らき☆すた~if~ たとえばこんな物語   作:岡崎ひでき

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第四十話 中間テストでサプライズ!

<夜:バイト中>

 

 

 

この時間帯は客が少ない。

販売店(コンビニ)としては良いことなのか悪いことなのか、ひじょ〜に判断に悩むところだが、コンビニの明かりが地域の防犯に一役かってる、と言う話もある。

まぁ忘れた頃にやって来そう・・・いや、来なくていいが。

面倒事はゴメンである。

とりあえず暇だ。

仕事が無いわけじゃないが暇だ。

と、そこに見覚えのある()()が入ってきた。

 

「あ、まさきくん、こんばんわ。今日はバイトだったんだ」

「いらっしゃいませこんばんわ〜。かがみさん・・・何か、あったの?」

「・・・別に」

 

怒ってる・・・絶対怒ってる(汗)。

何か気に触るような事したっけ?

今朝から普通にランニングして普通に登校して普通に喋って普通に下校したが・・・今さらだがホントに違和感ねぇなおい。

そんな事を考えてるうちに、かがみさんが2リットルのペットボトルを持ってカウンターまで会計に来た。

 

「○○円になります。袋に入れる?」

「そのままで良いわ・・・え〜っと・・・あれ?」

 

友達が客として来店するとどうしても言葉使いが崩れるな〜・・・おや?

かがみさんがポシェットやポケットをあちこちとごそごそあさり回っている。

なんていうか、かがみさんもたまにポカやることがあるんだなぁ。

おそらく・・・。

 

「あ〜、とりあえず俺が立て替えるってことで良い?」

「・・・ええ。お願いするわ(怒)」

「明日、返済ヨロシク・・・(ビクビク)」

 

財布を忘れて来たらしい。

てか妙にイラついてるかがみさん、マジで怖いぞ・・・。

 

「・・・一応何があったか聞いて良い?」

「何かイライラしてるとさ、小さいミスが多くなって余計イライラすることってない?」

「まぁ中間テストも近いし気持ちは分かるけど、たまには気分転換でもしたほうが良いんじゃない?」

「それもそうね・・・考えとく」

 

そういってジュース代を俺が立て替えて、かがみさんは帰っていった。

ヘタな強盗より怖いかもしれないと思ったのは俺だけだろうか・・・?

 

 

 

<陵桜学園:3−B>

 

 

 

中間テストも近い今日のお昼も、俺たちはいつも通り。

 

「何かまたチビッ子みたいなヤツが出たみたいだナ♪」

「あ〜、今朝のニュースでやってた、オタクがつかまって漫画とかゲームが押収されたってヤツ?」

 

かがみさんの昨夜の不機嫌はとりあえず収まったらしい。

今日の昼休みは、朝方やってたそんなニュースの話題から始まった。

けど、かがみさんはともかく日下部さん、その話を出したら・・・。

 

「毎回毎回さ、不公平だと思うんだよね。そういうのはす〜ぐ槍玉に挙げちゃってさ。良いゲーム、良い漫画もいっぱいあるのに・・・」

 

こなたさんのスイッチが入るって(汗)。

まぁ正論ではあるが。

 

「たしかにね。世間の風潮って言うか、そういう時に悪い作品(ヤツ)ばかりを目立たせて叩いて、それに近いジャンル全体に悪いイメージを植えつけてるようにも思えるな、俺は」

 

こなたさんの反論は向こうも予想してただろうが俺の反論は予想してなかったようで。

 

「あ〜・・・えっと、何かワリィなチビッ子、赤井」

「わ、悪かったわよ・・・」

 

2人揃って謝ってきました(苦笑)。

 

「2人がそこまで気にするようなことじゃないって」

「まさきの言う通りだよ。てか何気に2人とも良い人だよね。普通だったら『オタク必死!』とか言って馬鹿にされそうな所だけど」

「趣味は人それぞれ、とまさきさんがよく仰ってますものね」

 

さりげなく俺を担ぎ上げないでくれ、恥ずかしいから(汗)。

 

「そういう事で犯罪をおこす人達が悪いだけだもんね♪」

「気にするなって言う方が難しいかもしれないけど、今時は子供の頃から漫画やゲームに関わらないで大人になる人ってそんなにいないと思うよ?」

「まぁ、影響を受けてる部分も確かにあるかもしれないけど、あからさますぎるのが多いよね。オマケにソレを筆頭にしてニュースとかで大騒ぎするんだよね」

 

やる方もやる方だが、報道する方もある意味誇張してる部分があるように思える。

 

他のユーザー(わたしたち)が迷惑するから勘弁してほしいよ、ホント・・・」

「アンタの場合はまず年齢制限を守れ・・・」

 

ごもっとも。

てかテスト前にする会話かこれ?

そんな訳で・・・。

 

「とりあえず、まずは目の前のテストだよね。」

「ちょ、まさき! 何そのムチャ振り!?」

 

話題を変えてみる。

こなたさんはスルーしたかったんだろうが一応受験生だろ(汗)。

ここにいるメンツは、とりあえず全員が進学希望という事が決まったのでテスト勉強くらいはやっておかないと。

てかそれが学生の本分なんだけどね。

 

「じゃあ皆で助け合いも兼ねて、放課後に図書室で勉強する?」

「賛成。心配なのが少なくても3人はいるし」

 

峰岸さんの提案に特に異論は無い。

ちなみに・・・。

 

「そりゃ、まさきが心配してくれるのは嬉しいけどさ・・・うぐぅ・・・」

「うう、私ももっとがんばんなきゃ。でも・・・はう〜(涙)」

「ヴぁ〜・・・アタシは頭使うより体動かしてるほうが性に合うぜ・・・」

 

心当たりのある3人がそれぞれ否定できない事実を突かれて大人しくなったのは言うまでも無い。

ちなみに中間テストまで既にあと1週間である。

 

 

 

<放課後:図書室>

 

 

 

後輩達(ギャラリー)が居るだけでプライドがムクムクと出てくるのは何でだろうね?」

「そう思うんならさっさと手を動かしなさい。まだテスト範囲の半分くらいなんだから」

「頭使う時はやっぱり甘いものが必要だゼ!」

「まぁまぁ、勉強会(これ)が終わったらこの前のクッキー持って行くから、頑張ろうよ」

「お姉ちゃん、は手が離せないみたいだし・・・峰岸さん、ちょっと良いかな? ここなんだけど・・・」

 

あっちは既に教わる側がダウンしかかってるみたいだ。

頑張ってるのはつかささんくらい・・・こなたさんも頑張ってはいるみたいだが。

日下部さんは・・・アウトかな?

ちなみにこっちは・・・。

 

「まさき先輩、ここから先、どう解けばいいんですか?」

「ん? ああ、ここはこうしてね・・・」

「みゆきさん、ここ、理解できなかったんですけど・・・」

「ここはですね・・・」

「マサキ、ちょっとイイデスか?」

「ん? ああ、日本史か・・・さすがにパトリシアさんには難しいよなぁ(汗)」

「こーちゃん先ぱ〜い! ここがゼンゼンわからないっす!!」

「まったく常日頃から言ってるでしょ? きちんと趣味と勉強を両立させないとダメだって」

 

それと田村さん、図書室ではお静かに。

現在、何故か後輩5人も加えてテスト勉強をしていたりする。

図書室前でばったり出くわした俺たちと1年生4人組。

考えることは皆同じかと思って中に入ったら偶々いた八坂さんと鉢合わせ。

何だかんだで皆でやることになったのだ。

ダメな娘と飲み込みがいい娘に加えて復習を兼ねた指導員を合わせて総勢12人!

俺は後輩達の勉強を見ながら自分の勉強、優秀組であるかがみさん、峰岸さんに、こなたさん達3人を見てもらって、みゆきさんと八坂さんが俺と一緒に後輩達に教えている。

 

「しかし人は見かけによらないモンだね。八坂さん、成績良い上に生徒会会計だったとは・・・」

「別に上位ってワケじゃありませんし、ある程度両立しないと両親が許してくれないんですよ。趣味とかいろいろと」

 

・・・正直八坂さんが勉強を教えられるのが意外だったんだが。

まぁそれくらい出来なきゃ生徒会になんて入れないよな。

 

「もうすぐ下校時刻・・・まだまだ終わりそうに無いなコレじゃ」

「そうですね。テスト前の休日にまたどこかに集まって、改めて始めたほうがよさそうです」

 

後輩に教えながら自分も勉強する、というのはさすがにキツイ。

 

「あ、私達は今度うちって言うか、お姉ちゃんの家で皆と勉強会開く予定だから大丈夫ですよ?」

「今回は偶然でしたけど、色々教えてもらって助かりました」

 

どうやら小早川さんの家ってか泉家で勉強会を開くのは確定だったらしい。

 

「ゆーちゃん、ソコはきっぱりと『わたしの家』って言ってもいいんだよ?」

「あはは、まだ慣れてなくて・・・」

 

親戚とはいえ他人(ひと)の家だからね。

慣れるのはまだ時間がかかりそうだ。

 

「じゃあ、あたし達もやっとくか?」

 

唐突にかがみさんが提案する。

そうなると・・・。

 

「場所はどうする?」

 

特に反対する理由が無かったので乗ることにする。

 

「みんなで出来るくらいのお部屋があるところって言うと・・・」

「わたしの家は皆さんの家から少し遠いですし・・・」←都心在住

「やっぱり柊家かな? みゆきさんに負担かかっちゃうけど」

「わたしは特に気にしませんから大丈夫ですよ?」

「ウチだとゆーちゃん達と被っちゃうしね〜・・・お父さんは大喜びしそうだけど。むぅ、いっその事、土日と勉強合宿にする?」

 

・・・時間が止まった・・・ような気がした。

まさかこなたさんの口から『勉強合宿』という言葉が出てくるとは(汗)。

 

「・・・こなたさん、頭でも打ったの?」

「勉強しすぎて知恵熱でも出したかもしれないわね。保健室に行く?」

「2人ともヒドイよソレ!」

 

そりゃあ普段の彼女の行動を見てると・・・ねぇ。

 

「そうすると、多すぎて大変だからわたしとみさちゃんはみさちゃんの家でやるよ?」

 

峰岸さん達は大抵テスト勉強を日下部さんの家でやってるらしい。

日下部さん曰く、『ホントの目当てはアニキだろうけどな♪』との事らしいが、峰岸さんの成績とは関係は無さそうだ。

泊まるかどうかはさて置き、次の土日は柊家で勉強会を開くことになった。

 

その結果・・・。

 

こなたさんが自己ベストの点数を叩き出したのは嘘のようでホントの話である。

さらに一部の教科では俺はもとよりかがみさんの点数をも1点差で上回ったのは記憶に新しい。

ちなみに小早川さん達1年生組もかなりいい成績を残したとか。

 

 

 

「ふっふっふ。わたしが本気を出せばざっとこんなモンよ」←順位2ケタまであと少し

「こなちゃんすご〜い!」←初の160位台

「やはりきちんと勉強すれば、泉さんもつかささんも学力は中々なものですね」←数点差で学年トップ

「あ〜・・・まぁ常に本気を出せば普通に進学も問題ないんだろうけど」←成績はトップ30だが上記の理由でショック

「何か・・・何か納得できない・・・」←初の70位台だがやっぱり素直に喜べない

「おお〜、あたしの成績も上向いてきたぜ♪」←ピッタリ200位

「みさちゃんも最近は頑張ってるもんね。」←何気にトップ50入り

 

 

 

つづく・・・


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