せっかく転生したのなら楽しまなきゃ損でしょ   作:黒ウサギ

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二十一話 ちょっとした番外編その3

 

 

 

はやてSide

 

 

長距離砲撃魔法『フレースヴェルグ』相手は死ぬ

とまではいかないけどそれなりに威力がある方だと自負している

何より砲撃魔法なのだ、なのはちゃんの『軽く星をぶっ壊す(スターライトブレイカー)』には劣るかもしれないけど手応えはあった

 

今私達機動六課はゆりかご事件に恐らく協力してくれた謎の人物と模擬戦を繰り広げている

謎の人物と称してはいるけど見た目がどう見ても『炎髪灼眼』。凹凸が無いので性別がわからないけど

その人物はなんというか一言で表すなら「ありえない」存在だった

大量のガジェットをあっという間に殲滅したかと思えば、ヴィータは傷を塗り薬で直してもらったと言う

最終的にはその人は研究成果という魔法を使いゆりかごを消失させた。そんな魔法研究しないで欲しい、そのうち隕石でも降らしてくるのではないかと思うとゾッとする

そして今その人物は私の砲撃に呑まれた

これで終わってくれれば御の字だが、そう上手くいく程世の中そんなに甘くない

砲撃が止み、彼の撃墜を確認するためにサーチャーを飛ばす・・・・・・が

 

「いない!?」

 

その場に彼はいなかった。おかしい、確かに直撃したはずだ!

慌てて周囲を見回す、みんなにも念話で確認を取るが確かに直撃したのを見たとのこと

ならば何処に?地面を確認するが墜落した様子もない

そんなときサーチャーに反応があった・・・・・・え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠斗Side

 

 

 

『密と疎を操る程度の能力』

伊吹萃香が操るこの能力は自身の体を霧にすることができる

砲撃にのまれた瞬間この能力を使用し霧となって文字通り霧散した

自身が霧になっていく感覚がなんとも表現し難い感覚だったので今後の使用は控えるとしよう・・・・・・

見ればはやて達は混乱しているご様子、一応直撃したという手応えはあったのだろう。実際直撃してから霧になったわけだし

サーチャーを飛ばしたようだがもっと混乱するんだろうね、霧の状態だから周囲にいるようなものだし

まぁこれくらいでいいでしょ、と密を操り実体化する。六課の表情で今日も飯が美味い

しかしこれからどうしようか、『炎髪灼眼』で転移をしながら片付けていく予定だったがフェイトによって防がれてしまう

いっそのこと時間を止めるかとも悩んだがそれでは芸がない、そもそもこの体はPAD長と違って人間の体なのだ。肉体年齢が加速するのは好ましくない

デバイスを破壊、これはもっとNG。思い出の品とも言っていいレイハさんやバルさん、シュベルトなんちゃらを壊してしまっては完全に悪役だろう

まさか俺がぐぬぬ顔をすることになろうとは・・・・・・

そうこうしているうちにシグナムとフェイトが抜群のコンビネーションで仕掛けてくる

スキマからトンファーを取り出し迎え撃つ

 

「トンファー使うと思った?残念足でしたー!」

 

トンファーキックをシグナム目掛けて放つ、トンファーに集中していたシグナムは咄嗟にガードするが吹き飛ばされてしまう

やはりトンファー流は良い物だ、心が現れる

テンション上がってきた、こちらもギアを上げるとしよう

『距離を操る程度の能力』でフェイトとの距離を離しエリオに肉薄する

突如目の前に現れた俺に一瞬だけ身を竦ませたエリオだがそこはさすが魔王に訓練を受けていただけはある。すぐにこちらに攻めかかる

だが甘いぞ少年既にここは私の間合いだ

 

「トンファータックル!」

 

どこか中国拳法を思い出させるような体術でエリオを吹っ飛ばす、吹き飛ばされたエリオが立ち上がる気配がないところを見ると気を失っているのだろう

さすがトンファー流恐るべき力だ・・・・・・

 

「ユニゾンイン!」

 

後方で赤い光とともに声が聞こえた、振り向くとシグナムの髪の色や服の色が変わっているあれがユニゾンですか

 

「剣閃烈火!火竜一閃!!」

 

掛け声とともに炎で形作られた剣が伸び迫り来る

しかし伸ばされた炎の剣は俺にあたることなく通り過ぎる

『無意識を操る程度の能力』

シグナムにこれをかけ無意識に剣の軌道をずらさせた、シグナムからすれば驚天動地だろう

地霊殿つながりで『核融合を操る程度の能力』が頭に浮かんだがこれを使うと世界がヤバイ

シグナムがならばと斬りかかってくるが無意識の内に逸しているので俺に当たることはない、傍から見れば避けているように見えるのかもしれないが・・・・・・

段々とシグナムが可哀想になってきたので退場させることに

トンファーをスキマに戻し今度は箒を取り出す、箒に跨り『主に魔法を使う程度の能力』を使う

 

彗星「ブレイジングスター」

 

箒に跨ったまま突進、ただそれだけだが威力はすごい。主にMUGEN動画で戦慄した

そのまま箒でシグナムを轢き逃げ、直線上にいたシャマルとキャロも巻き込む。キャロェ・・・・・・

これで残りは7人、正直な所段々と面倒になってきた

誰も前に出てこないのである、フェイトも後衛を守るために下がったためにこちらから仕掛けねばならない状況になった

攻める側にもデメリットがある、カウンターを取られやすかったり、技の対処に時間を与える形になったりetc

しかしだからと言って俺が何もしないわけがない、はやてが砲撃で来たのならこちらは地域殲滅型だ

『雷を起こす程度の能力』と『主に魔法を使う程度の能力』を選択

 

「天光満る処に我は在り、黄泉の門開く処に汝在り、出でよ神の雷!」

 

やはり雷を操るのならこれを出さねば気がすまん、シリーズ通して個人的お気に入りをご覧あれ!

 

「これで終わりだ、インディグネイション!」

 

7人が固まっているその足元に紫色の巨大な魔法陣が展開される、呪文を唱え終わるとともにその場所に本当に神の雷ではないかと見紛う程の雷が降り注ぐ

どれくらい降り注いでいただろうか、魔法の放出も終わり、そこに立っていたのは一人もいない

やりすぎた感否めない。もしかして殺っちゃった?と冷や汗をだらだら流しているとシャーリーのアナウンスが響き渡る

 

「な、謎の人物の勝利で模擬戦を終了っていうか救護班早く来てー!!」

 

ブスブス焦げている半分ほどの六課メンバーを見てシャーリーが慌てたように救護班を呼ぶ

それを聞きながら俺はそっと薬を置きスキマを開くのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「心臓止まるかと思ったわ・・・・・・」

 

逃げるように麻帆良にある寮監室に戻る、逃げるようにじゃなくて逃げてきたんだけどね!あのままあそこにいたら罪悪感で押しつぶされそうになるお・・・・・・

ま、まぁ万能塗り薬置いてきたから許して欲しい、効果はヴィータが身をもって経験済み。更に念の為手紙を書いて置くことに、内容はごめんなさいで埋め尽くされてるけどな。オヤシロ様もきっと許してくれるはず

手紙を送るとなんとか落ち着いてきた、スキマから翠屋のクッキーを取り出し一つ抓む。あら美味しい多めに買っておいて正解だった

なくなったらまた買いに行こうと考え時刻を確認する、日付は四月の二十七日を表示し時刻は昼の一時を少し過ぎたところ

そんなに長く向こうにいたっけか?と疑問に思ったがSAOの時も思いのほか時間が過ぎていたことを思い出す。別世界に行くとどうも時間のズレが生じるご様子

まぁ今日は日曜日なので学園もお休み、急ぎでやらなければならない事も無いので暇つぶしでエヴァちゃんをからかいに、もとい遊びに行くことに

 

エヴァちゃんの家に着くと先着がいるご様子、はて誰だろうと茶々丸さんに通され室内に入ることに

 

「エヴァンジェリンサン、僕に魔法使いの戦い方を教えてください!」

 

部屋に入るとネギ君がちょうどエヴァちゃんに師事をお願いしているところだった

 

「・・・・・・本気か?」

 

エヴァちゃんがニヤリと笑う、これはどう見ても悪巧みしていますという顔だ・・・・・・

ネギ君が本気ですよ返事をすると、エヴァちゃんは右足をネギ君の眼前に差し出した

 

「まずは我が下僕として永遠の忠誠を近い足を舐めろ、話はそれからだ」

 

「アホかーッ!」

 

スパーンッ!とアスナちゃんのハリセンが響き渡る。ネギ君代わって、俺が舐めるから

アスナちゃんとエヴァちゃんが口喧嘩している内に舐めておこうと頭を下げたら踏み潰された。これはこれで・・・・・・

踏み潰されている間に話がまとまり今度の土曜日に弟子にするかのテストをするとのこと

ネギ君とアスナちゃんが帰るのを見送りエヴァちゃんに聞いてみる

 

「どうして弟子にしないの?」

 

「ふんっ私は別にどうでもいいのだがな、他の正義を謳う魔法使いがうるさいんだよ」

 

なるほど確かに、英雄の息子が闇の福音に弟子入りとか自称正義の魔法使いの方々にとっては信じられないことだろう

エヴァちゃんも苦労してるんだねーと言うと鼻で笑われた、何故・・・・・・

 

「その苦労した結果で生まれたストレスをテストと称して発散させてもらうのさ」

 

テストの内容は別荘内でエヴァちゃんに一撃入れれば合格とのこと、なんという無茶を・・・・・・

さすがエヴァちゃん考えることが汚い、そこに痺れるry

でもさすがにそれだとネギ君に勝ち目がなくなってしまう

 

「エヴァちゃんせめてそこは妥協して茶々丸さんに一撃当てるくらいでいいんじゃないかな?」

 

「何故私が妥協せねばならない、元々弟子なんていらないんだ。なら無茶無理無謀の難題をふっかけてもいいじゃないか」

 

むー、原作でのネギ君強化イベントがこのままでは消えていってしまう

 

「それじゃあエヴァちゃん俺と賭けをしよう、模擬戦をして俺がエヴァちゃんに勝ったらさっきの条件にすること。俺がエヴァちゃんに負けた場合は奴隷でもなんでもなってあげよう」

 

ピクリとエヴァちゃんが反応したが

 

「・・・・・・忘れたのか?一応私は貴様に二度負けているんだぞ?自分が不利な賭けを受けるバカがどこにいる」

 

と返された、なるほどそれなら条件をつけよう

こちらはトンファーを使わない旨を伝えると態度が一変した

 

「フハハハハ!貴様私に賭けを持ち込んだ事を後悔するがいい!」

 

テンション上がりすぎだろ・・・・・・、そんなにトンファーが嫌か・・・・・・

先に別荘で待っているぞと笑いながら地下に行くエヴァちゃん

でもやっぱり忘れてるんだね、元々トンファー流ってトンファー使わないんだよ・・・・・・

 

結果は言わずもがな、取り敢えず茶々丸さんに一撃当てれば合格という条件にしてもらった。暫くエヴァちゃんが口を聞いてくれなかったのが地味にショックだった


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