ゲイムギョウ界に来てしまった!?〔改稿中〕   作:ULTRA-7

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歌姫のターン前編!いやあ…5pb.のキャラをちゃんと掴めていないかもしれない…そこはどうか見逃してください!!


第二十四話 リーンボックスの歌姫、5pb.!! 前編(改稿中)

「うずうず…」

 

「真ちゃん?どうかしましたか?」

 

「いやね、本物のアイドルに会えると思うとすごくワクワクしてさ」

 

 

俺とベル姉は今テレビ局に向かっている、それはベル姉が今日とある

アイドルと一緒にテレビに出ることになったからだ。俺はその付添い

だ、テレビ局自体も初めてなうえにアイドルに会うのも初めてだ、ワ

クワクしない方が無理な話だと思う。

 

 

「そのアイドルの人の名前ってなんていうの?」

 

「5pb.ちゃんと言いますの、すごく素直で優しい子なのですが…」

 

「何か問題でも?」

 

「まあ…会ってみたらわかると思いますわ」

 

 

俺は頭に疑問を浮かべながらベル姉とともにテレビ局へ急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

                ◇

 

 

 

 

「ベール様、今日はようこそおいで下さいました」

 

「こんにちわですわ、テレビ局長さん」

 

 

大柄な中年男性がベル姉に挨拶する、どうやらこのテレビ局のお偉い

さんのようだ。俺もベル姉に続き挨拶する、挨拶はきちんとね。

 

 

「初めまして、現在この国に体験入国させていただいている加賀美真

司と申します。今日はベルね…ベール様の付きそいで来ました」

 

「これはどうもご丁寧に!私はこのテレビ局で局長を務めさせてもら

っているイワンと申すものだ、よろしく頼むよ」

 

 

そして握手を一つ、人当たりが良くていい人そうだ。

 

その時だ、局長の後ろから女の子が現れる。青髪で少し露出が高い服

を着ている、腹部にはト音記号の入れ墨?のようなものがあった。

 

 

「ベール様、今日はよろしくお願いします!」

 

「よろしくお願いしますね、5pb.ちゃん」

 

 

5pb.と言う子なのか…可愛らしい子だな、気さくそうで明るくて。

 

 

「こんにちは、俺の名前h「ひゃあああああああああああ!?」…

なして?」

 

 

俺は5pb.に挨拶しようとしたのだが…俺を見るなり思いっきり大声を上げ

ベル姉の後ろに隠れてしまう、正直泣けてきます!

 

 

「すまんね、加賀美くん。5pb.ちゃんは決して君が嫌いとかそう言う理由で

叫んだんじゃないんだよ」

 

「局長さん?それはどういう…」

 

「人見知りなんですのよ、5pb.ちゃんは」

 

 

人見知り?ベル姉にはあんなに気さくに声をかけてた彼女が?疑問は

頭に浮かぶばかりだ。

 

そんな時5pb.自身が俺に怖がりながらも声をかけてくる。

 

 

「ご、ごめんなさい…ぼ、僕初めて会う人と話すのがどうしても苦手

で…見知った相手だったら大丈夫なんだけど…」

 

「あー…そうだったのか、いいよ。別に気にしてないから、な?」

 

「う、うん…ごめんなさい、僕の名前は5pb.。よ、よろしくね?」

 

「ああ、俺の名前は加賀美真司。よろしく…」

 

「ひう!?」

 

 

握手しようと手を伸ばすが露骨に避けられてしまう、こうされるとさ

すがに傷つくなー…真司涙目…

 

 

「ごめんなさい!ごめんなさい!」

 

「と、とりあえず収録に入りましょうか?ベール様、よろしくお願い

します」

 

「ええ、承りましたわ。真ちゃん、とりあえず行きましょう?ね?」

 

「う、うん…了解」

 

 

こうして傷心のまま収録現場へ向かうことに、いいさー…いつかちゃ

んと5pb.と話せる日が来るさー…

 

たぶん今俺すんごい遠い目をしてるんだろうなあ…

 

 

 

 

 

 

 

                 ◇

 

 

 

 

 

 

「それでは今回の特別ゲスト!我が国の女神ベール様と、リーンボ

ックスの歌姫5pb.ちゃんです!」

 

「みなさん、ごきげんよう」

 

「みんな!こんにちわ!!」

 

 

収録が始まる、ベル姉はおしとやかに丁寧に対応してるところは本

当にさすがだ。

 

そして5pb.、先ほどとは打って変わって明るく元気な立ち振る舞い

だ。…俺だけ避けられてると言うことではあるまいな?

 

 

「5pb.ちゃんは歌を歌う時とかこういった仕事の時はスイッチが入

って自身に満ち溢れるんだよ」

 

「局長さん?」

 

「はは、最初の印象が悪かったから今の彼女を見て少し困惑してる

んだろう?無理もないさ」

 

「ええと…まあ…」

 

 

正直ここまでとは思わなかった、今目の前にいるあの子は本当にさ

っきまでおどおどしていた子なのだろうか?

 

 

「もっとすごいものが見れるよ、今からあの子のステージがあるか

らね」

 

「ステージ?」

 

 

俺は再び5pb.がいる収録現場を見る、今彼女はステージの中央に立

つ。スポットライトが当たりそこには威風堂々と5pb.がマイクを持

ち構えた。

 

 

「それでは聞いてください!『流星のビヴロスト』!!」

 

 

曲が流れ始める、ドラムの迫力ある音、ギターの力強い旋律…その

全てが俺の身体に響く!そして5pb.は歌い始めた。

 

 

「~~~~~♪」

 

「っっっっっ!!!!」

 

 

俺の身体に衝撃が走った、彼女の歌はとても力強く…優しく…俺の

心を震わせる。今までこんな歌を俺は聴いたことがあるだろうか?

いや、絶対にない。

 

 

「どうだい?5pb.ちゃんのステージは?」

 

「最…高…です」

 

 

それしか言えない、それほどまでに俺は今の彼女に魅せられていた

のだ。不思議と笑みがこぼれる…力が湧いてくる!

 

 

「気に入ってくれたみたいでよかったよ、そろそろ収録も終わりだ

から彼女に感想を言ってあげるといいよ」

 

 

局長さんは笑いながらそう言った、俺はまだ5pb.のステージに夢中

になっている。俺ファンになったかも…

 

 

―――――

 

 

「「「お疲れ様でした!」」」

 

 

収録が終わり5pb.とベル姉がこちらに向かってくる、未だに興奮が

治まらない…5pb.の歌はそれほどすごかった。

 

 

「真ちゃんお待たせしましたわ」

 

「ベル姉お疲れ様、5pb.も…」

 

「ひゃう!?」

 

 

声をかけると5pb.はベル姉の後ろに隠れてしまう、やっぱり傷つく

わー…うん。

 

 

「5pb.ちゃん、大丈夫ですよ。真ちゃんはとても信頼できる方です

わ」

 

「ベール様?そう言えばなんで彼のことを真ちゃんと?」

 

「彼は私の弟ですから!(ドヤァ!」

 

 

思いっきりドヤ顔のベル姉、正直他の人にベル姉との関係のことを

言われると照れてしまうよ…

 

そしてそのベル姉の言葉に5pb.は眼を見開き驚く。

 

 

「え!?彼ってベール様の弟さんだったんですか!?そうとは知ら

ず…」

 

「いやいや、弟と言っても義理だから。実弟じゃないからな?そこ

んとこよろしく」

 

「あ…はい…」

 

 

再びベル姉の後ろへ、さっきまでとはまるで別人だな…でもまあ個

性は人それぞれ、俺がとやかく言うことはないさ。5pb.だって悪い

子じゃないのはわかってるんだしな。

 

 

「ベール様、ちょっとうち合わせしたいことがありまして…」

 

「そうですの?わかりましたわ。真ちゃん、私これから局長さんと

うち合わせがありますの。すいませんが先に楽屋にまで行っておい

てもらいませんか?」

 

「あ、うん…ん?楽屋って確か…」

 

 

ベル姉と5pb.と一緒だったような…一緒!?と言うことは…俺は

5pb.を再び見る、むっちゃアワアワしてる!?

 

 

「5pb.ちゃん、真ちゃんを楽屋まで案内していただけますか?」

 

「ふえ!?ぼ、ぼぼぼぼぼぼぼぼぼ僕が!?」

 

「さっきも言いましたが真ちゃんは信頼できる方ですわ、5pb.ち

ゃんに傷つけるようなこともしません。それは私が保証しますわ」

 

 

5pb.に優しく声をかけるベル姉、少しだけ落ち着いたのか5pb.の

震えは止まった。だけどおどおどしてるのは相変わらずのようだ。

 

 

「それじゃあよろしくお願いしますわね。真ちゃん、行ってきます

わ」

 

「うん…行ってらっしゃい…」

 

 

局長さんとベル姉は退出し俺と5pb.が残った、俺は5pb.をチラッと

見る。

 

ハッ!?プイッ!

 

…やっぱりそうなりますよねえ、はは…悲しくなんかないぞコンチク

ショオオオオオオオオオオ!!

 

この後俺たちは互いに何の会話もなしに楽屋に向かって歩いた、その

時の空気の重さときたらもう…

 

 

 

 

 

                ◇

 

 

 

 

 

「「…」」

 

 

気まずい!?楽屋に入ってどれくらい時間が経過したかわからないく

らいに話が進まなかった、何か話題…話題は…あ、そう言えば歌の感

想言ってなかったや。

 

 

「歌、うまいんだね。すごくかっこよかったよ」

 

「え…?本当?ありがとう…」

 

「あ、うん…」

 

「「…」」

 

 

はい話しがもう進まなくなったよコンチクショウ!どうすればいいん

だよー…マジで泣きたいよー…グスン。

 

 

「あ、あの…」

 

「グスン…ん?どうかした?」

 

 

5pb.が声をかけてきてくれた!マジ天使!!少しは会話が進むかも!

 

 

「ご、ごめんね…僕本当に知らない人と話すのが苦手で…君にも不快

な思いをさせてしまって…」

 

「んー…いいよ、俺は気にしてないしさ…と言ってもちょっとは気に

したかも…」

 

「うう…ごめんなさい…」

 

「あ!?い、いや!?本当にちょっとだけ!!米粒!いやミジンコ程

度のものだから全然気にしないでいいよ!!うん!!」

 

「グスン…本当?」

 

 

涙目での上目使い…うん!可愛いね!!正直グッと来たよ!!

 

じゃなくて!!もっと別の話題!!何か降りてこい!!俺の脳細胞お

おおおおおおおおおおおおお!?

 

 

「それと…さっきはありがとう、僕の歌を誉めてくれて…嬉しかった

よ」

 

「ぬあああああ!?なにか!何か武器は!!…へ?あ、ああ…それは

どうも…」

 

「…クスッ!君ってなんか面白いね」

 

「あ…」

 

 

5pb.が笑った、その表情は本当に綺麗で可愛い。思わず見惚れてしま

うほどだ、当の本人は少し首を傾げてこちらを見てる。いかんいかん!

平常心平常心…

 

 

「あはは!漸く笑ってくれたな、やっぱりおどおどして警戒してる顔

よりそっちの方が似合ってるぜ?」

 

「え?あはは…なんでかな?普通だったら君みたいに知らない人だっ

たらもっと警戒しちゃってる筈なのに…緊張が解けちゃったのかな?」

 

「まあこのままだんまりになってるよりはいいよ、それよりも5pb.は

すごいよ!あんなにかっこよく歌えちゃうんだから、あの時俺心が震

えた感じがした!」

 

 

胸の高まり、肌を伝う電撃…生まれて初めて俺が感じたものだ。俺の

世界のアイドルの歌じゃこうはいかない、と思うのは俺だけの意見か

もしれないが少なくとも俺にはそう感じた。それほどまでに5pb.の歌

に感動したのだ。

 

 

「本当に歌が好きなんだなって思えてくるほどだった、感動したよ」

 

「えへへ…そう言われるとすごく照れちゃう、でも僕本当に歌が大好

きなんだ!歌は聴いてる人を笑顔にする…聴いてる人の心を癒して元

気にしてくれる…僕の歌で少しでも聴いてる人がそうなってくれたら

すごく嬉しいな」

 

 

すごく熱く…情熱や決意が込められた言葉だった、この子の中にどれ

だけの力があるのだろう?そう思わずにはいられなかった。

 

 

「な、なんか熱く言いすぎちゃった…まだまだ僕は半人前なのに、生

意気なこと言っちゃってごめんね」

 

「そんなことない!まさにその通りだと思うよ、それを現実にしてる

5pb.はすごいよ!もっと自分に自信を持ってもいいと思う!現に俺は

君の歌にすごく感動したんだから!」

 

「あ、ありがとう…えっと…」

 

 

少しもじもじしてる5pb.仕草がすごく愛らしい、アイドルだからとか

そんなのは関係ないくらいに。

 

 

「名前…もう一回教えてくれる?最初会った時聞きそびれちゃったか

ら…」

 

「そう言えばあんとき思いっきりビビってたからなあ…それじゃあ改

めて、俺の名前は加賀美真司だ。気軽に下の名前で呼んでくれたら嬉

しい、よろしくな、5pb.」

 

「うん!それじゃあ…真司くんって呼んでいいかな…?」

 

「全然OK!これからよろしくな!」

 

 

そう言って俺は5pb.の手を握り握手を交わすが…

 

 

「ひにゃああああああああああああ!?」

 

「あれ…?おーい…行っちゃった…」

 

 

顔を真っ赤にした5pb.はそのまま楽屋を飛び出してしまった…スキ

ンシップがとれたからといってもやりすぎたか…反省!

 

 

「どうしよう…とりあえず待つか?」

 

 

しかし暇つぶしにしても…俺はふとNギアを取り出す、そう言えば最

近歌ってなかったよな…

 

俺はイヤホンを片耳に付け曲を選び再生し、歌いだす。今は誰もいな

いから少しならいいよな?曲は…

 

――『君だけを守りたい』

 

 

 

5pb.Side

 

 

「ハア…ハア…思いっきり飛び出しちゃった…」

 

 

彼に…真司くんにいきなり握手をされた時は正直驚いちゃったよう…

でも彼と話し始めた時はなんだか楽しかった、今まで見知らぬ人とは

そんなことにならなかったのに…真司くんだけは違った。

 

 

僕はリーンボックスでアイドルをしている、アイドルは一見華やかに

見えると思うけど現実は甘くない…恐ろしいまでの弱肉強食の世界な

んだ、売れなければ舞台に上がれない…歌うこともできない…そんな

中に僕はいる。

 

 

でも僕は歌が好き、みんなの…応援してくれる人たちがいるから僕は

今まで歌ってこれた。だからこそ僕はそんなみんなに少しでも元気に

なってほしい!笑顔でいてほしい!この気持ちだけは絶対に負けない

つもりだから。

 

 

――そんなことない!まさにその通りだと思うよ、それを現実にしてる

5pb.はすごいと思う!もっと自分に自信を持ってもいいと思う!現に

俺は君の歌にすごく感動したんだから!

 

 

真司くんの言葉が頭を過る、真司くんは僕の思いを笑わずに聞いてく

れた。そして僕の歌に感動したと言ってくれた…すごく嬉しかったよ

…本当に。

 

トクン…

 

何故だろう?胸が高鳴る…真司くんの言葉を思い出すたびに…こんな

気持ち…僕知らない、一体どうしちゃったんだろう?

 

 

「5pb.ちゃん、お待たせしましたわ」

 

「あ、ベール様」

 

 

ベール様が局長さんと一緒に歩いてきていた、どうやらうち合わせが

終わったみたい。僕はすぐに二人の下へ駆け寄った。

 

 

「あら?真ちゃんは一緒じゃないんですか?」

 

「あ!?す、すいません…ちょっとビックリして思わず飛び出しちゃ

って…」

 

「あらあら…真ちゃんとはうまく行けなかったかしら?」

 

「いえ!そうじゃないんです、私が一方的に…それに真司くんは僕に

いっぱい話しかけてくれて…」

 

「まあ!もう真ちゃんの名前を呼ぶようになったんですのね!」

 

 

ベール様はニコニコ笑った、すごく嬉しそうだ…同性の僕でも思わず

見惚れてしまうほどベール様の表情は優しく、素敵だった。

 

 

「真ちゃんは不思議な人ですわね、いろんな人を焚き付けて…その人

の心を開いてしまうんですもの」

 

「ベール様にもそんな経験があったんですか?」

 

「ええ、真ちゃんがいなかったら今頃私の心が押しつぶされてしまう

んじゃないかって思えるくらいに」

 

 

まさかベール様にそんなことが…真司くんってすごい人なのかも…

 

 

「それじゃあ真ちゃんを待たせるのも悪いですし行きましょうか?」

 

「はい!」

 

 

戻ったらまずは真司くんに謝らないと…そう思いながら僕はベール

様と局長さんと一緒に楽屋へ向かった。

 

 

―――――

 

「ん?なんだ?」

 

「局長さん?」

 

「どうかいたしましたか?」

 

「歌…歌が聴こえる…」

 

 

僕とベール様は耳を澄ます…本当だ、歌が聴こえる。すごく優しくて

…勇気が出てくるような…そんな歌が。

 

 

「一体誰が…」

 

「あれ?僕たちの楽屋の方から聞こえる…」

 

「でも楽屋には真ちゃんしか…まさか」

 

 

僕たちは楽屋の前で足を止めドアをそっと開ける、そこには…

 

 

「~~~~~~♪」

 

 

真司くんだ、真司くんがこの歌を歌っていたんだ…この曲は僕も知ら

ない歌、でも…不思議と口ずさんでしまう。

 

 

「誰よりも何よりも…君だけを守りたい…」

 

「真ちゃん…歌がお上手なのですね…」

 

「…」

 

 

その時だ、局長さんがドアを開け真司くんの前に飛び出した!

 

 

「加賀美くん!」

 

「どわあ!?え?局長さん?ベル姉?5pb.?」

 

 

僕とベール様は慌てて中に入る、でも次の瞬間局長さんはとんでもな

いことを言い出した。

 

 

「加賀美くん、5pb.ちゃんと一緒に仕事をしてみないかね?」

 

「…はい?」

 

 

え?えええええええええええええええええええ!?

 

 

 

5pb.Side END

 

 

 




次回は歌姫のターン後編!!

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