ふとカレンダーに目をやると4月の14日
あれ春じゃん?とか思いつつ、冷静に考えると桜が咲いているのに春以外の選択肢を浮かべた自分が恥ずかしい
しかしそうなると花粉症の御陰で俺の鼻水がマッハでやばい
幸い今日の授業はもう終わったことだしと、能力を発動
『あらゆる薬を作る程度の能力』
薬草刻んでー、フライパン温めてー、油敷いてー
熱したフライパンに卵入れてー、冷凍しておいたご飯をm9( ゚Д゚) ドーン!
ジャッジャッジャッジャッジャ
炒飯作るよ!
違うそうじゃない、夕食出来たけどそうじゃない
今度こそ
乾燥させておいた薬草を粉末状にし(以下省略
そして最後の仕上げで右腕を大きく上下に動かす
( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!
( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!
違う、何故脱線するのだ
しかし最後の仕上げは瓶を振ることだったので万事おk
瓶を開けるとゴポンという音とともに緑色の液体が沸騰するかのように沸き上がる
・・・・・・これを飲まなければいけないのか
自分で作って置いといてあれだけどこれはやばい
匂いとか味がどうとかそんなチャチなもんじゃない気がする
そこでふと思い出す、今日エヴァちゃん休みだったなと
ククク、ちょうど良いではないか。この薬を試す被検体がすぐ傍にいるだなんて・・・・・・
思い立ったが吉日と言うし、そうと決まればとスキマを開・・・・・・
開こうとしたら呼び鈴が鳴ったので渋々玄関に向かう、玄関を開くと
「いい加減話をさせてください!」
せっちゃん落ち着けよ、授業はどうした
「授業ならもう終わっています、それよりも今日こそは私と話を」
「うるせぇ俺はこれから出かけるの!炒飯でも食べて待ってろ!」
部屋に引きずり込み、今度こそスキマを開きエヴァちゃんの所へ
「あら悠斗、あなたが持ってるそれは何かしら?」
「おぉゆかりん、これ?俺が作った薬。効能不明副作用不明のA級品危険物」
「捨ててきなさい」
なぜだ!そしてまたふと思いつく。そうだ、永遠亭に行こう
「ゆかりんちょっと永遠亭いってくる」
「何しにって・・・・・・あぁ、あそこには本家本元の医者がいるものね。・・・・・・実験動物も」
最後の方の言葉は聞こえなかった事にしようそうしよう
スキマを開き竹林に・・・・・・いや迷うね確実に
素直に玄関にスキマを繋ぎ鈴仙が玄関に立っていたが光を屈折させてスルー
えーりんはどこかなーと歩き回るうちになんかぐやーの気配
「悪い子はいねーがぁ!」
「ひゃう!びっくりした!びっくりした!!びっくりした!!!」
驚かして満足したのでスキマを使い顔を見られる前に退散退散
出口をエヴァちゃん家の前に繋ぎ・・・・・・あれ?俺何しに永遠亭行ったんだっけ?
まぁいっか☆
「ちゃーちゃーまーるちゃーん。あーそーぼー」
返事がない
よろしい、ならば潜入だ
ダンボールを装備し玄関から堂々と侵入する、ぶっちゃけ隠れて入る必要皆無かもしれないけど・・・・・・ようは雰囲気が大事ってことよ!
春なのに思いのほか暑い、ダンボールなんて被ってられるかと脱ぎ捨てる
1階には誰もいないようなので2階に抜き足差し足忍び足
「お邪魔しまーす」
片手に突撃エヴァちゃんの寝顔ドッキリと書かれたパネルを持ちこっそりと侵入
するとそこには先客が・・・・・・おいおいネギ先生、弱ってる生徒と一緒に眠るだなんてなんて羨ましいことしてるんだそこ代われ!
そういえばと思い出す、ネギ君がエヴァちゃんの家に来たのは原作イベントだったはずだ。確かあれだ果たし状を投げつけるアレ
にゃるほど、茶々丸さんがいないのは薬をもらいに行ってるわけか、仕方あるまいここは俺が人肌・・・・・・
「えーりんに薬の効能調べてもらうの忘れてたよ・・・・・・」
何しに行ったんだよ俺ェ・・・・・・。鈴仙無視してぐーや驚かしてきただけじゃん・・・・・・
まぁいい、過ぎたことは気にしない性分なのだ
瓶を構えいざ口内へ、と思った所で二人同時に目を覚ます
「坊や貴様、私の夢を見たな・・・・・・」
「すいません、エヴァンジェリンさんが父さんの名前を呼んでいて気になってしまって・・・・・・」
「エヴァちゃん寝顔可愛いね!」
ピシッと、世界に罅が入った気がする
・戦う
道具
逃げる
→そっとしておこう
喉が渇いたんじゃないかと思い台所に向かいコップに水をいれ持ってくる
さて2階に戻ろうとした所で茶々丸さんが帰宅、その手には薬が入っているであろう袋が・・・・・・
「あ、俺も薬持ってきたんだった」
この短時間で何回忘れるのか俺の鳥頭は!
ダダダダダと階段を勢いよく駆け上がり扉を盛大に開け放つ
「エヴァちゃん水と薬持ってきたよ!」
「おいお前少し静かにしてくれないか、頭に響くんだが」
・そっとしておこう
そっとしておこう
そっとしておこう
→無理矢理飲ませよう
よしそうしよう
以前エヴァちゃんの糸に物理的に絡まれてから学習力を底上げして覚えたのだ
「きゅっとして」
人差指を動かすとエヴァちゃんとネギ君の体が強ばる
「おい貴様何をした!動けないではないか!」
「悠斗さん何をするんですか!僕の生徒に手を出したら許しませんよ!」
何か聞こえるが気にしない、もうなにも怖くないんだからな!
「ダークネスフィンガーーーーー!!」
瓶を掴みエヴァちゃんの口に無理矢理ねじ込む
最初こそはその太さと大きさに吐き出そうとしたが鼻を抓むと観念したのかすんなりと受け入れた
口からは涎がこぼれ、彼女の頬は風邪の熱で上気し赤く染まっている。いつもと違って弱々しい目がなんとも言えない背徳感を醸し出す
ネギ君といえば目を手で隠して見えないようにしているのだろうが、指が開いているので見ているのがバレバレである
こちらもいい加減限界が近い、最後の一滴まで彼女に飲み込んでもらうためにもう一度喉の奥につくように押し付ける
「ヒィィト!エンドォ!」
瓶から薬がなくなるのを確認しキュポンという音とともに彼女の口から抜き出す
彼女の口と瓶をつなぐ銀色の糸がプツンと切れた時それは起こった
「グ・・・・・・がぁああああああああああ!!」
「エヴァンジェリンさん!?」
突如苦しみ出した彼女、俺の心はバクバクを激しくビートを刻んでいる
大丈夫、大丈夫、成功したはずだから
そんな苦しそうな叫び声も一瞬、本当に一瞬で収まり
「最高にハイってヤツだぁああ!」
風邪が治りテンションがぶっちぎりな彼女がそこにいた
ほら大丈夫だった
「エヴァンジェリンさん大丈夫なんですか!?凄く苦しそうでしたけど!?」
「あぁ坊やか、今の私は気分がいい。果たし状でもなんでも受け取って上げよう」
「ほ、本当ですか!」
「もちろんだとも、明日の20時から24時の間で構わないかな」
「はい!問題ありません!待っててくださいよ、必ずあなたを倒しますから!」
なにげにちゃんと結界が解ける時間帯を指定してくるあたり憎らしい
「絶対ですよー」という大きな声とともにエヴァちゃん家を飛び出すネギ君、急いでるからって箒に乗って帰るのはどうかと思うぜ
「ふふふ、貴様には礼を言わねばならぬな。風邪が治るだけではなく魔力も幾分か回復しているじゃないか」
mjsk、俺なんの薬作ったんだろ?エリクサー?
「今なら貴様にも勝てるだろうな、どうだ?勝負するか?」
お?お?とちょっとウザったいくらいのテンションで絡んできたのでその勝負に乗る
でもねエヴァちゃん、別荘って呪いの効果が効かないから前回負けた時って全力だったってことだよね
現実で魔力が回復したからって別荘で何があるわけでもないんだよね・・・・・・
しかし敢えて言わない、彼女のあんな顔を見て言える訳もなかった
結果としては大人気なく『こおるせかい』まで使おうとしてきたので
『永遠と須臾を操る程度の能力』を使い自身の体感時間を変化させる。そうするとあら不思議、彼女の詠唱がとても遅く聞こえるじゃあーりませんか
その隙に近づいて『トンファー百烈脚』でダメージを与え吹き飛ばす
能力を『風を操る程度の能力』に変え、吹き飛ばしたエヴァちゃんの懐に一気に接近し
『デンプシートンファー』で追撃
もうボロボロになっているエヴァちゃん、申し訳ないけどこれって戦争なのよね
最後は前回と同じく『トンファー投げっぱなしジャーマン』で締め
いい汗かいたぜ・・・・・・
目覚める気配がないので、当初の目的は果たしたわけなので夕食を食べようと自室に戻る
スキマに入るとゆかりんが眠っていたので起こさないように注意しながら自室にスキマを繋ぎ
人のベッドですやすやと眠っているせっちゃんがいた、これはまだいい
しかし俺の炒飯はどこにいった。それなりの量があったはずなんだけど・・・・・・
せっちゃんのお話
急に女子寮監、私たちのクラスの副担任になったあの神楽悠斗とかいう男
副担任になっただけなら私もここまで拘る事は無かっただろう、しかし奴は木乃香お嬢様の隣の部屋に住むだけでは飽き足らず
夕食をご馳走になったりしているというではないか!
私は離れて見守っているだけで我慢しているというのに!
おっと落ち着こう、護衛はいつでも冷静でいなければならない
何度も彼とは話をしようと近づくがことごとく逃げられていた
怪しい、この上なく怪しい・・・・・・。黒だよ真っ黒と叫びたい衝動に駆られつつも、まずは話をしてみるべきじゃないかいと真名に窘められたのを思い出す
そして今日、ようやく彼と話をする機会が訪れた
訪れたのだが彼は私を部屋に引きずり込むと「炒飯でも食べて待ってろ!」と言い、謎の空間に入り消えてしまった
残された私を待っていたのは部屋中に広がる香ばしい炒飯の香り
グゥとお腹がなる、恥ずかしさで頬を赤く染めるが周りには誰もいない
(食べて待ってろって言ったし・・・・・・)
彼がそう言ったのだ、なら食べても問題はないだろう
知らない人の冷蔵庫を開けるのはさすがに気が引けたので一度自室に戻り飲み物を取って戻る
勝手についてきた真名も炒飯の誘惑には逆らえなかったのか、レンゲで一口・・・・・・
一口入れたあと数秒固まり・・・・・・、黙々と食べ始めた
どれと私も一口・・・・・・あ、これは止まらない
そう思うと同時に私達は炒飯を食べ続けた
レンゲを炒飯に突き刺し掬う レンゲを口に向けてスイッチ
レンゲを炒飯に突き刺し掬う レンゲを口に向けてスイッチ
レンゲを炒飯に突き刺し掬う レンゲを口に向けてスイッチ
レンゲを炒飯に突き刺し掬う レンゲを口に向けてスイッチ
―――ッハ!
私は一体何を・・・・・・
気がつくと皿に盛られていた炒飯は米粒一つ残すことなく消えていた
真名は満足そうに自室に戻っていったが私はそうも言っていられない、彼から話を聞かねばならぬのだ・・・・・・
満腹になったら眠くなってきた・・・・・・
うつらうつらと頭を揺らし・・・・・・眠気と戦うが・・・・・・
(・・・・・・無理)
そう思うと体が横に倒れるように傾き、誰かに支えられた
「まったく、悠斗は何をしているのかしら?こんな可愛い子をほうっておくなんて」
女性の声が聞こえる
「床に寝せておくのも・・・・・・いいわ、ベッドに運んであげましょう。藍」
彼女が誰かを呼んだ声が聞こえる、だがその誰かの声を聞く前に私の意識は沈んでいった