biohazard supplementary biography”NT” 作:ナッツガン
そしてそんな彼に運命の出会いが待っていた
上階にサングラスをかけた男が睨みつけていた。
俺も同様に睨みつけると、男は大きな口を開けながら笑っている。
「娘を連れて来てくれると踏んでいたが、どうやらそうではないらしい」
後ろにいるハンターがいつでも攻撃が出来るようにしていた。
俺は後ろから前に視線を移すと、男はハンターにその場から移動させた。
「娘はどこにいる?」
「マヌエラなら今頃アメリカ政府の人間と一緒に居るんじゃないか?」
男は再び笑いだすと、俺に向かって喋りだした。
「そうか。そう言えばアメリカ政府の人間が来ると話にあったな」
男は少しだけ歩き出す、俺も同様に付いて行く。
「貴様がハヴィエだな?」
「さすがに私の名前ぐらい知っているか。まあそうだろうな。そうでなければこんなところまで来るわけがないか」
この男は麻薬王ハヴィエ。
この一帯の地域を根城にしている男で、犯罪組織『聖なる蛇達』のリーダーだ。
暴力や暗殺など手段を全く問わず、権力を我が物にしてきた男だ。
「お前がアンブレラの生き残りと何かをしているという情報が入ってな」
数日前にエイダから情報が入った。
麻薬王の名で有名なハヴィエが何かを画策しているという内容の話だった。
「そう言う君の名前も知っているよ。ベルトウェイ。アンブレラが最も注意していた男」
どうやらこちらの情報も既に相手の中らしい。
ある程度歩いたところで、目の前が明るくなってきた。
「お前を捕まえにここまで来た。おとなしくしていてもらうぞ」
ハヴィエは立ち止まると、こちらを向き一言言った。
「君の戯言に付き合う気は無い。娘がいないと分かった以上君に用はない」
何か大きな音が聞こえてくる。
ダムの奥を見ると、そこには大量の水が迫っていた。
「君はここで一度帰ると良い」
ハヴィエは奥に行くと、俺自身はダムの水に流されていった。
「ハヴィエ!!」
2
水に流されて外に放り出される瞬間に、俺はがむしゃらに何かに捕まった。
水はある程度出ると、そのまま引いて行く。
俺は一息つきながら周囲を確認する。
どうやら外に放り出されることだけは、何とか回避することが出来たようだ。
「ハヴィエはどこに行った?」
俺はダム内に戻ると、俺はダムの中を目指して走り出した。
ハヴィエが消えて行った先に、足を踏み入れる。
すると、そこを邪魔するようにハンターの群れが現れる。
「よくもまあ、邪魔をしてくれる」
ハンドガンを構えながら、通路を走って行く。
ハンターは俺を追いながら、爪で攻撃してくる。
走って行くと、大きなドアを俺は一気に開けて行く。
中はちょっとした研究施設になっていて、中は多くのハンターやリッカーが培養器の中に入っていた。
しかし、奥にはさらに大きな培養器が有り、その中には大きなタイラントが眠りについていた。
「タイラントまで管理していたのか?」
俺は周囲の培養器の中を確認するが、他にタイラントが居るような感じはしない。
ハンターもさすがにここまでは入れないようで、出入り口で消えてしまった。
「このタイラントをどうするか?この研究施設を壊したほうが簡単そうだが…」
しかし、タイラントを完全に消すことが出来るような爆薬はここには無い。
不用意に爆発させると、逆にタイラントを目覚めさせることになる。
どうしたものかとタイラントに背を向けると、後ろのガラスが突如割れる音がした。
その瞬間、俺の背中からすごい勢いで爪が刺さった。
俺の腹から爪の先が見えると、俺は鋭い痛みに襲われた。
「目覚めただと?」
俺はタイラントが爪を引き抜くと、俺はその場から移動する。
しかし、多量に血を出しててしまった為、走ることが出来ない。
ゆっくり歩きながらタイラントから逃げて行く。
背中から貫通していた傷は、少しずつ治って行く。
「ハヴィエ……俺がここに来ることを予想して……」
俺はタイラントは後ろからついてくる。
「しつこい奴だな……」
血を出しながら俺は自分がハヴィエと話していた場所にたどり着いた。
俺は何とか下に降りると、タイラントを誘い出した。
「こっちにこい!」
タイラントは俺に向かって降りてくると、ハヴィエが居た場所までフックショットで戻って行く。
ここなら戦えると思った途端、横から大量の水が流れてきたところで、俺の意識は一旦途切れた。
3
俺が意識を取り戻すと、そこはマヌエラと分かれたあの村だった。
どうやら教会まで押し戻されたらしい。
「クソ……。頭がガンガンする」
頭が痛くてたまらない。
どうやら流されている間に、頭を打ったらしい。
「ハヴィエの所に戻りたいところだが、今頃アメリカ政府の人間が向かっている所だな」
タイラントの姿が見当たらない所を見ると、どうやら一緒に流されている間に、どこかに行ったらしい。
俺は頭をおさえていると、教会の床に座り込んだ。
「少し疲れたな」
水面を見ながら、俺は少し休憩していた。
水面には魚達が泳いでいて、俺は少し落ち着いた。
「なんか疲れたな。少しぐらい休憩してもいいよな……」
「こんなところで休憩とは、ベルトウェイは相当暇なようだな……」
「!!」
俺は教会の出入り口をみると、そこにはただ立っている人物がいた。
俺と同じでガスマスクをつけている男。
「誰だ?お前……」
「ハンク」
ハンクと名乗った男は俺を見つめているようだった。
俺とあいつの間に沈黙が流れる。
長いようで短い沈黙の後、ハンクは喋りだした。
「お前がベルトウェイか……。話には聞いていたが、確かに普通じゃない感じはしないな」
「何の用だ?」
ハンクは上から開いた穴を見つめながら語り出した。
「内の研究員が奪ったウイルスの様子はどうかと思ってな……」
「貴様があのウイルスを……」
俺はハンドガンに腕を伸ばす。
ハンクは黙って語る事を止めない。
「俺はバロクの言いつけでここまで来た。あのウイルスがどの程度有効なのかを確かめるためにな」
「バロク……だと?」
俺はその名前を聞いたとたん、あの男の姿を思い浮かべた。
4
教会内で大きな爆発が起きる。
教会の出入り口からハンクが出て行き、俺は外の穴からフックショットで出て行った。
俺は教会の屋根からハンクを見つめ、ハンクは俺を見上げる。
「バロクの居場所を吐いてもらうぞ」
「今は無理だな……」
俺はハンドガンを構えてハンクに向かって引き金を引く。
ハンクも同じように引き金を引きつつ、後ろに移動する。
俺は教会から飛び降りると、ハンクを追うように村の中に進んで行く。
「ハンクと言ったな、貴様はバロクの仲間なのか?」
「貴様に言う必要を感じない」
俺は壁越しにハンドガンで攻撃を仕掛けると、ハンクは壁を超えるように手榴弾を投げてくる。
俺は足元で爆発するように投げてくると、俺はそれを蹴り飛ばす。
その隙にハンクは家の中に入って行く。
俺は壁を壊して、家の中に入って行く。
「待て!貴様!」
ハンクは家の中に有る家具を利用しながらも、俺にハンドガンを撃ってくる。
俺は倒れてくる家具を何とかどけながらも、ハンクに向かってハンドガンを撃つ。
「バロクから聞いた通りしつこい性格の様だな」
「バロクの事を喋ってもらうぞ!」
ハンクはドアから出て行くと、ドアに手榴弾を落とす。
ドアが爆発すると、行く先を塞ぐように屋根が落ちてくる。
「こんなもので!」
俺はフックショットを使い、上から出て行く。
屋根から降りて行くと、ハンクはあらかじめ地雷を仕掛けていたらしく、俺は地雷を踏んでしまったらしい。
ピー!
俺はその場から一気に離れると、俺はそのまま壁に激突してしまった。
「クソ!こんなところで!」
ハンクはその隙にどこかに移動してしまった。
急いで壁から出て行くと、すぐに後を追った。
「どこに行った!」
村の中を走りまわって行った。
5
村の中を進んで行くと、ようやくハンクを見つけた。
「見つけたぞ!」
「どうやらハヴィエは死んだらしいな」
ハンクは端末をポケットに片付けると、こちらを向いた。
「ハヴィエは死んだみたいだぞ」
「そんな事はどうでもいい!」
「そんなにバロクの居場所が気になるか?」
「当たり前だろ!」
「しかし、お前の新しい相手が居るみたいだぞ」
後ろから出てきたのは、あのタイラントだった。
ハンクはいつの間にかどこかに消えて行った。
俺はハンドガンを構えるが、タイラント相手にこんなのが聞くとは思えない。
「お手伝いさせてもらいます」
後ろから現れたのは、アメリカ政府の特殊部隊だった。
特殊部隊はロケットランチャーを使ってタイラントを倒すと、俺に近づいてきた。
「あなたにお話がしたい相手がいます」
そう言って出てきたのは……
「私はアメリカ合衆国の大統領だ」
俺はそのまま大統領に付いて行った。
6
俺はホワイトハウスの中に招かれると、大統領は単刀直入に言ってきた。
「私の専属エージェントにならないか?」
「興味が無い」
「君がエージェントになればマヌエラの安全は確保しよう」
俺は大統領を睨みつける。
俺はそのまま立ち上がり、大統領に一言言った。
「あんた達がマヌエラをどうしようと勝手だが、もし……あの子に何かあったら……」
俺はドアを開けると、そのまま去り際に言った。
「あんた達がアンブレラに関わっていたことを全て話す!いいな!あんた達の秘密を知っているのはアンブレラだけじゃない!覚えていろ!」
俺はそのまま大統領の部屋を出て行く。
次回予告
『呪われた者』
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