せっかく転生したのなら楽しまなきゃ損でしょ   作:黒ウサギ

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個人的に千雨ちゃんと月詠が大好物です


十六話 シネマ村でしょ

 

 

 

 

 

 

 

新田先生によるお叱りを受けた3-Aだが、この後ネギ君の唇を賭けた熱い戦いが繰り広げられるはずだ

主催者がパパラッチとカモの時点で末路が見えているのがなんとも・・・・・・

まぁ今回は俺には関係ないのでのんびりと酒を飲みながら過ごそうと思う

ロビーの自販機でビールを買い部屋に戻る、ちなみに瀬流彦先生は新田先生と飲んでいる。俺も誘われたが一人酒が良かったので断った

部屋に戻りベランダに向かう、夜空を見上げると満月が輝いていて目を奪われる

カシュッと音を立てプルタブを開け一気に呷る

 

「キンッキンに冷えてやがる・・・・・・っ!」

 

自販機で買ってきたばかりの商品が温かったらそれはそれで問題だが・・・・・・

テレビをつけて見るが特にこれといった番組が入ってはいなかった

そして段々と外の方が騒がしくなってきている、時刻は23時半、つまり戦が始まる時間だ

テレビの境界を操り俺の部屋のテレビにも状況がわかるように設定する

 

『修学旅行特別企画!くちびる争奪!修学旅行でネギ先生&悠斗先生とラブラブKiss大作戦~~~~~~!!』

 

不穏な単語が聞こえた、気のせいだろう

 

『ルールは至って簡単!新田先生の監視の目を掻い潜りネギ先生か悠斗先生のどちらかの唇を奪った人の勝利となります!』

 

パパラッチイイイイイイイイイイイイ!何してくれてんの!?俺の平穏どこに行ったの!?

危うく缶を落とすところだった、しかしこうしてはいられない。身を隠さねばなるまいな・・・・・・

いや待て落ち着け、どうせ俺の所に来るという奇特な発想の持ち主はいないだろう、自分で思って悲しくなるが・・・・・・

ならば俺が隠れる必要はないな、このまま観戦してようと再びテレビに視線を落とす

んーどこのペアが優勝するかね、原作と違う結果になる可能性も無きにしも非ずなわけだし

『委員長・長谷川ペア』が個人的には本命かな、千雨ちゃんはともかく委員長のやる気が半端ないことになってる

そうこうしているうちに早速鉢合わせした『委員長・長谷川ペア』と『まき絵・裕奈ペア』

枕とはいえ顔面に当たると痛いんだろうなー赤くなってるし

裕奈ちゃんが委員長にトドメをさそうと枕を振りかぶるが千雨ちゃんに足を引っ掛けられ転倒

 

『チャイナピロートリプルアターーック!』

 

そこで『楓・古菲ペア』が乱入、いきなり三人に枕を当てる

乱戦だなーと見ていると千雨ちゃんが抜け出したのが見えた、まぁあの子やる気なかったしね

だがしかしこのままいけば新田先生にエンカウントして朝まで正座コースを味わう事になるだろう。強制的に参加させられてそれは可愛そうなので助けてあげましょ

俺の部屋の前を通りかかった瞬間部屋に引きずり込む、この瞬間だけ見られてたら確実に俺の人生OUTだね

 

「な!?先生いきなり何ムグぅ!?」

 

口を抑えて声を出させないようにする

 

「何やら外が騒がしいですな・・・・・・」

 

部屋に引きずり込んですぐに新田先生が出て行った、危ない危ないもう少しで見つかるところだった

口から手を離すと千雨ちゃんも安堵の溜め息を漏らす

 

「助かったよ先生、あのまま進んでたら新田と鉢合わせるところだった・・・・・・」

 

「お構い無くー、もしかしたら俺がこのまま説教するかもしれないよ?」

 

冗談で言ってみたが千雨ちゃんは気にした様子はない

 

「まず私を助けた時点でその可能性はないだろ、それに先生は説教をするキャラじゃないしな」

 

クククと笑われてしまう、確かにそんなキャラじゃないのは認めるが・・・・・・

まぁいいだろう、このまま引き止めていても意味はないし見つからないように帰るんだよと部屋を送り出す

「ありがとな先生」と言ってくれたのが地味に嬉しかった

 

さてどうなっているかなとテレビに戻る・・・・・・裕奈ちゃん捕まっちゃったのね

そして乙女の悲鳴が響き渡る、あぁネギ君増えちゃったか・・・・・・

見れば5人ネギ君がそれぞれ獲物を定めてキスしようと迫っている、やれそこだいっちまえ!

しかし夕映ちゃんに迫っていたネギ君が本で即頭部を殴られ紙に戻ってしまう

それを察知したのか残りの四体がロビーに集結、カオスが始まった

古菲が偽物の一人にキスをし、偽物が大量の煙をまき散らしながら爆発、それに気づいた新田先生がロビーに戻ってくるが残りの三体によって気絶してしまう

逃げ出した残りの三体も順に捕まっていき爆発四散

夕映ちゃんと本屋ちゃんが外の見回りから戻ってきたネギ先生を見つける

本屋ちゃんとネギ君が顔を真っ赤に染め、ネギ君からお友達からという返事をもらっている

あ、夕映ちゃん足引っ掛けて・・・・・・あ

躓いた本屋ちゃんがネギ君に倒れこみ唇がぶつかってしまう。これで仮契約完了か・・・・・・

企画も終わりどこからかパパラッチの叫び声が聞こえたがそっとしておこう、お前はロビーで正座しているがよい

結局俺の所には誰も来なかったなと少し落ち込んでいたところドアがノックされる。だて誰だろうか

ドアを開けると千雨ちゃんがいたのだが

 

――チュッ

 

と頬に柔らかい感触・・・・・・え?

 

「助けてもらったお礼だよ先生、たまには私も楽しまなきゃな」

 

そう言うと千雨ちゃんは走り出してしまった・・・・・・え?え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がついたら朝日が登っていた、なんだ夢か

 

「んなわきゃねーだろ・・・・・・」

 

要するに昨日本屋ちゃんに告白されたあとのネギ君のようにひたすらぼーっとしていようだ

まさか千雨ちゃんがあんなキャラだったとわ・・・・・・原作知識も案外使えないな・・・・・・

まぁ役得だったからいいかと考えギリギリまで寝ようかと思ったが時刻が朝食の時間とか何それ怖い

修学旅行も三日目、今日は完全自由行動日である。ネギ君は親書を届けるという大事な任務があるらしいが俺にはない

ならば今日はひたすら遊び回ろうそうしよう

 

朝食を終えると本屋ちゃんが一枚のカードを嬉しそうに抱えていた、仮契約のカードか。木乃香ちゃんがものすごい羨ましそうにしていた

各班準備を終えてそれぞれの目的地に向かう、ネギ君を探している所もあるが残念でした彼は既に裏口から逃走してます

今日の自由行動にエヴァちゃんが絡んでこなかったのが意外だったが俺も動くとしよう

遊び回ると言ったな、あれは嘘だ。当然教師がそんなに遊び回れるわけもない。まぁ京都市内で生徒を見守るってのが今日の仕事

瀬流彦先生と新田先生は大阪のUSJの方に監視しに行くらしい・・・・・・お疲れ様です・・・・・・

さて俺はというと取り敢えず色々と歩いて見ることに。京都駅マジ迷路・・・・・・

 

歩き回っているうちに時刻はお昼になったところ、途中委員長の班と遭遇したのでここは大人の対応で昼食を奢ることに

試しに何が食べたいか聞いてみるがなんでも良いというこれまた難易度の高い注文を受けてしまった

まぁいいファミレスだぁ!

 

「神楽先生、もう少し気の利いた場所にするという考えはなかったのですか?」

 

委員長の言葉が痛い

 

「まぁまぁ落ち着きなさいあやか、それになんでも良いと言ったのは私達じゃない」

 

名波さんが援護してくれるのがせめてもの救いか・・・・・・

千雨ちゃんは顔を赤くして「何で私はあんなことを・・・・・・」と自己嫌悪。ごめんな黒歴史増やしちゃったんだね・・・・・・

村上ちゃんは教師に奢ってもらうという事が恐れ多いのか少し縮こまっている、ザジちゃんは無表情でわかんねぇわ・・・・・・

ちなみにザジちゃんが何故ここにと思ったのだがどうせエヴァちゃんが押し付けたのだろう。やれやれだぜ・・・・・・

 

昼食も済ませこの後シネマ村に向かうとのこと、俺はどうするかなと考えていたらご一緒しませんかとお誘いを受けた

どうせ一人で過ごすのも寂しいと感じていたのでご一緒することに

シネマ村に到着、女性陣が更衣所で着物の貸出をしていたので着替えるらしい。外で待ってるよと言ったら先生も着替えるんですと引きずり込まれてしまった

突然だが3-Aの生徒は基本的にスペックが高い、そんな彼女達が着物に着替えると当然のように人目を惹きつける

そんな中に男性が一人混ざっていれば当然のように妬み嫉みの視線が注がれるわけでありまして

 

「なぁお前だけ女の子に囲まれて不公平だと思わない?俺たちにもおこぼれちょうだいよー」

 

当然こんなチャラチャラした若者が絡んで来るのもある意味では必然なわけなのです

10人程の少年に囲まれてザジちゃん以外は少し怯えている、ザジちゃんスゲェなおい・・・・・・

ちーちゃんまで怯えていたのが少し意外だったが彼女もまだ中学生なのだ、年相応の反応と言ってもいいだろう

千雨ちゃんは眼鏡を外している状態、ネギ君も言っていたが眼鏡を取ると凄く可愛い、持ち帰りたい

話がずれた村上ちゃんは顔を青ざめさせ委員長の後ろに隠れている、委員長は気丈な姿を崩してはいないがその手は震えている

正直面倒くさい、逃げ出したい気持ちでいっぱいです

 

「囲まれるも何もこの子達は俺の生徒なの、わかったらほらさっさと散れ」

 

「うわ~先生と生徒がこんなふうに行動するとかありえなくね?それに俺たちが親切で案内してあげようとしてるのにそれを断るなんてひどいっしょ~」

 

ヘラヘラ笑っているその顔を拳で整形したい。いかんいかん抑えろ

どうやって逃げ出そうかなーと考えていると、チャラ男たちは俺の態度を無視と受け取ったのか

 

「それじゃあ俺たちがこの子達預かるから先生は帰っていいよ~」

 

などとふざけたことを言いながらちーちゃんの肩に手をかけ

 

「まぁまぁ落ち着けよ糞餓鬼」

 

俺によって防がれた、握った手はミシミシと音を立て軋んでいる

俺の手を振りほどき殴りかかって来たチャラ男を蹴り飛ばす、やっちゃったぜ☆

これはもう逃げられないと思い通路に逃げ込む、後ろの生徒を庇う形で前に立つ。細い通路なので必然的にタイマンの形になるのです

別に複数同時に襲ってきても負けはしないけど面倒だしね

奇声を発しながら殴りかかってくるチャラ男をひたすらトンファーキックで吹き飛ばすだけの簡単なお仕事です、手と足じゃーリーチが違うのだよ!

何回蹴り飛ばしただろうか、ついに最後の一人も立ち上がってこなくなったのでトンファーをしまう、当然後ろの生徒のバレないようにね!

「先生結構強いんだな・・・・・・」と千雨ちゃんが呆れながら言ってきた、守るべきものがあれば人間なんでも出来るんだよと言ったら頬を染めていた

委員長たちからも感謝の言葉を受け取りつつスタッフの方々にチャラ男共を引き渡す

引き渡したあとに思ったのだが『狂気を操る程度の能力』でも使って同士討ちさせたほうが良かったかもしれない・・・・・・

俺がいるとまた絡まれそうなので一人だけ退散することに。まぁシネマ村の中にはいますけど!

ぶらぶらしていると橋の方が騒がしい、野次馬根性丸出しで見に行ってみるとせっちゃんと木乃香ちゃんがいた・・・・・・あ

 

「月詠発見」

 


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