ゲイムギョウ界に来てしまった!?〔改稿中〕   作:ULTRA-7

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長らくお待たせして申し訳ない!何分忙しかったもので…

今日はさらにもう一話投稿します!

誘拐犯は一体誰なのか!それはもうお察し頂けるでしょう…


第二十六話 誘拐、そして犯人の結末(改稿中)

「…」

 

 

沈黙が流れる、理由は5pb.が誘拐されてしまったということだ。何故

こんなことになったのか全く見当がつかない…

 

 

「何で局長さんは5pb.が誘拐されたと?」

 

「これだよ…」

 

 

局長さんの懐から出された手紙、そこにはこう書かれていた。

 

 

『5pb.は誘拐した、今のところは危害を加えていない。返してほしく

ば身代金として一億Credit用意すること、そして今回の5pb.のライ

ブを取りやめユピテルのライブを決行すること、交渉が決裂した場合

は人質の命の保証はない』

 

 

「…身代金はわかるけどなんでユピテルのライブを?」

 

「わからない…犯人はユピテルのファンなのかもしれない、5pb.ちゃ

んのことを嫉んでこんなことを…」

 

 

考えても始まらない、とにかく今は5pb.の命の方が最優先だ。

 

 

「みなさん!」

 

 

楽屋のドアが開けられ声が響く。そこには見知った顔が一人、ケイブさ

んだ。

 

 

「ケイブさん!どうしてここに…」

 

「そこにいる局長さんに呼ばれてね。しばらくね、加賀美くん」

 

 

ケイブさんと挨拶を交わすが…はっきり言って和んでいる状況じゃなか

った、こうしてる間にも5pb.の身に危険が迫ってると思うと…

 

プルルル! プルルル!

 

「ん?私の電話から…何なんだ、こんな時に」

 

 

局長さんの電話から誰かが連絡を入れた、局長さんは少し苛立ちながら

も電話に出る。

 

 

「もしもし、一体誰かね?生憎今h『身代金とユピテルのライブの準備

はできたか?』…お前は誘拐犯か!?」

 

 

驚くことに電話の相手は誘拐犯だった、俺たちは一斉に社長の方へ振り

向く。局長さんは慌てながらも何とか電話に対応した。

 

 

「君は一体誰かね!?5pb.ちゃんは無事なのか?今何処にいるんだ!?」

 

『慌てるな、今は気絶しているが命に別状はない。そう今はな…』

 

 

女の声が聞こえる、ん?この声どこかで聞いたことがあるような…

 

 

「身代金の準備は今早急にやってもらっている、でもユピテルのメンバー

は今はここにはいなく…」

 

「僕たちがどうかしたんですか?局長?」

 

 

 

ドアが開かれ入ってきたのはユピテルのメンバーだった、まるでタイミン

グを見計らったように来た感じだな…

 

 

「ケンくん!何故ここに!?」

 

「いえ、5pb.が誘拐されたと聞いたのでここに駆け付けた次第です」

 

「そうか…それはすまない…」

 

 

ん?なんでこいつら5pb.が誘拐されたことを知ってるんだ?局長さんが

話をしたのか?いや…誘拐されたなんて話を軽く周りに話すような人じゃ

ないはずだ…なら一体どうして…

 

 

「本当なら今日このステージには5pb.ちゃんが立つことになっているの

だが…誘拐犯は君たちをステージに立つことを要求してきた、ファンのみ

んなは納得はしてくれないとは思うが…頼まれてくれるかね?」

 

「ええ!5pb.の命がかかってるんだ!それくらいお安いご用ですよ!」

 

 

下手な芝居を見ている気分だ、前に5pb.にあれほどのことを言っておい

て白々しいにもほどがある。

 

局長さんに話をした後、ユピテルの一人ケンはベル姉のところへ歩み寄り

深くお辞儀をする。自分を見せつけるかのように…

 

 

「これはベール様!今日もお美しい。5pb.がいない今、この僕たちユピ

テルが会場を盛り上げて見せます」

 

「…そうですか、とりあえずお願いしますわ」

 

 

ベル姉もこいつらのことは嫌いみたいだ、それに5pb.に悪態をついたこ

とも話したから尚更だと思う。俺だってこいつらのことは嫌いだ。

 

 

「おや…君もここにいたんだね、部外者は体位禁止のはずなんだけど?」

 

 

そしてケンは俺を見るなり嫌味ったらしい目で皮肉を口にした、ベル姉は

すぐに手を出そうとした雰囲気だったから俺はそれを制止して向き直った。

 

 

「悪かったな、ここにて。でもここにいるのは5pb.から招待を受けたから

だ、部外者じゃない」

 

「それは悪かったね、それじゃあ僕たちはライブの準備に入るから退散さ

せてもらうとするよ。せいぜい楽しみにしておいてくれたまえ」

 

 

そしてユピテルたちは部屋を出る、楽しみにしておけ?こんな状況でよく

そんな口が出るな…まるでこの状況が起こることを知っていたみたいに。

 

ん?知っていた…?

 

そう言えばさっきから不自然なことが多すぎる、5pb.が誘拐されたと思え

ばその誘拐犯は身代金の他にユピテルを名指しして代わりにライブを結構

させろと言い…

 

そしたらユピテルはタイミングを見計らったようにこの楽屋に来た…あま

りにもアイツらには都合がいいことばかりだ。

 

 

「ベル姉ごめん、ちょっと外に行ってくる」

 

「え?真ちゃん?」

 

「すぐ戻るから!」

 

 

俺はベル姉の制止の言葉も聞かずに外へ出た、向かう場所は…ユピテルの

楽屋だ。

 

 

 

 

 

 

               ◇

 

 

 

 

「勢いよく出たのはいいけど…楽屋の場所がわからねえ!?」

 

 

建物の中はまるっきり迷路みたいだ、途中までユピテルの尾行には成功し

ていたのに…見失ってしまった。

 

 

「どうにかして見つけないt「キャッ!?」のわ!?」

 

 

周りをキョロキョロと探していると誰かにぶつかってしまう、この展開前

にもあった様な気が…

 

 

「す、すいません…余所見をしていてって…マーベラス!?」

 

「え?真司くん!?どうしてこんなところに!?」

 

 

目の前にいたのはラステイションで会った忍者の女の子、マーベラスAQL

だった。俺を見て驚いたのか見開いた眼で叫んでいる。

 

 

「マーベラス、こんなところに…おや?真司ではないか」

 

「MAGES.も!?何でこんなところにいるんだ?」

 

 

まさかのMAGES.も一緒だった、だがその後ろでは見知らぬ子たちが一人、

二人…四人いた。もしかしてマーベラスが言っていた仲間って言うのがこ

の子たちのことだったのか?

 

 

「マーベラスこんなところにいたんだ、探したよ~」

 

「ごめんごめん、道に迷っちゃって」

 

「ここ迷路みたいだもんね~、あれ?この人は?」

 

 

すると黒髪ロングヘアーの女の子が俺のことをマーベラスに尋ねる、服は

露出が高く何故か素足?…気にしないでおこう。

 

 

「この人が真司くんだよ、前にラステイションで知り合ったって話したで

しょ?」

 

 

「ああ!この人がマーベラスが気にn「余計なことは言わないでよおおお

おおおおおおお!?」え~?」

 

 

マーベラスは顔を真っ赤にしながらその子の言葉をさえぎるように必死に

なる、まるでどこぞの新喜劇を見てる気分だ。おいおい…

 

 

「まあまあ、彼も困ってるみたいだしその辺にしなよ」

 

「君は?」

 

 

ケモ耳の女の子がマーベラスを宥めているところで俺が声をかける、その

子はそれに気づき返事を返してくれた。

 

 

「私の名前はサイバーコネクトツーって言うんだ、加賀美真司くんだよね

?よろしくね!」

 

「お、おう!よろしく…」

 

 

元気があって気さくな感じがまたいい、俺とサイバーコネクトツーはその

場でがっちりと握手を交わす。

 

 

「成程にゅ、マーベラスAQLが言ってた人がこの人だったんだにゅ」

 

「…ぷち子?」

 

 

目の前にいる女の子はどう考えても某アニメ専門店のキャラクターの一人

だよな?だが女の子はそれが癪に障ったらしくプンプンと怒り出す、なん

だか可愛らしい怒り方だが…

 

 

「ぷち子じゃないにゅ!ブロッコリーにゅ!!」

 

「えー…どう見てもぷち…「あ゛?」スイマセンデシタ!?」

 

 

ぷち子と言おうとした時のこの子の威圧感ときたらもう…今現在鳥肌がた

ちまくってるんですけど!?ブロッコリー…恐ろしい子!?

 

 

「まったく…人の名前を間違えるとは何事にゅ!」

 

「あはは~まあまあ、そんなに怒らないであげようよ」

 

「なんかすいません…ところで君の名前は?」

 

「私の名前は鉄拳って言うの、真司くんよろしくね?」

 

 

その子のおかげで空気が良くなったことに非常に感謝!助かりました…

 

 

「最後は私だね、私の名前はファルコム!冒険家なんだ、よろしく!真

司!」

 

「ああ、こちらこそ」

 

 

この子たちがマーベラスが言っていた仲間たち、個性的だがすごくいい

子たちだということはわかる。この子たちと別次元のネプテューヌたち

と世界を救ったって言うんだから驚きだ。

 

 

「そう言えば何でマーベラスたちがここに?ここは関係者以外立ち入り

禁止のはずなんだけど…」

 

「えっとね…実は5pb.ちゃんのライブを見に来たんだけど、道に迷折っ

ちゃってね?気が付いたらこんなところに…えへへ♪」

 

「可愛い従姉妹の晴れ舞台なんだ、せっかくリーンボックスに立ち寄っ

たので様子見もかねてな」

 

「え?MAGES.って5pb.と従姉妹だったのか!?」

 

「ああ、言ってなかったか?」

 

 

全くもって初耳だよ!?まさか従姉妹だったとは…でも確かに二人はな

んとなく似てるところがあるよなあ…髪の色とか黒子の部位とか。

 

そして舌を出し自分で頭を小突くマーベラス、でも確かにこの会場は広

いからわかる。俺も今現在迷ってる最中だし…

 

 

「それだったらなんで真司くんはこんなところにいるの?」

 

「あー…それは…」

 

 

言うべきか?5pb.が誘拐されているということを、でもここで言ったら

余計な混乱を招くかもしれない。それだけはなんとか避けたいけど…

 

 

「真司、よかったら話してくれないか?無理にとは言わないが…もしか

したら力になれるかもしれない」

 

「MAGES.?」

 

「そうだよ!何でも言って!力になってあげられると思う!!」

 

「マーベラスAQL…お熱いことにゅ」

 

「ブロッコリーちゃん!!」

 

 

…余計な心配だったかも。そうだな、ここは一人でも協力者がほしい。

 

 

「わかった、だけどこれから言うことは他言無用で頼む」

 

 

俺はみんなに5pb.の誘拐事件のことを話しだした。

 

 

―――――

 

 

「と、言うわけなんだ」

 

 

案の定話をしたらみんなの表情は複雑なものであった、特にMAGES.の

動揺っぷりには目を張るものがあったよ。なんとか冷静を保ったけど、

そしてその緊迫した空気を最初に破ったのはMAGES.だった。

 

 

「でも確かに妙だな、そのユピテルたちに都合がいいことばかり起こ

るとは…」

 

「俺もそれは気になってたんだ、だからそいつらの楽屋に行こうと後

をつけてたんだけど…見失っちゃって」

 

「あ!ユピテルかどうかわからないけど若い男の人たちならこの角を

曲がったところの部屋に入って行ったのを見たよ!」

 

「本当か!?ファルコム!」

 

 

場所はわかった、でもここからどうしよう…俺は考え込む、うん…こ

れはみんなにも協力してもらおう。

 

 

「みんな、頼みたいことがあるんだ」

 

「うん、何でも言って!」

 

「それは―――」

 

 

 

 

                  ◇

 

 

 

 

 

 

「クク…これで5pb.の人気もがた落ちだな」

 

「そうだとも、この誘拐は俺たちが仕組んだものだったんだからな」

 

 

楽屋の中で笑みを浮かべるユピテルの三人、その内の一人であるケン

が立ち上がり口を開く。

 

 

「このライブで僕たちが5pb.に代わってアイドル界のトップにのし上

がる、僕たちがいかに有能で優れているかを知らしめるとしよう」

 

「成程な、やっぱりお前らが仕組んだことだったんだな!」

 

「誰だ!?」

 

 

ケンは振り向く、ショウもハリーも周りを見渡し声の主を必死に探し

た。そこにいたのは…真司とマーベラスAQL、そしてMAGES.だった。

 

 

「お前は…いつからここに?」

 

「この誘拐は俺たちが仕組んだもの辺りからかな?」

 

「やばいぞケン!?こいつに聞かれたら…」

 

「まあ待て、仮にこいつが周りに話しても誰も信じないさ」

 

 

そう言ってゆっくりとケンは真司のところへ歩み寄る、マーベラスAQL

とMAGES.は身構えるが真司はそれを手で制止した。

 

 

「なんでこんなことをした?5pb.に恨みでもあるのか?」

 

 

真司はケンに質問する、その本人は聞くな否や高笑いをしだした。そし

て笑い終わった後邪悪な笑みで真司を見つめ話し出した。

 

 

「前にも言っただろう?僕たちはアイドル界を背負って担う存在だと!

だが周りは僕たちではなく5pb.を評価する!僕たちの方が有能だという

のに…愚かなものだ」

 

「なんですって!!」

 

「マーベラス、今は抑えろ。それで?ただ5pb.のライブを中止すること

だけが目的じゃないと思うんだが?」

 

「この誘拐事件で5pb.のライブは確実に中止になる、この会場は彼女の

ファンでいっぱいだ。そんな中で中止の宣言が出されたらファンのみん

なは5pb.に怒りを覚える、そして彼女から離れ5pb.の人気はがた落ちだ

。そこで颯爽と僕たちが登場しファンをかっさらう、どうだい?完璧だ

ろう?」

 

 

真司の顔が怒りに歪む、5pb.を蹴落とすために誘拐なんて手まで使って

彼女を危険な目に合わせたユピテルたちを許してはおけなかった。その

表情を見てケンは勝ち誇ったように笑い出す、他の二人も同じだ。

 

 

「本当だったら昨日そうなる予定だったのに…君と言うたかが一般人が

邪魔をした、想定外だったよ」

 

「昨日?そうか…!5pb.の衣装や機材を滅茶苦茶にしたのはお前らだっ

たのか!」

 

「ご名答、まあ結局失敗したけどね」

 

 

何処までも下種な奴ら…今の真司が思っていること、それはマーベラス

AQLもMAGES.も同じだ。二人の顔も怒りに歪んでいた。

 

 

「5pb.は何処にいる?答えろ!!」

 

「僕たちが教えるとでも?クク…それは否だ、助けられて彼女がここに

来てしまったら僕たちのライブが出来なくなるじゃないか。それに…」

 

 

ケンはニヤニヤと笑いながら真司たちを見下した目で見つめながら口を

開く…

 

 

「この話をしたところで誰も信用はしないさ、言ったとしても僕たちが

話をしたという証拠もない。残念だったね、ハハハ!」

 

「真司くん…」

 

「真司…」

 

 

ケンの笑い声が楽屋に響く、だが…その笑い声の中に――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ククク…あははははははははは!!」

 

「っ!?」

 

 

真司の笑い声も交じっていた、ユピテルの三人はわけがわからない表情

をしていたが…マーベラスAQLとMAGES.も笑みを浮かべた。

 

 

「何がおかしい!?」

 

「ははは…いやあ、こうも話がうまくいくなんて思わなくてさ」

 

「?」

 

「だそうですよ?局長さん、ベル姉、ケイブさん!」

 

「なっ!?」

 

 

中に三人の人が入ってくる、そこにいたのは…

 

 

「きょ…局長」

 

「ベール様!?」

 

「特命課のやつまで!?」

 

 

そう。テレビ局長のイワン、リーンボックスの女神であるベール、特命

課のケイブがその場に勢ぞろいしていたのだ。三人は怒りの表情でユピ

テルを見つめている。

 

 

「なんで…こんなところに…」

 

「加賀美くんの友達が教えてくれたのだよ、ユピテルの楽屋まで来てく

れとね」

 

「友…達…?」

 

「そういうこと!」

 

 

その後ろからはファルコム、サイバーコネクトツー、ブロッコリー、鉄

拳が姿を現した。真司はにやりと笑いながら腕を組みユピテルたちに話

し出す。

 

 

「お前らに都合がいいことばかりでずっとおかしいと思ったんだ、それ

にお前らの素性の悪さは前に会った時に確認済みだしな!だからお前ら

と話す時間を作ってる間にみんなを呼んでもらったんだよ、俺たち以外

の証人としてな!」

 

「くっ…!だ、だが!僕たちが喋ったという証拠はどこにもない!!こ

こにいる全員はただ『聞いた』と言うだけのこと!!」

 

「この期に及んで白々しいですわ…恥を知りなさい!!」

 

「いいえ!女神様と言えどこれh『そうだとも、この誘拐は俺たちが仕

組んだものだったんだからな』…な、に?」

 

「証拠ならここにもちゃーんとあるけど?」

 

 

真司が懐から取り出したのはNギアだった、画面をタッチすると今まで

ユピテルたちと会話した内容が全て音声として流れ出す!

 

 

「俺がなんにも用意してないと思ったか?お前らがそういうことを言う

ことだってすぐに想像ついたぜ?」

 

「ぐっ…!」

 

「観念しろ、お前らの負けだ…ユピテル!」

 

「う、うおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

真司の言葉に逆上し殴り掛かってくるケン。だがそれをマーベラスAQL

が掴み、合気道を応用して床に叩き付け抑え込む!

 

 

「真司くんには指一本触れさせないよ!」

 

「は、離せえええええええええええ!!」

 

「お前たちも年貢の納め時のようだな!アイス!!」

 

「「ヒッ!?ヒイイイイイイイイイイイイイ!?」」

 

 

逃げ出そうとするショウとハリーを魔法で氷漬けにするMAGES.、その

隙にケイブがケンに手錠をかけ無理やり立たせた。

 

 

「5pb.の誘拐容疑で逮捕よ、それ以外にもまだたくさんあると思うけ

ど…覚悟しておきなさい」

 

「ぐう…どいつもこいつも!!あんな奴のどこがいい!!僕は優秀なん

だぞ!?アイドル界のトップにのし上がり英雄になる男だぞ!?こんな

ことしてただで済むと…」

 

「いい加減に…」

 

グッ…!

 

「しやがれ!!」

 

ドゴン!!

 

「おがあ!?」

 

 

真司は拳を思いっきり握りしめ思い一撃をケンの顔面にめり込ませる、

その後胸ぐらを掴み鬼のような形相で睨んだ。

 

 

「ヒィ!?」

 

「お前がどれだけ優秀だろうと関係ない…アイドル界のトップになろう

と知ったことか!!だけどな…そのためにお前は何をした?5pb.を貶め

ることばかりやりやがって!!恥を知れ!!」

 

「お、お前なんかに何が…」

 

「わかるわけないだろ?自分のことしか考えずに周りのことを考えない!

自分がトップになるためにはどんな汚い手も使う!そんなお前の気持ちな

んかわかりたくもないね!!」

 

 

怒りの怒号、だが真司の言葉は続く――

 

 

「だけど5pb.は違う!あの子は歌が大好きで…自分の歌で他の人が幸せ

になってくれることを願っていた!お前はその思いを踏みにじり…穢した

んだ!!あの子の夢を!!」

 

 

真司は許せなかった、私利私欲のために5pb.を危険な目にあわせ…彼女

の夢までも壊そうとしたユピテルたちを。

 

 

「な、な…」

 

「それと、覚えとけ…英雄って言うのはな、なろうとした瞬間失格なんだ

よ。お前はもうそれにすらなれなくなったんだ、お前は…お前の罪を…数

えろ…」

 

「くっ…うう…」

 

 

ケンはその場に崩れ落ち頭を抱える、とりあえずその場は収まったが…こ

こからが問題だ。

 

 

「5pb.をどうするか…」

 

 

手がかりはゼロ、居場所すらつかめていない…おまけにライブ開始まで残

り時間があと僅かときた。沈黙と焦りが周りを支配する…

 

 

「場所を特定できれば…あっ!!」

 

「真ちゃん?どうかしましたの?」

 

「局長さん!局長さんの電話に犯人との電話の履歴がありますよね!」

 

「あ、ああ…それがどうし…そうか!」

 

 

イワン局長もハッとなる、5pb.を探す方法が見つかったからだ。

 

 

「電話と通信している基地局を調べて場所を特定すれば…」

 

「そうか!5pb.ちゃんの居場所がわかる!」

 

「それなら私に任せて!絶対に5pb.ちゃんを見つけてみせるわ!」

 

 

ケイブは笑いながら宣言する、そしてユピテルたちを縛り上げそのまま警

察署へと向かった。

 

 

「後は…ライブのことだけど…」

 

 

こればかりはどうにもできない…再び焦りが周りを支配する、どうする?

一体どうすれば…

 

 

「せめて…他に歌い手がいればいいのに…」

 

 

真司がそうつぶやいた時だった―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「真ちゃん!それですわ!!」

 

「へ?」

 

 

ベールが強い口調で真司に話しかけた、それを聞いた真司の表情は少し

ばかり間抜けな表情になる。それとは一体…

 

 

「局長さん、歌なら曲数を調整すれば5pb.ちゃんの救出を含めてこのラ

イブ会場に来るまでの時間を稼げます!」

 

「前座か…でも肝心の歌い手がいないことには…」

 

「いますわ!ここにとびっきりの歌い手が!!」

 

 

すると視線は真司の方へ向く…ぱーどぅん?

 

 

「べ、ベル姉?まさか…」

 

「うふふ♪それしか考えられないですわね♪」

 

「そうか!彼が!加賀美くんがいたじゃないか!!」

 

「う゛え゛え゛え゛っ!?お、俺が!?」

 

 

ベールが提案した前座の歌い手、それは…真司のことだった。それを聞

いた真司の驚愕と焦りとパニックの表情ときたら…縦横斜めの顔の線を

コンプリートしてるほどだ、何とも言えない表情である。

 

 

「真ちゃんならできますわ!昨日5pb.ちゃんと見事にデュエットをこな

したではありませんか!」

 

「いやいやいやいやいや!?確かに昨日はうまくいったけどあれは5pb.

がいたからできたことであって俺自身歌はそこまでうまくは…」

 

「真司くん5pb.ちゃんとデュエットしたの!?」

 

「マーベラスAQL…それは今言うことじゃないだろう…」

 

 

MAGES.がツッコむ、他の仲間も苦笑いを浮かべていた。

 

 

「ここに他に歌い手がいない以上真ちゃんだけが頼りなんです!どうか

お願いできないかしら?」

 

「で、でも…」

 

「加賀美くん…頼む!!」

 

「きょ、局長さん!?」

 

 

真司は驚く、目の前にいる局長さんが真司に向かって土下座をしてきた

からだ。

 

 

「無理は承知している!だが今ここで頼れるのは君しかいないんだ!!」

 

「局長さん…」

 

「どうかあの子の場所を…あの子の夢を…!!守ってくれ!!」

 

「っ!」

 

 

そうだ…俺は5pb.に言ったじゃないか、君の思いを馬鹿にするやつは許

さないと…

 

 

 

 

 

             君の思いを守ると…

 

 

 

 

 

 

 

真司は深く深呼吸をする、そしてキッとイワン局長を見据えて言った。

 

 

「局長さん、俺…歌は本当にそこまでうまくありません。下手をすれば

会場のお客さんの雰囲気のお茶を濁すかもしれない…」

 

「加賀美くん…」

 

「でも…」

 

「?」

 

「俺は彼女に君の思いを守ると約束しました、だから俺に…5pb.の居場

所と…夢を守る手伝いをさせてください!!」

 

 

真司は頭を下げる、今真司の眼は覚悟と決意に満ち溢れていた。

 

 

「加賀美くん…こちらこそよろしくお願いするよ!!」

 

「真司くん…カッコいい…」

 

「ムッ…」

 

 

イワン局長は真司に握手をしてお礼を言った、マーベラスAQLは真司の決

意を目の当たりにして頬を赤く染めている。それを見ていたベールは若干

ふくれっ面になってはいたが…

 

そしたら真司はベールの方へ向き真剣な眼差しで見つめる、その表情にベ

ールは頬を赤くした。

 

 

「ベル姉は5pb.を頼む、必ず…助け出してほしい」

 

「ふふ…任せてくださいな!真ちゃんの頼みとあらば某宇宙帝国も滅ぼし

てみせます!」

 

「それはちょっとやり過ぎだと思うけど…」

 

 

冷や汗でまくりである(笑)そしてそれに即発されてかマーベラスAQLも

名乗りを上げだした。

 

 

「だったら私も行くよ!敵はどれくらいいるかわからないし…人数は多い

方がいいもんね!」

 

「あら…私だけでも十分だと思いますが?」

 

「いえいえ…ベール様に何かあったら大変ですからねえ…」

 

「「ふふふ…」」

 

(…あれ?どうして私こんなにモヤモヤしてるのかな?)

 

 

黒い笑み、そして走る火花!なぜこうなったかは真司は想像がつかないで

いた。若干怯えてもいる…

 

マーベラスAQL自身も何故自分がベールに対してこの様な反発な態度を取

ったのかがわからないでいる、この気持ちがなんなのか…まだ彼女は知ら

ない。

 

 

「こ、怖ええ…」

 

「はあ…緑の女神もマーベラスAQLも困ったものだ」

 

「あはは…そうだよねえ…」

 

 

MAGES.とファルコムも頭を抱える、二人は理由はわかっているようだ。

 

 

「と、とにかく!5pb.のライブを成功させるためにもみんな!力を貸して

くれ!!」

 

「もちろんですわ!」

 

「任せてよ!!」

 

「ふふ…血がたぎるな…」

 

「MAGES.…悪乗りしてない?」

 

「予想を裏切り期待を裏切らない!必ず成功させよう!!」

 

「ま、頑張るにゅ」

 

「なんだかワクワクしてきたよ~」

 

 

5pb.…君の夢は俺が…俺たちが守るから!!

 

 




そして次話に持越し!次こそ通りすがっちゃうよ~!

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