ゲイムギョウ界に来てしまった!?〔改稿中〕   作:ULTRA-7

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クリスマスイヴに間に合わなかったぜコンチクショウ!!

でもまだクリスマスだ!!盛り上げていきましょう!

そしてお待たせしました!こっこからはねぷねぷ!ネプ子!パプハ様!ネプテューヌの
ターンでございます!

気持ちを漸く自覚させられました!ネプテューヌはこの作品のメインヒロインですもんね!


第二十八話 プラネテューヌの大事件!?(改稿中)

「なあ…ベル姉、そこまで気を落とさなくても…」

 

「そんなこと言われても…ハア…」

 

 

今俺は上空にいる、ベル姉にプラネテューヌに送り届けてもらっているのだ。

さすがにこの空の旅はもう慣れた…

 

そして何故ベル姉が落ち込んでるかって?俺がプラネテューヌに帰るからだよ、

お別れは寂しいと言うことだ。

 

 

「真ちゃん…やっぱり考え直しませんこと?」

 

「ベル姉の申し出は嬉しいけど…俺はプラネテューヌでお世話になってる身だ

し、とりあえずは…諦めてくれ」

 

「ですわよねえ…ハア…」

 

 

女神化状態での溜息は中々シュールなものである、そんな中空の旅も幕を閉じ

ようとしていた…

 

 

―――――

 

 

「到着っと…ベル姉、ありがとう」

 

「ええ…ハア…」

 

 

溜息をつくベル姉、少し痛々しく見える…正直言うと俺も少し寂しい、だっ

てせっかく俺に姉と言う存在ができたのだから。

 

 

「ベル姉」

 

「真ちゃん?キャッ!?」

 

 

俺はベル姉を抱きしめた、ベル姉も驚いていたが落ち着きを取り戻し抱き返

す。

 

 

「また会いに来るよ、その時はまた甘えてもいい?」

 

「…ええ、もちろんですわ。真ちゃんが使っていた部屋はそのままにしてお

きますから、いつでも帰ってらっしゃい。歓迎しますわ」

 

「うん、ありがとう」

 

 

俺とベル姉は離れる、ふわりと…ベル姉が俺の頭を優しく撫でた。あの時し

てくれたみたいに優しく…

 

 

「それじゃあ真ちゃん、また会いましょう」

 

「うん、それじゃあ!」

 

 

ベル姉は空高く舞い上がり飛び立っていった。俺はそれを見送り深呼吸、さ

て…俺も帰るとしますか!俺は意気揚々とプラネテューヌの教会へと足を運

んだ。

 

この後の大事件に全く気づかずに――

 

 

 

 

 

 

                   ◇

 

 

 

 

 

 

「この街並み、景色…俺帰ってきたんだなあ~」

 

 

十五日間だけこの国から出ていただけだと言うのに何年もここに帰ってこな

かったような感覚になる、なんだか不思議な感じだ。

 

 

「後少しで教会だ、ネプテューヌたち元気してるかな?」

 

 

イストワールさんにも報告とかしなきゃいけないし、俺は歩く足をさらに速

めた。

 

 

プラネテューヌ教会――

 

 

「ついた!やっと…」

 

 

ネプテューヌは真面目に仕事やってるかな?あはは、ないない。そんなこと

があったら天変地異の前触れとかそんなんだって。

 

 

「それじゃあ…ただ今戻りました!」

 

 

ドアを勢いよく開け中に入る、すると…

 

 

「真司さあああああああああああああん!!」

 

「どわあ!?え?ネプギア?ど、どうかしたのか?」

 

 

ネプギアが涙目になって俺に飛びついてきたのだ、俺はあたふたしてしまう。

一体何があったぞや!?

 

 

「お姉ちゃんが…お姉ちゃんが!!」

 

「ネプテューヌに何かあったのか!?」

 

 

俺はすぐに駆け出した、ネプテューヌに一体何が!?

 

 

執務室前――

 

 

「ネプテューヌ!!無事か!?」

 

 

執務室のドアを勢いよく開け中に入る、そこには…

 

 

「あら、真司。お帰りなさい」

 

「…は?」

 

 

ネプテューヌがいた、別段とくに身に何かあった様子はなく…でも、今この

状況が問題だ。

 

 

「ネプテューヌが真面目に仕事してる…だと!?」

 

 

そう。今ここにいるネプテューヌは眼鏡をかけ、山のような書類に目を通し、

それを完全に片付けている…これは一体どうしたというんだ!?天変地異が

起こってしまうのか!?

 

 

「真司さん…」

 

「イストワールさん!とりあえず…ただ今戻りました…」

 

 

動揺しながらも何とかイストワールさんに帰ってきた報告をする、今のイス

トワールさんの顔はなんというか…げんなりしていた。

 

 

「一体ネプテューヌに何があったんですか?」

 

 

俺はイストワールさんに今のネプテューヌの現状を聞いてみた、それについ

てイストワールさんはゆっくりと話し始めた。

 

 

「真司さんが体験入国に行かれた後の話になるのですが…最初の三日間は別

に何もなかったんです、ですが…」

 

「ですが?」

 

「六日くらいになると発狂したり変な叫び声を上げたりして…『真司…真司

…』と呟くようになって…八日あたりになると禁断症状のようなものがでて

しまって…」

 

 

…何それ怖い、禁断症状っておい。

 

 

「そして今の現状に至ると?」

 

「そう、なりますね…」

 

「でもまじめに仕事してるんですからイストワールさん的には万々歳なんじゃ

ないんですか?」

 

 

いつもグータラしてるよりこれくらい真面目になればイストワールさんだって

楽だろうに…

 

 

「普通ならそう思うところなんですが…」

 

「?」

 

「実は…何故か女神化ができなくなってしまったのです…」

 

 

…え?なんですとおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?女神化ができな

い!?それって非常にまずいことなんじゃ!?

 

 

「一応クエストするには問題なかったので今はまだ保留にしているのですが…

女神化できないと国民に示しがつきません、ですから…ハア…」

 

「とりあえずまずは…」

 

「お姉ちゃんを元に戻さないといけないです…」

 

 

後ろから声が聞こえる、そこにはさっき飛びついてきたネプギアと…

 

 

「アイエフ!コンパ!久しぶり!」

 

「真司…よかった、戻ってきてたのね」

 

「真司さん、お久しぶりです」

 

 

アイエフとコンパがネプギアの後ろから出てきた、会うのは本当に久しぶり

だ。アイエフは諜報活動、コンパは看護師さんだから会う機会が中々ないか

らな。

 

 

「ネプ子がこんな風になっちゃって、驚いたでしょう?」

 

「う、うん…正直驚愕にもほどがある感じ」

 

「こんなのねぷねぷじゃないです!!どうにかして元に戻さなきゃです!!」

 

「みんな、少し静かにしていてくれないかしら?気が散って集中できないわ」

 

 

…あかん、ほんまにいつものネプテューヌやあらへん!?動揺し過ぎて俺関

西弁になってしまった!?

 

こんなのネプテューヌじゃねえ!?

 

 

「みんな、集合!!」

 

 

俺はネプテューヌを除く全員に声をかけ円陣を組み話し出す。

 

 

「とにかく今はネプテューヌを元に戻すことが先決だ、正直今のネプテューヌ

の姿は見るに堪えん…」

 

「その通りです!あんなの…あんなのお姉ちゃんじゃありません!!」

 

 

悲痛な叫び声を上げるネプギア、うん…気持ちはよーっくわかるぞ!!

 

 

「でもどうするのよ?元に戻すと言っても今のあれじゃ何言っても無駄だと

思うんだけど…」

 

「とにかく一つずつ試していくしかない、ネプテューヌの好きなもので釣って

いけばどうにかなるかもしれんし」

 

「そうです!とにかく何でも、まずはやってみるです!」

 

「そうですね…ネプテューヌさんを元に戻すためにも!」

 

 

かくして俺たちのネプテューヌを元の性格に戻す作戦が決行されたのだった。

 

 

「みんな?そんなところにいる暇があったら少しでも仕事の手伝いをしてくれ

ない?」

 

「「「「「やっぱりこんなネプテューヌ(さん)(ネプ子)(ねぷねぷ)(お姉ちゃん)は嫌だ!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

                     ◇

 

 

 

作戦その一、ゲームに誘おう作戦――

 

 

「ネプテューヌ!丁度今日新作のゲームが出たんだってさ!一緒にやらないか?」

 

「ごめんなさい、今この書類に目を通さないといけないから。ゲームならネプギア

たちと一緒にしていて」

 

「ゲームに反応しない…だと…」

 

 

あえなく撃沈…

 

 

 

 

 

作戦その二、大好物で落とせ!作戦――

 

 

「ほら、ネプテューヌ。このプリンおいしいぞ?一個百円のとはわけが違う!五百円

のプリンだぞ!この蕩け具合…クリームの絶妙感…最高に…」

 

「真司、今は仕事中よ?今この状況でそう言うのはどうかと思うわ」

 

「…はい、スイマセン」

 

 

粉砕☆玉砕☆大喝采!

 

 

こうなったら奥の手だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦その三、嫌いなもので正気を取り戻せ!!作戦――

 

 

「ネプテューヌ、これな~んだ?」

 

「何?いきなり…っ!」

 

 

よしよし、反応してるな。ネプテューヌの嫌いなものは茄子だとすでに検索済みさ!

眼を見開きまじまじと茄子の炒め物を見ている、さすがにこれで…

 

 

ヒョイ、パク…

 

 

「…へ?」

 

「うん、いい感じにできてるんじゃない?美味しいわよ?」

 

 

茄子食ったああああああああああああああああああああああ!?あの茄子嫌いな!?

匂いかいだだけでアウトなネプテューヌが!?

 

 

ウゾダドンドコドオオオオオオオオオオオオオオオオオン!?

 

 

「お姉ちゃんがここまで変わってしまうなんて…うう…もうこんなの嫌だよおおお

おおおおおおおおおおお!!」

 

「ネプギア!?」

 

「ギアちゃん!?」

 

「ネプギアさん!?」

 

 

ネプテューヌのあまりの変貌っぷりにたまらず飛び出してしまうネプギア、俺たち

は声をかけるもどう呼び止めていいかわからなかった…

 

ここまで来るとどうすればいいかわからない、どうやったらいつものネプテューヌ

に戻れるのだろう…あの時の笑顔が溢れんばかりの元気ハツラツなネプテューヌに…

 

 

「さてっと…書類は終わったし。いーすん、私はこれからクエストに行くから留守を

お願いね?」

 

「え?あ、はい…わかりました」

 

 

ネプテューヌは何事もなかったように立ち上がりクエストに行こうとする、さすがの

俺もそれだけは見過ごせなかった。俺は歩き出すネプテューヌを止めるように肩を掴

む。

 

 

「おい!ネプテューヌ!ネプギアが飛び出していったのにお前はなんとも思わないの

か!普段はずぼらだけどネプギアのことに関してはそんなことはなかったはずだ!」

 

「そうです!ねぷねぷならギアちゃんのこと真っ先に心配して追いかけていくはず

です!!」

 

「ネプギアなら大丈夫よ、しっかりしてる子なんだから。私がそこまで心配すること

じゃないわ」

 

 

まさかネプテューヌの口からそんな言葉が出るなんて思わなかった…確かに仕事は

真面目にやってる、だけど…こんなのネプテューヌじゃない!

 

 

「話は終わり?それだったら私はこれからクエストに行くから」

 

「ちょっ!?待てよ!イストワールさん、俺も行ってきます!」

 

「え?真司さん!?」

 

 

俺はネプテューヌを追いかけクエストへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

                     ◇

 

 

 

 

 

 

「真司までついてくることなかったのに、これくらい私だけで…」

 

「そんなこと言ってると、すぐ足元すくわれるぞ?」

 

 

今現在バーチャフォレストで俺とネプテューヌは肩を並べて歩いている、その間

にもいろいろ話をしをしてみたが…やっぱり元に戻る気配はない。

 

 

「そんなことありえないわ、今の私は完璧よ?」

 

「…今のお前に何言っても無駄かよ」

 

 

今目の前にいるのは完璧超人のネプテューヌ、その姿を見て俺は溜息をついた。

正直言って悲しい気持ちだ、いつもグーたれて遊びほうけて…仕事もままらない

ネプテューヌだったけど…なんだかんだ言って俺はそのネプテューヌの方が好き

だった、あの笑顔のネプテューヌが…

 

でも結局のところ俺が原因…なんだよな、俺がいなくなってからネプテューヌの

様子がおかしくなったって言ってた。こんなことになるんだったら定期的に連絡

を入れるべきだった…俺ってば何やってんだよ…クソッ!!

 

 

「真司、考え込んでる暇はないみたいよ?」

 

「え?どわ!?」

 

 

目の前に現れたのは大量のスライヌ、やっべ…あの時のトラウマが…

 

 

「これが今回のクエストの対象ね、スライヌごとき私の敵じゃないわ!」

 

 

ネプテューヌは太刀をコールして切りかかる!

 

 

「はああああああああああああああああああ!!」

 

 

一撃、二撃…瞬く間にスライヌの数が減って行った、俺の出る幕ないやん。

 

 

「言ったでしょ?私一人で十分だって…っ!?」

 

「ネプテューヌ?っ!?」

 

「ぬらああああああああああああああああ!!」

 

 

俺とネプテューヌは驚愕する、スライヌがバラバラになったものも含めて

次々と溶け合い大きな形を成していく。

 

今目の前にいるのは超特大のスライヌだ…と言うか…デカすぎる!?

 

 

「いくらデカくても所詮はスライヌよ!」

 

 

ネプテューヌは切りかかる…が。

 

 

「ぬうら?」

 

「え?そ、そんな…」

 

 

特大スライヌはネプテューヌの太刀をその柔らかい身体で包み込み受け止

めてしまった!攻撃を受け止めたその瞬間…

 

 

「ぬら!!」

 

「きゃあああああああああ!?」

 

 

突撃してネプテューヌをぶっ飛ばす、衝撃が強すぎて大木にネプテューヌ

が叩き付けられてしまった。

 

 

「あぐっ!?うう…」

 

「ネプテューヌ!大丈夫か!!」

 

 

叩き付けられたネプテューヌに駆け寄り抱き起す、ダメージはかなり大き

いみたいだ…

 

だがそれでも尚立ち向かおうとする、傷ついた身体で…

 

 

「よせ!一旦退こう!今の状態じゃ無理だ!」

 

「大丈夫よ!これくらいなんともないんだから!!私は…」

 

「ネプテューヌ!!」

 

「え…」

 

 

刹那――

 

 

俺は思わずネプテューヌを抱きしめていた、そして目からは涙が零れ落ち

ていく…嫌だった、こんなネプテューヌは見たくなかったから…

 

今のネプテューヌは痛々しくて見てられなかったから!

 

 

「そんな風になったのは俺のせいだったんだよな?ごめん…俺もちゃんと

気にかけてあげればよかったのに…俺!!」

 

「し、真司…」

 

「完璧じゃなくてもいいんだ…グータラでもいい!遊びほうけてもいい!

だから…あの笑顔の…俺が好きな笑顔だったネプテューヌに戻ってくれよ

!!頼むよ…!」

 

「わ、私…私は…」

 

 

抱きしめる力をより一層強くする、ネプテューヌはただ固まったままだ。

だがそんな俺たち二人を敵は待ってくれるわけもなく…

 

 

「ぬらああああああああああ!!」

 

 

突撃して襲い掛かってくる!気づいた瞬間はすでに遅く―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッ!!

 

 

「チェストおおおおおおおおおおおおお!!」

 

「ぬらあああああああ!?」

 

「…え?」

 

 

否、それに気づいた人物がいた。それは―――

 

 

「えへへ!私!ふっかあああああああああああつ!!」

 

「ね、ネプテューヌ!」

 

 

いつもの口調の、笑顔溢れるネプテューヌがそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネプテューヌSide

 

 

いつからだろう、こんなに胸がもやもやしてきたのは…それは…そう、真司

が他の国の体験入国に行ったあの日からだ。

 

他の国に滞在するだけだっていうのに…なんでこんなに変な気持ちになるの

か全然わからない、ねぷう…でもまあこの気持ちもすぐに収まるっしょ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもそううまくいくわけもなく―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「真司…真司…」

 

 

何日か経ってから真司の名前をつぶやくようになってしまった、会いたい…

今真司に無性に会いたい自分がいる。

 

 

ノワールと何をやってるんだろう?

 

 

ブランと何を話してるんだろう?

 

 

ベールと何か楽しいことをしてるのかな?

 

 

ズキッ―――

 

 

真司がみんなと楽しんでる姿を想像するだけで胸が痛んだ、今まで感じたことの

ない痛み…正直言って苦しい…

 

嫌だった…この痛みから逃げ出したい…だけどゲームをしても、大好きなプリン

を食べてもこの痛みからは逃げられなかった…仕方なく私は気が進まないが仕事

に手を出すことにした、少しでも自分の気が紛れるならと思って…

 

 

―――――

 

 

 

真司が体験入国に行って数日が過ぎたころだった、自分でもあり得ないほどの仕

事をこなしていた。クエストも、書類整理も今ならお手の物、いーすんからも称

賛の声がでていた。

 

 

「すごいですよネプテューヌさん!ここ最近プラネテューヌのシェアが一気に増加

しましたよ!!」

 

「ふふ…私にかかればざっとこんなものね」

 

 

あの胸の疼きや痛みは感じなくなった、でもここ最近の私はなんというか…変身し

た時の私と同じ様な性格と口調になっていた。

 

 

「それではネプテューヌさん!今日もクエストよろしくお願いしますね!」

 

「ええ、行ってくるわ」

 

 

今はそんなことどうでもいいか…私はモンスター退治のためにプラネテューヌ近郊

の森へと向かう―――

 

 

 

「はあ!!」

 

斬ッ!!

 

太刀の一閃が決まりモンスターが消える、これでクエストは達成。そう思った時…

 

 

「ごがああああああああああああ!!」

 

「っ!まさか伏兵がいたなんてね…」

 

 

目の前にはエンシェントドラゴン、見慣れた敵だ。私はエンシェントドラゴンを

見据えニヤリと笑う、ここは一気に女神化して終わらせる!!

 

 

「行くわよ!!っ!?え…?」

 

 

私はいつも通りに変身しようとした、だけど…変身できない!?どうして!?一体

なにが!?

 

 

「ごおおおおおおおおお!!」

 

「くっ!?」

 

 

エンシェントドラゴンは待ってくれるわけもなく攻撃してくる、その後何度も変身

しようとしたけどできない…私は仕方なくそのままの状態で戦う。

 

 

「せいっ!!やあ!!」

 

「ごが!?がああああああああああああああ!?」

 

 

一撃、二撃と攻撃しなんとか倒すことには成功した。だけど…どうして変身できな

いの?私の身体に何が起こったというの?不安が頭を過る…

 

こんな姿、真司が見たらどう思うのだろうか…

 

 

ズキッ―――

 

 

っ!?まただ、またあの痛みだ…もうなくなったと思ったのに…もうこの痛みとは

おさらばできたと思ったのに!!

 

真司のことを思ったらまた痛む…なんで?なんでなの…

 

 

「う、うう…うあああああ…」

 

 

わけがわからずその場に崩れ落ち泣いてしまう…痛い、痛いよ…

 

私はただ、泣いているしかできなかった――

 

 

 

 

 

女神化できなくなって数週間が過ぎたころ、真司が帰ってきた。

 

嬉しいという気持ちはある、だけど真司に会っても何故か胸にぽっかり穴が開いた

ような感じがして淡々と話すしかできなかった…

 

 

 

こんな状態が続き堪らなくなったのかネプギアが飛び出していった、普段の私なら

すぐに追いかけて行ったと思う。

 

でもそれすらもしなくなってしまった、今の私はたぶんすごく最低だ…

 

 

「おい!ネプテューヌ!ネプギアが飛び出していったのにお前はなんとも思わないの

か!普段はずぼらだけどネプギアのことに関してはそんなことはなかったはずだ!」

 

 

真司の言葉が胸に突き刺さる、私はそれから逃げるようにクエストへと向かった。

真司がついてくるなんて想定意外だったけど…

 

 

 

真司と一緒にクエストなんてすごく久しぶりだった、あの時は真司が怪我をして大変

だったの覚えてる。

 

 

――笑ってる顔のネプテューヌの方が俺は…好きだ…

 

 

ふとその言葉が脳裏に浮かんだ、あの時は恥ずかしいのと同時にすごく嬉しかった。

 

生まれて初めて男の人にそんなことを言われたら誰だってそう思うはずだ、でも今は

そんなことを考えてる暇はない。今はクエスト中なのだから…

 

 

目の前には打倒以来のスライヌの軍団が溢れていた、いつも倒してる相手だからそこ

まで警戒はしていなかった。だけど…それが禍したのか――

 

 

「ぬうらあああああああああああ!!」

 

 

倒してきたスライヌやその場にいたスライヌが一つとなり巨大な形を成していく、ま

さかこんなことになるなんて…

 

でも所詮はスライヌ!私は太刀を振りかざし切りかかるが…

 

 

「ぬうら?」

 

「え?そ、そんな…」

 

 

太刀が飲み込まれ私はスライヌの反撃にあい叩き付けられてしまった、背中がズキズキ

と痛む…

 

その時真司は私にすぐに駆け寄ってきてくれた、でも私は彼の優しさを拒むように立ち

上がる。そんな姿を見て真司は痛々しく思ったのか私を止めに入った。

 

 

 

「よせ!一旦退こう!今の状態じゃ無理だ!」

 

「大丈夫よ!これくらいなんともないんだから!!私は…」

 

 

なんともないわけない、今の私は完全に強がりを言ってるだけだ。本当は頭の中がグチャ

グチャでわけがわからなくて…悲しくて辛くて胸が痛くて…どうすればいいか全然わから

なかった。

 

女神化もできない、戦えない…そしてなにより――

 

 

 

真司に嫌われたくない

 

 

 

そんな思いでいっぱいになる、私は…私はどうしたらいいの?誰か…助けて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ネプテューヌ!!」

 

「え…」

 

 

刹那、真司は私を抱きしめていた。その眼からは涙が溢れんばかりに零れ落ちて

いる、なんで…泣いてるの?

 

 

 

「そんな風になったのは俺のせいだったんだよな?ごめん…俺もちゃんと

気にかけてあげればよかったのに…俺!!」

 

 

 

違う…違うの!!真司のせいじゃない!!これは私が勝手になったことなの!!

真司が自分を責める必要はないの!!

 

真司は抱きしめる力を一層強くした、苦しい…だけど…なんでだろう?それと同じ

くらい幸せな気持ちになるのは…

 

 

「完璧じゃなくてもいいんだ…グータラでもいい!遊びほうけてもいい!

だから…あの笑顔の…俺が好きな笑顔だったネプテューヌに戻ってくれよ

!!頼むよ…!」

 

 

っ!?あの時と一緒だ…私の笑顔が好きと言ってくれた!胸が熱くなる…痛みも

頭の中のグチャグチャもなくなっていくのがわかる…

 

 

真司に抱きしめられて…好きと言ってもらえて…そうか、そうだったんだ…

 

何でこんな簡単なことに私は気づかなかったんだろう?私は――

 

 

 

「チェストおおおおおおおおおおおお!!」

 

「ぬらああああああああああ!?」

 

 

自分の気持ちを確認した後、私はスライヌに蹴りを喰らわす。目の前にいた真司は

唖然として見ていたけど…それはしょうがないよね!

 

 

「えへへ!私!ふっかあああああああああああつ!!」

 

「ね、ネプテューヌ!」

 

 

私は復活の狼煙を上げるかのように叫んだ、でも私が元に戻れたのは真司のおかげ

なんだよ?愛の力ってすごいよね!

 

え?何でそんなことを言うのかって?ふっふ~ん!だって私気づいたんだもん、私

はね…

 

 

 

真司のことが大好きなんだって!!

 

 

 

ネプテューヌSide END

 

 

 

 

 

 

 

「真司ごめんね~!なんか心配かけちゃったみたいで」

 

「ネプテューヌ?本当にあの…いつもの?」

 

 

俺が聞きなれたいつもの口調、明るい笑顔…本当に…ネプテューヌが戻って

きたのか…

 

 

「うん!そうだよ!いつもの真司が大好きな笑顔のネプテューヌだよ!」

 

「~~~~っ!ネプテューヌ!!」

 

「ねぷう!?真司!?」

 

 

俺は思わずまたネプテューヌを抱きしめていた、今度は悲しくてじゃない…

いつものネプテューヌが戻ってきてくれて嬉しかったからだ!

 

 

「よかった…本当に…!」

 

「えへへ…ごめんね?」

 

 

バツが悪そうに笑いながら謝るネプテューヌ、その表情でさえ今の俺にとっては

嬉しいものだった。

 

 

「ぬうらああああああああああああ!!」

 

「むう…敵さんは黙って見ててくれないようだね」

 

「…俺たちが無視してたから怒ってるのかも?」

 

 

怒りのボルテージMAXって感じ?余裕そうに思えるかもしれないが今の俺内心冷や汗

が出まくっているのですがああああああああああ!?

 

 

「ど、どうする?」

 

「まかせて!久しぶりだけど…括目せよ!!」

 

 

そう言うとネプテューヌが光に包まれる。髪が伸び纏められ、身体も女性らしい身体

つきとなりユニットが装着される…

 

女神パープルハートの降臨だ。

 

 

「変身完了、ふう…この姿も随分久しぶりだわ。無事に変身能力も戻ったみたい」

 

「あ…その、ごめん」

 

 

少し俺は俯く、変身できなかったのは俺に原因があったようだし…

 

 

「真司…」

 

「え?ネプテューヌ!?」

 

 

ネプテューヌは俺を抱きしめた、抱きしめられるのと同時に俺の顔に彼女の豊満な胸

が押し当てられる。柔らかい…じゃなくて!!

 

 

「ね、ネプテューヌ!?なんで…」

 

「真司が気に病むことじゃないの、自分の気持ちに気づけなかった私にも責任はある

から…」

 

 

…自分の気持ち?どういう事だ?恥ずかしさとわけのわからなさで俺は今混乱状態に

あるからいまいち頭の整理ができん…

 

 

「でも…私をこんな気持ちにさせたんだから、少しは反省してよね?」

 

「あ、はい…」

 

「うふふ♪よろしい♪」

 

 

ネプテューヌは俺の鼻の先をチョンと突き笑いながら俺から離れた、その笑顔は俺が

初めてネプテューヌにあった時の表情に似ていた。綺麗で、胸がドキドキする…

 

 

「後は私に任せて、帰ったら…みんなに謝りたいの、だから…真司も一緒にいてほしい」

 

「ああ、それくらいお安い御用だ」

 

「決まりね、それじゃあ…!」

 

 

ネプテューヌは剣をコールして特大スライヌに切りかかった!

 

 

「勝利をこの手に!ヴィクトリースラッシュ!!」

 

「ぬらあああああああああああああああああ!?」

 

 

スライヌはVの字に切り裂かれ爆散する。今目の前には敵を倒し、美しく佇むネプテューヌ

がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     ◇

 

 

 

 

 

 

 

あの後ネプテューヌはネプギアを探しだし漸く謝ることが出来た、ネプギアもネプテューヌ

をみて安心したのか泣いて抱き着き何度もお帰りなさいと呟いた。

 

アイエフもコンパもイストワールさんも元に戻ったネプテューヌを見て安心したようだ…

やっぱりネプテューヌはこのままが一番いい、そう再確認した一日だった。

 

 

 

 

 

 

 

そして数週間後――

 

 

「おりゃ!これで…どやあああああああああ!!」

 

「ネプテューヌさん…なにまたゲームしてるんですか!仕事をしてください!!」

 

 

ネプテューヌは相変わらずのゲーム三昧、そしてイストワールさんの怒号が。正直言って

溜息ものである、ハア…何故こうなった。

 

 

「だって~、今までずっとまじめにやってきた分歯止めがきかなくなったというかさ、

あれ正直私のキャラに合ってないよ。私はこうでなくちゃね!」

 

「それとこれとは話が別です!真司さんも何か言ってください!!」

 

「え?ああ…え~と…」

 

「ふっふ~ん♪真司はグータラでも遊びほうけても笑顔の私が好きなんだよね~?今更

その言葉を撤回するの?」

 

「真司さん!?そんなことを言ったんですか!?」

 

「え!?あー…その…まあ」

 

 

あの時は必死だったからなあ…今更ながら俺後悔、うん…反省!

 

 

「と、言うわけで。今日私は今まで溜めてたゲームを消化するのだ!」

 

「お姉ちゃん、お茶入ったよ~」

 

「ネプギア、サンキュ☆」

 

 

はは…もうどうにでもなれ、しばらくは収まりそうにないからな。でも…いずれは俺

の歯止めも効かなくなるからな?そん時は…どうしてくれようか?

 

 

「真司さん…」

 

「い、イストワールさん?」

 

 

まずい、肝心な人のことを放置したままだった!?俺は冷や汗をかきながらイストワール

さんを見つめる。

 

ガシッ!

 

?なんでイストワールさんは俺の指を掴んで俯いてるんだ?するとイストワールさんはす

ぐに顔を上げ…

 

 

「真司さん…また数週間ほど別の国に行ってもらえませんか?」

 

「…え゛っ!?」

 

 




次回漸く本編の三話に入れます、そして…真司、覚悟の時…

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