヌを選んだから。だからもう…みんなとはこのまま笑い合えないのか

もしれないって悩んでた。

 

でもみんなは俺のことをまだ好きだと言ってくれた、俺とまた言葉を交わしてく

れた…目頭が熱くなり歯を食いしばっている、悲しいから?違う、嬉しいからに

決まっているだろう?だってみんなはこんな俺を好きだと言ってくれているのだ

から。

 

 

「真司!?どうしたの!?」

 

 

俺の様子を見たノワールが心配そうに顔を覗き込んだ。他のみんなもそうだ、俺

の傍へ寄り気遣いの言葉を投げかけてくれる。俺は必死に声を振り絞ってみんな

に答えた…

 

 

「み、んな…ごんな…お、俺を…ず、ずぎで…いでぐれて!!あ、ありがどう…!」

 

 

もう我慢ができなくて涙が出た、嬉しかった…みんなの気持ちが堪らなく嬉しか

った!涙は留まることを知らない…そんな俺をノワールが微笑みながら優しく抱

きしめてくれた。

 

 

「当たり前じゃない…言ったでしょ?真司のこと嫌いにならないって、ごめんな

さいね?真司にこんなに不安な思いをさせて…」

 

「うん…うん…!」

 

「お兄ちゃんも辛かったんだよね?ごめんね?」

 

「もう真司くんに辛い思いをさせないよ、また一緒に笑い合おう?」

 

「うん…ありがとう…」

 

 

泣いた、ひたすら泣いた…不安な思いが一気に消えていくのがわかる、これでま

たみんなと新たな一歩を踏み出すことができる…そう感じた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

                   ◇

 

 

 

 

 

 

 

「ごめん、みんな…お見苦しいところを見せました…」

 

 

どれだけ泣いたのかわからない、だけどみんなはずっと俺の傍にいてくれた。み

んなには感謝しないといけないや…

 

 

「見苦しいなんて思わないわよ、辛いことも楽しいことも分け合うのが仲間じゃ

ない?」

 

「あはは…ごもっとも…」

 

「皆さん、立ち話もなんですから一緒にお茶でも…」

 

 

ネプギアがそう言いかけたその時だった、部屋のドアが開き誰かが中に入って来

る。その人物は…

 

 

「あ…み、みんな」

 

「ネプテューヌ?」

 

 

ネプテューヌだった、ネプテューヌは眼を逸らしそうになったが…しっかりとみ

んなの方へ向き笑顔を向けた。

 

 

「みんないらっしゃい!まさか勢ぞろいしてるとは思わなかったけど…」

 

「貴女は相変わらずねぇ…でもまあ、お邪魔してるわ」

 

 

ネプテューヌとノワールは笑い合いながら挨拶を交わした、そしたらノワールが

ネプテューヌの傍まで寄り…

 

 

「あの時は逃げ出しちゃってごめんなさい、それから…おめでとう」

 

「ノワール…グスッ…えへへ、こっちこそありがとう!」

 

 

涙を少し流しながらも笑い、ネプテューヌはノワールにお礼を言った。やっぱり

ネプテューヌも何だかんだで不安だったんだな、俺と同じだったんだ…

 

 

「まったく…みっともなく泣かないの…」

 

「そうですわよ。こんな時は笑ってくださいな、ネプテューヌ」

 

「だってぇ…みんな優しいんだもん、だからなんだか嬉しくって…」

 

 

そしてまたお互い笑い出す、みんなの笑顔が戻った瞬間だった。よかった、この

笑顔が戻って本当に…

 

 

『真司、言った通りだっただろう?』

 

「ああ、相棒が言った通りになったよ。みんな俺やネプテューヌのことを思って

くれてた、俺…今本当に幸せだ」

 

 

みんなの優しい気持ちが胸に伝わってくる、こんな子たちに俺は思われていて…

そして好きでいてもらえて…俺は本当に幸せ者だ。

 

 

「お兄ちゃん、その幸せはこれからなんだから!感傷に浸ってる暇はないよ?」

 

「そうそう!私たちを振ったんだからその分幸せになってもらわないと困るんだ

からね!」

 

「うっ!?あ、あはは…」

 

 

それを言われちゃな。でもその通りだ、みんなの気持ちを受け止めて俺は好きな

人と…ネプテューヌと幸せになる、幸せにする責任があるんだから!

 

 

「…そのことなんだけど」

 

「ん?ネプテューヌ?どうしたのよ?」

 

 

ネプテューヌがみんなに声をかけた。その表情は少し考え込んだような、だがそ

れでいて笑顔だった。ネプテューヌは口を開く、だがそれは俺たちにとっては予

想もしないことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が言うのもなんだけど…みんな一緒にっていうのはダメなのかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…は?」

 

「だからね、私たち全員が真司とくっつくっていうのはダメなのかなって」

 

「…はあ!?」

 

 

思わず叫んでしまう。そしてみんなも口をあんぐりと開けながら眼を見開く、何

を言い出すんだ!?

 

 

「私やノワールたちはここから先ずっと真司と一緒にいるんだよね?そしてマベ

ちゃんや5pb.ちゃんは限られた命しかない…そんな中でずっと真司への想いを抱

き続けるのはすごく辛いことだと思う、それだったら私…みんな一緒に幸せにな

りたい!」

 

「ネプテューヌ…」

 

「確かに難しいかもしれない、私の国だけじゃなく他の…みんなの国にも関与す

ることだから。でも…それでも、私は全員で幸せになれる方法を取りたい!私だ

けじゃなくてみんなで幸せになればいいんだよ!」

 

 

ネプテューヌの言いたいことはわかるが…でもそれはそれで問題が多々ある。そ

れこそネプテューヌが言うような国同士の問題云々などが挙げられる、みんなに

迷惑をかけるなんてできるはずが…

 

 

「その手があったわ…」

 

「…え?」

 

「そう言えば一夫多妻制の法律を備えてるところもあるって聞いたことあるわ…」

 

「制定するとして時間がかかるかもしれませんけど、国同士の問題解決等もあり

ますが…それでも不可能ではないはず!」

 

「おいおいおい!?」

 

 

何だか話が進んじゃってるけど!?みなさんやる気満々なんですけど!?

 

 

「みんな!?それは倫理的に問題が――」

 

「…真司は私たちといたくないの?」

 

 

そういうとノワールが俺に腕を絡め抱き着いてきた、それは他のみんなも同じ…

 

 

「私は…真司と一緒にいたいわ…」

 

「私も、真ちゃんとずっと一緒にいたいですわ…大好きなんですもの」

 

「私だって、お兄ちゃんと一緒じゃなきゃやだ…」

 

「お兄ちゃんと、ずっと一緒にいたい。この気持ちは変わらないわ…」

 

「限りある命だけど、それでも私は真司くんの傍にいたい。だって大好きなんだ

もん!」

 

「僕もそうだよ、ずっとは無理だと思う。でもこの限りある命の中で僕は真司く

んを愛したい!」

 

「みんな…」

 

 

改めて聞くみんなからの告白、想いの強さが伝わってくる。でも…本当にいいの

だろうか?これで本当にみんなが幸せになれるのだろうか?不安が頭を過る。

 

 

「真司、みんなの想いは伝わったよね?だったら答えは一つなんじゃないかな?

みんな纏めて面倒見ちゃえ!それに大勢の方がきっと楽しいよ!」

 

「ネプテューヌ…」

 

『ふふ、まさかこんなことになるとはな。だが、いいんじゃないか?これもまた

幸せの形なのだろう』

 

「相棒…」

 

 

二人の言葉に不思議と笑みが零れてくる。幸せの形、みんなと一緒だと楽しい、

うん…確かにそうかもしれない。なら、俺が出す答えは一つだよな。

 

 

「みんなが…その、嫌じゃなかったら…よろしくしたい、かな?」

 

 

どうにか出した俺の返事、それをみんなが聞いた瞬間…

 

 

「「「「「「「嫌じゃない!!」」」」」」」

 

「うおっ!?」

 

 

俺に思いっきり飛びついてきた、そのせいで俺は思いっきり倒れてしまう。みん

なの身体の柔らかさが俺にのしかかってきた、うおお…でも重い。

 

 

「む~!!みんなずるい!!私も真司に抱き着く!!」

 

「ちょっ!?これ以上は…げふぅっ!?」

 

 

ネプテューヌも乗っかり俺は耐え切れず変な声をだし気絶、ああ…これが幸せの

重みというやつなのだろうか、バカみたいに冷静に考える俺であった。

 

 

『真司、強く生きろ…』

 

 

 

 

 

 

                    ◇

 

 

 

 

 

 

 

一週間後――

 

 

 

「あ~ん!ん~!おいし~!!」

 

 

プラネテューヌにある見晴らしの良い裏山、そこで俺はネプテューヌ、アイエフ、

コンパ、ネプギア、マーベラス、5pb.とピクニックに来ていた。ノワールたちは

仕事があり来ることができなかった、みんなのあの悔しがりようときたら…相棒は

イストワールさんと雑談中、あの二人意外に仲がいいんだよな。

 

 

「まったく、真司の告白の後どうなるのかと思ったけど。まさか全員とくっつく

なんて思ってもみなかったわ…」

 

 

アイエフが呟く、俺も思わず苦笑い。俺も我ながらそう思ったよ…

 

 

「いいんだよ!これが幸せの形の一つなんだから!」

 

「それにこれは私たちが望んだことでもありますから」

 

「ねぷねぷやギアちゃんたちがそう思っているのなら私は何も言わないです。真

司さん、どうかみんなをお願いするです!」

 

「おう、承った」

 

 

コンパの言葉を受けて俺はサンドウィッチを一かじり、その時だ。

 

 

「あ――――――――――――っ!!!!!!」

 

「んぐっ!?ふえ!?な、何!?ごほっ!?ごほっ!?」

 

「マーベラス!?ほら!お茶!!」

 

 

いきなりの声に驚きマーベラスは喉を詰まらせる、俺はとっさにお茶を差し出し

た。ごくごくと喉を鳴らしお茶を流し込むマーベラス、そして荒い息づかいの後

深呼吸した。

 

 

「し、死ぬかと思った…」

 

「大丈夫か?」

 

「あ―――――――――――――っ!!!!!!」

 

 

再び大きな声が、そこにいたのは小さな子供。この子は一体…

 

 

「だ、誰?」

 

「さ、さあ?5pb.は知ってるか?」

 

「僕は知らないよ?」

 

 

アイエフとコンパ、ネプギアも首を横に振る。無論俺も知らない、だけどマーベ

ラスだけは違う反応をしていた。

 

 

「え?ピーシェちゃん!?」

 

「え…?マーベラスはこの子のこと知ってるのか?」

 

 

マーベラスは何か知ってる様子、そしてこの子はアイエフとコンパを指差すなり…

 

 

「あいえふ!こんぱ!!」

 

「うえっ!?」

 

「だ、誰です?」

 

 

この子は何故かアイエフとコンパを知っているようだった、何だか知らないが波

乱の予感がしたのは言うまでもない。

 

 




すみません、この場を借りてお詫びと訂正を、マーベラスがピーシェを知らないと言う設定をなくそうと思います。今日考えたら別に問題ないんじゃないか?それに知ってたら知ってたで何か解決の糸口が見つかるんじゃないかと考えました。本当に申し訳ないです!

そして次回からどうなるのか!括目せよ!

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