ゲイムギョウ界に来てしまった!?〔改稿中〕   作:ULTRA-7

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お待たせしました!四十五話目!!真司完全覚醒、そして歴代戦士の登場!伝説はいいなぁ…

次回の更新はもっと早くしたいですけど…頑張ります。


挿入歌『Just the Beginning』


第四十五話 飛び込んでく嵐の中、何も迷わずに…(改稿中)

「デッキ…ケース?」

 

 

これまんま龍騎のアドベントデッキじゃん!?…やばい、内心ワクワクしてきたかも。

 

 

―――――そのケースを構えるんだ

 

 

「お、おう」

 

 

俺はケースを前方に構える、すると…俺の腰にオルタナティブ・ゼロと同じ様なバック

ルが出現した!おお、かっこいい!!

 

 

―――――イメージするんだ…君の思いを…力の体現を…自分の確固たる信念を

 

 

俺はイメージする…力の体現、俺が思うもの…う~ん…やっぱり仮面ライダーがしっく

りくるな、よし!

 

 

―――――そしてそのケースをバックルに装着してくれ

 

 

「っしゃあ!!変身!!」

 

 

俺は掛け声とともにデッキケースをバックルに装着した、するとどうだろうか?俺の

身体は鎧に包まれる、本当に仮面ライダーみたいだ!!

 

 

―――――成功、だな

 

 

「これが…俺?」

 

 

龍神は俺の変身した姿を見せてくれた、フェイスマスクは仮面ライダー斬月が進化し

たものみたい!かっこええ…、そう言えば俺鎧武が放送してから間もない頃にこの世

界に来たからなぁ…続きが気になるな。身体の鎧の方は…仮面ライダーナイトとウィ

ザードのドラゴンスタイルを掛け合わせたような感じだ、金と若干青みがかかった銀

色が主体で俺好みだぁ…

 

 

―――――本来ならこれを籠手の状態でする予定だったのだがな、君の中に入ったらその

形状に変化したんだ

 

 

「俺ってば特撮好きだからなあ…」

 

 

たぶんそのせいだと思う、でも後悔はしない!(キリッ!

 

 

 

―――――さて、無事に変身もできたところで本題に入ろうと思う。まずはカードデッキ

の説明から入りたい、右手でバックルをかざして見てくれないか?

 

 

「こうか?」

 

 

俺が右手をかざすとデッキからカードが一枚自動的に飛び出てきた、絵柄は…仮面ラ

イダーナイトのウィングランサーに酷似した武器の絵柄だった。

 

 

 

―――――このカードは私のが使っていた武器を使うためや私自身を出現させ君を支援す

るために必要なものだ、カードデッキの形態になってからいろいろと模索していたのだが

その形が一番使いやすいものだと思う

 

 

「貴方自身を出現させるというのは?」

 

 

 

―――――言葉通りの意味だ、そのカードと召喚器を介して私は一定時間だが君と共に戦

うことができる。君だけを戦わせたくはないからな

 

 

 

「…ありがとう」

 

 

 

龍神様の言葉を聞いて胸が熱くなる、共に戦うと言ってくれるだけで今の俺には最高

の心の支えだ。

 

 

「でもこのカード…どうやって使うんだ?」

 

 

龍騎やブレイドだったらカードを使うための武器や道具があったけど…そう言えば俺

の左腰に剣が一本あるけど…これが何か関係が?

 

 

 

―――――察しがいいな真司、君の左腰に剣が一本備えているだろう?それは『召喚聖剣

ドラゴニック・セイバー』、剣の柄を引っ張って見てくれ。

 

 

「おう!」

 

 

言われるがままに剣を抜き、その柄を引っ張ってみる。すると丁度カードが一枚入る

くらいの装填口が現れた、おお…

 

 

 

―――――そこにカードを入れて柄を戻してくれ、そうすればそのカードの武器や力を使

うことができる

 

 

 

「こうか!」

 

 

俺はカードをセットする、すると…

 

 

『Summon Sword!!』

 

 

音声が鳴り響き上空から一本のランスが降ってきた、俺はそれを受け止め構える。こ

うしてみると本当にウィングランサーみたいだ…

 

 

 

―――――ランサーはセイバーとの連結が可能だ、これにより攻撃の幅も広がる…そして

カードは他にも攻撃を防御するためのものなどもあるがそれはまた後々教えることにしよ

う、次は魔法についてだ

 

 

 

「魔法?俺が使ってた炎のたてがみのようなものか?」

 

 

 

―――――ああ、真司が使った魔法…それは私の五つの力の内の一つである炎の力を使っ

たものだ。力の属性は光、炎、水、風、大地に区分される。今真司が変身しているこの状

態は光、私の基本形態でもある。

 

 

光もすごいと思ったのにそこにさらにその四属性…まるっきりウィザードみたいじゃ

ないか!…魔法を使う時あのドライバーの音声が鳴るのかな?

 

 

 

―――――それは自由に設定できるぞ?君のイメージが一番強く表れるものを選んでくれ

るのなら尚よしだ

 

 

 

「マジで!?」

 

 

これはテンション上がってきた!!…いかんいかん、俺は今からネプテューヌたちを

助けに行かないといけないのに…シャンとしなければ!

 

 

 

―――――その属性以外にも様々な魔法がある、だがそれは真司のイメージに左右される

ものが多い。つまり真司自身が自分で作ることも可能だ

 

 

 

「俺自身の手で…魔法を?」

 

 

 

―――――ああ、それは今からの実戦練習で学ぶのがいいと思う

 

 

 

「…実戦練習?」

 

 

今すぐにネプテューヌを助けに行きたいのに!?焦る俺、だがそんな俺を龍神様は優

しく声をかけてきた。

 

 

 

―――――真司、焦る気持ちもわかる。だが君はまだ戦いの経験が浅い、今女神たちを助

けに行ったところで返り討ちにあうのがオチだ

 

 

 

「そりゃあ…そうだけど…」

 

 

 

―――――まずは自分の力をしっかりと把握すること、そして戦い方を身につけることが

必要だ。女神たちを早く救出するためにも…

 

 

 

龍神様の言う通りだ、俺は力を手に入れたとはいえまだ扱いどころか把握すらできて

いない…そんな状態で戦いに挑んでは自殺行為もいいとこだ、おかげで目が覚めた。

まずは俺自身を強くしないと!

 

 

「やるよ…!みんなを助けるためだったら何だってやってやる!」

 

 

 

―――――その意気だ、さあ…早速だが始めよう

 

 

 

「でも具体的にはどんなことをすればいいんだ?戦う相手がいるとは思えないんだけ

ど…」

 

 

 

―――――それは心配ない、君がこれから戦う相手は私がこの仮想空間に出現させる…そ

してそのものは君自身が思い描くイメージからランダムで出てくる、それが誰かは私にも

わからない

 

 

 

俺のイメージ…俺の思い描くものの中からランダム?…何だろう、ものすごく冷や汗が出

てきたのですが…

 

 

 

―――――この世界に現れる相手は確かに本物ではないが限りなく本物に近い、心してかかる

ことだ。じゃあ…行くぞ!!

 

 

 

その声を皮切りに周りが暗転する、すると空間の奥から何か音が聞こえてきた…

 

 

カッ…カッ…カッ…

 

 

その音は段々近くなる、そして人影が見えた。だが俺はその人影を見ると驚愕の表情を浮

かべてしまった、何故かって?それは…

 

 

「お前が…俺の相手か?」

 

「何…で…お前がここにいるんだ…大道克己!?」

 

 

そう、仮面ライダーWに出てきた死人の傭兵部隊NEVERの隊長であり仮面ライダーエター

ナル…大道克己が現れたからだ、まさか…俺の最初の相手って!?

 

 

「変身…」

 

『Eternal!』

 

「初っ端からエターナル!?」

 

「俺のことを知ってるのなら話は早い、さあ…地獄を楽しみな!」

 

 

そう言ってエターナルは親指を下に立てたポーズを俺に向けてきた、…どんな無理ゲー

だよ!?何で最初からクライマックスでラスボス級の相手が出てきてんだよ俺マジ泣き

まくるよ!?…俺何言ってるのかわかんねよ!?

 

 

「どうした?お前も仮面ライダーなんだろ?かかって来い」

 

 

 

―――――真司、覚悟を決めろ。ここで怖気づいてしまっては女神を助けることなど夢のま

た夢だ

 

 

 

エターナルはエターナルエッジを構え戦闘態勢を取る、…いいさ!やってやる…みんな

を助けるためだったら俺はどんなことでもやるって決めたんだ!!俺はドラゴニック・

セイバーを構えた。

 

 

「やってやる…勝負だ!!エターナル!!」

 

 

俺は果敢にもエターナル目掛けて走り出して行った…

 

 

 

 

 

 

 

 

                      ◇

 

 

 

 

 

 

「コンパ!真司はそっちにいた?」

 

「いないです…部屋も見て見ましたがもぬけの殻でした…」

 

「そう…」

 

 

イストワールの話を聞いた後、アイエフたちは手分けして真司を探していた。真司が

心配だったというのもあるが真司に伝えなければならないことがあったからだ、真司

の中に宿る龍神について…

 

でもあまり気が乗らない、何故ならそれは自分たちの我儘で真司の生の概念を捻じ曲

げてしまうことになるから…真司の生きる自由を奪ってしまうことになるからだ。

 

 

「…情けないわね、あの時ネプ子たちを助けるって誓ったはずなのに…結局私は真司

を頼りにしようとしてる」

 

「あいちゃん…」

 

 

アイエフは拳を握りしめる、不甲斐ない自分が悔しい…でもネプテューヌたちを助け

たい…その思いが彼女の中を葛藤した。

 

 

「ハア…ハア…アイエフさん!コンパさん!」

 

「5pb.ちゃん?」

 

 

二人の下に5pb.が息を切らしながら走り寄ってきた、その場に立ち止り呼吸を整える

とゆっくりと話し始める。

 

 

「し、真司くんは…?」

 

「真司さんは…今…」

 

「何か…あったんですか?」

 

「…まあ、ね」

 

 

コンパとアイエフの声は沈んでいる、5pb.は声をかけようとしたが二人の気持ちを

察したのかあえて言葉をかけなかった。

 

 

「…それより何で5pb.ちゃんはここに?」

 

「え…あ、ぼ、僕も何かできることがないかなって…僕だって女神様たちの力になり

たいもの。見ているだけなんて嫌だ、真司くんが僕を助けてくれたみたいに僕も自分

にできることをしたいから…」

 

「ありがとうね…」

 

 

5pb.の言葉が胸に沁みる、その言葉にアイエフたちは少しだけ元気を取り戻した。

 

 

「5pb.ちゃん、今真司を探してるの。真司に伝えなきゃいけないことがある…ネプ

子たちを…女神様たちを助けるために重要なことなの」

 

「真司さんを探すのを手伝ってほしいんです、お願いできますか?」

 

「もちろんだよ!」

 

 

5pb.は力強く答える、そして三人は頷き合うとそれぞれ別の方向へ走り出した。真

司を見つけるため…自分たちが知った真実を伝えるために。

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

「うああああああああああああああああっ!?」

 

 

仮想空間内、俺は蹴り飛ばされそのまま地面を転がって行った…

 

あの後俺はどうにかしてエターナルを退けれたのだ、龍神様の助言や魔法がなかった

ら間違いなく俺は…

 

今はそれはいい、とりあえず俺はどう魔法を使えばいいか理解できた。そして魔法を

使うにあたってわかったことがある…

 

魔法を使う時は俺の姿が変わる、要はフォームチェンジをするのだ。そしてその姿の

最大火力の技を使う時に龍の身体の一部が現れることも、簡単に言えばウィザードの

ドラゴンスタイルの時と同じだ。

 

 

「ぐっ…くっそ…」

 

 

特性を理解した俺はこれまでエターナルの他にジャークムーン、ショッカーライダー

の六人、宇宙剣豪ザムジャー、ダークカブトたちと戦い勝利した。だがすぐに勝てた

わけではない、何度も何度も俺は負けた…その度に対策を立てもう一度挑むの繰り返

しをしていた、そして今戦っている相手…

 

 

「どうした!真司!!お前の覚悟はその程度のものなのか!!」

 

「ぐっ…くっ…!!」

 

 

眼の前で俺に啖呵する人物、この人の拳の重みは本当にすごい…一撃一撃に全ての力

と思いを籠めているのがものすごく伝わってくる。でも当然か、なにせその相手は…

 

 

「その程度では女神は愚か人一人助けることも叶わんぞ!!」

 

「まだ…まだぁ!!行くぞ!!レオ!!」

 

 

どれだけ苦しい思いをしても決して逃げずに、たった一人でも地球を守った栄光のウ

ルトラ兄弟の一人ウルトラマンレオなのだから!

 

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

「イヤアあああああああああああああああああああああ!!」

 

 

レオのキックと俺のキックがぶつかり合う、その衝撃で空間が揺れてその余波が周り

に拡散した――

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

「どうだった!?」

 

「どこにもいなかったです…」

 

「僕の方も…」

 

 

アイエフたちは一旦合流して真司を発見できたかを話し合った、だが収穫はなし…

真司は何処へ行ってしまったのだろう?その思いが三人に不安を掻きたてた。

 

 

「アイエフ!」

 

「MAGES.!みんなも…真司は見つかった?」

 

「何処にもいなかった、念のために外の方もできる限り捜したのだが…」

 

「何処を探しても真司らしき人はいなかった…」

 

「そう…」

 

 

これだけの人数で探しても見つからない、真司のショックはこれ程までに大きかっ

たのかと改めて実感するアイエフ。それは他のみんなも同じだった、それに加えて

イストワールに聞いたあのこと…今の真司に本当に伝えるべきなのかと再び悩んで

しまう。

 

 

「あの…みんな…」

 

 

そんな時5pb.がみんなに話しかけてきた、みんなはゆっくりと5pb.の顔を見上げ

る。

 

 

「僕はみんなが真司くんとの間にどんなことがあったのかわからない、でも…真

司くんが今辛い思いをしてるなら…真司くんがこれから辛い目に合うんだとした

ら…今度は僕たちが真司くんを支えられるようになればいいんじゃないかな?」

 

「5pb.ちゃん…」

 

「僕は真司くんにいっぱい助けてもらった、僕が本当に苦しい時に当たり前の様

に手を差し伸べてくれたの。あの時は本当に会ったばかりで僕は真司くんに怯え

て隠れてたっていうのに…」

 

 

リーンボックスで出会ったあの日のことを思い出す5pb.、ライブを妨害された時

…誘拐された時…自分が苦しい時真司は救いの手を差し伸べてくれたことを。

 

 

「でも助けられてばかりは嫌、今度は僕が真司くんを支えたい。真司くんが苦し

くて悲しくてどうしようもない時は真司くんの手を握ってあげたい…その手を掴

んであげたいの」

 

「真司の手を…」

 

 

困った人に手を差し伸べる、簡単な様で簡単ではない。でも本当に辛い時、悲し

い時されると心が軽くなる…一人じゃないと実感できる…

 

 

「…もう一度真司を探しましょう、そして…ちゃんと真司に伝えましょう。イス

トワール様が仰っていたあの話を」

 

「あいちゃん…」

 

「でも無理強いはしない、今度は私たちが頑張る番だもの。真司が私たちに力を

貸してくれたように、手を差し伸べてくれたように…今度は私たちが真司にこの

手を差し伸べる!」

 

「っ!!はい!!」

 

「そうだな…なぁに…アイツを倒す算段ならいくらでも立てることもできるだろ

う」

 

「命懸け…だね!」

 

「私も負けてられないね、こんな時のために私の八葉一刀流があるんだから!」

 

「ボクもだよ!」

 

「私も頑張るよ~!」

 

「無論私もだにゅ」

 

 

決意を新たにしたみんな、だがみんなは真司が今何処でどうなってしまったのか

何も知らない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                    

                   ◇

 

 

 

 

 

 

「ハア…ハア…こ、これで…」

 

 

 

―――――ああ、課題はクリアしたな

 

 

 

「お、終わった…」

 

 

一体俺はどれだけ戦い続けてきたのだろう?途方もない時間が過ぎて行ったのは

わかった、ブレドラン三体からはもう数えてないや…

 

 

「でもまさかほぼ全ての仮面ライダーにスーパー戦隊、ウルトラマンたちとかそ

の他もろもろの特撮ヒーローやその敵と戦うなんて思ってもみなかったぞ…」

 

 

感動したと同時に涙目にもなった、相手は戦い慣れてるのだがいかんせん俺は戦

いに関しては素人同然。もしあのままマジェコンヌに戦いを挑んだらと思うと…

身震いしてくる。

 

 

 

―――――だがそのおかげで真司は約二年分の修業をすることができた、しかもその

修行相手は女神以上の力の持ち主…今の君なら彼女たちに引けを取らない戦いができ

ると思う

 

 

 

「そうか………って二年!?俺二年もここにいたの!?」

 

 

 

―――――二年ではない、約二年だ

 

 

 

「んな細かいこといいんだよ!?ど、どうしよう!?みんなを助けに行くのに二

年も遅刻した!?こんなのシャレにならねえよ!?」

 

 

うああああああああ!?もっと時間のこと気にするべきだった!!あの時の自分

を恨みたい!!みんなあああああああああああああ!?

 

 

 

―――――焦るな、外に出ればわかる

 

 

 

「どうしよう!?どうしよう!?…って…へ?」

 

 

 

―――――さあ、ここから出よう…と言いたいところだが。どうやら君に彼らから話

があるようだ

 

 

 

龍神様からの言葉に混乱する俺、それに彼らから話?彼らって一体…

 

 

 

 

 

 

 

―――――こうやって話すのは初めてだね

 

 

 

 

 

 

「え…は、ハヤタさん!?」

 

 

 

 

 

 

―――――この途方もない時間の修業によく耐えた!

 

 

 

 

 

 

「ほ、本郷さん!?」

 

 

 

 

 

 

―――――君には素晴らしいの一言に尽きるよ

 

 

 

 

 

 

「か!?海城さん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の眼の前にはまさに伝説と呼ぶにふさわしい人物がいた、ウルトラマンである

ハヤタ・シン、仮面ライダー一号の本郷猛、アカレンジャーの海城剛だ。

 

思わず息を飲む、何でここにこの人たちがいるんだ!?確かに一度戦ったけど…

それにこの人たちは俺のイメージの中の人たちを実体化させただけのはず…

 

 

 

―――――確かに君のイメージが実体化した者たちだ、だが彼らとて自我はある。今

彼らは君に伝えたいことがあるようだ

 

 

 

俺に?一体何を…

 

 

「まあ君が無事に修行を終えた門出を祝う、卒業式の様なものと思ってくれて構

わないよ」

 

「は、はあ…」

 

「加賀美真司くん、君は我々に真の勇気と覚悟、そして思いをぶつけてきてくれ

た。それは必ずや君自身の力となる、そしてそれは決して君を裏切らない」

 

「ハヤタさん…」

 

 

まさか憧れのウルトラマンにここまでのことを言われるなんて…俺は眼がしらが

熱くなるのを感じた。

 

 

「だが覚えていて欲しい、君も…そして女神たちも…決して万能ではない、どん

なに頑張っても救えない命もあれば届かない想いもあるということを」

 

「…はい!」

 

「それでも立ち向かう勇気を忘れてはいけない、君の熱いその想いで君を信頼す

るものたちの希望となるんだ!」

 

「そして君は決して一人ではない!君の背中には信頼できる、信頼し合える仲間

がいることも忘れてはいけないよ?」

 

 

本郷さん、海城さんにも激励の言葉を貰う。この人たちの言葉の重みは半端ない

な…さすが地球を守り抜いた歴戦の勇士だと思う。

 

 

「さあ、行くんだ!君が守るべき者たちの場所へ!」

 

「頑張れよ!後輩!!」

 

「そして勝ち取れ!救い出せ!君が信頼するものを…愛すべき者たちを!!」

 

 

その言葉を最後に三人の姿は消えた、その場所を俺はただジッと見つめる…あの

人たちの言葉を胸に刻みつけるように。

 

 

 

―――――真司、行こう。女神たちが待っている

 

 

 

「ああ、行こう…相棒!」

 

 

 

―――――…相棒?

 

 

 

龍神様は俺の言葉を聞いてキョトンとした感じだ、俺はニカリと笑いながら話し

出す。

 

 

「だってさ、これから一緒にいるわけだし。龍神様っていうのはすごい堅苦しい

しさ、何かこの方がしっくりきて…嫌か?」

 

 

 

 

―――――いや、悪くない。私の方こそ改めてよろしく頼む、真司!

 

 

 

「おう!」

 

 

 

 

―――――行くぞ!

 

 

 

 

俺と相棒はまた光に包まれる、今度こそみんなを救う…救ってみせる!!

 

…でも俺ここ二年ほどいたんだよな?相棒は心配ないって言ってたけど…外に出

ればわかるって。どういうことなんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「や、やっぱり何処にもいない…」

 

「真司…何処に行ったの…?」

 

 

アイエフたちはずっと真司を捜し続けていた、だが何処にも真司の姿は見られな

かったのだ。

 

 

「アイエフさん!コンパさん!」

 

「イストワール様!!教祖の皆さんも…」

 

 

アイエフたちが息を切らし膝をついているところへイストワールと教祖のみんな

が駆けつけてきた、彼女たちも真司を探すのに協力してくれたのだが…

 

 

「真司は見つかりましたか…?」

 

「いえ…何処にも…」

 

「僕の方もさっぱりだったよ…」

 

「私の方もです…」

 

「ああもう!!アイツは一体何処でほっつき歩いているのよ!!」

 

 

やはり真司の姿は見受けられなかった、チカに関しては地団太を踏んで苛立って

いる。だがそれでも探してくれたのは彼女の優しさ故か…

 

 

「こうなったら私たちだけでもネプ子たちを助ける算段を立てないと…」

 

「そうですね…むしろ真司さんに重荷を背負わせなくてよかったかもしれません」

 

「アイエフ…イストワール…」

 

「このゲイムギョウ界は私たちの手で守らないといけないんです、真司さんにこ

の世界の命運を背負わせるなんて…」

 

 

イストワールがそう言いかけた時だ…

 

 

 

 

―――――のわあああああああああああああああああああああああ!?

 

 

 

 

ドスゥゥゥゥゥゥゥウン!!!!!!!!

 

 

 

 

「っ!?な、何!?」

 

 

地鳴りしそうな音が響き渡る、そしてこの聞き覚えのある声…

 

 

「真司さんの部屋から聞こえたです!?」

 

「それにこの声…まさか!?」

 

 

アイエフたちは真司の部屋へ急いだ――

 

 

 

 

 

 

 

 

                       ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

「いってぇ~…あれ?ここ俺の部屋?それに…」

 

 

外を見る、そこには未だにマジェコンヌに捕まっているネプテューヌたちの姿が

ホログラムで映っていた。でも重要なのはそこじゃない…

 

 

「時間があんまり経ってない?」

 

 

相棒は二年近くあの場所にいたと言っていたのに…

 

 

 

―――――確かにあの場所では約二年の時間が経過していた、だが外の世界ではせい

ぜい一時間程しか経っていない

 

 

 

「…は!?」

 

 

そういうことは早く言ってくれよ相棒!?…ああ、何かとてつもなく疲労感が。

そして…

 

 

グルルルルルル…

 

 

「腹…減った…」

 

 

 

―――――君の精神と体力が消耗したためだろう、まずはとにかく食べ物を腹に入れ

なければ…

 

 

 

相棒がそう言いかけた時だ…

 

 

 

バンッ!!!!!!!

 

 

 

「ハア…ハア…」

 

「あ、アイ…エフ…?それに…みんなも?」

 

 

俺の部屋に息を切らせて入ってきたアイエフ、そしてずかずかと俺の方へ向かっ

て行き俺の胸ぐらを掴み揺らした。

 

 

「真司…っ!!バカ!!バカ!!今まで何処に行ってたのよ!!無茶苦茶心配し

たんだからね!!」

 

「お、おおお…ご、ごめん…」

 

「でも…私もごめんね…真司にあんなこと言って…私だって…」

 

「あいちゃん、あいちゃん」

 

 

アイエフが真司に必死になって訴えかけている時コンパが声をかける、アイエフ

は涙目になりながら振り向いた。

 

 

「コンパ?」

 

「真司さん…ぐったりしてるです…」

 

「え?………うあああああ!?真司!?ごめんなさい!?大丈夫!?」

 

「あ、ああ…は…こ、コンパぁ…」

 

 

俺はぐったりとしながらもコンパの肩を掴み懇願した…

 

 

「腹減った…何か食わせて…」

 

「………へ?」

 

 

キョトンとしたコンパ、うん…可愛いと思ったのは俺だけじゃないはず。

 

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

 

「ハグハグッ!!ガツガツッ!!ゴッゴッ!!」

 

「す、凄まじい…」

 

「思わず引いちゃう位に…ね?」

 

「コンパ!おかわり!!」

 

「はいです!」

 

 

とにかく食べる、かきこむ、飲み干すの三拍子が続いた。MAGES.とファルコムは

真司の姿を見て若干引いていた、当の本人は全く気にしない様子だが。

 

 

 

―――――そうだ真司、まずは食べろ。食べることは君への活力に繋がる

 

 

 

「おう!相棒!!」

 

「…相棒?」

 

「真司くん、誰かと話てるのかな?」

 

 

真司の言葉に疑問を覚えるアイエフとマーベラスAQL、相棒とは一体誰のことなの

だろう?真司は誰と話してるのだろうと、それはこの場にいる誰もがそう思った。

 

一通り食事を終えた真司、掌を合わせごちそうさま…そしてみんなの方へ向き…

 

 

「みんな…ごめん!心配かけたな…」

 

 

謝った、頭を下げ力強く。それを黙ってアイエフたちは見つめていた…

 

 

「今更遅いかもしれないけど…最後まで戦い抜くことに決めた、絶対にみんなを…

ネプテューヌたちを助けだす!」

 

 

決意の籠った言葉、その言葉を聞いたアイエフたちは安心した笑みを浮かべた。彼

が…真司が戻ってきてくれたからだ。

 

 

「~~~~~~っ!!!よかった~~~~っ!!!!」

 

「うあ!?ま、マーベラス!?」

 

 

その中でマーベラスAQLは涙目になりながら笑って真司に抱き着いた、思わず仰け

反る真司。だがマーベラスAQLはただ強く、真司を抱きしめ続けていた。

 

 

「信じてたよ…真司くんなら絶対に戻ってきてくれるって!!」

 

「…悪い、それと…心配してくれてありがとうな?」

 

 

真司は笑いながらマーベラスAQLを受け入れた、だがそれを快く思わない人物が…

 

 

「マーベラスAQLちゃん!ずるいよ!!僕も真司くんに抱き着く!!」

 

「ちょ!?5pb.!?」

 

 

5pb.も負けじと真司に抱き着いた、驚く真司と苦笑いや呆れた顔をする面々…で

もいつもの明るさと笑顔が戻った瞬間だった。

 

 

「あはは…さて、それじゃあ…」

 

 

真司は立ち上がる。拳に力を籠め、その瞳に決意と覚悟を宿しながら…

 

 

「みんなを助けに行きますか!」

 

 

真司は勢いよく走り出す―――

 

 

「ちょっと待って!」

 

「ぐうえ!?」

 

 

まではよかったのだが…アイエフが真司の首根っこを引っ張り動きを止めた、さな

がらギャグ漫画の様な声を上げる真司。今思いっ切り咳込んでいます…

 

 

「い、いきなり何すんだよ…」

 

「助けるって言ってもその算段が今ないのよ!?もしあるのだとしたら真司の中に

宿る龍神様の力を借りるしか…っ!?」

 

 

アイエフはしまった!?というような表情になる、真司には確かに伝えようとした

龍神の存在…でも今この場で言ってしまったら真司に戦いを強要させてしまうよう

なものじゃないか!?アイエフの心がざわついた…だが…

 

 

「龍神様?アイエフは相棒のこと知ってるのか?」

 

「相…棒…?」

 

 

真司はあっけらかんとした表情でアイエフに聞いた、そして一呼吸置き話し始め

る。

 

 

「聖龍神ドラゴニック・ハート、かつてゲイムギョウ界を滅亡の危機から救った

神様であってたよな?」

 

「な、何で真司がそのことを…」

 

「だって俺会ったし、そして力を貰った」

 

「「「「「「「「「「「「――っ!?!?!?!?」」」」」」」」」」」」

 

 

その場にいた真司と5pb.以外のものは驚愕の表情を浮かべると同時に背筋が凍っ

た、それはそうだろう?望むにしろ望まないにしろ真司は今女神と同じ存在に…

そして永遠の命を生きなければならないということになってしまったのだから。

 

 

「真司…力を貰うってことはどういうことかわかってるの!?アンタは…」

 

「ネプテューヌたちと同じに、女神のみんなと同じ存在になった。永遠の命を生

きなきゃいけないってことだろ?わかってるよ」

 

「わかってるならどうして!?」

 

 

アイエフは真司に吠え掛かった、その様子を見ておろおろする人物が一人…5pb.

だ。彼女はまだ真実を知らない…

 

 

「え?どういうことなの?真司くんが女神様と同じって…」

 

「…真司くんの身体の中にはかつてこの世界を救った龍神様が宿っていたの、ネ

プちゃんたちを助けるためには真司くんがその力に覚醒することが条件だった…

でもそうなると真司くんはネプちゃんたちと同じ存在になる、そして…永遠とい

う途方もない時間を過ごすことになっちゃうの…」

 

「そ、そんな…」

 

 

マーベラスAQLの言葉に膝をつく5pb.、そんな中――

 

 

 

パァンッ!!

 

 

「い、イストワール様!?」

 

 

イストワールが真司の頬を叩いたのだ、真司は黙ってそれを受け入れた。イスト

ワールは涙目になりながら訴えかけるように叫ぶ…

 

 

「何で…何で貴方はそう簡単に背負い込むんですか!?この世界に来た時だって

…ネプテューヌさんたちを助け出した時だって!!」

 

「イストワールさん…」

 

「それに…今も…!貴方には…人としての人生と幸せを…歩んでほしかった…私

たちの我儘で貴方を永遠という時に閉じ込めたくなかったのに!!」

 

 

ついには泣き出しまうイストワール、確かに女神のみんなを助けたい…でも真司

を蔑ろにしてまで助けたいとは思わなかった、彼だってすでに大切な人の一人な

のだから。

 

 

「イストワールさん…」

 

 

そんな時スッ…っと真司はイストワールの頭を包み込むように手を置いた、柔ら

かな微笑みで笑う…

 

 

「心配してくれてありがとうございます、俺って本当に幸せ者だと思いますよ…

こんなにもみんなに思われているんですから」

 

「真司さん…」

 

「だからこそ俺はこの力を貰ったんです、みんなを守りたいから…みんなを助け

たいから」

 

 

決意が籠った言葉、その言葉に誰もが押し黙った。それ程の説得力が真司の言葉

の中に秘められていたからだ、そして真司はイストワールから手を離してサムズ

アップする。

 

 

「大丈夫!何とかなると思うんです、それに先のことを考えてもしかたがないで

しょう?大切なのは今なんだ。俺は未来を急ぐ前に大切な今を守りたい…それだ

けです」

 

「………本当に、貴方は…」

 

「やれやれ、心配して落ち込んでいた僕たちが馬鹿みたいじゃないか…」

 

「そうですね、でも何だか気持ちが楽になりました」

 

「そんなところだけは一丁前なんだから、…お姉さまが惚れた理由が少しわかっ

た気がするわ」

 

 

口々に言うイストワールを含めた教祖の面々、だがその声色からは悲しみや卑屈

は感じられなかった。

 

 

「真司…ごめんなさい、結局私たちはアンタに頼ることしか…」

 

「別にいいじゃん、アイエフが俺を頼るってことあんまりなかったしさ。丁度い

い機会だと思うんだよな」

 

「丁度いいって…」

 

「簡単なお話じゃないです…」

 

「だーかーら!そう卑屈になるなっての!俺が自分で選んだことなんだぜ?周り

から強制されたわけでもあるまいし、心配してくれるのは嬉しいけどそれ以上は

俺怒るぞ?」

 

「「うっ…ごめんなさい(です)」」

 

「わかってくれたならよし、MAGES.やマーベラスたちもだぞ?」

 

「私は特に心配していないが?」

 

「うおい!?MAGES.!?」

 

 

その言葉を皮切りに周りは笑いだす、いつもの明るい雰囲気。不穏な空気は何処

へやら…でもそれがいい、暗い表情や雰囲気は彼らには似合わないのだから。

 

 

「それじゃあ…」

 

「教祖の皆様方!!大変です!?」

 

 

真司たちがいざ行こうとするとプラネテューヌの教会の職員が大慌てで入り込ん

できた、息を切らしながらもゆっくりと丁寧に話し出す。

 

 

「か、各国に出現したモンスターの軍勢が進行を開始しました!このままでは…」

 

「っ!?こんな時に!」

 

 

イストワールは悪態をついてしまう、だがそこでMAGES.たちが前に出た。

 

 

「各国のモンスターどもは私たちに任せてもらおう、真司!プラネテューヌは任

せたぞ!」

 

「ああ…MAGES.たちもな」

 

「フッ…私を誰だと思ってるんだ?」

 

 

不敵な笑みを浮かべMAGES.たちは走り出す、だがその中で一人…マーベラスAQL

が立ち止まって真司に話しかけてきた。

 

 

「真司くん、絶対に勝とうね!私も頑張る…真司くんも負けないで!」

 

「任せろ!マーベラスも頼むぜ!」

 

「これ…絶対勝てるおまじない」

 

「へ…?」

 

 

 

チュッ…

 

 

そういうとマーベラスAQLは真司の頬にキスした、突然のことで慌てふためく慎司。

マーベラスAQLはそれを笑いながら見つめて走り去って行った…

 

 

「…な、何故に?」

 

「真司…ほんっとうに自覚ないのね…」

 

「見ただけでマベちゃんがどう思ってるのか明らかなのに…」

 

「むぅ~…」

 

 

呆然としてる真司に呆れているアイエフにコンパ、そして教祖の面々。そしてふく

れっ面になっている5pb.、そんな中で真司が咳払い。明らかに誤魔化している…

 

 

「と、とにかく!!俺たちは俺たちの戦いをしないとな!!行こう!!」

 

 

 

―――――彼女が真司に対する思いが何なのかは置いておいて…真司、まず先に行って

もらいたい場所があるんだ

 

 

 

「相棒?それは一体…」

 

 

 

―――――行ってみればわかる、私からのささやかなプレゼントだ

 

 

 

ドラゴニック・ハートの言葉を疑問に思う真司、とにかくその場所へと急ぐことに。

プレゼントとは一体何なのか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここって…教会のガレージ?」

 

 

ドラゴニック・ハートが行ってもらいたいと言っていた場所、それはプラネテュー

ヌの教会が管理しているガレージだった。アイエフがいつもバイクを置いている場

所でもある、そこに…

 

 

「あら?こんなバイクあったかしら?」

 

 

バイクが一つ置いてあった、カラーリングは金、銀、若干赤色で染められているガ

スガス・パンペーラの様な車体だ。それを見た真司は震えだす…

 

 

「真司くん?どうしたの?このバイクに何かあるの?」

 

「このバイク…ただのバイクじゃない、ビートチェイサー2000だ!?」

 

 

そう、人々の笑顔を守り抜いた戦士、仮面ライダークウガの愛車であるビートチェ

イサー2000がそこに鎮座されていたのだ。真司は歓喜に震える、そこにドラゴニッ

ク・ハートが補足を加えた。

 

 

 

―――――厳密に言えばそれをモデルにした機体だ、君のイメージの中から選び構築し

てみたのだが…気に入ってもらえたかな?

 

 

 

「~~~~~さいっこう!!」

 

 

 

―――――このマシンは君の想いに答えてくれる、君と私を繋げてくれる者の一つでも

あるんだ

 

 

 

「俺と相棒を繋げる?それって…」

 

 

 

―――――それはまたいずれ、せっかくだから名前を付けてあげたらどうだ?

 

 

 

「名前…」

 

 

真司は考える、自分の愛車の名前…これから苦難を共にするもう一人の相棒の名前

を…

 

 

「…うん、やっぱりこの名前がしっくりくるな。お前の名前はドラゴニック・チェ

イサーだ!」

 

 

―――――ブォン…!

 

 

「えっ!?エンジンを入れてないのに!?」

 

 

ドラゴニック・チェイサーは突然エンジン音を上げた、まるで真司の声に答えるか

の様に…

 

 

「人々の平和と笑顔を守り抜いた戦士の愛車からとった名前だ、気に入ったか?」

 

 

―――――ブォォォォォオン!!

 

 

再び上がるエンジン音、まるで嬉しい、ありがとうと言ってるみたいに聞こえた。

 

 

「気に入ってくれたか!それじゃあ…」

 

 

真司はバイクのハンドルを持ちチェイサーに跨る、そしてエンジンをかけ深呼吸…

その瞳には覚悟を宿していた。

 

 

「真司くん…」

 

「5pb.?」

 

 

そこで5pb.が真司に声をかける、その表情は少し申し訳なさそうな物悲しい雰囲気

が漂っていた。

 

 

「ごめんね、僕は戦うことができない…真司くんの手助けができなくて…」

 

「…気にすんな」

 

 

そういうと真司は5pb.の頭を優しく撫でて呟いた。

 

 

「その思いだけで十分だ、それに敵と倒すことだけが戦いじゃない。5pb.には5pb.

にしかできない戦いをしてくれ」

 

「僕にしかできない戦い…?」

 

「ああ、…アイエフ、コンパ、5pb.、イストワールさん、ケイさん、ミナさん、チカ

さん」

 

 

真司はポケットからあるものを取り出した、ドラゴニック・ハートの力が宿っている

カードデッキだ。そのカードデッキを構える、すると腰にバックルが装着された。

 

 

「俺はもう誰かが苦しんでいるところも、泣いてるところも見たくない…俺はみんな

の笑顔が好きだから!あんな奴にみんなの笑顔を奪われたくない!みんなには…笑っ

ていてほしいんです」

 

 

真司はそのデッキケースを構えるのを止めバックルに装着する体制を取る…

 

 

「俺は戦います、アイツを…マジェコンヌを倒します。だから見ていてください、俺

の…俺の…!!」

 

 

そしてそのままデッキケースを勢いよく差し込んだ!!

 

 

「変身!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フハハッ!!モンスターどもの進撃を再開させた!これで全ての国が破壊しつくさ

れるのは時間の問題だなぁ?」

 

「クッ…!!」

 

「マジェコンヌ…!!」

 

 

映像を見るネプテューヌたち、そこには各国に侵攻したモンスターたちが自分たちの

国を破壊していく映像が映っていた。悔しいが今の自分たちには何もできない…歯痒

い気持ちが色濃く彼女たちの心を支配した。

 

 

「さて…紫の女神よ、いい加減諦めろ。お前の力をよこせ!」

 

「うあああああああああああああああああっ!?!?」

 

「ネプテューヌ!?」

 

 

再びネプテューヌは苦しみだした、それでも尚必死に抵抗する。だがそれも時間の問

題…彼女が力を奪われる時間は刻一刻と迫ってきているのだ。

 

 

「ぐっ!?うああああああああああっ!?絶対…絶対に諦めない!!貴女に私の力を

奪わせはしない!!」

 

「しぶとい…だが、終わりだ!!」

 

 

マジェコンヌがそう言いかけた時だった――

 

 

 

 

―――――ドォォォォォォォォォォォォォォォォオオオン!!!!!!!!

 

 

 

 

「っ!?な、何だ!?」

 

 

突然鳴り響く地響き、それの驚き振り返るマジェコンヌ。前方を見て見るとそこには

ド派手に土煙が立ち込めていた、一体何が…そう思った瞬間だった。

 

 

 

―――――ブォォォォォォォォォォオオオオオン!!!!!!!!!

 

 

 

「あれは…バイク?」

 

「人…ですの?」

 

 

土煙の中からバイクに跨りマジェコンヌたちの方へ高速で近づいてくる者がいた、そ

の者は身体に鎧を纏い顔は仮面で覆われていた。

 

 

「何だアイツは?女神どもの救出に来た者か?…だがこんなところへ、モンスターの

軍勢のど真ん中へやってくるとは!よほど死にたいらしいな!」

 

 

マジェコンヌは手を掲げる、そして思いっきり振り下ろし…

 

 

「やれ!モンスターども!!」

 

「っ!?ダメっ!?」

 

 

ネプテューヌの制止の言葉も空しくモンスターはその者に進撃を開始した、そして攻

撃を仕掛けてくる。もうダメだ…ネプテューヌたちは固く眼を閉じた。しかし…

 

 

「フッ!!」

 

「ピギッ!?ガガガガガガガガガッ!?」

 

「ピギャアアアアアアア!?」

 

「…え?」

 

 

そのものはバイクを巧みに操り手に持つ剣で次々とモンスターたちを切り裂いて行っ

た、一撃…二撃と止まることを知らない…

 

 

「一刀流…ソウルブレード!!」

 

 

そして剣の刀身を発光させ、そのまま剣で十文字を描くように振るって衝撃波を飛ば

した。ゴーカイジャーの一人、ゴーカイブルーことジョー・ギブケンの技である一刀

流ソウルブレードだ!十字の衝撃波はモンスターの軍勢に直撃し消え去る、道は開か

れた!!

 

 

 

―――――ブォオオオオオン…!!

 

 

 

仮面の人はマジェコンヌやネプテューヌたちのいる手前で止まるとバイクから降りそ

のままゆっくりと近づいてきた、マジェコンヌは警戒しながら身構える。そして手に

持つ槍を突き出し向けてきた!

 

 

「貴様…一体何者だ?」

 

「………」

 

「貴方は誰…?こんなところにいると危険よ!?私たちのことはいいから早く…!?」

 

 

マジェコンヌとネプテューヌの言葉に微動だに反応しない、今沈黙が流れる…まるで

時が止まったかのように。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

 

「なあ?アイツ一体誰なんだ?」

 

「仮面に…鎧?」

 

 

ホログラム映像を介して今までの全容を見ていた避難民たち、次々に仮面の人物のこと

を口にする。だがその中で…

 

 

「みんな…あれは…」

 

「うん…うん!来てくれた…本当に来てくれたんだ!!」

 

 

子供たち、ルウィーの孤児院にいた子供たちの反応だけは違った。その眼は輝き希望に

満ち溢れていたのだ。

 

 

「何だ?アイツのこと知ってるのか?」

 

 

避難民の一人が子供たちに尋ねる、すると子供たちは口々に周りの人々に叫びだした。

 

 

「仮面ライダー…仮面ライダーだよ!!」

 

「真司お兄ちゃんが話してくれた正義の味方!!」

 

「無償で戦う仮面の戦士だよ!!」

 

「仮面…ライダー…?」

 

 

再びホログラム映像を見る避難民たち、その眼には若干の不安と…期待の色が見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は今マジェコンヌと対峙している、ネプテューヌたちは…ボロボロだ。みんなすご

く頑張ったんだ…遅れてごめんな…

 

 

「貴様…一体何者だ?」

 

「貴方は誰…?こんなところにいると危険よ!?私たちのことはいいから早く…!?」

 

 

吠え掛かるマジェコンヌに俺を心配してくれて訴えかけるネプテューヌ、何故だろう

な…普通なら慌てふためく様な場面のはずなのに今の俺は恐ろしいほどに冷静だ。

 

そしてマジェコンヌに向き直る、仮面の下の俺の瞳…決意に満ち溢れている瞳をアイ

ツに向けて言い放った。

 

 

「俺が何者かと聞いたな…答えてやる」

 

「何…?」

 

 

再び身構えるマジェコンヌ、ネプテューヌたちも食い入るように俺たちを見つめてい

た。

 

俺はみんなを救うために相棒から力を貰った、仮想空間では死に物狂いで戦い戦闘経

験を積んだ…

 

みんなを救うため、そしてこの世界の人々を守るため!戦うと決めた!!

 

だからこそ名乗らせてもらう、この名を…全ての人々を、みんなを救うためのこの姿

の名を!!

 

 

 

 

 

 

 

「正義…仮面ライダードラゴニック・ハート!!」

 

 

 

さあ、ここからは…俺のステージだ!!

 

 




次回、決着!

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