らき☆すた~if~ たとえばこんな物語   作:岡崎ひでき

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第三十六話 面識・・・の無い二人?

<4月:東京某所>

 

 

 

満開の桜のトンネルをのんびり歩きながらいつもの5人+αでのんびり花見を楽しんでいた。

ちなみに+αと言うのは・・・。

 

「自己紹介、遅れちゃいましたね。小早川ゆたかです」

「・・・岩崎みなみです。よろしく、小早川さん」

 

この新入生後輩コンビだ。

以前小早川さんの話で、彼女に親切にしてくれた人の事を聞いた俺達はその人の特徴から岩崎さんではないかと俺達は推測。

みゆきさんに確認を取ってもらったところ、ビンゴだったというわけだ。

で、2人を会わせる事と少し速めの入学祝と言う名目で、2人を引き合わせたのだ。

ちなみに本人達にその事を伏せていたので顔を合わせた2人はずいぶん驚いてたが、今ではすっかり意気投合したようである。

 

「・・・で、こなたはあそこで何やってるの?」

「まぁいつものごとくネタに走ってるんでしょ」

 

一方こっちは桜を見ながら雑談中のところ、ごろんと横になったこなたさんが舞い散る桜の花びらを口に含み、咳をするような感じでケホ、ケホっと吐き出している。

 

「こなちゃん大丈夫?」

「え〜っと・・・(汗)」

 

つかささんもみゆきさんも対応に困って・・・つかささんは普通に心配してるなありゃ。

・・・ええ子や。

 

「とりあえずこなたさん、ここじゃあ1年中桜が咲いてたり純粋な願いが叶うわけじゃないんだからその辺にしといた方が・・・てかこなたさんの願いは叶わないだろうけど」

「何気にきっついな〜まさきは。それに桜といったら初n「ハイストップそこまで!」モゴモゴ」

 

とりあえず買っておいたたこ焼き(ジャンボサイズ)を口に突っ込んで止めておく。

・・・桜を取り扱ったモノが他にもあるだろと一瞬言いかけたが何とか飲み込んだ。

 

「まさきくんはまっとうに見えるのに何でこなたは不純に見えるのかしら・・・?」

「そりゃまぁこなたさんのほうが色んな意味でディープだから」

「まぁ一言でオタクといっても色んな人がいるからね〜」

 

自覚してる分さらにタチが悪いと思うのは俺だけか?

・・・それ以前に俺、いつの間にかオタクと認定されてる?

 

「まーくん、金魚すくいやろ〜♪」

「お〜う」

 

とりあえずつかささんのご指名があったからみゆきさん共々、金魚すくいをやって見ることにする。

・・・昔からほとんど取れた試しが無いが。

 

「あうっ!?」

「中々難しいですね・・・あ、網に穴が開いちゃいました」

 

つかささん、みゆきさん、揃って敗北。

 

「こういうのは・・・スピードと、角度! それ!」

「わぁ!」

「お見事です・・・あ」

 

ぽちゃん。

勢い余って受け皿に入らずに、そのまま水槽に落ちてしまった。

むう、あなどれん。

 

「まだまだ、俺の網は伊達じゃない!」

「まーくんファイトォ!」

「がんばって下さい、まさきさん!」

「にーちゃん中々筋がいいじゃねぇか。しかも彼女2人の応援つきで気合入ったか?」

「ち、違います! て、あ・・・」

 

思いっきり動揺してしまった俺は網を直接水に叩くように突っ込んでしまい・・・。

 

「親父さん、アンタって中々の策士だな」

「くっくっく。これくらいで動揺するようじゃ兄ちゃんもまだまだ青いぜ?」

「(く、否定が出来ない。これが年期というものか!)」

 

なんて馬鹿のことを考えてしまうが結果は結果である

結局取ることが出来ずに終わってしまった。

 

「惜しかったねまーくん。」

「でもあんな事言われたら仕方ないかと・・・」

 

今のセリフでみゆきさんはもとよりつかささんまで赤面してしまう。

さっきは思いっきり否定したが何か罪悪感が(汗)。

 

「あれ? どしたの3人揃って」

「何か顔赤いけど・・・風邪でもひいた?」

「いや別に・・・そういやかがみさん、去年の夏に取った金魚ってどうしてるの?」

「へっ?」

 

とりあえずボロを出す前に話題を変えておこう。

確か去年の夏祭りの時、かがみさんは一匹ゲットしたはずだ。

ちなみにその時、かがみさんが近寄っただけで金魚があちこちに逃げて行ったと言うのは嘘のようでホントの話である。

 

「え〜っと・・・ちょっと、その・・・餌をやり(かわいがり)過ぎて、こ〜んなに」

 

手で形を現すが・・・でかいって言うか(汗)。

 

「・・・金魚ってレベルじゃないでしょそのサイズ」

「せめて幸せ太りだと思いたいわ・・・」

 

ペットは飼い主に似るって言うが・・・。

 

「ちょっと、今何か失礼なこと考えなかった・・・?」

 

こんな時ばっかり妙に勘が鋭いなおい!

 

 

 

で、数分後。

あの2人がいないことに気付いた俺は周りを見回す。

 

「・・・そういや小早川さんと岩崎さんは?」

「あれ? 2人ともちょっと前まで一緒だったんだけど・・・はてな?」

 

会話に気をとられたせいか、いつの間にか2人を見失って・・・。

 

「あれは親愛の表れか? それとも新たな世界への飛躍か?」

「むう・・・まさかこんな展開があろうとは!」

 

少し先のベンチ。

恐らく小早川さんが体調を崩したんだろうか。

俺達に何も言わなかったのは俺達が聞き逃したのか心配かけないよう少し休むつもりだったのか。

前者だったらダメじゃん、俺達・・・。

 

「みなみちゃんってホントに優しいよね」

「あの2人って、確かほとんど面識なかったはずよね・・・?」

「ふふ。私の自慢の、『妹』ですから♪」

 

面識が今まで無かったと思えない・・・女の子同士とは言え、ほぼ初対面の相手に膝枕で看病するか岩崎さん?

あの2人、入学してクラスメイトになったら岩崎さんが保険委員になって小早川さんの世話を焼いてそうだな。

 

「まあ、今日は少し寒いもんね」

「そうですね。女性にとって冷えは大敵ですから」

 

また野郎には理解不能な話になり始めたから屋台に行って・・・とりあえずお好み焼きを3つゲット。

皆で食べようと思ったものの・・・足りないか?

とりあえず4人とも2人の様子見がてら、からかいに行ったみたいだから俺もそっちに向かった。

 

「ほ〜い、出前一丁っと。焼きたてのお()()きを食えば多少は身体、暖まるだろ?」

「あ、ありがとうございます、まさき先輩」

「頂いて良いんですか・・・?」

「こういう時はありがたく受け取っておくべきだよ、2人とも」

 

小早川さんは多少持ち直したようで一安心。

そんな訳で皆揃ってお好み焼きを食べつつ花見の続きを楽しんだ。

 

 

 

<夕方:泉家>

 

 

 

「ゆーちゃんがんばれ〜!」

「みなみさん、ファイトです!」

「はわわわ!?」

「・・・ッ! 車体が、上手く動かない」

「・・・・・・」

 

現在の状況。

場所、泉さんちのこなたさんの部屋。

岩崎さんと小早川さんがレースゲームで悪戦苦闘中。

こなたさんにみゆきさんはそんな2人に声援を送ってる。

てゆーか突発的に決まってしまったこのお泊り会。

まぁ俺は明日の朝早くからバイトだから参加しないと言ったが、晩飯くらい食べて行けとの事。

作家である親父さんの許可を取ってるとのことだがその親父さんはしばらくの間カンヅメになってるそうで。

・・・万が一にでも遭遇したらどうすんだよヲイ。

 

「どったのまさき? あ、大丈夫。今日はゆい姉さん付きだからお父さんも文句は言わないと思うし。ついでに言うとゆいねーさん、夕飯前くらいの時間には来ると思うよ」

 

どうやら成実さんも来るらしい。

こっちはこっちで宴会にならないことを祈ろう・・・酔ってなければまだしも、酔ったら誰にでも絡もうとするみたいだしな、あの人。

ちなみに柊姉妹は家の手伝いがあるとのことで今回は不参加である。

とりあえず2人のスコアはよくはなかったものの、2人が楽しそうにしてたから問題ないだろう。

 

「こなたさん、パソコン立ち上げっぱなしなの?」

「そだよ〜。韓国発信のMMORPGで露店放置中〜。売り上げは上々かな? かな?」

 

これって・・・マ○ノギか?

 

「へ〜、サーバーは?」

「『たるら』だけど・・・まさき、ひょっとして・・・?」

「同じサーバーかい・・・どこまで縁があるんだか。あ、でもこなたさんは他にも色々やってそうだね」

「と言っても今の所はこれに集中してるからね〜。」

 

やりがいがあるんだよ〜、と言うのはこなたさん談である。

数あるMMORPGのうち、ある意味異色なゲームのマ○ノギ。

ストーリーはもちろんのこと、生活、生産とやることは多岐に渡っており、ストーリーではなく生産に力を入れてるプレイヤーも多いゲームだ。

一応無料でプレイできるがやはり本腰を入れてプレイするなら課金(30日で千円コースがオススメ)をした方が色々と便利ではある。

ま、それはさて置き。

 

「夕飯はどうするの? 作るんなら手伝うよ?」

「それには及ばないよ。私が今日の当番だからね」

「こなたお姉ちゃんって家事も出来るし、ゲームも凄く上手だし、コミュニケーションの幅も広いんですよね♪ こなたお姉ちゃんみたいになれるように、私もがんばらなきゃ!」

「わたしも・・・みゆきさんの様になりたいから・・・一緒だね、小早川さん」

「うん!!」

 

2人のこのセリフにお姉さん組は・・・。

 

「いや〜、最近姉としてのプレッシャーというか、そういうのが分かってきたよ・・・」

「まぁその辺りは人によりけりなのでは(苦笑)?」

 

みゆきさんはともかく、こなたさんは何だかプレッシャーを感じてるようだ。

まあ自分らしくしてれば良いような・・・あ、こなたさんの場合はそれじゃだめか」

 

「まさき・・・」

「なに? こなたさん」

「私の場合・・・何だって?」

「げ(汗)」

 

声に出してしまったらしく、珍しくこなたさんが怒気を発している。

いかん、ここはこなたさんの陣地(ホーム)だ。

てかどこぞのギャルゲの主人公みたくなっちまった・・・あ、後輩が2人揃って笑ってる。

 

「・・・私と対戦して勝ったら、特別に許してしんぜよう」

「・・・負けたら?」

「まさきの今日の夕ご飯は紅しょうが。茶碗いっぱいのべn「こなたさん、そのネタはアウトォ!」・・・むう、まあいいけどね。ゆいねーさんもあんなだけどゆーちゃんはしっかりしてるし」

「あ、あはは・・・(汗)」

 

さすがの小早川さんも若干苦笑気味である。

まぁ面識は少ないものの何となくは分かる。

何だかノリが軽い人だし暴走もとい! 爆走するし・・・あれ?

ほかに思いつかない・・・。

 

「そういえば先輩達に聞きたかったんですけど、中学と高校って何か違うところってありますか?」

「ん〜・・・部活動が強制じゃないとか」

「でもそれは学校によると思いますよ?」

「あと給食も無いからね〜。弁当とか学食とか」

「皆さん、親御さんかご自分で作ってるのですか?」

「こなたお姉ちゃんも毎日作ってるの?」←純粋無垢な眼差し

「・・・ま、まぁね〜♪」←滝汗

 

墓穴掘ったなありゃ。

ほぼ毎日チョココロネ頬張ってるのに(笑)。

 

「あと通学するにも結構距離があるからね。相応の体力が無いときついかもね」

「それと進学校ですから、授業の進みが速いって言うのもありますね」

「そして同時に眠気が・・・特に苦手な科目は眠気の威力が倍増するんだよ〜」

「・・・2人とも、ああはならない様にね?」

 

こなたさんのいう事には特に注意するようにと付け加えたら、ふたりとも苦笑気味だった。

 

とりあえず夕飯の準備のためにこなたさんはキッチンへ。

俺はと言うと・・・。

 

「以前のリベンジをさせていただきますよ?」

「負ける気は無いからそのつもりで」

「みゆきさん、頑張ってください」

「まさき先輩も頑張れ〜♪」

 

みゆきさんに挑まれてしまった・・・何時かやった『でっていうのタマゴ』で。

結果はほぼ五分だったという事に・・・最後は集中力が切れた俺が惨敗したけどね。

 

 

 

つづく・・・


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