デジモンアドベンチャー 選ばれてない子供   作:noppera

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ようやく今回で選ばれし子供達に合流。
信人君が持ってきたデビモン対策とは果たして……?


第10話 狂いだす悪の思惑

 

 

 

 ヒョーガモン一味およびワルシードラモンをぎりぎりで撃破した俺達は、グリズモンの背に乗せてもらってペンモンの村に帰った。 

 

「あぁ~暖けぇ」

「生き返る~」

 

 今はグリズモンと一緒に住んでいるペンモンの家で焚火にあたって体を暖めて、服も乾かしている。

 まさか水を被ることになるとはな……リュックをここに置いてきたのは正解だった。

 たいぶ体を冷やしちまったから、風邪をひかないかどうか心配だ。

 

「だいぶ体は暖まりましたか?」

 

 入り口から疲労の色を顔に色濃く残したダルクモンが入ってきた。

 その後ろにはグリズモンが控えている。

 体が大きくなって、もうかまくらには入れなくなってしまっている。

 

「どこに行ってたんだ?」

 

「アイスサンクチュアリへ報告へ行ってきました」

 

 あぁなるほど、たしかにあれだけのことがあったんだから早めに報告しないとだめだよな。

 

「でもそれならここに戻ってくる必要はないんじゃないか?」

 

「あなたに改めてお礼が言いたくて。この度は本当にありがとうございました」

 

「そんなのいいから休んでくればいいのに。というか今回俺達はお礼を言われるほど役に立ってないだろ……」

 

 今回俺達は取り巻きを倒しただけで、あとのワルシードラモン戦はほとんど役に立ってなかった。

 ベアモンが進化したのは俺が持っていたパンジャモンの毛皮が原因だったようだが、たまたま俺達が持っていただけで、俺達が助けたとは言えないな……

 

「いいえ。ヒョーガモン達を倒してくれて、最後の時もあなたのハグルモンのおかげで迎撃することができました。それに、私の方こそほとんど力になれませんでした。きちんとお礼をしなければ私の気が収まりません。何か私たちにできることはないでしょうか?」

 

「あぁ~、とりあえずお礼の言葉は受け取っとく。でも、今はとりあえずやってほしいことはないかな。俺達はこの後すぐにムゲンマウンテンの東の麓の森まで行かないといけないんだ」

 

 準備ができ次第ペンモン達の曳くそりに乗って雪原の終わりまで運んでもらう予定だ。

 今はちょうど昼ごろだから、先輩達は下山の途中だと思うけど……

 なんとか館に入る前に合流して、他の場所で野宿させることができれば一番いいはずなんだけど、距離の問題で夜までに合流できるかどうか……

 ワルシードラモンと戦ったら大きく時間を使ってしまった。

 

「それでは雪原までしか送ってもらえないのでは?」

 

「まぁな。そこからは徒歩だな」

 

「そこからなら僕に乗ればいいよ」

 

 ダルクモンの後ろからグリズモンが声をかけてきた。

 

「グリズモン、頼めますか?」

 

「もちろんだよ、自警団での初仕事ってことになるかな」

 

「あれ?グリズモンって自警団に入ったのか?」

 

「うん。進化したことと、ワルシードラモンを倒したことで他のデジモンから認められたんだ」

 

 たしかに完全体を倒したのだから功績は十分だろう。

 まぁ、せっかくの申し出だからここはお言葉に甘えよう。

 

「そうか、よかったな。じゃあ、初仕事を依頼してもいいか?」

 

「このくらいならお安い御用だよ」

 

「力を借りたい時はいつでも訪ねて来てください。アイスサンクチュアリはあなたの力になります」

 

 力を借りる時か……これから力を借りる時といえば、ダークマスターズ編の時、ミミ先輩が仲間を集めることに協力してもらうことになるか。

 たしかヴァンデモン編からデジモンが犠牲になり始めて、ダークマスターズ編では描写はされていないが多くのデジモンが死んでいるはず。

 こっちの方もできれば対策をしたいが、俺が東京へ行くとなると直接関わることはできない。

 今のところ有効な策は思いつかないな……

 ……そうえばドラコモン達って東京へ連れて行けるのか?

 何に進化できるかは分からないが、成熟期になった時点で姿を隠すことが難しくなるだろう。

 東京に行くまでは成長期のままでも、あっちで進化しても同じことだよな……

 ……これは今考えてもどうしようもないな。

 

「どうかしましたか?」

 

「あ、ごめん。ちょっと考え事してた。そうだな……力を貸してくれるっていうんなら、これをお礼として渡しておきたい」

 

「え!?これはパンジャモン様の毛皮!いたただけませんよ!」

 

「荷物の整理してたらリュックに入りきらなくなってさ。パンジャモンがこの辺りの守り神的存在なら、ここにあった方が自然かなと思ってさ」

 

 リュックの中身は現実世界から持ってきたものと、ペンモンからもらったデビモンの罠へ対抗するもので毛皮を入れるスペースがなくなってしまった。

 どれだけ効果はあるかわからないけど……

 

「それにもう力は使ったんじゃないのか?」

 

「いいえ、あれはほんの一部の力を使っただけで、まだ力は十分残っています」

 

 ふーん、どうやら力はまだ残っているらしい。

 進化を促す力やデジモンを寄せ付けない力は魅力的だけど、これから原作通りに行動するなら暑い場所を移動することが多くなるからこの毛皮を着る機会はないと思うし、リュックに入れずに持ち歩くのはちょっと面倒だ……

 

「でも、もう使う機会もないと思うし、これ以上手荷物とか増やしたくないからさ」

 

「しかし……」

 

「ダルクモンはほしくないのか?」

 

「もちろんほしい……あ!いや、今のはなんというか、その……」

 

 普段は落ち着いた物腰だけど予想外のことが起こると弱いデジモンらしい。

 顔を赤くして手を慌しく振り回し必死に取り繕うとしている。

 結構可愛い仕草をするな。

 

「ここにあった方がフリーズランドのみんなも喜ぶだろう?それに、力を貸してくれるんだったらこれくらいのことはして当然だと思うんだ。最近ファイル島がおかしくなってるのは知ってるか?」

 

「あ、はい。黒い歯車により、善良なデジモン達が暴れだしていることですね。フリーズランドでも何件かその事件は発生していますが、問題なく対処できました」

 

「じゃあそれを解決するために選ばれし子供たちがこのファイル島に来ていることは知ってるか?」

 

「……噂には聞いたことはありますが、ただの噂とばかり。もしかして、あなたがそうなのですか?」

 

「いや、厳密には違う。でも俺達は選ばれし子供たちに協力するために森へ行くんだ」

 

「なるほど。なら私たちも選ばれし子供たちに協力すればいいのですね?」

 

「その通りだ。だけど、異変が出ているのはファイル島だけじゃない。デジタルワールド全体が歪みはじめているらしいんだ」

 

「デジタルワールド全体が……」

 

 まさかデジタルワールド全体の話になるとは思ってなかったダルクモンは唖然としていた。

 

「たぶん危険な旅になると思う。それに協力してもらうことになるかもしれないのに、これくらいはしないと俺の方も気が済まないんだ。ごめん、先にこの話をしておけばよかったな」

 

「いえ、それでも力を貸さないという選択はあり得ません。デジタルワールドの危機が迫っているというなら私たちも当然、無関係ではありませんので」

 

「なら、受け取ってくれないか?」

 

 ダルクモンは俺の差し出した毛皮を見つめた後、俺の目を見てきた。

 ダルクモン達が選ばれし子供達の戦いに参加するなら、原作のピッコロモンやレオモンみたいに死ぬ可能性だってある。

 それほど危険なことに協力してもらうなら、これくらいのことは当然だ。

 だから、俺はこれをちゃんと受け取ってほしいと思っている。

 

「……分かりました。受け取りましょう」

 

「分かってもらえて何よりだ」

 

「代わりに、力になれるときは必ず声をかけてください。私達だけではなく、フリーズランドのデジモン全てが力になるでしょう」

 

「それは心強い。その時はよろしく頼むよ」

 

 フリーズランド全体のデジモンすべてが力になってくれるとなると、かなりの数のデジモンが協力をしてくれるはずだ。

 この繋がりが、後々原作に良い影響を与えてくれるといいけど……

 

「そろそろいいっキュか?」

 

 話が途切れたちょうどいいタイミングでペンモンが入ってきた。

 

「あぁ、すぐに出発したい」

 

「了解ッキュ!」

 

「じゃあなダルクモン、世話になった」

 

「はい、お気をつけて」

 

 俺達は別れをダルクモン達に告げて、ペンモン達の曳くそりに乗ってペンモンの村を後にした。

 

………………

……………

………

……

 

 ペンモン達の曳くソリで雪原を越え、そして今はグリズモンの背に乗って平原地帯を抜けようとしている。

 もう日は沈みかけていて、ムゲンマウンテンの向こう側に沈む太陽がとてもきれいだ。

 そのころになってようやく森が見えてきた。

 この時間だともう先輩達はデビモンの館に入ってしまってるかな……

 

「ようやくついたね」

 

「あぁ、ここまでありがとうな」

 

「このくらいどうってことないよ」

 

 とりあえずグリズモンにお礼を言って、デビモンの館を見つけるために森を眺めた。

 ……あった。

 やっぱり森の中にあんなもんがあればかなり目立つ。

 

「目的地が見えた。先輩達はあそこにいるはずだ」

 

「あの森が開けてるところ?」

 

「そうだ。グリズモンはここまででいい、あそこまでなら徒歩でそんなに遠くない」

 

「うん、分かったよ。気を付けてね」

 

「あぁ、そっちも気を付けろよ」

 

 グリズモンは別れを告げるとすぐに踵を返して走り去っていった。

 ここに来るまでに聞いた話によると、今夜自警団が主催するグリズモンの入団パーティーが開かれるらしい。

 これはワルシードラモンを無事に退けたことも一緒に祝われるようで、ペンモンの村でパーティが開かれて、集落全体のペンモン達も祝ってくれるらしい。

 かなりの大騒ぎになるだろう。

 ……でも原作通りなら、今夜ファイル島の分裂がはじまるから、残念ながらそのパーティーは途中で中止になるだろうけど。

 

「さぁ、行くぞ」

「おう!」

「ギギ……」

 

 俺達は館を目指て森の中に向かって歩き出した。

 さて、一応持ってきたデビモン対策がどうでるか……

 

………………

……………

………

……

 

太一side

 

 いやー食った食った!

 まさかこんなところであんなうまい飯が食えるなんて思わなかったな~

 

「アグモン、誰かいたか?」

 

「ううん。やっぱり誰もいないみたい」

 

 食事が終わった後に、みんなはやっぱりあの食事は俺達以外の誰かのために作られたんじゃないかと思って、後回しにしてた館の探索を始めた。

 俺達は玄関の広間の方を改めて探索したけど、なにも見つからなかった。

 他のみんなも、なにも見つけられなかったからやっぱりこの館には誰もいないらしい。

 じゃあ、あの食事はいったいなんのために……

 

「どうしたの太一?」

 

「……まぁ考えてもしゃあねぇか。そうえばヤマトが風呂を見つけたらしいな。一緒に入ろうぜアグモン!」

 

「うん、分かった!」

 

「よし、それじゃさっそく「すいませーん!」…誰だ?」

 

 玄関の外から声がした。

 デジモンか?

 まぁ入る前に声をかけるってことは、話の分かるやつだと思う。

 とりあえず開けてみるか。

 

「はーい……あぁ!お前、高倉か!?」

 

「はい!よかった~やっぱりここにいた」

 

 扉を開けると、俺達が合流しようとしていた高倉が見慣れないデジモンを連れて立っていた。

 

「お前、無事だったのか!おーい!、みんな!高倉が来たぞー!!」

 

 俺の呼びかけでみんながすぐに館中から集まってきた。

 みんなも俺と同じように高倉の無事を喜んで、デジモン達は高倉が連れているデジモン達に興味津々だ。

 アグモン、ガブモン、ピヨモン、パタモンは青いドラゴンの姿をしたデジモンの方に、テントモン、パルモン、ゴマモンは歯車の形をしたデジモンに話しかけている。

 

「うわぁードラコモンだ!」

 

 アグモンは青いドラゴンデジモン……ドラコモンの名前を知っているのか。

 

「………俺はお前らと慣れ合うつもりは」

 

「ドラコモンってたしか成長期デジモンの中でもすっごく強いデジモンだよね?」

 

「そうそう!珍しいデジモンって言うのも聞いたことあるわ!」

 

「え!?…そ、そんなこと言ったって……」

 

「すごいなぁ~俺ちょっと憧れてるんだよなぁ~」

 

「これからよろしく!」

 

「「「よろしく~!!」」」

 

「……ま、まぁ仲よくしてやらないこともないぜ!これからよろしくな!」

 

 こっちは大丈夫そうだ。

 あっちは……

 

「あんさんけったいな体してますなぁ~」

 

「森の中じゃ見たことないわね」

 

「ギギ……ハグルモンデス。ヨロシク」

 

「よろしく!で、その小さな歯車が手なの?」

 

「ハイ。ソチラハ前足デスカ?」

 

「こいつはオイラの手だよ!」

 

 俺はゴマモンのあれは前足に近い気がするけど……

 まぁデジモン達の方は仲良くやっていけそうだな。

 たしかピョコモンの村で通信を受けた時はチョロモンとチコモンって言うデジモンを連れてたよな?

 チョロモンはなんか機械っぽかったからハグルモンに進化したのかも。

 となるとドラコモンはチコモンが進化したデジモンということか。

 デジモンチームと同じように人間チームも高倉に話しかけている。

 

「ほんとに一人でここまで来たのか……タケルと同じくらいなのに」

 

「すごいなぁ~。僕にはとても無理だよ……」

 

「何はともあれ無事でよかったよ!これで肩の荷が下りた……」

 

 丈はいつも高倉のことを心配してたからな。

 ムゲンマウンテンに丈が一人で登ったのも、みんなで登っている間に高倉と入れ違いになるかもしれないって理由もあった。

 あの時は俺が、高倉は雪原を越えられないし、俺達も越えるのは厳しいからムゲンマウンテンに登ろうって提案して、それにヤマトがもう少し様子を見てからにしようって言って口喧嘩になったんだ。

 丈はどちらかというと、高倉と早く合流したいから俺の案に賛成気味だったけど、万が一の入れ違いもあるからヤマトの案も捨てがたいって言ってたな。

 

「ここまででも大変だったでしょう?」

 

「はい、途中まで雪原越えようとしてたので」

 

「えっと……雪原の前で引き返したってこと?」

 

「いや、ほんとに雪原を歩いてましたよ」

 

「うそ!?」

 

「まじかよ……」

 

 空が高倉の言葉に驚いてるけど、俺も正直驚いた。

 いくら俺達と違って長そでを着てても、あの雪原を越えるなんて相当厳しいはずだぞ。

 こいつ結構無茶するんだな……

 

「どうしてここに戻ってきたんですか?」

 

「先輩達を見たっていうデジモンがいたんです。それで、先輩達なら雪原を越えるのはきついだろうなって思って、ここまで引き返してきたんです」

 

 じゃあ俺達は危うく入れ違いになるところだったのか……

 俺の案は結果的にまずかったってことになるな……いい案だと思ったんだけどな。

 

「まだ小さいのにすご~い!他のデジモンとかに襲われなかった?」

 

「襲われましたけど……まぁその話は長くなるのでまた今度で。それより、先輩達はもう夕ご飯って食べました?」

 

「「「「「あ……」」」」」

 

 俺達全員はやってしまったという表情で言葉を詰まらせた。

 デジモン達も何事かと思ってこっちを見ている。

 やべぇ……俺達、館のご馳走を見つけた時もう限界だったから、後先考えずに全部食べちゃったんだよな……

 高倉のことを一番気にかけていた丈でさえがっついてたから、まぁしょうがないよな……

 

「え、えーっと……」

 

「うん!すごいご馳走だ……」

 

「馬鹿!アグモン!」

 

「むぐぅ!?」

 

 アグモンが口を滑らせたせいで俺達の間に気まずい空気が流れた。

 

「えっと、ごめん高倉君!実は、この洋館の食堂に誰かが用意したご馳走があったんだ。それで、僕たち疲れ切ってたからつい食べ過ぎちゃって……ほんとにごめん!」

 

「「「「ごめんなさい……」」」」

 

 丈が代表して謝るのと同時に俺達も頭を下げた。

 高倉だって歩き回って腹減ってるだろうしなぁ……

 ほんとに悪いことしたな……

 

「あー、いいですよ。今日合流できるなんて誰にも分からなかったことですし、食べれるものはちゃんと持ってきてますから」

 

 そう言って高倉はリュックを下して中身を見せてくれた。

 中身は色や大小が様々な木の実やキノコがたくさん入っていた。

 

「えーっと……うん、これ全部食べられるものね。あ!これ雪割りキノコね!」

 

 見たことないものばかりだけど、パルモンが言うなら大丈夫だろうな。

 

「しかしたくさんあるな……」

 

「先輩達も食料とかに悩んでるんじゃないかと思って、いろいろ採ってたんです。食える食えないは知り合ったデジモンに聞きました」

 

「高倉君……君はなんてしっかりした子なんだ!」

 

「丈先輩、大げさですって」

 

 高倉は高倉で俺達のこと考えてくれていたのか……

 ピョコモンの村で言っていた手がかからない子ってのも嘘ではないみたいだな。

 

「まぁ、たくさんありすぎて俺達も食いきれないんで、先輩達も食べていいですよ」

 

「そんな!悪いわよ!それに、あんなに食べたからもう食べられないわよ」

 

「そうですか……デジモン達はどうだ?」

 

「「「「食べるー!!」」」」

 

「ちょっとあなた達!?」

 

「あれだけ食べたのにまだ食べるの?パルモン太るわよ?」

 

「ミミだってたくさん食べてたじゃない!ミミこそ太るわよ」

 

「なんですってー!?」

 

「まぁまぁ。でもいいんですか?」

 

「保存が効かないものが多いので、腐ってしまうと思うんです。腐るくらいならデジモン達に食べてもらった方がいいと思って」

 

「なんかいつもよりも多く食べられそうな気がするんだよねー」

 

「パタモンってこれ以上食べたら重くて飛べなくなっちゃうんじゃない?」

 

「ちゃんと飛べるよ!」

 

「まぁ、高倉がいいって言うならいいけどさ」

 

 しかしこいつらあれだけ食べたのにまだ食うのか……よっぽど消耗していたのか?

 

「俺はこれから食事にしようと思ってますけど、先輩達はどうしますか?」

 

「あぁ、そうだ。ヤマトってたしか風呂見つけてたよな?」

 

「あぁ。しっかり湯も張ってあったぜ」

 

「お風呂があるの!?やったー!」

 

「久しぶりのお風呂だわ!」

 

 空たちはすごい喜びようだな。

 たしかに風呂に入れるのはうれしいけど、そんなに喜ぶことか?

 やっぱ女はわかんねぇな~

 

「じゃあ先輩達は先入っててください。デジモン達には風呂上りに木の実をあげます」

 

「「「「やったー!」」」」

 

「ちゃんとお礼を言いなさいよ」

 

「「「「ありがとう信人ー!」」」」

 

「どういたしましてっと。そうだ、先輩達も俺のことは信人って呼んでください。そっちの方が呼びやすいでしょう?」

 

「じゃあ、そうさせてもらう。改めてよろしくな、信人!」

 

「こちらこそ」

 

「風呂場はあの扉の向うだ。食堂はあの扉だ」

 

「はい。こっちは食事が長くなると思うので、待たずに上がってもいいですよ」

 

「分かった。じゃあまた後でな」

 

 みんなは早足で風呂がある部屋へと向かっていった。

 俺達も行くか。

 久しぶりの風呂だから、きっと気持ちがいい……?

 

「どうしたの太一?」

 

「…いや、なんでもない」

 

 今、飾ってある天使の絵が動いたような……たぶん気のせいだな。

 それよりも風呂だ風呂!

 

 

 





選ばれし子供たちと合流して、会話の量がかなり多くなりました。
誰が喋っているか明確にするのが難しい……
信人が持ってきたデビモン対策は単純なもの、食べ物でした。
これが今後どう転ぶか……

感想批評お待ちしております。

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