らき☆すた~if~ たとえばこんな物語   作:岡崎ひでき

35 / 62
第三十四話 そして再び出会いの季節へ・・・

<3月下旬:ゲー○ーズ>

 

 

 

春休み。

暇な時は大体いつものメンツ(こなたさん達)の誰かと一緒にいることが増えてるような気がする辺りどうなんだろう?

まぁそんな疑問はさておき、今日はこなたさん、柊姉妹とゲ○ズで買い物してから泉家に行くことになっている。

 

「ん〜、アニメの原作って中々手を出し辛いんだよね〜」

「ま、たしかに。最初から買ってるとかしてないとね」

 

10冊程度ならまだしも、30冊40冊、物によっては100冊以上出てる物もある。

こ○亀とか美○しんぼとかクッキ○グパパとか。

 

「でもこなちゃん、ある程度溜まってるからアニメ化してるんじゃないのかな?」

「そりゃそうなんだけどさ・・・ギャップが激しいのが多くてさ。アニメだとかわいいのに漫画だと何か違ったり」

「絵を優先してんのかアンタは・・・」

「それと1巻が無いってことが多いんだよね」

 

あ〜、あれですか。

1巻試しに読んで確かめようと考えるですか。

考えてることは皆同じなんだろうかと思うが物によっては・・・特に長期連載のものは初期と現在で絵柄がガラリと変わるものも多いからな〜。

てかそれなら中古本屋に行って立ち読みでもしたほうがよくね?

アニメが原作に追いついちゃったアニメ(もの)もあるけどね。

とにかくある程度物色を済ませて会計に向かう。

と・・・。

 

「ぶほぅ!!」

「うぉ!? ど、どうしたのこなたさん・・・?」

 

こなださんが突然オーバーリアクションをしてヨロヨロと俺に寄りかかってきた!

そして力なく俺の服を掴んで、いかにも『私は落ち込んでます』と言いたげなオーラが漂わせてたりする。

 

「ううう、まさき。この世は常に戦争だよ・・・」

「・・・はい?」

 

こなたさん曰く、少し前にちょっと欲しいと思ったものをポイント交換するかどうかで散々迷った挙句、結局交換したらしいが・・・。

 

「今度は即決で欲しい景品があるんだよ! ホラ、アレだよアレ! ポイントが足りないヨ!!」

「んなこと俺に言われても知るかっての!」

「なんというかまぁ・・・」

「あ、あはは・・・」

 

相変わらず人生を楽しんでるこなたさんであった・・・。

 

 

 

<泉家:玄関先>

 

 

 

『おじゃましま〜す!』

「はいいらっしゃ〜い。今日は夜までお父さんいないから安心してねまさき♪」

 

それはある意味問題発言だぞ。

まあ俺のことをかなり敵視していたみたいだしどうやってかわすか考えていたんだが、杞憂に終わりそうだ。

そして俺たちに紹介したい娘がいるという。

恐らく以前話してた『妹のような従姉妹』の事だろう。

 

「この()が従姉妹のゆーちゃんだよ」

「は、初めまして。小早川ゆたかです。よ、よろしく・・・お願い、します・・・」

 

挨拶が段々小さくなってるのは・・・人見知り、かな?

顔が真っ赤になってるし。

それとも男子が苦手とか。

そうなると俺はこないほうが良かったんじゃ・・・?

 

「ほらほら、ゆーちゃんがんばるんでしょ?」

「う、うん。よ、よろしくお願いします! まさき先輩!!」

「ああ、よろしく・・・て俺?」

 

よろしくするのって俺だけ?

しかも下の名前呼び・・・普通初対面とかでは苗字で呼ぶもんだが。

 

「あはは、ごめんね3人共。ゆーちゃんって歳の近い男の子が苦手だからさ。きー兄さんはまだ大丈夫なんだけど歳の近い男の子だとどうしても距離取っちゃうんだよネ~」

 

やっぱ人見知りか。

コンプレックスを克服するというなら身近にいる歳の近い異性と積極的に接するのが良いと判断したのだろうか?

そしてその対象として俺が選出された・・・てか俺しかいなかったのか。

 

「そっか、頑張ってねゆたかちゃん。私は柊かがみよ。よろしくね」

「双子の妹のつかさです。よろしくね♪」

「あ〜・・・改めて赤井まさきです。よろしく」

「は、はい! よろしくおねがいしまふッ!?」

 

気合が空回りして舌噛んだな(汗)。

 

 

 

<泉家:こなたさんの部屋>

 

 

 

「小早川さんは卒業式、どうだった?」

「あはは、実は特に何も。殆ど休んでばかりだったので」

「こうやって話してるとさ〜、卒業式のことってあまり憶えてないもんだよね」

 

多少は憶えとけっての。

 

「卒業式か・・・懐かしいわね〜。」

「何だか昔の小中学校に行ってみたくなるよね。私達がいた頃から何か変わった所ってあるのかな?」

 

柊姉妹は回想中の模様。

 

「ちなみに俺は小学校だったらたまに顔を出してるぞ」

「ふえ、そうなの? まーくん」

「うん。たまに帰省した時にね。小学校は私立で教師が変わることが少なかったから、今でも知っている・・・てかお世話になった先生がいるんだ」

 

ちなみに長い人では30年以上そこで教師をしているのだからビックリだ。

中学校は・・・あまり良い思い出が無かったり・・・(苦笑)。

 

「でも最近乱入闖入事件が多いから、場所や時期によっては変質者扱いされるかもよ〜?」

「まあ、こなたはそういう心配しなくても良さそうだけどね?」

「それってもしかしなくても褒めてないよね?」

「かがみさん、それはちょっと・・・」

「お、ここはまさきのナイスセーブが!」

 

そんなこと言うな。

裏切りたくなるだろ♪

 

「さすがにシャレにならないと思うぞ?」

「・・・ま〜さ〜き〜?」

「冗談冗談♪」

「冗談に聞こえないよ!」

 

そんなやり取りをしていると小早川さんがクスクスと笑っていた。

 

「何だか漫才みたいですね・・・クスクス♪」

「うんうん、みんな仲良しさんだもんね♪」

 

・・・なんだろう、つかささんが普通に小早川さんと同じくらいの年齢に見えてきたぞ・・・?

まぁ言われたことに対して反論する気はないが。

 

「ゆたかちゃんは卒業式の時、誰かから第二ボタンを貰ったりした?」

「い、いえ・・・私病弱だし、学校に行ってもすぐ体調を崩すし、体型も子供っぽいし・・・それに私の学校の男子制服はブレザーでしたから」

「そういえば最近そういうとこ多いみたいだね」

「そうでもないぞ? 俺の実家周りの中学校は学ランだし」

「ネット見る限りじゃまだまだそういうところは多いみたいだけどさ・・・本人貰ったほうが良いような気がしない? 第2ボタンを貰いに行った時点で告白してるようなもんだし」

 

さすがにそれは実も蓋も無いだろ・・・。

 

「それに大丈夫だよ、ゆーちゃん。相手を選ばなきゃ需要バッチリだし!」

「じゅ、需要・・・?」

 

本人の意思をある意味全否定ってのもどうかと思うぞ(汗)。

 

 

 

2時間後・・・。

 

 

 

こなたさんとかがみさんはゲームで対戦中。

残された俺たち3人は既に打ち解けてたりする。

 

「へ〜、じゃあその時の娘に会えたんだ」

「いっぱいいる人達の中で会えたなんてスゴイね〜」

「はい。でも・・・」

 

何かしゅんとする様な表情になる。

・・・何かあったのか?

 

「名前・・・聞くの忘れちゃって」

「・・・ぷっ」

「あ〜! 先輩今笑った〜!」

「ご、ごめ、ん・・・ククク♪」

 

なんとゆ〜か、ベタなオチである。

小早川さんは入試の時、気分を悪くして休憩していた時、手を差し伸べて親切にしてくれてた娘がいたそうだ。

その娘がその時ハンカチを貸してくれて、入学説明会の時に再開、お礼を言ってハンカチを返したそうだが、お互い名前を聞き忘れたらしい。

 

「どんな娘だったの? ひょっとしたら私達が知ってる人かも」

「さすがにそれは無いんじゃないかな?」

 

陵桜はそれなりにレベルの高い進学校である。

俺のように他県から来る人もいれば同じ県内でも遠方から来る人もいるだろう。

稀に不純な動機でここに入ったヤツもいるようだが。

・・・何人かは心当たりがあるがさすがに人生そこまで上手くいくとは思えない。

 

「えっと、ちょっと背が高めで髪がショートで・・・あと見た目冷たそうなんだけど、実は凄く優しい人です♪」

 

ああいう人って誤解されやすそうですよね、なんて小早川さんは言うが・・・。

1人、心当たりがあったりする。

もし本当だとしたら世の中ってそうとう狭いんだな〜って思うぞ、心から。

て言うかある意味世の中上手く行きすぎ?

 

「ねぇ、まーくん・・・」

「多分・・・合ってるとは思う・・・けど、いくらなんでも・・・」

「え、ホントに知ってるんですか!?」

 

するとかがみさんに快勝したこなたさんが微妙にげっそりとしたかがみさんとこちらに戻って来た。

 

「私も多分そうじゃないかと思ってたんだけど確証が無くてね。まさきはおろかつかさまで同じ意見だとすると確率は高め・・・かな?」

「・・・何の話よ?」

「だめだよかがみん、空気読まなきゃ」

「あんた相手に格ゲーで必死だったから聞こえてなかったのよ!」

 

ちなみにあのじゃれ合いはいつものことだから気にしないよう話したら小早川さんは笑うしかなかったようだ。

それでも少し羨ましげにこなたさんとかがみさんを見ていたように見える。

と、そこに闖入者が!

その人は物凄い勢いで扉を開けたので俺は反射的に身構えてしまった。

しかし入ってきたのは・・・。

 

「ゆたか〜、遅くなったけど卒業おめでと〜!」

 

ハイテンション警察官、成実ゆいさんだった!

 

「あ、ゆいねーさんいらっしゃ〜い」

『おじゃましてま〜す』

「ちっす・・・あれ? 玄関の鍵、こなたさんが閉めてたような」

「何かあったら大変だからこの家のスペアキーを貰ってるのだよ少年! そんなことより、ゆたかの卒業祝いって事で、今夜おじさんも誘って飲みに行くか!」

「て、警察官が何言ってるんですか!!」

「大丈夫大丈夫♪ 未成年でも堂々としてれば結構バレナイもんだよ」

「俺の話聞いてくださいよ、ちょっと!?」

 

さすがにコレはツッコミを入れざるをえない。

てか主に成実さんの身内二人のせいでばれるだろ(汗)。

 

「さすが天性のツッコミ要員まさき。的確にツッコミいれてるね〜」

「感心してないでこの人の暴走を止めてくれ・・・」

「あはは・・・迷惑かけてごめんなさい、まさき先輩」

「いやいや、小早川さんが謝ることは無いって」

 

と、成実さんが突然静かになった・・・なにやらにこやかな顔はしてるけど・・・なんか怖い(汗)。

 

「赤井くん。ゆたかに手を出したr「出しません!!」・・・本人はこうきっぱり言ってるけどどうかな我が従姉妹よ?」

「今日が初の顔合わせだから何とも言えませんね〜」

「なんだかちょっと、複雑ですね・・・。ホッとした様な残念な様な・・・」←苦笑い

 

小早川さ〜ん、お願いだから誤解を招きそうな事言わないでくれ。

てかもしそうなったら俺は完全に犯罪者になってしまうぞ。

 

「今何か失礼なこと考えてませんでしたか? まさき先輩」

「ゼンゼンソンナコトハナイゾ」

「む〜!」

 

そう言ったものの、完全に棒読みになってしまったため小早川さんに後からぽこぽこ叩かれてしまうハメになった。

痛くは無いから好きなようにやらせてるが・・・こうなると何だか小早川さんが本当に妹のように思えてしまう。

イカンイカン、何を考えてるんだ俺の頭。

 

「・・・とりあえず馴染んだようだね」

「みんな仲が良いのが一番いいよね♪」

「そうなんだけど・・・なんかホントに兄妹みたい」

「なんだいかがみん、まさか妬いてる?」

「んな!? んな訳あるか!」

 

まあ女性陣の反応は置いといて。

何だか小早川さんも楽しそうにしている感じがしたこともあり、しばらくの間そんな光景が続くのであった。

 

 

 

<自室:夜>

 

 

 

『まぁ、そのような事があったんですか?』

「うん。だからちょっと確認したくてさ。場合によっちゃ春休み中に会わせてあげられるでしょ?」

『そうですね、私から確認してお知らせします。あ、時間は何時ごろが大丈夫ですか?』

「こなたさんに連絡入れてくれるかな? 最近はちゃんと携帯電話を持ってるみたいだし♪」

『ふふ・・・分かりました。そうしておきますね』

「うん。こんな時間にゴメンね? それじゃおやすみ」

『私は気にしてませんよ? おやすみなさい、まさきさん。』

 

ふう・・・。

コレで明日辺りには判明するだろう。

あの後すっかり馴染んだ小早川さんの探し人はみゆきさんの幼馴染であると俺達は推測し、みゆきさんに確認をお願いしたのだ。

ぶっつけ本番で会わせて見たら別人でした、なんてオチは避けたいところ。

春休み中は花見を皆で、なんて話もしたからその時会わせるのも良いかもしれない。

そんな事を考えつつ俺は明日の早朝の日課(ジョキング)に備えるために布団に入った。

 

 

 

つづく・・・


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。