らき☆すた~if~ たとえばこんな物語   作:岡崎ひでき

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第二十一話 いざ、修学旅行!:4日目

<修学旅行4日目:朝>

 

 

 

今日は全員揃って爽やかな目覚めとなった。

昨夜の女性陣との交流が効いたのか、就寝時間になっても全員いろんな意味でテンションが上がっていたため、今日に限っては俺も少し遅めの起床(それでも6時だが)になった。

 

「いや〜、赤井の班と同じで良かったぜ♪」

「俺らは同部屋でラッキー♪ て感じ?」

「君らってほんっと〜に分かりやすいね・・・」

 

普段人のこと恨み辛み言ってるにも拘らず、昨夜の一件で(少なくとも同部屋の男子は)妙に好意的になってたりする。

 

「で、実際のところ誰なんだ?」

「・・・何が?」

「何がって決まってるだろう。赤井の本命」

「まだ言うか(汗)」

 

こいつらは・・・。

昨夜、女性陣が引き上げた後から、からかい半分で問い詰められていた。

普段から彼女らと行動してることも多いからまぁ無理も無いかもしれない。

だが女性として意識してるかと言われると結構難しいもんで・・・。

 

「何回も言ってるけどそういう目で彼女らを見たことは無いよ」

「あれだけ美人揃いなのにもったいねぇ・・・」

「泉は・・・見た目がアレだから下手すりゃ犯罪に近いよな。柊は姉のほうはちっときついけど黙ってりゃ美人だし」

「妹の方はドジッ娘だけどがんばりやで結構恋とかしたら一途そうだし、委員長は美人で成績優秀。オマケに運動神経はおろか、スタイルも抜群・・・この2人は彼氏がいないのが不思議なくらいだよな」

 

『この2人が狙い目なんじゃないか?』なんて事を言って来る。

まぁ美人揃いなのは否定しないけどさ・・・。

 

「こなたさんは結構家庭的な面があるし、かがみさんもあれでカワイイ所もあるよ・・・?」

 

何だかこなたさんとかがみさんが遠まわしに酷いこと言われてるような気がしたから一応フォローをいれておく。

・・・本人に聞かれたら間違いなく(主にかがみさんの)拳が飛ぶぞ。

 

「赤井、お前結局あの()らをちゃんと見てんじゃねーか・・・俺らに対する挑戦か?」

「死の点って見えないのかな~?」

「むしろ光にでもなっちまえコンニャロウ。」

「朝から物騒なこと言わないでよ・・・」

 

どっちにしても死ぬっての!

まぁ本気で言って無さそうだからいいけどね。

 

 

 

<バス内:移動中>

 

 

 

4日目は1日自由行動。

奈良県内を回っても良し、京都府に戻ってそっちを回るも良し。

1人で行動しようが何人かの好きな人数で行動しようが、最終的には宿泊地に5時まで到着すればいいというある意味困った1日でもある。

・・・良いのかこんな放置プレイで(汗)。

何せ慣れない場所に放り出されるようなもの。

行きたい所を自分達で決めなければならない。

綿密な計画を立てて、迅速に行動しなければ何も出来ずに1日終了・・・となってしまう。

ちなみに俺は事前にいつものメンツ(こなたさんたち)に誘われて京都組。

日下部さんと峰岸さんは奈良組のようだ。

 

 

 

<京都府>

 

 

 

さて、再び立った京の都。

出発前のLHRで、2日目に見れなかった文化財、建造物を見て回る(こなたさんは反対していたが)ことにしており、途中何か興味がある場所や物を見つけたら見て回ろうと言う非常に大雑把な計画だったが結構見てて飽きないもんだ。

そのため途中・・・。

 

「ここで皆の集合写真撮ろうよ♪」

「え? ここって・・・何々、京都アニm「ほらまさき、早く撮ろうよ〜!」あ、うん」

 

何故か来たことも無いのに妙に親近感が湧く建物の前で写真を撮ったり、

 

「いや〜、コッチ限定のレアグッズが買えて良かったヨ〜♪」

「良かったのはあんただけだろ・・・」

「ていうかいいの? あんなもん買って・・・黒井先生に没収されそうな気がするんだけど」

 

とまぁ、こんな感じで相変わらずこなたさんはマイペース。

ちなみに彼女の両手には何かのフィギュアやら漫画やらでいっぱいだったりする。

でも・・・

 

「お姉ちゃんも小説買ってたよね」

「しょ、しょうがないじゃない! たまたま新刊のラノベ出てたんだから・・・」

 

それはしょうがないの部類に入るのか?

おまけに、

 

「みゆきさんまで・・・」

「お恥ずかしながら、何かの役に立つかも、と思いまして(赤面)」

 

いや、将来医者を目指したいのはいいんだけどさ・・・本人が決めた事とは言え神の手が輝く漫画を買うのは(汗)。

ちなみに誰が勧めたのかは言わなくても分かるだろう。

 

「むふふ、みゆきさんも徐々にコッチのなk『こなた(さん)の世界に引き込むな!!』え〜、みゆきさんってああいうの読んでなさそうだしせっかくだから参考になるかもって思って勧めたんだよ・・・て、聞いてる2人とも?」

「みゆきさん、あんまり漫画の内容を鵜呑みにしちゃだめだからね? 個人で楽しむなら話は別だけど」

「そうよ。しかもコレ結構な巻数出てるみたいだから読むなら少しずつ読んで行かないと、最悪お小遣いが足りなくなるわよ!?」

「は、はぁ・・・(汗)」

 

とりあえずみゆきさんは真面目な顔して全巻(現在40冊以上)買ってしまいそうな気がしたため、こなたさんの抗議を無視してかがみさんと2人がかりで説得しておいた。

 

 

 

「あ、ねぇねぇ。皆で一緒にあそこでプリクラ撮ろうよ」

「わざわざ京都(ここ)で撮る意味はあるのか・・・?」

「私は賛成です。修学旅行記念のプリクラっていうのも良いのではないですか?」

「おー、んじゃ俺は待ってるから好きに撮ってk「まーくんも一緒だよ♪」って俺も!?・・・それ以前に5人もはいるスペースある?」

「まさにすし詰め状態だね。当然まさきは真ん中だよ♪」

「何でッ!?」

 

結局俺の周りに4人が引っ付く形でプリクラを取るハメに・・・こんなんだから妙な誤解を受けるんだよな・・・。

ていうかどさくさ紛れにこなたさん、平たい(どこがとは言わない)とは言え腕組まないで恥ずかしいから。

それにかがみさん、顔近い、近いって!

 

(やれやれ。それにしても本命、ねぇ・・・)

 

プリクラを撮った後。

ふと、今朝の男子の言葉が頭をよぎる。

もう高校生活も折り返しなんだし、そういう経験は無いよりはあったほうがいいのかもしれない。

が、残念ながら今のところ誰ともそういう関係どころか、感情を持っているかも怪しい。

いつかそういう気持ちを抱く日が来るんだろうか?

もしそうなったとしたら一体誰と・・・?

父さんや母さんもこんな感じで考えたり、悩んだりしてたのかな?

進路のこと・・・そして恋愛のことも。

 

「まさき〜。何ボーっとしてんの!?」

「ほら、さっさと行くわよ!」

 

おっと、柄にも無く考え込んじゃった。

 

「今行くよ!」

 

焦る必要は無いだろう。

幸い時間はまだまだあるんだし、周りがどう言おうと俺は俺のペースで行けばいい。

 

「大丈夫だよ」

「何が?」

 

唐突にこなたさんが呟いた。

 

「これから先、何があっても私達は・・・・・・」

「え・・・?」

 

こなたさんの声のトーンが小さくなったから聞き取れない。

 

「・・・ん、何でもない。ほら、いこいこ♪」

「て、わかったから腕引っぱるなっての!」

 

そんな緩やかな時間が流れる、いつもとは違う場所での平和な秋の1コマがそこにある・・・。

 

 

 

<お土産屋>

 

 

 

ホテルの近くに偶々大きなお土産屋を見つけたので寄っていく事にした。

 

「さすが京都! ここに来たらやっぱr「人を新撰組のコスプレさせないでよ?」・・・え〜、いいじゃんそれくらいさ〜」

 

やっぱそう来たか(汗)。

こなたさんの言うとおり新撰組の羽織や模造刀がみやげ物として販売している上に・・・。

 

「組長クラスが使ってたとされる名刀はやはり人気があるんですね」

「無名のヤツは何とか買えそうな値段なのに・・・うわ! コレ銘が入っただけで万単位じゃない・・・てつかさ?」

「う〜ん、う〜ん・・・結構重いねコレ」

 

そこには片手で納刀状態の刀を持とうとするつかささん。

展示用の模造刀を持ってみたようだが・・・日本刀って刀剣類の中じゃ軽い方じゃなかったっけ?

 

「あんまり無理しないように」

 

ひょいっと取り上げて元の場所に戻す。

 

「まったく、何やってのよアンタは」

「えへへ、時代劇みたいに片手で振り回せるのかなって思って・・・まーくん凄いね」

 

力持ち! と言いたげに笑顔で言ってくるが・・・。

 

「まぁ今時の女の子が片手で振るうもんじゃないでしょ。持ってみた感じ、1キロくらいしか無さそうだけど」

「あうぅ・・・」

「ちなみにまさき、男の子ってやっぱりこういうの好きなの?」

 

こなたさんの質問に対して少々考えてみる。

 

「・・・(おとこ)のロマンだな、やっぱり」

 

本気で買おうかちょっと考えてしまう。

 

「なら羽織も買って新撰組のコスp「だからやらんっちゅ〜に」・・・ブーブー!」

 

ブーイングは受け付けません。

結局、模造刀は買わず実家へのお土産として漬物やまんじゅうを買った俺達は店を出て、宿泊先(ホテル)へと向かった。

 

 

 

<宿泊ホテル:自室>

 

 

 

「なぁ赤井。今日は委員長達来ないのか?」

「何で俺に聞くのかが気になるけど彼女達(みんな)の気分次第でしょ」

 

毎度のごとく夕飯を食べて温泉で疲れを取って、就寝時間までまだ時間はあるが、彼女達が来るかどうかは分からない。

実際、初日は来ていないし。

大体、毎夜毎夜来るわけがn『がちゃ』・・・あるか、テンション高いのが混ざってる上に昨夜だいぶ馴染んでたし。

という訳で今晩も6名様ごあんな〜い。

 

「やふ〜、また遊びに来たよ~ん」

「こんばんわ〜」

『いぃらっしゃいませぇ!!』

「・・・無駄に元気ね~、この部屋の男子は」

 

お前らはザッ○スか、とツッコミたくなる様な歓迎っぷりだ。

ものの見事に数名引いてるぞ。

だがそれも数分後・・・。

 

「赤井! お前に再戦を申し込むんだってヴぁ!」

「懲りないねぇ・・・やるからには本気で行くよ?」

「みさちゃんがんばって♪」

「まさきさん、ファイトです!」

「ま〜くんがんばれ〜♪」

「ま、同じクラスのよしみで・・・日下部、負けんじゃないわよ!」

 

俺は2日前に行った日下部さんとのガチンコバトルの続き(今回はそれぞれの応援のみ)。

 

「ガンバレル、いっけ〜!」

「よっしゃ、援護するぜ!」

「な、何だこの動きは・・・おわ、落ちる落ちる!」

「戦闘機でこの動き・・・まさか泉さんは噂に聞くエンデュ○オンの鷹か!?」

 

あっちはこれまた何故かこなたさんが持ってきた4台のP○P(新型)で2VS2のバトル中。

で、残りは・・・。

 

「・・・・・・」

 

白石君がはぶられてた・・・がんばれ、白石君!

その内良い事あるさ・・・多分。

 

 

 

つづく・・・


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