「それってわたし等も参加していいのか?」
ガガガガ!
チュインチュインチュインチュイン!
「構わないと思うよ? 一応親の許可は取って貰うことになるけどね。結構遠い上に泊まりだし」
ザン!
ガキッ!
チュドォ~ン!!
「・・・わたし、顔を合わせたことがあるくらいで、殆ど面識が無いんですけど?」
ドシュッ!
ドゴォ~ン!
「わたしの場合、学校違う上にその娘に会ったことありましたっけ?」
ビーー!
ドォンドォンドガァ~ン!
『敵拠点の破壊に成功しました!』
「お、永森さんナイス・・・その娘は田村さんの友達だし、こっちから説明すれば大丈夫だと思うよ」
永森さんの顔を知らないのは恐らくみなみさんとゆたかさんくらいだろうし・・・あ、パティさんもか。
一応同人誌即売会で1回会ってはいるんだけど会話も無かったからね。
・・・傍から見たらどういう状況か分からない人もいるだろう。
もっとも、外から見てて会話内容が分かる事も無いだろうが。
現在俺、日下部さん、八坂さん、永森さんが久しぶりに戦場の絆(4VS4のBクラスマッチング)をプレイ中。
テスト明けだし息抜きも兼ねて、と言う事で夏休みの事も含めて親しい友人に声をかけようと言う話になり、
俺って結構相手の言葉に流される
まぁそんな訳で個別に離れてプレイしながら話も出来るって何気に便利だよな~と思いつつ、夏休みに避暑地に行く話をしていた訳だ。
ちなみに峰岸さんはかがみさんと一緒にいるので(おそらくシューティングゲーム)そっちで話をつけてるだろう。
1年生組はみなみさんとゆたかさんで声をかける事になっている。
ついでに言うと今の所は人数の制限は無い・・・どんだけ広いんだみなみさんちの別荘(汗)。
「や~、久しぶりの快勝だったナ♪」
「日下部先輩、落とされてましたけどね・・・いつもの突撃戦法で」
永森さんがさらっと釘を打っておく。
が、何度注意しても自分のスタイルは崩さないつもりだなコリャ。
「・・・ソコを補うのがチームプレイってヤツなんじゃね~か?」
「サポートにも限度がありますよ~・・・」
八坂さんもぼやきたくなるだろう。
1人のサポートに回ろうとすると当然ほかの所に影響が出る。
最悪、自軍の拠点をやられかねない。
「ちなみに俺は今ので階級上がってマッチングがAクラスになったから暫らくは一緒にプレイできないからね」
『え~!?』
女性陣は非難の声を上げるがこればっかりはどうしようもない・・・永森さんも一緒になって非難するとは思わなかったが。
「む~、暫らくは柊と一緒に・・・」
「かがみさん、今日を境に受験が終わるまでゲームはなるべく自粛するって言ってたよ」
「なに~!? 息抜きぐらいは必要だと思うんだってヴぁ!」
「そういう事は少しでも自分から勉強を毎日がんばってる人の言うことよね」
「ヴぁっ!?」
「あはは・・・」
既にこちらに来ていたかがみさんと峰岸さん。
ま、俺もかがみさんの言うことには賛成だ。
それに今回は避暑と勉強、ついでに俺たち3年生は高校生活最後になる夏休みの思い出作りになる。
「あ、どう? みんな大丈夫そう?」
「はうぅ~・・・」
こなたさんはつかささんと太○の達人やクレーンゲームに興じていたが、つかささんは相変わらずぼろぼろだったようで(苦笑)。
「取り合えず話は聞いたから、まずお父さんとお母さんに・・・」
「あやの~? ごにょごにょごにょ・・・」
「・・・!?」
・・・日下部さん、峰岸さんに何言った?
峰岸さんの顔色が凄い勢いで赤くなってるんですけど(汗)。
「あ・・・な・・・な・・・」
おお、峰岸さんが顔の耳まで真っ赤になった上に、珍しく狼狽している。
「何言ってるの、みさちゃん! わたし達にはまだはy・・・!」←真っ赤になって自分の口を抑えた
あ~、なるほど、つまり・・・。
「ついでに言うと日程次第じゃウチの親、そろっていないこt「みさちゃん、それ以上はダメ!!」ムグムグ・・・」
「友達のお兄さんが彼氏ってのも良し悪しだよね~・・・」
「でも恋人同士ならお決まりのシチュだよね・・・こうしてあやのさんは先に大人のかいd『ハイ、そこまで!』あいたぁ!?」
そういう事をこんなトコで言うな・・・周りの音で聞こえないかもしれないとは言え、万が一があったらどうする。
「うう~、まさきもかがみも2人揃ってグーで殴ること無いじゃん・・・」
「お前が危ない発言しようとするからだろ!」
「まず公共の場でそんな事言わないように・・・」
それからゲーセンを出ての帰り道。
話を元に戻して夏休みの話が続く。
「親の了解を取ったら誰に連絡を入れればいでしょうか?」
「ではわたしに連絡を入れてくれますか?」
「高良先輩に・・・あ、そっか。高良先輩の幼馴染の娘でしたっけ」
日取りはまだ決まってないものの岩崎家所有地への旅行だ。
本人に面識が無いならみなみさんに一番親しいみゆきさんに連絡を入れるのが一番だろう。
「後は保護者にはみゆきさんの両親、みなみさんの両親・・・」
「移動手段はやっぱり車だよね?」
「・・・去年のアレを思い出すわ」
「・・・あぅぅぅ~」
ちなみに避暑と言う事で、日頃よくお世話になっている成実さんと黒井先生にも声をかけている。
まぁ場所は山の中とは言え先導役に岩崎家か高良家の車がつくだろうから黒井先生のほうは心配ないだろうが問題は・・・。
「ゆいねーさんも暴走しなきゃ結構安全運転するんだけどね~」
「たまに思うんだけどさ、よく成実さんって交通安全課が勤まるよね・・・」
「それは言わないお約束だよ、まさき・・・」
ちなみに成実さんの趣味のドライブにこなたさんも付き合う事があるようだが、7~8割の確率で暴走するらしい。
「えっと・・・そんなにスゴイんですか? 成実さんって人の運転?」
会話内容が何気に暗雲漂ってきた所を不安に思ったのか、永森さんが怪訝そうに尋ねて来る。
そりゃこんな会話してりゃ、ねぇ。
「・・・普通自動車で狭い片側1斜線の山道を猛スピードで突っ走った挙句に公道でドリフトかます様な人。ついでに言うと婦警さんね」
「それなんて頭○字Dですか・・・?」←少し引き気味
「しかもそれで婦警って・・・」←絶句中
「警察やりながらレーシングドライバーでもやってんのか?」←あくまで能天気
去年の
一応言っておくが日下部さんが言ったような話は聞いたことが無い。
こうして途中話が多少ずれたが、夏休みに入ったら少しずつ宿題を進めておく事やどんな場所で何が必要なのかを確認し、いつ頃行くのかは後で連絡することを確認した後にその日は解散となった。
数日後・・・。
待望の夏休みに突入した7月下旬。
旅行は8月の頭から、ということになった。
ちなみに参加者は
3年生組:俺 こなたさん かがみさん つかささん みゆきさん 日下部さん
2年生組:八坂さん 永森さん
1年生組:ゆたかさん ひよりさん みなみさん パティさん
保護者組:ゆかりさん 黒井先生 成実さん いのりさん
峰岸さん、結局行かないのね(汗)。
ちなみにそうじろうさんは最後まで自分も保護者としてついて行く、と主張したがこなたさんと成実さんの説得(実力行使とも言う)により何とか収まったそうだ。
そして肝心のみなみさんの両親は突然都合が悪くなったらしく、今年は行けなくなってしまったと言う。
ゆかりさんの旦那さんも仕事の都合で行けなくなってしまった。
一時は中止やむ無しの方向に話が進みかけたが、『せっかく計画したことが大人達の勝手な都合で中止になるのは避けてあげたい』と言って別荘は使わせてもらえる事になったのだ。
・・・さすがにこの状況では俺も遠慮したほうがいいかと思ったが全員揃って『却下』の一言。
保護者も全員女性、友達も全員女子・・・去年海に行った時の比じゃないぞヲイ(汗)。
ちなみにちゃっかり保護者をかって出たいのりさん。
ちょうど仕事も早めの夏休みを取るということで、社会人ということもあり急遽保護者兼運転手として来てくれる事になったのだった。
「本当にゴメンなさいね? その代わりと言うのも悪いけど、わたし達のことは気にしないで精一杯楽しんできてね」
「い、いえ。主人が行けないのに別荘を使わせて頂けるだけでも十分感謝してますから」
「ええ。それに、せっかくですからわたしも皆さんと一緒に別荘の方で過ごすつもりでしたから、本当にありがとうございます」
あ、でもちゃんと親戚のお家にも行きますよ? とみゆきさん。
ちなみに今回の件についてほのかさんから話を聞くため、みゆきさん、ゆかりさんと岩崎家にお邪魔している。
みなみさんは少し前に席を外した。
「それにしても・・・まさきくんだったかしら? 何だかスゴイ状況になっちゃってるわね」
「・・・正直自分でもビックリしてます、ハイ」
「まさきさんには、人を引き付ける不思議な魅力があるのかもしれませんね♪」
「みゆきさんまで・・・勘弁してくれよ」←真っ赤
いや、確かに状況的には美味しいかもしれないけどさ。
それ以前に、肩身が狭いっつ~の!
それにそんな不思議な魅力とやらがあったら中学時代もそれなりに・・・いやいや、違うだろ!
「・・・それにしてもみなみちゃん、遅いわねぇ。わたしもちょっとお手洗いに行きたくなっちゃったから失礼するわね?」
「ええ」
「ハイ、分かりました」
「・・・・・・」
こんな時、俺はどう言えばいいんだろう?
と、扉を開けたゆかりさんが『あらあら♪』とおもちゃを見つけた子供のような笑みを浮かべていた。
どうしたのかと思い、俺とみゆきさんも扉の先を覗き込む。
「何かあったんです・・・ね(汗)」
「あらあら、みなみさんったら♪」
・・・今、みゆきさんは間違いなくゆかりさんの娘だと思ったぞ。
この母娘、反応似すぎ。
廊下で見つけたもの、ソレは・・・。
「スー・・・スー・・・」
「・・・バウ」
廊下のド真ん中で岩崎家のペット、チェリーの腹を枕に眠っているみなみさんだった!
あ、ゆかりさんが携帯電話のカメラを起動してる。
パシャ☆
「・・・・・・はっ!?」
カメラのシャッター音で目を覚まし、慌ててみなみさんが起き上がるがもう遅い。
「周りの評価はカッコイイとかクールとか言われてるけど・・・」
「ふふふ♪」
「・・・あうあう」←真っ赤
ゆかりさんの待ち受けはその写真が暫らく使われる事になるのは余談だ。
「それにしてもみなみちゃんってそんな風に言われてるのね~。ホントはすっごくカワイイのに・・・クスクス♪」
「あ、あの、おばさま、できればその辺で・・・」←さらに真っ赤
「ちなみにどの辺がゆかりさん的にはそう思うんです?」
「あらあら、まさきくんはみなみちゃんが気になる?」
「というより素の顔を見てみたいってのじゃダメですかね?」←真顔
ボフンッ!!
おおう、みなみさんがいきなり・・・てかさらに真っ赤になったぞ(ゾクッ!)。
何か・・・背後から寒気と冷たい視線が・・・(汗)。
恐る恐る振り向いていると、いつも通りのみゆきさんがいた、が・・・。
オーラが、みゆきさんからドス黒いオーラが!!
「あ、あの~、みゆきさん?」
「ハイ、何でしょうかまさきさん♪」
「いや、その・・・ナンデモナイデススイマセン・・・」
「どうしました? そんなに震えて・・・夏風邪をひいたら旅行に支障をきたしますよ?」
「ハイ、キヲツケマス・・・」
この言い様の無い寒気が収まるのにしばらく時間がかかる事になる・・・みゆきさん、恐ろしい子!
その後女性同士の話になったので、俺はしばらくの間、庭でチェリーと戯れる事となった・・・。
つづく・・・