「殺気!」
目が覚めると同時に体を横に捻る
――ズドン!
という音とともに先程まで俺の頭があった場所に何かが突き刺さっていた
ナニコレ?その何かの先を辿ると・・・・・・・
「おはようエヴァにゃん」
「にゃん言うな・・・・・・おはよう・・・・・・」
不貞腐れながらも最後にちゃんと挨拶を返してくれるエヴァちゃんがいた
でもねエヴァちゃん、目覚ましの変わりに『断罪の剣』はやめたほうがいいと思うんだ
言ってもやめないんだろうなと思い何故エヴァちゃんがここにいるのか聞いてみる
「何、先生。今日はこの私と一緒に京都を見学することを許可しよう」
「茶々丸さん訳して」
「私と一緒に来てくれなきゃエヴァ悲しい!」
素晴らしくわかりやすい訳し方だった
エヴァちゃんを見ると茶々丸さんのねじをすごい勢いで巻いている
「どうせ暇なんだろ?ならば私達に付き合え」
確かエヴァちゃんの班って・・・・・・
「同じ班のザジさんは雪広さんの所に、桜咲さんは木乃香さんの班に行ってもらいました」
根回し早いなおい。しかしせっちゃんがいないならピリピリした視線に晒されることはないだろう
そうと決まれば早速準備だということで時計を見る。おいまだ5時だぞどういうことだおい
ジト目でエヴァちゃんを見ると露骨に視線を逸らされた
「マスターはテンションが上がりすぎて徹夜していたのです」
そして俺はそのテンションに巻き込まれたと・・・・・・
まぁいいだろう、時間なぞすぐに過ぎる
さすがに生徒が先生の部屋にこんな時間からいるのはまずいので部屋に帰らせる
さて二度寝だ・・・・・・
二度寝から覚め、朝食の時間になりつつあるので大食堂に向かう
生徒が揃ってから全員でいただきます
途中木乃香ちゃんがせっちゃんを追い回すといった事があったが、いいぞもっとやれ!昨日の晩に煽ったの俺だからな!
ネギ君が班別行動に誘われまくっていた。最終的に本屋ちゃんの班と回ることにしたらしい
「悠斗先生もご一緒にどうですか」と誘われたが丁重にお断り、俺は馬に蹴られるのは勘弁なのです
部屋に戻り準備を終わらせてエヴァちゃんと合流、むっふーといいながら鼻息を荒げるのはやめてください。乙女的にそれはどうかと思います
「それじゃあ出発しましょか。最初の目的地は何処?」
「まずは奈良公園からだ!」
テンション高すぎ可愛い!
奈良公園に着くと既にネギ先生達がいた。あ、手を噛まれてる
ちなみに煎餅を持って鹿に近づくと悲惨な目に会う可能性が高いので気をつけてね
と、エヴァちゃんに注意するも時すでに遅し。大量の鹿にもみくちゃにされているエヴァちゃんがそこにはいた
もちろん助けません、見て楽しんでます
「あぁ・・・・・・鹿に襲われてるマスター・・・・・・いぃ・・・・・・!」
今日も従者は元気です
「何故助けなかった!」と聞かれたので可愛かったよーと返したら殴られた。解せぬ
次の目的地は奈良の大仏殿
「でっかいなー」
前世では来たことがなかったので素直に感嘆する
エヴァちゃんの目が星になっているのがまたなんとも言えない可愛らしさをゲフンゲフン
中に入るとまたもやネギ君とエンカウント
本屋ちゃんのお尻を見るというハプニングがあったが俺は見てない。紳士ですから(キリッ
「紳士(失笑)」
失礼なことをいうエヴァちゃんにはジャイアントスイングをかましておいた
ついでということで俺達もおみくじを引く。何極凶なんてもんがそんなどこにでもあるはずがない、そう自身に暗示をかけいざ!
「最凶・・・・・・」
さいきょうってなんやねん・・・・・・エヴァちゃんと茶々丸さんの目が優しさに満ちていて辛かった
歩き疲れたので少し休憩することに
近くに茶屋があったのでそこでお団子を注文
程よい甘さとお茶の苦味がマッチしていて手が止まらなくなるかと思った。いつぞやのゴーヤクレープとは違うのだよ!
休憩しているとアスナちゃんとせっちゃんと遭遇、木乃香ちゃん撒かれたな・・・・・・
アスナちゃんがエヴァちゃんと軽口を叩き合っていると本屋ちゃんが来た。あれ?ネギ君は?
話を聞くと逃げ出してきた様子、まぁこの子引っ込み思案というかなんというか・・・・・・
先程も述べた通り俺は馬に蹴られたくないのでこれには関わらないことに。告白する瞬間は出歯亀しに行きますけど!
アスナちゃんとせっちゃんと話して元気になったのか、本屋ちゃんがもう一度だけ頑張ってみるとのこと
頑張れ女の子とポツリと呟いた、誰にも聞かれてないよね?
エヴァちゃんを見ると団子を食べて眠気が襲ってきたのか茶々丸さんの膝を枕にして眠っていた
スキマを開き送ろうかどうか聞いてみると、自身で運ぶからいいとのこと。ならいいだろう
背中にエヴァちゃんを背負い茶々丸さんは歩いて行った。よし、俺も本屋ちゃんの告白を見に――
「――ちょっといいかな?」
「ちょっともよくない!」
話しかけられたが脚力を上げて駆け出す、はて先程の少年どこかで見たような・・・・・・
振り向くと・・・・・・フェイトやん。俺の行動に驚きポカンと口を開いたまま固まっている少年がそこにはいた
すまんな少年、俺は今青春の美を見に行かねばならぬのだ
結果として本屋ちゃんの告白イベントには間に合わず、そこには知恵熱を出し倒れるネギ君と陰で見守っていた少女たちがいた
おのれフェイト・・・・・・許すまじ!
ネギ君を放置し少しぶらついてから旅館に戻る、道中色んな班の子と遭遇したが割愛
旅館に戻るとネギ君がロビーで固まっていた
悩んでる悩んでる、今のうちに苦悩するがいいさ若者よ・・・・・・爆発しろ!
呪詛を吐き部屋に戻る、別に羨ましくなんてない。青春とか俺にはいらんし!
部屋で瀬流彦先生と談笑して少し時間を潰す。お風呂の先生専用時間になった
二人して一緒に入ってしまうと監視する人がいなくなってしまうので、先にと勧められたのでお言葉に甘える事に
風呂場にいるとすでに誰かが入っている様子、服を脱ぎ湯船に向かうとネギ君がいた。すっごいしょんぼりしてる
俺も湯船に浸かりど真ん中ストレートの質問を投げてみる
「ネギ君本屋ちゃんに告白されたんだって?」
「ぶーーーーー!」
デッドボールだったかもしれない
ネギ君が何か言おうとしていたが戸が開く音に遮られる、誰か入ってきたようだうぇーい!
「あらネギ先生・・・・・・悠斗先生も♡」
しずな先生登場・・・・・・いや待て違うな、あの形はしずな先生じゃない
しずな先生じゃないならいいやと興味が失せる、どうせ中身パパラッチだろうしな
少し離れてネギ君を見守る
「ネギ先生、貴方魔法使いなんでしょ・・・・・・」
「何で知ってるんですか!学園長から聞いたんですか!?」
自爆乙
暫く眺めているとネギ君がしずな先生(仮)に抱きかかえられ
「なんかしずな先生胸すごく小さくありませんか?」
なんかすごい事言いのけた、貴様はしずな先生の双丘に顔をうずめた事があるのか!?
もし経験済みならネギ君のネギ切っちゃおうかなと物騒なことを考えているとパパラッチが正体を表した
片手には携帯が握られきっとすぐに情報をバラ撒けるようにしているのだろう
さすがにそこまでするのはダメだろと思いスキマを開き携帯を没収、空中からいきなり現れた手に驚いた様子
「朝倉ーさすがにちょーとやりすぎじゃんよー」
「悠斗先生には関係・・・・・・関係あったりする・・・・・・?」
今度は俺に飛び火しますか、まぁ俺は別に隠す気もなく能力使ってるのでバレた所で痛くも痒くもないのだけど
どうすっかなと悩んでいるとネギ君が爆発した
比喩ではあるがある意味間違っていない、これまでの問題が山積みで頭がパンクしたのだろう。風の魔法が鳴き声で暴走している
その暴走に巻き込まれ俺とパパラッチは空に吹き飛ばされてしまった、すぐに俺は能力でリカバリー。さて朝倉も助けるかと見れば既にネギ君が救出済み
俺より少しだけ高度が高く、俺のほぼ真上に位置するような場所を飛んでいるのでまたもや茂みが見えてしまった。落ち着け俺の煩悩・・・・・・っ!
朝倉を下ろし携帯を返す、先程の風の魔法の暴走で携帯に罅が入ってしまった。俺は悪くねぇ!
「ちょっと何々今の鳴き声ー!?」
入口の所が随分喧しいなと思ったら委員長にまき絵ちゃん、ゆうなちゃんに鳴滝姉、アスナちゃんがゾロゾロと入ってきた
何故朝倉がここにいるのかと鬼の形相で問い詰める委員長が怖かったです
私たちも一緒に入るー!と叫んでいたので俺と混浴するのがそんなに嬉しいかと言うと退散していった。本気で泣きそうになった。そこまで嫌か・・・・・・ッ!
お風呂も済ませ食事も終わり後は時刻まで見回り見回り、ロビーの方に行くとネギ君と朝倉が何かを話していた
遠くから聞いてみたがこんな感じ
「私はネギ先生の秘密を守るエージェントになる!」
「朝倉さんと仲良くなったよ!そうなったよ!」
なるほど、まぁオコジョにならなくてすんで良かったねと思っておこう
その場を離れて見回りを開始、見回りをするのはいいがそこらかしこからギャーギャー聞こえてくるので見回る意味がない気がする
そうこうしているうちに新田先生が切れた
朝まで自室からの退出禁止、もしも見つけたらロビーで正座とのこと
しずな先生は申し訳なさそうに片手を上げて誤っているが、まぁさすがに今回はうちのクラスが騒ぎすぎたので自己責任だ
しかし俺は知っているこのあとネギ君の唇を賭けた聖戦が行われることを・・・・・・