せっかく転生したのなら楽しまなきゃ損でしょ   作:黒ウサギ

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珍しく長いです


十三話 さて本番でしょ

4月22日、アスナちゃんの誕生日の翌日。つまりは修学旅行初日

この手のイベントには遅刻しない程度に遅く向かう事にしている俺だが、今日は隣から響き渡る目覚まし時計の音とネギ君の跳ね上がったテンションによって叩き起こされた

起きてしまったなら仕方ない、まだ半分眠気が残っている頭を覚醒させるため洗面所に向かい冷水で顔を洗う

4月に入ったとはいえ冷水で顔を洗うにはまだ早かったのかもしれない、しかし御陰で目は覚めた

朝食にトーストを準備しサラダとベーコンエッグを作る。たまには俺が元喫茶店店主だったということを忘れないようにしておかなければ

数分でモーニングセットが完成。前世ではこのセットを300円で出していたのでそれなりに常連もいた

自分で言うのもなんだがいい出来栄えである

たまには木乃香ちゃんにも俺の料理をふるってあげようと思い突撃隣の朝ごはん

ちゃんとチャイムを鳴らしてから入ります。いきなり入って着替え中のあの子とドッキリハプニングとかそんなものはない。ネギ君とは違うのだよ

ご馳走になるとのことなので自室に戻り二人分を追加、ちょうど冷蔵庫の中身も空になったのでOK

まだ眠そうにしているアスナちゃんにはコーヒーを、木乃香ちゃんにはお茶を出し

 

「「「いただきます」」」

 

三人声を揃えていただきます

味の評価は上場、腕が落ちていないようで何より

 

 

 

 

 

朝食を終え早めに二人は準備を終わらせ早めに向かうとのことだったのでここでお別れ

俺も準備をするかなと思い、昨夜のうちに準備は完璧に終わらせていたことを思い出す

ぐぬぬ・・・・・・時間が余ってしまったではないか

何をして時間を潰そうかなと思いながら部屋をぐるぐる回る

 

「ティーンときた」

 

閃いた、学園長のところに行こう

 

「お邪魔しまっす」

 

「もう驚きはせんよ、君の神出鬼没な登場にはなれたわい」

 

ふぉっふぉっふぉと笑う学園長の向かいには膨れっ面のエヴァちゃん。何故ここに?

 

「エヴァちゃん修学旅行「呪いのせいで行けないんダヨ・・・・・・」Oh・・・・・・」

 

忘れてた。呪い、そんなのありましたね

学園長にどうにかできないのかとアイコンタクトを飛ばしてみるが首を横に振る

お主こそなんとかできぬのか?と目で返事をされる。ふむ・・・・・・

モノは試しにとエヴァちゃんに対する学園結界と呪いの認識の境界をずらしてみる

 

「お?」「ふぉ?」

 

エヴァちゃんと学園長の二人から声が上がる。そりゃそうだろうエヴァちゃんの魔力が戻っているのだから

 

「貴様何をした?」「お主何をした?」

 

同じ質問

 

 

 

――オリ主説明中

 

 

 

 

 

 

「冗談ではないのか!?」

 

「試しに麻帆良から出てみればいいんじゃないかな?そうすれば嘘か本当かわかるでしょ?」

 

ふむ、と一人頷くとエヴァちゃんが影を使った転移で消える、すぐに戻ってきた

 

「本当に外に出られるとは思ってもいなかった・・・・・・」

 

震える声で呟くエヴァちゃん、その顔は歓喜に満ちている

対して学園長の顔は困惑で包まれている

 

「神楽君や、エヴァの呪いなんじゃが完璧に解けてしまったのか?」

 

「俺が能力中断すればすぐに学園に強制的に戻されますよ、どこにいようと」

 

もしも何かあった場合はすぐに解除しますよと告げると安心したように溜め息をもらす

 

「じじぃ、私は修学旅行に行くぞ。例え貴様が駄目と言ってもだ」

 

「まぁよいじゃろう。お主もたまには学生の行事を満喫してくるがよい」

 

エヴァちゃん京都好きだもんね。よっぽど嬉しいんだね。顔のニヤニヤが止まってないよ?

茶々丸ー!と叫びながら学園長室を飛び出す。恐らく準備に向かったのだろう

エヴァちゃん可愛いなぁ・・・・・・持ち帰りたいなぁ・・・・・・

こうぬいぐるみみたいな感じで抱きしめて・・・・・・

危ない危ない意識がトリップしていた

学園長にエヴァちゃんのことを頼むと言われ二つ返事で了解

時計を確認するといい時間なので俺も駅に向かう事に。スキマで京都に行くなんてそんな情緒もないことはしません

 

 

 

新幹線の中でカエルの大軍に襲われるという謎の事件が発生したが割愛

カモがせっちゃんのことをスパイではないのかと疑っているが放置しても大丈夫だろう

新幹線が京都に到着、エヴァちゃんが終始楽しそうにしていたのが印象的でした

 

舞台は移り清水寺、秋に来れば紅葉が綺麗なんだろうなと思いつつ3-A生徒達と見てみる

 

「京都ー!」

 

「これが噂の飛び降りるアレ!」

 

「誰か飛び降りれ!」

 

「では拙者が・・・・・・」

 

3-Aは基本的に賑やかです。若いっていいね

そういえばエヴァちゃんどこよと視線を辺りに回すと・・・・・・いた

 

「ふぉおおおおおおおおおおお!茶々丸!写真写真!」

 

すっごいテンション上がってる、千雨ちゃんが「あれってマクダウェルだよな、実は偽物だったりしないよな」とビックリしてる。眼鏡可愛い

それにしても本当に京都好きなんですね。周囲の観光客も温かい目で見ている

 

「あぁ・・・・・・マスター可愛い・・・・・・」

 

そろそろ茶々丸の忠誠心が鼻からでそうでやばい

 

「本来本尊の観音様に能や踊りを楽しんでもらうための装置であり国宝にしていされています。

有名な「清水の舞台から飛び降りたつもりで・・・・・・」の言葉通り江戸時代に実際に234件の飛び降り事件が起きたと記録されておりますが

生存率は85%と意外に高く・・・・・・」

 

でこちゃん詳しすぎワラタ

飛び降りるです!とござるの人を焚付ているロリ双子を窘めつつ次の場所に

 

恋占いで有名な地主神社、恋占いの石があるということでまき絵ちゃんがネギ君の背中を押しながら歩いている

 

「恋占いねぇ・・・・・・」

 

個人的には占いは信じない質なので興味はない。決して生前の正月に引いたおみくじが『極凶』だったからとかそんなことは一切関係ない

地主神社に着くと委員長とまき絵ちゃん、それに本屋ちゃんが『恋占いの石』にチャレンジしている

本屋ちゃんどこ向かうねん、そこお守り売り場や・・・・・・

まともに進んでいるのは委員長のみでまき絵ちゃんに至っては薄目を開けている。恋する乙女汚い

石まであと少し、そんな時に二人の姿が消えた

しかし俺は見逃さなかった、彼女たちが消える、もとい落とし穴に落下する瞬間に見えた黒とピンクの可愛らしい肌着を。眼福である

見守っていた生徒とネギ君に助けられ二人は無事に救出。そんなことをしているうちにちゃっかり本屋ちゃんが石にタッチ

 

次の場所は音羽の滝。右から学業・健康・縁結びと並んでいる。一番左の縁結びにはお茶目なトラップが仕掛けてある

そう実はそこだけお酒が流れているのだ。原作知識持ちとして未成年の飲酒は防がねばなるまい。決して夜にゆかりんと晩酌しようとか思っていない

生徒の大半が縁結びの水を飲もうと柄杓を持って殺到していたので軽く注意しておく。たまには先生らしいとこを見せねば

 

「ほ「他のお客様に迷惑になるようなことはしないでくださいねー」・・・・・・」

 

ネギ君にセリフを取られてしまった。泣いてない、泣いてなんかいない

 

旅館に向かう時間になりバスに乗り込む。酒樽はスキマに収納済みだ

ゆかりんが今日は霊夢も誘いましょうと言っていたので幻想郷との交流が地味に深まる

いかんいかん、幻想郷だけでなく生徒との交流も深めねば

振り向き後ろの席に座っていたちーちゃんと会話、那波千鶴言わずと知れたクラスNo1のボインちゃんだ

 

「ちーちゃんは京都楽しんでるかい?」

 

「もちろん楽しんでますよ。私としてはハワイも捨てがたかったのですが」

 

やめろ、アンタが水着姿になると悲しみに包まれる生徒が大量に出てくるんだ

「でもあやかがネギ先生のためにも是非京都に!って言うものだからハワイは諦めたんです」とのこと

ちーちゃん大人だなー、中学生とは思えんよホント

偉い偉いと言いながら頭を撫でて見る、嫌がらないってことはセクハラにはならんだろ。心中何考えてるかはわからぬが

あ?ニコポナデポ?ねーよんなもん!あったらとっくにやってるわバーカ!

 

 

さすがにバスでの移動中に妨害はなく、無事に旅館に到着

ロビーでカモが何か騒いでいたがお前ちょっと自重しろよ・・・・・・

アスナちゃんに事情を説明したネギ君、今回も助けてもらえそうでなによりだ。俺も助太刀したいが今回は俺にも目的がある。準備に抜かりはない

ロビーで会議をしているネギ君にしずな先生からお風呂に入ってくださいと言われる

俺もお風呂入るかなーと部屋に戻り浴衣に手ぬぐいを持参しお風呂にGO、途中ネギ君と合流し流し合いをすることに

 

「わー結構広いんですねー」

 

感嘆の声を出すネギ君。お風呂嫌いの少年でもこの景色を見ながら入るのは別なのだろう

温泉の作法を軽く説明し湯船に浸かる

 

「「ふ~」」

 

二人して思わず出た声に笑う

 

「今日は疲れましたね、ネギ君結構動き回ってたけど大丈夫?」

 

「大丈夫です、こう見えて僕結構体力には自信あるんです!」

 

若いってry

軽く雑談をしているとカモが話し出す

 

「兄貴に旦那、オレッチ的にはやっぱあの桜咲って野郎はスパイなんじゃないかと思うんですよ」

 

またその話か、見ろネギ君困ってるじゃないか

「あのな、カモ・・・・・・」と説得をしようとした時

 

ガララ

 

と、戸が開く音がした。はて誰が来たのだ?

 

(ぶーーーー!!)

 

声を出さなかった自分を褒めてあげたい、せっちゃんINしたお!おい待てちょっと待て

自分の生徒と一緒に混浴チャレンジとかそれなんてエロゲ

 

(このままではいかん、ネギ君奥の方に逃げるぞ!)

 

小声で話しかけて見るが返事がない。ネギ君?と彼を見てみると釘付けじゃねーかおい

 

「背はちっちゃいけど綺麗だねー・・・・・・。肌まっしろ・・・・・・」

 

「あぁいうのを大和撫子って言うんですぜ兄貴!」

 

見とれてる場合じゃーないだろ少年とっととずらかるぞ!

ネギ君と二人で腰を低くしせっちゃんに見つからないように湯船を動く

バレてないバレてない

 

「しかし困ったな、魔法使いであるネギ先生なら・・・何とかしてくれると思ったんだが・・・・・・」

 

ネギ君らめぇえええええ杖しまってぇええええええ

せっちゃん敏感だから!殺気感じ取れるから!

 

「!殺気?」

 

ほらやっぱりー、気配を感じ取ったせっちゃんの行動は早かった。小さな石を摘まみ上げ電球に向かって弾き飛ばす。石が当たり電気が消えたのと同時にどこから取り出したのだろうか、手に夕凪を構え

 

「誰だッ!?」

 

こちらに向かってくる

見える見える!さくらんぼが見えるから!

見つかったことに驚きながらも岩陰に隠れようとするネギ君。俺はもちろん光を屈折させて見えないようにしてます

 

「神鳴流奥義・・・・・・斬岩剣!」

 

ネギ君が隠れた岩がせっちゃんが放った一刀の元に真っ二つに断ち切られる。あ、ネギ君のアホ毛が・・・・・・

しかしネギ君も黙っちゃいない、詠唱を済まし『風花武装解除』で夕凪を吹き飛ばす・・・・・・が

 

「ふっ」

 

せっちゃんの動きは止まらずに右手でネギ君の首を掴み左手で・・・・・・お稲荷さんを・・・・・・怖いわぁ・・・・・・

 

「ふぎぃ!ぎゃぴぃ!?」

 

「何者だ、答えねば捻り潰すぞ・・・・・・」

 

奇っ怪な悲鳴を上げる気持ちが少しだけわかる気がする。見てるだけなのに俺も怖いもん

せっちゃんが左手に少し力を込めるのが見えた、やめたげてよぉ!

 

「あふぅ・・・・・・」

 

「ってあれ?ネギ先生?」

 

気がついたなら離して上げてください、ネギ君のネギが可愛そうです

「つ、強い!兄貴があっさり・・・・・・」カモも見てないで助けろよ。俺は怖いから見てるけど

ネギ君だと気がつくと先程の気迫はどこへやら。自分が握っていたものを改めて理解し頬を赤く染めるせっちゃん可愛い!

何やらネギ君の誤解を解いている様子だがそこは気にしない、終わったのなら俺も能力を解除し再び湯船でとろける

 

「!?神楽先生一体いつから!?」

 

「悠斗先生ひどいですよ見殺しにするなんて!」

 

「見殺しになんてしてない、見捨てただけだ」

 

変わってないじゃないですかー!と叫ぶネギ君はそっとしておこう

 

「せっちゃん俺は最初からいたぞ?君がネギ君のネギを握りつぶそうとしていたところまでバッチリと見た。あと前は隠そうね」

 

「え?ふぁ!?」

 

慌ててタオルを体に巻きつけるせっちゃん。当然俺は腰にタオルを巻いています、湯船にタオルはマナー違反だけど仕方ないね

 

「ひゃああああああ~っ!」

 

せっちゃんがネギ君に説明をしている時に悲鳴が聞こえた

絹をさく悲鳴とはこのようなことを言うのか、などとどうでもいいことを考えているとせっちゃんとネギ君が脱衣所に向かっていた

俺が行ったらいけない気がする、そう本能が囁いたのでまだのんびりと温泉を味わう事に

温泉に入りながら酒・・・・・・やったことないなと思いつつスキマから日中に拝借した酒樽から柄杓で1杯掬いだす

一応未だ仕事中なので周りに誰もいないことを確認し・・・・・・よし、OKだ

 

「うっきゃきゃ~」

 

猿が来た、それも大量に。見れば猿が木乃香ちゃんを運んでぶっふぉwwwwwww

 

「やぁ!悠斗先生見んといてぇ!」

 

全裸の木乃香ちゃんが運ばれている。不可抗力だ、さくらんぼとか茂みとか見えたけど不可抗力だ。俺は悪くねぇ・・・・・

言い知れない罪悪感に襲われながら目を閉じる。あかん、目を閉じたら鮮明に思い出してまう・・・・・・

 

「百烈桜花斬!」

 

せっちゃんが夕凪を構え神鳴流の奥義を繰り出すと猿が紙となり消えていった

せっちゃんも隠してぇ!なんでタオル取れてるのか知らないけど隠してぇ!

 

「なんか、よーわからんけどせっちゃんが助けてくれたん?・・・・・・ありがとう」

 

木乃香ちゃんがお礼を告げるとせっちゃんは抱えていた手を離し逃げ出してしまった

残されたのはネギ君にアスナちゃんに木乃香ちゃん、皆前隠せや!

そのあと俺の存在に気がついたアスナちゃんの手によって俺の意識は刈り取られてしまった

パイ・・・・・・○ン・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

意識を取り戻すと自室にいた。はて、どうやってここに?

疑問に思っていると瀬流彦先生がちょうど部屋に戻ってきた

話を聞くとどうやら俺は湯船に放置されていたらしい。アスナ後で覚えてろ・・・・・・

そこを新田先生が発見、のぼせていたのだろうと解釈し俺をここまで運んでくれたそうな

新田先生には悪いことをしたな、後で誤りに行かねば

瀬流彦先生が買ってきてくれた水を飲む、火照った体に冷たい水がなんとも言えない心地よさを醸し出す

そこでふと気がつく、せっちゃんたちの気配がない

瀬流彦先生に確認を取ってみるとやはりネギ君達の魔力が感知できないそうな

あれまもう次のイベントか、忙しいなおい

瀬流彦先生にネギ君達を迎えに、事件に巻き込まれているようだったら助けに行ってくることを伝え現場に向かう

 

 

 

 

 

 

京都の夜景を楽しみながらのんびりと空を飛んで向かう

向かうと言っても場所がわからないので実際はただのんきに夜景を楽しんでいるだけであるが・・・・・・

ゴォ!と、遠くで大文字焼きが見えた。ジャパニーズ文化恐るべし、まさか駅で大文字焼きを行うとは・・・・・・

冗談も程々にしておこう、確かあそこでネギ君達が木乃香ちゃんを助け出すはずだ

膳は急げとスキマを開き駅に向かう

 

「風花風塵乱舞!」

 

大文字焼きが吹き飛ばされてしまった・・・・・・

感傷に浸っている場合ではないことを思い出す

眼鏡さんが召喚した前鬼後鬼?の片割れをアスナちゃんが即効で始末。ハリセンぱない

残りの鬼さんをアスナちゃんが相手しているうちにせっちゃんが眼鏡さんに切りかかろうとして・・・・・・

 

「え~~い」

 

どこかこの雰囲気には場違いな間延びした声がし、せっちゃんの攻撃は防がれた

よし俺の出番だな




なんとびっくりこの作品ランキングに乗りました
嬉しい限りです
これからも頑張ってつづけていくので応援よろしくお願いします

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