ゲイムギョウ界に来てしまった!?〔改稿中〕   作:ULTRA-7

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お待たせしました、四十六話!ついに決着、女神たちの救出!頑張った…

特撮技かたよってますが盛り込んでいます、思わずにやりとするものがあるかも?

挿入歌『Last Engage』Vocal 5pb. 『The people with no name』

ED『ネプテューヌ☆さがして』


第四十六話 天かける龍と決着(改稿中)

「仮面ライダー…ドラゴニック・ハート…だと?」

 

 

マジェコンヌは呟く、そして口元を歪め笑い出した。

 

 

「くく…アーッハッハッハ!ヒーローのつもりか?こんなところにのこのこと現れる

貴様が誰かは知らんが…よほど馬鹿だと見える、どうやら死にたいらしいな?」

 

「っ!?逃げて!!」

 

 

ネプテューヌは仮面ライダーに叫ぶ、だが当の本人は聞くどころかそこから一歩たり

とも動こうとはしなかった。

 

 

「………俺の罪は三つ」

 

「何?」

 

「一つ、目の前にいたアイツに手を伸ばすことができなかった」

 

 

仮面ライダーはゆっくりと…歩き出す、そして自分の罪を数え始めた…

 

 

「二つ、それに悲観して大切なことを見失った。三つ、そのせいで俺の仲間を泣か

せてしまった…」

 

「貴様、一体何を…」

 

「俺の罪は数え終えたぜ?マジェコンヌ。さあ…今度は、お前がお前の罪を…数え

ろ…」

 

 

人差し指をマジェコンヌに向ける、そしてその手を横に倒した。仮面ライダースカ

ルの様に…

 

 

「罪…だと?今更数えきれるか!!」

 

「………」

 

「だんまりか…まあいい、貴様は私自ら葬ってくれる!!」

 

 

マジェコンヌが仮面ライダーに向けて突っ込もうとした、その時…

 

 

『みんな!!』

 

「っ!?あれは!?」

 

「っ…!?5pb.?」

 

 

互いに驚きの声を上げた、何故ならホログラム映像で5pb.の姿が映し出されていた

からだ――

 

 

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

 

 

 

5pb.Side

 

 

 

「真司くん…」

 

 

真司くんとアイエフさん、コンパさんは戦いに赴いた。女神様たちを救うために命

をかけて…本音を言えば僕も戦うお手伝いをしたい、でも僕には戦う力が無い…こ

れ程悔しい気持ちはないと思った。

 

でも真司くんは僕にしかできない戦いをしてほしいと言ってくれた、僕にしかでき

ないこと…それって一体何なの?

 

 

「僕は…どうしたら…」

 

 

そう思った時だ――

 

 

 

――それよりも5pb.はすごいよ!あんなにかっこよく歌えちゃうんだから、あの時

俺心が震えた感じがした!

 

 

「あ…」

 

 

真司くんと初めて会ったあの時のことを思い出した、僕の歌を誉めてくれた…すご

いと、かっこいいと言ってくれた…胸が熱くなるのを感じる。

 

 

「…僕にできること、それは!」

 

 

僕は走り出した、僕にしかできないことを…僕にしかできない戦いをするために。

 

真司くんありがとう、離れていてもいつも僕を助けてくれるんだね…

 

僕戦うよ、僕にしかできないやり方で…僕の戦いを!!

 

 

 

5pb.Side END

 

 

 

「5pb.ちゃん?」

 

「何であの子が…?」

 

 

ホログラム映像を見たノワールとブランが呟いた、他の女神たちも同様だ。誰しも

がそう思う中、5pb.は決意を籠めた言葉で語りだした。

 

 

『今この光景を見ているみんな、みんなはどう思ってる?中には戸惑っている人や

不安に思っている人もいるかもしれない…でも』

 

 

拳を握りしめ更に語る、瞳には熱い想いを籠めて…

 

 

『怖がらないで!恐れないで!!今この状況の中で戦っている人がいる、みんなを

救おうとしてる人がいる!!そして信じて!!仮面ライダーを!!』

 

 

そう言うと5pb.は自分の愛用のギターを構える、その後ろにはドラム、キーボード

、ベースを構えているミュージシャンたちの姿が…

 

 

『僕も戦う、僕なりのやり方で…みんなを守りたいから!!ううん…守るために、

僕の歌を聴いてください!!みんなと仮面ライダーに届け!『Last Engage』!」

 

 

演奏が始まる、全ての人々に…そして仮面ライダーに送るエール。不思議と活力が

漲る…これが思いの力だ!

 

 

「…5pb.やっぱり君はすごいよ」

 

「くっ!?何だこの歌は!?耳障りな!!」

 

 

耳を押さえながら苛立つマジェコンヌ、そんな中仮面ライダーは静かにドラゴニッ

ク・セイバーを構えた。

 

 

「マジェコンヌ、お前を倒す。倒して…女神たちを取り戻す!!」

 

「チッ!モンスターども!!行け!!」

 

 

周りにいた数対のモンスターが仮面ライダーに襲い掛かってきた、それを仮面ライ

ダーは冷静に…確実に対処する。

 

 

「はあっ!!」

 

 

ギィン!!ギャン!!

 

 

「ゴアッ!?」

 

「ガァッ!?」

 

 

モンスターの振り下ろした腕をセイバーで受け止めそのまま切り返す、そしてその

内の一体を踏み台にして空中へと舞うように飛んだ!

 

 

「せやっ!!」

 

「ゴガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」

 

 

地面に着地しモンスターの背後に周りこみ十字に切りつける、モンスターは断末魔

の声を上げ消え去った。

 

 

「ガァアアアアアアアア!!」

 

「グオオオオオオオオオ!!」

 

 

その行為に即発されたのかモンスターは一斉に仮面ライダーに襲い掛かる、だが仮

面ライダーはそこから動かない。セイバーを地面に突き刺し仮面ライダー二号の様

な構えをとり…

 

 

「ライダー…パンチ!!」

 

 

渾身を籠めた拳をモンスターにぶつける、モンスターはピンボールの様にバウンド

して行きそれが他のモンスターをも巻き添えにした。

 

 

「ライダー…キック!!」

 

 

続けて仮面ライダー一号の様な構えを取り必殺のキックを近くのモンスターに放っ

た!

 

 

「オゴオオオオオオオオオオオ!?」

 

 

衝撃が強すぎたのかモンスターは突き飛ばされたと同時に爆散した、その光景を唖

然として見ているネプテューヌたち…

 

 

「つ、強い…」

 

「仮面ライダーって…何者なんでしょうか…?」

 

 

仮面ライダーの戦闘に驚きを隠せない、ノワールとネプギアが呟く。そんな中でブ

ランだけが何か思い出した様な表情を見せた。

 

 

「仮面ライダー…彼が…」

 

「ブラン?何か知っているんですの?」

 

「ええ…孤児院の一件の時に真司が話していたわ…、無償で戦う仮面の戦士…全て

の人々の自由と平和を守る戦士…」

 

「それが…仮面ライダー…」

 

「でもそれは真司の世界の特撮ヒーローの話じゃなかったの?」

 

 

ノワールが話す、確かにその通りだ。真司が語っていたのはあくまで空想上の産物

のことのはずだ、そのヒーローがなんでこの場にいるのか…疑問が浮かぶ。

 

 

「でも今その彼がここにいるのは事実よ…でも、何故かしら…」

 

「ブラン?」

 

「仮面ライダーが…真司に見えて仕方がないの…」

 

「真司…に?」

 

 

ブランの呟きにみんなが反応する、今現在進行形で戦っている仮面ライダーと真司

の姿が重なって見えたのだ。

 

 

「私の考えすぎかもしれないけど……ごめんなさい、らしくなかったわ」

 

 

首を横に振り先の言葉を不定したブラン、そして再び仮面ライダーとマジェコンヌ

の戦いを見守った。今は…この戦いを見守ることしか出来ない。

 

 

「チッ…モンスターが次々と…だが、この国ばかりに気を取られていいのか?」

 

「……?」

 

 

マジェコンヌの言葉に反応する仮面ライダー、すると彼女は不敵に笑いながら叫ん

だ。

 

 

「モンスターはこの国ばかりにいるわけではない!他の国にもこれと同等…それ以

上の数が進行しているのだ!諦めろ、世界が滅びるのは時間の問題なのだ!!」

 

「くっ…!!マジェコンヌ!!」

 

「貴様…!!」

 

 

マジェコンヌの言葉に怒りを隠せないネプテューヌたち、だが仮面ライダーは違っ

た。至極冷静に、攻撃の構えを解こうとはしなかった。

 

 

「言いたいことは、それだけか?」

 

「何だと?」

 

「他の国には俺の仲間が、仲間たちがいる。絶対の信頼をおける仲間たちだ、みん

ななら必ずモンスターたちを倒してくれる!貴様の思い通りにはならない!!」

 

「ぐっ!?」

 

 

仮面ライダーの一喝、何故かその言葉には重みと威圧がありマジェコンヌはそれ以

上言葉を発することができなかった。その間にも襲い掛かるモンスターを切り捨て

る仮面ライダー、仲間を信じてるからこそ彼は安心して戦えているのだ。

 

 

「チィッ!!だがこの光景を見てもそんな強気が…!?」

 

 

マジェコンヌは各国の姿をホログラムとして映し出した、だが彼女は驚愕の表情を

浮かべている。そこに映し出されていたものとは――

 

 

 

 

 

 

 

                   ◇

 

 

 

 

 

 

ラステイション――

 

 

「喰らえ!!」

 

 

ドォォォォォォォオオオオオオオッ!!!!!!!

 

 

「ギギャアアアアアアアアアアアアア!?!?」

 

「行くよ!ソルブレイカー!!」

 

 

ズドォォォォォォオオオオオオンッ!!!!!!!!!

 

 

「ピギギュギャアアアアアアアアアアアアアアアア!?!?」

 

 

MAGES.とファルコムの攻撃がモンスターの軍勢に炸裂する!瞬く間に爆散して数が

減って行った。

 

 

「さあ…終わりの時だ!」

 

「荒れるよ!止めてみて!!」

 

 

攻撃の構えを取り彼女たちは再びモンスターの軍勢へ攻撃を仕掛けた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルウィー――

 

 

「せやっ!!」

 

「はあっ!!」

 

 

マーベラスAQLとサイバーコネクトツーが自身のスピードを生かしモンスターの軍

勢を追い込んでいく、一撃、二撃と小さいながらもその攻撃は確実にモンスターに

ダメージを与えて行った。

 

 

「これで決めるよ!!秘伝忍法・乱れ咲き!!」

 

「究極奥義!!暗黒双牙滅魂撃!!」

 

 

二人の攻撃がモンスターの軍勢に直撃する!!

 

 

「オゴアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?!?」

 

「ギギィイイイイイイイイイイイイイイ!?!?!?」

 

 

攻撃に耐えきれなかったのかモンスターは堪らず砕け散る!二人は背中合わせに並

びたち武器を構えたまま強気な笑顔を残っているモンスターたちに向けた。

 

 

「このまま振り切るよ!!」

 

「君たちの運命は私たちが決める!!」

 

 

再び走り出す二人、小刀とダガーが光り輝き悪を挫く!!

 

 

 

 

 

 

リーンボックス――

 

 

「てやあああああああああああああああああっ!!!!!」

 

「ギギャアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?」

 

 

鉄拳の拳がモンスターの腹部へクリーンヒットし…

 

 

「目からビーム!!」

 

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?!?」

 

 

ぷち子もとい、ブロッコリーのビームがモンスターの群れを爆散させた。

 

 

「このまま派手にいっちゃお~!」

 

「やっつけるにゅ!」

 

 

二人の攻撃は留まることを知らない…

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

 

 

「バカな!?こんなことが!?」

 

 

MAGES.たちが次々にモンスターを撃破していく場面を見て悪態をつく、拳を握り

しめ地団太も踏んだ。

 

 

「MAGES.…マベちゃん…みんなも…」

 

 

自分たちの国を全力で守ってくれているMAGES.たちを見て涙するネプテューヌた

ち、絶望が希望へと変わっていく瞬間だった。

 

 

「クソが!!…まあいい、他の国などくれてやるわ!今は貴様を倒し女神救出など

と言う馬鹿げたその思いを粉砕してくれる!!」

 

 

そういうとマジェコンヌは光出す、光が晴れるとそこには女神グリーンハートの姿

が!女神の力を使ったのだ!!

 

 

「私の力を…!?」

 

「いくらモンスターを倒せたところで女神には敵うまい!!女神の力と技で果てる

がいい!!」

 

 

マジェコンヌが変身したグリーンハートが突撃してくる、だが仮面ライダーは慌て

ず冷静になり一枚のカードを取り出した。そしてセイバーの柄を引っ張り、カード

の挿入口を出現させ差し込み柄を戻した。

 

 

『Summon Sword!!』

 

「フッ!」

 

 

上空からドラゴンの尾を模した武器、ドラゴニック・ランサーが手に渡る。そして

ランサーとセイバーを連結させ一つの巨大な槍となった!

 

 

「喰らえ!!レイニーラトナピュラ!!」

 

 

マジェコンヌの怒涛の槍の乱舞が放たれる!だが仮面ライダーはそれに果敢に立ち

向かった!!

 

 

「天火星秘技!流星閃光!!」

 

 

超高速の槍による一点集中攻撃、五星戦隊ダイレンジャーの一人リュウレンジャー

の技だ!!

 

 

ギャイン!!ギィン!!ギャン!!

 

 

槍同士の怒涛の高速突きがぶつかりあう!それは激しさをまし火花が飛散るほどで

あった。

 

 

「早い…互いの攻撃が見えない…!」

 

「技は互角…!」

 

「いえ!見てくださいな!!」

 

 

ベールの言葉にその場の全員が注目した、徐々に…徐々にだが仮面ライダーの攻撃

がマジェコンヌをおしている!?

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!!!」

 

「そんなバカな!?今私は女神の力を使っているのだぞ!?」

 

 

徐々におされ始めて焦るマジェコンヌ、それが祟ったのか手にする槍が弾かれ天高

く舞い上がった!!そして仮面ライダーの怒涛の攻撃が…

 

 

「ぐおあああああああああああああああああああっ!?!?!?」

 

 

マジェコンヌに喰らわされた!!その衝撃で女神化が解け地面に転げ落ちてしまう

マジェコンヌ、今よろめきながらも必死に立ち上がろうとしていた。

 

 

「ぐおお…ば、バカ…な、こんなことが…」

 

「女神の力を手に入れようがそれを使いこなさなければ意味はない、過ぎた力は自

らを滅ぼす。希望無き光は闇と変わらぬ…俺が尊敬する人が言っていた言葉だ」

 

 

連結したランサー、ツインエッジドラゴニック・ランサーを再び構える。一連の光

景を見たネプテューヌたちは信じられなかった、自分たちの、女神の力を使ってい

たマジェコンヌを仮面ライダーが圧倒したからだ。

 

 

「彼の強さは底なしだというの…!?」

 

「女神を圧倒するだなんて…!?」

 

 

すごいと思うとともに恐怖も感じる、もし彼がこの世界の敵だったとしたら自分た

ちはどうなっていたのだろうか?そう思うだけでも背筋がゾクッとするのを感じる

のであった。

 

 

「ぐう…くく…アーッハッハッハ!!」

 

 

するといきなり笑い出すマジェコンヌ、思わず身構えてしまう。

 

 

「私の相手をするのはいいが…後ろがお留守だったようだなぁ?」

 

「っ!?モンスターが!?」

 

 

思わず叫ぶネプテューヌ、その視線の先には次々にモンスターが進行している姿が

あった。その先は…プラネテューヌ教会とプラネタワー!?

 

 

「お前たちが守るべき人間を失った時どうなるかが楽しみだ、フハハハハ!!」

 

 

高らかに笑うマジェコンヌ、女神たちの顔は怒りに歪む…だが…

 

 

「…俺がそれを見逃すとでも?」

 

「ハハハ…は?」

 

 

仮面ライダーは一枚のカードを取り出し呟いた、そこに描かれていたのは龍…

 

 

「相棒、一緒に戦ってくれ!」

 

 

―――――ああ!!

 

 

『Summon Dragon!!』

 

 

音声とともに現れたのは…

 

 

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!」

 

 

かつてゲイムギョウ界を救った伝説の龍神――

 

 

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

 

 

 

「モンスターがこっちに向かってきてる!?」

 

「まずいよ!?」

 

 

モンスターが進行してきている場面を見て混乱する避難民、それをアイエフやコン

パ、教祖の面々が必死になって鎮めようとした。

 

 

「みんな落ち着いて!!」

 

「皆さん落ち着いてください!みなさ……っ!?」

 

 

イストワールが言いかけた時モンスターの一体が砲撃を仕掛けようとしていた、し

かも直撃コース…避難民たちは泣き叫びながら目を瞑った。だがその時…

 

 

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!」

 

「ピガッ!?ギギギギギィィィイイイイ!?!?!?!?」

 

 

何かの叫び声とモンスターの断末魔の声が聞こえてきた、恐る恐る眼を開ける…そ

こにいたものとは…

 

 

「ど、ドラゴン?」

 

「巨大な…ドラゴンだ…」

 

 

一体のドラゴンが背を向け立ちふさがっている姿が見えたのだ、まるで自分たちを

守ろうとしているかの様に…

 

ドラゴンは次々に襲い掛かるモンスターを自分の尾で薙ぎ払いブレスによる攻撃で

焼き尽くす!!

 

 

―――――ここから先は、一歩も通さん!!

 

 

 

「俺たちを守ってくれているのか?」

 

「そうだ!きっとそうだ!!」

 

 

避難民たちから沸き起こる歓声、希望がまた紡がれた瞬間でもあった――

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれは何だ!?何故モンスターが人間どもを守っているのだ!?」

 

 

叫ぶマジェコンヌ、そしてそれをまた唖然と見つめているネプテューヌたち。彼女

たちもまたマジェコンヌと同じ考えだったからだ…

 

 

「彼はモンスターを操る力を持っているの?」

 

「でもそれだったらこの場にいるモンスターたちも操れるはずよ…それに…」

 

 

ブランは一旦間を置き再び強い視線でドラゴンを見た。

 

 

「あのドラゴンからは何か神聖な力を感じるわ…」

 

「ええ…ただの一塊のモンスターとは違う…しいて言うなら…私たちと同じ様な」

 

 

ブランの言葉にノワールも続いた、そんな中そのドラゴンが進行してきた全てのモ

ンスターたちを蹴散らしこちらに戻ってきた!

 

 

「相棒、すごいな…あの数を一瞬で…」

 

 

 

―――――あの数くらいたやすい、これで残りはこの場にいる僅かなモンスターと彼女

だけの様だな

 

 

 

「ああ、それじゃあ早くアイツを倒してみんなを助けに行くか!」

 

 

ツインエッジドラゴニック・ランサーを構え身構える仮面ライダー、一方マジェコ

ンヌはわなわなと震えだし逆上した。

 

 

「貴様ら如きにぃいいいいいいいい!!!!私の計画の邪魔をさせられてたまるか

ああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」

 

 

再び襲い掛かってくるモンスター!数こそ少ないがそれでもまだ多い方だと思う、

だが仮面ライダーは不敵に笑う…何かあるとでもいうのか?

 

 

「相棒、あれをやるぞ!!」

 

 

 

―――――了解だ!

 

 

 

一旦武器を解除する仮面ライダー。するとドラゴンは光となって仮面ライダーの

中に入り込んでいく、再び身構える仮面ライダー…そして左腕を横に上げる、そ

の時何かの音声が鳴り響いた。

 

 

『Flame Dragon!!』

 

 

すると仮面ライダーの周囲にドラゴンが現れ周囲を旋回し始める、そして再びド

ラゴンは仮面ライダーの中に入り込んでいき炎に包まれた!

 

そこに立つは金と青みがかった銀主体の色から金、銀、赤が主体となった姿が、

炎の力を司る仮面ライダードラゴニックハートフレイムドラゴンである!

 

 

「行くぜ!!はあっ!!」

 

『Yes!Volcano!!understand?』

 

 

音声とともに仮面ライダーの胸部からドラゴンの顔であるドラゴン・スカルが展

開された、そしてその場一帯にいたモンスター全てを炎で焼き尽くしたのだ!

 

 

「グオアアアアアアアアアアアッ!?」

 

「ギャアアアアアアアアアアアッ!?」

 

 

モンスターは断末魔の声を上げ消え去って行く、これによりプラネテューヌにい

た全てのモンスターの駆逐が完了した。

 

 

「危ない!!」

 

「っ!?」

 

 

だが突然ネプテューヌが仮面ライダーに叫んだ、後ろを振り返ればそこにはホワ

イトハートの姿をしたマジェコンヌが斧を振り上げて攻撃してくるところだった

のだ。

 

 

「死ねえええええええええええええええっ!!!!!!」

 

「ちっ!」

 

 

間一髪避ける仮面ライダー、そして体制を立て直すと再び音声が鳴り響いた!

 

 

『Water Dragon!!』

 

 

姿が変わる、今度は透き通るような青、金、銀が主体となった姿。背中には水で

できたマント。『ウォーターウォールマント』が展開され手には自動的にドラゴ

ニック・ランサーが出現した、水と氷の力を自在に操る変幻自在の姿!仮面ライ

ダードラゴニックハートウォータードラゴンだ!

 

 

「ふっ!はっ!!」

 

「くっ!!がっ!?」

 

 

ランサーの連続攻撃に防戦一方となるマジェコンヌ、だが彼女とて負けてはいな

い…ランサーを受け止めるとそれを跳ね除けそのまま仮面ライダーに切りかかって

きた!!

 

 

「喰らえ!!テンツェリントロンべ!!」

 

「っ!?」

 

 

そのまま斧を振り下ろすマジェコンヌ、為す術がないように見えたが…

 

 

『Liquid!now…』

 

 

ザンッ!!バシャ…

 

 

「な!?何!?」

 

 

仮面ライダーはまるで水の様になり攻撃を受けても元の形に戻って行ったのだ!

マジェコンヌは何度も攻撃するがことごとく元に戻り同じことの繰り返しとなっ

ていったのだ。

 

 

「ハア…ハア…な、何なんだこれは!!」

 

「はあっ!!」

 

 

マジェコンヌが疲労し動きが止まっているその一瞬の隙を仮面ライダーは見逃さ

なかった。仮面ライダーは天高く飛びランスを構え、ウォーターウォールマント

を螺旋状にして回転させながら突っ込む!!

 

 

「激流斬!!」

 

「ぐうっ!?あああああああああああああああああああああっ!?!?」

 

 

斧で攻撃を受け止めるもそのまま吹き飛ばされその斧も粉々に砕け散った!地面

を転がり叩き付けられるマジェコンヌ、その顔は痛みと怒りで歪んでいた。

 

 

「調子に…のるなああああああああああああああああああああっ!!!!!」

 

 

マジェコンヌは今度はブラックシスターの姿へ変わりX・M・Bを出現させ無闇や

たらにぶっ放した!仮面ライダーがいたその場所は激しい攻撃により砂埃が立ち

込めわからなくなってしまった。

 

 

「っ!?そんな…」

 

「ハア…ハア…こ、これで…」

 

 

悲痛な声を上げる女神たちと勝利を確信したマジェコンヌ、だが…

 

 

『Hurricane Dragon!!』

 

 

ゴウッ!!

 

 

「うぐあああああああああああああっ!?」

 

 

砂埃から超高速で飛び立ちマジェコンヌを抱え天へと舞う仮面ライダーの姿が現

れたのだ!!緑と金、銀の色が主体の姿。風や雷を自在に操る天空の覇者!仮面

ライダードラゴニック・ハートハリケーンドラゴンがドラゴンの翼を生やして登

場した!!

 

 

「くそが!!離せ!!」

 

「お望みなら…な!!」

 

「なっ!?うおおおおおおおおおおお!?」

 

 

仮面ライダーはマジェコンヌを抱えたまま超高速で回転し始めた!!

 

 

「喰らえ!!竹トンボシュート!!」

 

「うおあああああああああああああああああああああっ!?!?」

 

 

高速で回転したのちマジェコンヌを地面に叩き付けた!スカイライダーの技であ

る竹トンボシュートが炸裂したのだ!

 

 

「っと!これもおまけだ!」

 

『Yes!Thunder!!understand?』

 

 

ドガガガガガガガガッ!!

 

 

「うわああああああああああああああああっ!?!?」

 

 

降り立った仮面ライダーが追い打ちと言わんばかりに雷撃を放つ!その雷撃はマ

ジェコンヌに直撃し彼女は地面に突っ伏していった。

 

 

「こんなに…一方的に…」

 

 

思わず声を出す女神たち、これでマジェコンヌは倒されたように思えたが…

 

 

「ぐうっ…ま、まだだ!!」

 

「っ!?あれだけの攻撃を受けてまだ立てるの!?」

 

 

驚愕する女神たち、マジェコンヌの執念はどれほどのものなのだろうか…

 

 

「貴様などに…負ける私ではないわああああああああああああああ!!!!!」

 

 

すると今度はパープルシスターの姿となりM・P・B・Lを振り上げて攻撃を仕掛け

てくる!!

 

 

「…」

 

『Land Dragon!!』

 

 

仮面ライダーは静かに姿を変えた、今度は黄色、金、銀主体の姿。大地を司る仮

面ライダードラゴニック・ハートランドドラゴンだ!仮面ライダーはどっしりと

構え深呼吸する。

 

 

「獅子拳・無明無心…」

 

「ミラージュダンス!!」

 

 

マジェコンヌの怒涛の連続攻撃、だがそれを仮面ライダーは紙一重で全てを躱し

続けていた。獅子拳・無明無心、心を無にすることにより全ての相手の動きを読

み躱す技。五星戦隊ダイレンジャーの一人、シシレンジャーの技である。

 

 

「くっ!?何故だ!!何故当たらん!!」

 

「濁った心を持つお前の動きなど全てお見通しだ、喰らえ!!」

 

『Yes!Gravity!!understand?』

 

「うごおおおおおおおおおおおっ!?!?!?」

 

 

するとマジェコンヌは地面にめり込みそのまま動かなくなってしまう、その隙に

仮面ライダーは女神たちの下へ駆け寄った。

 

 

「あ、貴方…」

 

「待ってろ、今助けてやる!」

 

 

仮面ライダーはまずネプテューヌの拘束具を外そうとした、だが…

 

 

「待って!外してはダメ!!」

 

「何?」

 

 

ネプテューヌはそれを制止した、理由がわからなく思わず戸惑う仮面ライダー…

何故外してはならない?その疑問はすぐにわかった。

 

 

「私の拘束具を外しても他のみんなにアンチエナジーが逆流してしまう!アンチ

エナジーは私たちにとって毒そのものなの…もしそうなったら…」

 

「ぐっ…くく…一人を除く女神は全員死ぬことになるだろうなぁ?」

 

 

後ろを振り向くと重力に押しつぶされながらも不敵な笑みでこちらを見て語りか

けるマジェコンヌの姿が、女神たちの拘束具を作った張本人が言っているのだ、

間違いなく事実だろう。

 

 

「一方は生きられても他方は生きられぬということだ!仮に助けようとしてもそ

の拘束具を一度に同じタイミングで同時に外さねばならん!!そんな神業などで

きはしないがな!!結局お前は全ての女神を助けることはできない!!残念だっ

たな!!アーッハッハッハ!!」

 

「………」

 

 

押し黙る仮面ライダー、だが…

 

 

 

ガシッ!!

 

 

 

再びネプテューヌの拘束具に手をかけた!

 

 

「っ!?き、貴様!?今の話を聞いてなかったのか!?」

 

「聞いてたさ、そのうえで外そうとしてるんだ。見てわからないのか?」

 

「何だと!?」

 

 

女神たちを救出しに来たんじゃなかったのか!?と言葉が続く、その間無言のま

まネプテューヌの拘束具を外そうとする仮面ライダー…ネプテューヌはそんな彼

を必死で止めようとした。

 

 

「止めて!!さっきの話を聞いてたでしょ!?私の拘束具を外したらみんなの命

はないの!!私だけ助かっても意味がないの!!お願い…止めて!!」

 

 

何度も泣き叫びながら訴えかけるネプテューヌ、他の女神たちの顔からも不安と

恐怖が浮かんでいた。だがそんな悲痛な声を聞いた仮面ライダーは…

 

 

「…何か勘違いしてるようだから言っておくぞ」

 

「え?」

 

「俺はたった一人だけを救うような真似はしない!俺はここにいいるみんな全員

を助ける!!もう失わない…誰一人欠けずに!!」

 

 

ネプテューヌたちと真正面から向き合い言い放った!そして勢いよく拘束具を引

きちぎる!!

 

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!!!!!!!

 

 

アンチエナジーの逆流が原因で大爆発を起こす、女神たちがいた場所は爆発によ

り砂埃が舞う…それを見たマジェコンヌはよろよろと立ち上がり狂気染みた表情

で笑った。

 

 

「くは…ハーッハッハッハ!!!!!やった、やってしまった!!救出に来たア

イツが自らの手で女神を殺した!!これでこの世界は私のものだ!!」

 

 

女神全滅…このままマジェコンヌの勝利に終わってしまうのか…

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

 

 

 

「そんな…!?」

 

「め、女神様たちが…」

 

 

避難民たちが映像を見て口々に声を上げる…自分たちの女神が死んでしまった、そ

う思うものは少なくない。

 

 

「何が仮面ライダーだよ!!あれだけの大口叩いておいて結局これかよ!!」

 

「ちくしょう…!!もうダメだ…!!」

 

 

再び恐怖と不安が彼らを襲う、アイエフたちはそれを必死になって治めようとした

がそれもほぼ無駄に終わってしまった…

 

 

「こんな…ことって…!!」

 

「ネプテューヌさん…みなさん!!」

 

 

アイエフたちも諦めかけてた、その時だった…

 

 

「っ!?みんな!!見てよ!!」

 

 

孤児院の子供の一人、ユウスケが映像を指差し言い放つ。全員が食い入るようにそ

の映像を見つめた、そこにあったのは…

 

 

「っ!?あ、あれは!?」

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

「フハハ!!フハハ!!アーッハッハッハ!!見たか!!私の勝ちだ!!」

 

 

完全に自分の勝利を確信し酔いしれるマジェコンヌ、だがそれも長くは続かなかっ

た…

 

 

「お前言ったよな?」

 

「っ!?な!?こ、この声は!?」

 

 

聞こえてきたのは彼の、仮面ライダーの声だ。その声を聞くとマジェコンヌは驚愕

と焦りの表情となり辺りを見渡す、だが誰もいない…

 

 

「一度に同時に、同じタイミングで外さないと助けられないと…」

 

「何処に…まさか奴は生きて!?」

 

「だったら…」

 

 

声が聞こえてきたのは大爆発が起こった場所、女神たちが磔にされて死んだと思わ

れる場所だった。砂埃が晴れる、するとそこには…

 

 

「「「「「「「「そのタイミングで助け出せばいいだけの話だ!」」」」」」」」

 

「な!?何だと!?その数は…!?」

 

 

驚愕のあまり思わず後ずさりするマジェコンヌ、そこには女神全員を抱きかかえ無

傷の仮面ライダーが佇んでいたからだ!!

 

 

「貴様!?一体何をした!?」

 

「ああ、これは『ミラージュイリュージョン』。質量をもった俺の分身を最大十人

まで生成可能な俺の魔法の一つさ、この魔法を使って俺は女神全員の救出に成功し

たというわけだ」

 

「だったらあの爆発は何だ!?確かにアンチエナジーが逆流した時に発生した爆発

のはずだ!!」

 

「あれか?あれは俺の炎の魔法で爆破させた時に出たものだよ。腐ってもアンチエ

ナジーが内包されているものなんだ、みんなが影響を受けないとも限らん。これ以

上疲労させられないからな…少しばかり爆発が強すぎたかもしれんが…とっさに防御

壁を張れてよかった」

 

 

まるで流れる水の如く言葉を返す仮面ライダー、その言葉を聞きマジェコンヌはわ

なわなと震えだし叫びだした。

 

 

「ありえないいいいいいいっ!?!?こんな、こんな奇跡が起こるはずなど!?」

 

「ありえないことするからヒーローなんだろ?」

 

 

きっぱりと言い切る仮面ライダー、抱きかかえられている女神たちはそれを唖然と

見つめるしかできなかった。すると仮面ライダーの分身体は女神たちを優しく降ろ

し消え去る、今残っているのはネプテューヌを抱きかかえている本物のみとなった。

 

 

「貴方は一体…何者なの?どうして私たちをここまでして助けてくれるの?」

 

 

ネプテューヌは問いかける、それに仮面ライダーは優しく答えた。

 

 

「大切な人たちだからさ、この場にいる全員が…かけがえのない人たちだから…」

 

「え…?」

 

「……遅れてごめんな、ネプテューヌ」

 

「っ!?」

 

 

その言葉を聞いた途端、ネプテューヌは涙目になり口を押える。そして震えながら

もう一度仮面ライダーに問いかけた…

 

 

「貴方は…貴方はまさか…!し…んむ!?」

 

 

するとネプテューヌの口が何かに塞がれた、仮面ライダーが人差し指を彼女の口に

押し当てたのだ。

 

 

「今はまだ…まずはみんなを早くここから連れ出すこと、そして…アイツを、マジェ

コンヌを倒すのが先だ!」

 

 

仮面ライダーは強く言い放つ、そしてネプテューヌの頭を優しく撫でた。

 

 

「だから…それまで待っててくれ」

 

「…ええ」

 

 

頬を赤く染めながらボソッと言葉を発するネプテューヌ、その時だ…

 

 

「~~~~~~~っ!!!!!!くそがあああああああああああああっ!!!!!

貴様のおかげで!!私の計画が台無しだああああああああっ!!!!」

 

 

怒り狂ったマジェコンヌが黒い光に包まれ変貌する、その姿は禍々しい巨大なドラ

ゴン…今彼女は吸収した力を全て解き放っていたのだ!

 

 

「イクラキサマデモメガミナナニンブンノチカラヲコエルコトハデキヌウウウウウ

ウウウウウウッ!!!!!キサマダケハ!!キサマダケハコロス!!コロシテヤル

ワアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!」

 

「ちっ…!やっかいな!」

 

 

身構える仮面ライダー、それに対し怒りの咆哮を向けるマジェコンヌ。彼女の威圧

感がビリビリと伝わってくるのがわかった、これが力に執着した者の末路か…

 

 

「このままじゃ本当にマズイわ!?」

 

「でも私たちには力が…!」

 

 

女神の力を奪われたノワールたちが呟く、こんな時に立ち向かう力もない…悔しさ

で心の中が一杯になった。絶体絶命、だがこんな状況でも…

 

 

「…心配するな、絶対…俺が守る!」

 

 

仮面ライダーは諦めない!セイバーを構え戦闘態勢をとる、マジェコンヌを見据え

その場から一歩も引かなかった!女神を守る、その思いが今の彼を突き動かしてい

る!そしてその行動が奇跡を呼んだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『『頑張れ!!仮面ライダー!!』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?この声は…」

 

 

仮面ライダーは振り返る、そこには…

 

 

『頼む!!俺たちの女神様を助けてくれ!!』

 

『あんな奴やっつけちゃえ!!』

 

『僕も応援するよ!!頑張れ!!仮面ライダー!!』

 

 

避難民が、子供たちが、5pb.が仮面ライダーに声援を送っている姿がホログラム映

像で映し出されていたのだ!

 

 

「こんなことされちゃ…頑張らないわけにはいかないな!!」

 

 

仮面ライダーは再びマジェコンヌと対峙した、この世界の国民の声援を一身に受け

最後の勝負に乗り出す!!

 

 

「早くみんなを休ませたいんだ、お前にかまけてる時間はない!十秒…十秒でお前

を倒す!!」

 

「ナンダト?フザケルナアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!」

 

 

マジェコンヌの巨大な腕が襲い掛かる!それを軽く躱す仮面ライダー、だが彼はど

うやってマジェコンヌをそんなに短い時間で倒すというのだ?これではただ挑発し

てるようにしか聞こえなかった。

 

 

「行くぜ…」

 

 

仮面ライダーが呟く、すると胸部のアーマーが割れて左右の肩に展開される。金

と青みがかった銀主体の色から銀、赤、黒が主体となった姿へと変わった。

 

 

「お前を完膚なきまで…叩き潰す!!」

 

『Dragonic Sonic…Start Up』

 

 

刹那――

 

 

『Ten』

 

 

「ギャオッ!?」

 

「え?」

 

 

仮面ライダーが視界から消えるのと同時にマジェコンヌの巨体が吹き飛ばされ仰

け反る、腹部を押さえ苦しむマジェコンヌ…一体何が起こったというのか!?

 

 

 

『Nine』

 

 

 

「ウゴアッ!?」

 

 

今度は背中を仰け反らせる!見て見るとそこには十字の傷が…仮面ライダーがマ

ジェコンヌの後方に回り込みセイバーで背中を十字に切りつけたのだ、そこに

追い打ちをかけるかのごとく連続で切る、突き刺すを繰り返す…

 

 

 

『Eight』

 

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!」

 

 

今度は拳を構えての連続パンチ、構えも何もあったものじゃないがその代りに

スピードが乗りダメージを蓄積させていく!顔面、胴体と…その攻撃は留まる

ことを知らない…

 

 

 

『Seven』

 

『Explosion!now…』

 

 

 

「ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?」

 

 

苦しみだすマジェコンヌ、身体のあちこちから炎が吹き上がり大規模な爆発が

巻き起こったのだ!身体中が焼け焦げ徐々にその身体が崩壊していく…

 

 

 

『Six』

 

『Summon Sword!!』

 

 

今度はランサーを呼び出し一撃、二撃と連続で突き刺す!そしてセイバーと連

結させ振り回しながら切りかかった!!

 

 

 

『Five』

 

 

「彼は一体何処に…これは一体どういうことなの!?」

 

「この速さ…すでに常識を超えていますわ…」

 

 

今起こっている現象を直視できない女神たち、女神の力を七人分解放している

マジェコンヌがここまで圧倒されるなんて…彼女たちには信じられなかった。

 

 

 

『Foer』

 

 

突如仮面ライダーが現れる、右手をだらんと下げるとスナップを利かせ振り上

げる。するとまた視界から一瞬で姿を消した!

 

 

 

『Three』

 

『Final Break!!』

 

 

 

仮面ライダーは一枚のカードを、龍の紋章が写し出されたカードをセイバーに

装填した。するとどうだろうか、マジェコンヌの周りに円錐状のエネルギー体

が四つ展開され彼女を拘束したのだ!

 

 

 

『Two』

 

 

 

「ヤ、ヤメ…!?」

 

「そんな義理はねえぞ?」

 

 

マジェコンヌの最後の懇願を無情にも破り捨てる仮面ライダー、そして…

 

 

 

『One』

 

 

 

「はあああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」

 

 

仮面ライダーは円錐状のエネルギー体に吸い込まれるように連続でマジェコン

ヌを蹴りぬいた!彼女の後ろに佇む仮面ライダー…彼は再びマジェコンヌに向

き直り呟いた。

 

 

「絶望が、お前のゴールだ…」

 

『Time Out Reformation』

 

「ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!?!?」

 

 

仮面ライダーの姿が元に戻ると同時にマジェコンヌは爆散した、その光景をた

だじっと見つめている仮面ライダー…今ここに、彼の勝利が確定したのだ!

 

 

『『『『『わああああああああああああああああああっ!!!!!』』』』』

 

 

鳴り響く歓声、ホログラム映像には国民たちが手を取り合い泣きながらも勝利

を喜び合う姿が映った。それを見た仮面ライダーは柔らかに笑いながら女神た

ちの下へ急ぐ、今女神たちは疲労困憊なのだ…

 

 

「怪我はないか?」

 

「ええ…大丈夫よ、ありが…くっ…」

 

「っ!」

 

 

思わず倒れこんでしまうネプテューヌ、それを仮面ライダーは優しく抱き止め

た。

 

 

「まずは教会に戻ろう、みんなの傷の手当てもしなきゃいけない」

 

「でもこれだけの人数をどうやって…」

 

「大丈夫、問題ないさ」

 

 

ネプテューヌの言葉に仮面ライダーは優しく答えた、そして右手を天に掲げ――

 

 

『Teleport!now…』

 

 

女神全員とともに消え去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     ◇

 

 

 

 

 

 

 

「おい!?女神様たちが消えたぞ!?」

 

「仮面ライダーも!?」

 

 

どよめきが走る。いきなり女神全員と仮面ライダーが消失したのだ、だがそん

な避難民たちを鎮めるために5pb.が動いた。

 

 

「みんな、大丈夫だよ!仮面ライダーを信じよう!」

 

「あ…そ、そうだよな!女神様を助けてくれたあの人が女神様に危害を加えるな

んてことないだろうし…」

 

「きっと何か考えがあるんだ!」

 

 

5pb.の言葉に落ち着きを取り戻す人々、そして再び沸き起こる歓声…今この時

は女神たちが助かったこと、そして世界滅亡の危機が去ったことを喜び合って

いた――

 

 

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

 

 

 

パァッ…

 

 

「う…こ、ここは…」

 

 

ネプテューヌは周りを見渡す、そこはプラネテューヌ教会の一室。いつも彼女た

ちが仕事で使う執務室だった…

 

 

「ネプテューヌさん!!ネプギアさん!!」

 

「ネプ子!!ネプギア!!」

 

「ねぷねぷ!!ギアちゃん!!」

 

「いーすん…あいちゃん…こんぱ…」

 

 

声がかかる、そこにはイストワールやアイエフ、コンパが…そして教祖のみんな

が駆け寄ってくる姿が見えたのだ。

 

 

「よかった…!よかったです…!!」

 

「ネプ子…よかった、本当に…!」

 

「ねぷねぷ…!!ギアちゃん…!!うああああああああああん!!!」

 

「みんな…心配かけてごめんね?」

 

「いーすんさん…アイエフさん…コンパさん…」

 

 

泣きながら抱き合うネプテューヌたち、それは他の国の教祖のみんなも同じ…

 

 

「まったく…心配かけ過ぎじゃないか?ノワール、ユニ」

 

「面目ないわ…ケイ、ごめんなさいね?」

 

「ごめんね…ケイ…」

 

「ブランさん!!ロム…ラム…!!」

 

「ミナ、心配かけたわね…」

 

「ミナ…ごめんね…」

 

「ごめんなさい…」

 

「おねえざまあああああ!!よがっだでずうううううう!!」

 

「チカ…心配おかけしましたわ…」

 

 

互いに抱き合い再開を喜び合う女神たち、その中でその光景を微笑ましく見てい

る人物が一人…

 

 

「…よかった、本当に…」

 

 

仮面ライダーだ、仮面ライダーは少し申し訳なさそうにイストワールに話しかけ

た。

 

 

「イストワールさん、各国の状況は…」

 

「グス…あ、はい…モンスターの討伐は無事に完了したとMAGES.さんたちから報

告を受けました、もう安心です」

 

「これで本当にもう安心だな、ふい…」

 

「…貴方は一体何者なの?」

 

 

するとノワールが不意に訪ねてきた、それは他の女神たちも同様だった。

 

 

「助けてくれたことには感謝するわ…でもその力、明らかに私たち女神の力と同

等かそれ以上のものよ…」

 

「その力を有する貴方は一体何を企んで…」

 

「ま、待って!みんな!!」

 

 

疑いの思いが飛び交う中、ネプテューヌがそれに待ったをかけた。彼女の行動に

ノワールたちは驚きを隠せないでいた。

 

 

「ネプテューヌ!?貴女なんで…」

 

「違うの!彼は…仮面ライダーの正体は…」

 

 

ネプテューヌは力なくふらつきながらも立ち上がり仮面ライダーに歩み寄った、

そして顔を上げ震える声で…

 

 

「真司…貴方…真司なんでしょ?」

 

「………え?」

 

「か、彼が…!?」

 

「真ちゃん…!?」

 

 

驚愕の表情を浮かべる女神たち、すると仮面ライダーはカードデッキに手をかけ

る。デッキをバックルから取り外すと鎧が光の粒子となって消えた、そこにいた

のは…紛れもない真司の姿だった。

 

 

「嘘…!?お兄ちゃん…!?」

 

「お兄ちゃんが…仮面ライダー…!?」

 

「みんな…!」

 

 

真司はそのまま女神たちに駆け寄り抱きしめた、頬を赤らめて恥ずかしがるもの

もいたがそれも長くは続かなかった。真司が泣いていたからだ…

 

 

「ごめんな…ごめんなぁ…!!あの時助けられなくて…!!」

 

「真司…」

 

「みんなが無事で本当によかった…!!みんなを助けられて…本当…に…」

 

「っ!?真司!?」

 

 

最後に言った言葉を最後に真司は突然倒れてしまう、抱き止めるネプテューヌた

ち。不安な気持ちでアイエフたちも駆け寄った、真司は揺り動かしてもピクリと

もしなかった…

 

 

「真司!真司!!そんな…嫌よ!!こんな…また…」

 

 

 

―――――心配には及ばない、プラネテューヌの女神よ。真司は体力の消耗と魔力の

大量消費で眠りについているだけだ

 

 

 

「っ!?だ、誰!?」

 

 

ネプテューヌはいきなり声が掛ったので驚き周りを見渡した、だがそこには女神

たちや教祖たち以外誰もいない…

 

 

「何なのよ!?今の声は!?」

 

「私にも聞こえたわ…幻聴ではないみたいね…」

 

「一体誰ですの!?姿を現しなさい!!」

 

 

 

―――――それは困ったな、今の私は精神体…おや?

 

 

 

声が途絶える、するとネプテューヌたちの眼の前が光り輝いた。柔らかく神聖な

光…その光が晴れていく、するとそこから小さなドラゴンが姿を現した。

 

 

『ふむ…これは』

 

「ど、ドラゴン?」

 

「何だか可愛いです…」

 

『どうやら真司が私と共に戦うことを強く願った影響でこのような姿がとれる様

になったようだ、私としては都合がいいがな』

 

 

ドラゴンは一人納得する、そして女神たちに向き直り挨拶を交わした。

 

 

『女神の諸君、そしてこの世界に生きる人たちよ。お初にお目にかかる、私の名

はドラゴニック・ハート。君たちが俗に言う龍神と呼ばれるものだ』

 

「っ!?貴方が…」

 

「いーすん?彼?のことを知ってるの?」

 

「…話せば長くなりますが」

 

 

イストワールは聖龍神ドラゴニック・ハートの存在をネプテューヌたちに告げた

、その存在に驚きを隠せない…自分たちが生まれる遥か昔にそのような存在がい

たという事実に…

 

 

「あの時の籠手が彼のご神体だったなんて…」

 

「真司が魔法を使えたこととマジェコンヌと互角に戦たのもこれで納得がいった

わ」

 

「それに驚異的な回復力も…」

 

「それも全てドラゴニック・ハートさんが関わっていたからですのね」

 

 

ネプテューヌたちは戸惑いながらも納得した、そして同時に感謝する…彼の存在

が、そして真司がいなかったら今自分たちはこの世にいなかったのだから。

 

 

「貴方と真司には感謝してもしきれないわね…」

 

「あ…」

 

「…いーすん?」

 

 

そんな中イストワールが、いや…イストワールだけではない、アイエフやコンパ

、それに教祖の面々の表情に影が差して見えた。どうしたのだろう?ネプテュー

ヌたちは疑問に思った、その思いの中…イストワールが口を開き話し始めた。

 

 

「確かにドラゴニック・ハートさんと真司さんのおかげでネプテューヌさんたち

を無事に救出することができました、ですが…その代償に真司さんは人間として

生きることができなくなってしまったのです」

 

「…え?」

 

「彼は龍神様の力を継承するの同時に人ならざるものへ、君たち女神と同じ存在

となってしまったんだ。彼はここから一生老いもせず永遠の命を生きなければな

らなくなる…それは楽しいことばかりではない、君たちが身をもってわかってい

るはずだ」

 

「「「「「「「「―――――――――っ!?!?!?」」」」」」」」

 

 

永遠を生きるという単語を耳にしたネプテューヌたち、彼女たちもその途方もな

い道のりを歩んできたのだ…苦しみや悲しみは痛いほどわかる、その思いを真司

が味わい続けなければならない事実を知り思わず目を見開いてしまった。

 

 

「何で…何でそんなことを…!?」

 

『簡単な話だ』

 

「え?」

 

 

ドラゴニック・ハートの言葉にネプテューヌたちは顔を上げる、簡単な話?それ

はどういうことなのか?次のドラゴニック・ハートの言葉でそれは明らかとなっ

た。

 

 

『君たちが真司を心から慕い、思っている様に真司もまた君たちのことを心から

思っているからだ。私の力を授かるとき彼は何と言ったと思う?君たちのことが

大好きだと…自分を分け隔てなく接してくれた君たちを守りたいと、そう言って

いた』

 

「っ!」

 

『これは私の頼みなのだが…どうか真司を支えてやってほしい、これから先彼は

否が応でも悲しみと苦しみと言う現実に何度も直面することになる。そんな彼の

心を癒せる者になってもらいたい…互いに支え、支えられるそんな関係になって

もらいたいのだ…』

 

 

真司がネプテューヌたちを支えるようにネプテューヌたちにも真司を支えられる

存在になってほしい、それは彼の、ドラゴニック・ハートの切実な願いでもあっ

た。だが…

 

 

「でも私たちは…」

 

「もう女神では…」

 

 

ネプテューヌを除く女神たちが俯き暗い表情となる、女神の力を失ってしまった

彼女たちは今や人間と同じ…真司と同じ時を過ごすことは叶わないのだ。

 

 

『それは心配には及ばない』

 

 

女神たちの言葉を聞いたドラゴニック・ハート、すると彼の身体が光だしその光

が七つに別れそれぞれの女神たちの中に入り込んだ。

 

 

「っ!?こ、これは…!?」

 

「力が…戻っていますわ!?」

 

 

光の正体、それは彼女たちの女神の力そのものだった。力が戻り驚愕と喜びの表

情になる女神たち、それを見たドラゴニック・ハートは柔らかに笑った。

 

 

「貴方がこの力を…?」

 

『いや、違う。この力を取り戻したのは真司だ』

 

「真司が…?」

 

『真司がマジェコンヌに止めを刺したとき彼女の中に入り込んだ、その時君たち

の女神の力を奪い返したんだ。まさに神業だったと思うぞ?あの攻撃の中一瞬で

力の集まる場所を見抜いたのだから』

 

 

震える女神たち、そして再び真司を全員で抱きしめた。強く…感謝の意味も込め

て。

 

 

「本当に…!貴方は無茶ばっかりするんだから!」

 

「でも…ありがとう…」

 

「もう…貴方を離しませんわ…!」

 

 

泣きながらも感謝の言葉を口にするノワール、ブラン、ベール。心からの思いを

真司にぶつける、それはネプテューヌも同じだった。

 

 

「真司…!ありがとう…!もうこの手をずっと離さない!!…大好きよ…」

 

 

ネプテューヌは再び力強く真司を抱きしめた、それは他の女神も同じこと…抱き

しめる力をより一層強くする。もう離さないと誓うように…

 

 

「みなさん…」

 

「やれやれと言ったところかな?」

 

「そうですね、本当に…」

 

「まったく、今回だけよ?」

 

「ネプ子…」

 

「ねぷねぷ…みんな…」

 

 

眼の前の女神たちの表情はとても優しい表情だった、そんな中真司は安心しきっ

た表情で寝息を立てていた…

 

 

 




次回、女神からの告白!

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