biohazard supplementary biography”NT”   作:ナッツガン

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これはまだBSAAが出来る前
ベルトウェイが大統領たちと知り合う物語


ダークサイドクロニクル①

 

 あれはまだBSAAがまだできていない頃のお話。

 俺はエイダからの情報で、南米であのベロニカが作ったウイルスがあるという話を手に入れた。

 南米にまっすぐ向かった俺はまず近くの町で情報を入手することにした。

 その為に俺は誰も巻き込まないために、1人で向かった。

 

 

 俺は空港から出て行くと、熱い風が俺の体を突き抜ける。

 額にある大粒の汗を拭いながら、空港の外を確かめる。

 そこそこ広い空港だが、格段迷うような感じはしない。

 多くの人が行きかっているが、俺はその中でも異彩を放っているような感じがする。

 そう考えながら、俺は空港の外を歩んで行った。

「えっと……タクシーはどこだ?」

 小さな地図で確認をしながら、俺は同じような所を行ったり来たりしていた。

「分からん」

 はじめてくる場所なので、正直今どこに居るのか分からない。

 歩いていると、目の前にタクシーが止まっている場所を見つけた。

「あそこか」

 タクシーに向かってあるいて行くと、後ろから複数の声が聞こえてきた。

「お疲れ様です」

「目標はどこにいるか分かっているのか?」

「はい、ミックスコアトル村の置くと断定できます」

「そんな大きな声で言ってもいいのか?」

「大丈夫ですよ。ここは観光客しかいないですし、そもそも知ったとしても素人が何とかできる問題ではないですし」

「そうかもしれないが……」

「どの道詳しい話は中で」

 そう言うと複数の人間はそのまま軍用の車で入って行った。

 俺はその様子を陰で窺いながら、姿を確認する。

 二人は明らかにアメリカ人だという事が分かる。

「ミックスコアトル村?」

 残念ながら俺には分からない話ばかりだが、少なくとも俺の目的と一致している様にも感じる。

 アメリカ人が、しかも明らかに軍の人間だ。

 そんな人間がこんな南米の奥地に用があるとすれば、俺と同じウイルス関係だ。

「ミックスコアトル村についての情報を入手した方が良さそうだな」

 タクシーに近寄ると、タクシーは黙って開けてくれた。

 俺は後ろの席に座ると、運転手に聞いてみた。

「ミックスコアトル村って知ってます?」

「いいえ。知りませんね」

「そうですか……。だったら中心街の方まで」

 俺を乗せたタクシーは中心街まで走って行った。

 

 

中心街までやってくると、色々な人達が行きかっていた。

 俺は中心街にある店を眺めながら、道を進んで行く。

 まずは情報を入手しなければいけない。

 こっちにいる現地の人に話を聞くための準備に入っていた。

「確か、この路地裏を通って行けば会えるはずだが」

 暗い路地裏を真直ぐ、曲がり角の無い道を進んで行く。

 そうしていると、ニット帽を深くかぶっている男がそこにはいた。

「あんたが情報屋か?」

「ああ、前払いで頼むぜ」

 俺は財布を取り出すと、金を出して質問を始める。

「一つ、この女性を知っているか?そしてどこに居るのかを知りたい」

 そう言うと俺はポケットから一つの写真を取り出す。

 そこには1人の女性が写っていて、男はその写真を眺めながら喋り出す。

「ああ、マヌエラだよな。たしかハヴィエの居城に居るはずだぜ」

「さらにもう一つ、ミックスコアトル村はどこだ?」

 俺は写真をかたず片付けながら、そう聞く。

 男はタバコに火を点けると、そのまま俺の質問に答えた。

「ああ、ミックスコアトル村はハヴィエの居城の近くにある村のはずだ」

「じゃあ、最後に一つ」

「なんでもどうぞ」

「そこまではどう行けばいい?」

 男は上を見上げると、少し考えだした。

「……あんたがハヴィエに何の用か知らないけど、あそこは止めておいた方がいい」

 俺は首を横に傾げると、男はそんな俺の姿見つめる。

「あそこは既にゾンビの村になっている。

 

 

 男はそれ以上話すと、黙り込んだ。

 これ以上は無理だと判断した俺は、その場を後にした。

「さて、どうするかな」

 俺は困り果てた顔で商店街を歩いて行くと、名物料理と書かれた店を発見する。

 俺はそこを通りながら、隣の電柱の壁紙に目がいった。

 そこにはこう書かれていた。

『娘を探しています。名前はマリーと言います』

 そこにはミックスコアトル村と書かれていて、この女性の住所まではっきりと書かれている。

 俺は商店街を真直ぐ出て行くと、大通りに出る。

 紙に書かれていた住所は大通りを横切って、行けばすぐの場所だった。

 大通りを横切ると、住宅街にそのまま足を踏み入れる。

「ここか」

 マンションのような作りをした建物の三階の部屋の一つに彼女は住んでいた。

 ドアを叩くと、中からやつれた女性が出て来た。

「どなたでしょうか?」

「わたくし、ベルトウェイと申します。お聞きしたいことがございまして、今回尋ねたのですが……。よろしいでしょうか?」

「はい」

 活力どころかやる気すらない目がそっと室内を向いた。

 俺は彼女の跡を付いてリビングに行くと、彼女は飲み物を俺に出してくれた。

「それでお話ってなんでしょうか?」

「はい、娘さんの事でして……」

 俺がそう言うと、彼女は必死になって俺に聞いてきた。

「娘を知っているんですか!?生きているんですか!?」

 俺は慌てながらも、彼女に何とか知らない事を伝える。

 そうすると、彼女は少し落ち着き、謝ると話を続けた。

「わたくしが知りたいのは、娘さんが失踪した時の事を知りたいのですが?」

 そう言うと彼女は涙ながらに語り出した。

 

 

 彼女の娘、マリーが失踪したのは昨日の事。

 彼女は21歳の大学生で、近辺の大学に通っていた。

 初来の夢は学校の教師で、大学内でも人気の女性だったそうだ。

 昨日の事、彼女はサークル仲間と一緒に帰っていた。

 時間は既に8時を回っていたそうで、母親もその事を既に知っていた。

 大通りについた辺りで、事件は起きてしまった。

 友達と別れたマリーを謎の黒ずくめの男達が襲った。

 後ろに来ていた車に彼女を入れようとした。

 もちろん近くに来ていた母親はそれを阻止しようとしたが、あえなく失敗。

 目の前で娘を奪われる瞬間をただ見ているだけしか出来なかった。

 すぐに母親は警察に行ったが、昨日の今日で何か情報が入るはずもない。

 母親は気になって仕方が無いと言う。

 

 

 母親の家から出て行くと、俺は再び大通りを歩いていた。

 結局母親はミックスコアトル村の詳しい場所までは知らないと言う。

 でも、詳しい人を知っているという情報を得た。

 彼女がミックスコアトル村の名前を出したのが、最近その村で女性の失踪事件が多発していたからだそうだ。

 その名前を出せば何か分かるかもしれないと踏んだのだ。

 俺は思い出しながら、ミックスコアトル村について詳しい人の場所までたどり着いた。

 そこは町のはずれにある、スラム街に居る人物だそうだ。

 俺はスラム街に入って行くと、大きな背丈の男が10人がかりで囲んできた。

「荷物を寄越せ」

「嫌だ」

 俺はその場から移動をしようとすると、やはり大男が邪魔に入った。

「だったら殺して奪うだけだ!」

 男はナイフで突っかかってくるので、俺は大男の顔面を殴りつける。

 するとそれを合図に何人者大男が襲ってくる。

「相手との実力の差が分からんかね」

 俺は大男達の腹や顔などを蹴ったり殴ったりする。

 さすがにこいつら相手に武器はもったいない。

 少しすると、大男達はその場で気絶していた。

「君は強いね」

 上を見上げると、そこには若い男が座り込んでいた。

 俺はそいつを睨みつけるが、男は「怖い怖い」と言いその場から降りてくる。

「安心しな、こいつらの見かたじゃないさ。それに俺は君を助けようとしたんだぜ?」

「知っている。俺がここに来た時から上から見ていたろ?」

「知っていたのかい?」

 俺は「ああ」と言いながらその場から歩いて行く。

 男は俺の後を付いて行くと、喋り出す。

「それで?こんなスラム街になんの様だ?」

「ここにミックスコアトル村の事を知っている男を探している」

 男は「ああ。そう言う事」というと、俺の前に立つ。

「俺がそうだけど?」

 男は「なんでも聞いてくれ」と言い、その場でニコニコしていた。

「だったら……。ミックスコアトル村の場所と、そこまでのたどり着き方を教えてくれ」

 男は「ふむふむ」と言いながら、ポケットからメモ用紙を取り出し何かを書き始める。

 俺は男が書き終えるのを待っている。

「えっと、ここにミックスコアトル村の場所が書いてある。途中まで車で送ってもらうといい」

 男から渡された用紙には、ここから村までの簡単な道のりが書かれていた。

 俺はそれをポケットに入れると、その場から離れて行く。

 男はそんな俺を呼びとめると、一言忠告してきた。

「最後に忠告しとくんだが、あそこは止めておいた方がいい。最近妙な噂があるんだ」

 俺はその言葉に耳を傾けながら歩いて行く。

「ミックスコアトル村の女性が失踪したのは、ハヴィエが妙な実験しているらしい。それもあの“Tウイルス”に関する実験らしい。あのハヴィエに関われない方が良いぜ」

 俺は後ろを向くと、一言言ってその場から離れて行った。

「それでも行く。それが俺の仕事だ」

 

 

ミックスコアトル村にたどり着くと、そこはゾンビが徘徊していた。

 俺はそんな村のはずれで、1人の女性に出会った。

 名前は……

「私の名前は、マヌエラです。助けてください!」

 マヌエラ、この後レオン達と行動を共にする女性だった。

 俺はそんなマヌエラと行動を共にする。




次回予告
『ダークサイドクロニクル②』

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