流星のロックマン×ポケットモンスター   作:中2病人間M

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フィオネのタマゴ

アローラ地方…この地方は他同様にケフェウス・ドラゴンに吸収されこそしたもののそれ以降はケフェウス・ドラゴンの被害を受けておらず比較的平和を維持していた。

 

 

最も他地方の被害により観光客は著しく減ってはいるが他の地方に比べれば安全である。

 

 

アローラ地方に所属するメレメレ島…この島の海岸に最近、ポケモンのタマゴが打ち上げられていたのだ。

 

 

そして、そのタマゴはメレメレ島のポケモンスクールに通う生徒によって発見されポケモンスクールに持ち込まれていた。

 

 

「いったい、何のタマゴなんだろうね?」

『マチュ』

「元気に生まれてきてね」

『アウッアウッ』

「強いポケモンだといいがな」

「ねぇ、博士、どんなポケモンだと思う?」

『カジッカジッ』

「それは生まれるまでわからないぜ」

「リーリエも触ってみなよ」

『カジッカジッ』

「わ、私は‥…」

「結局、こないだ生まれたロコンのタマゴは触れなかったんだし、チャレンジチャレンジ」

『カジッカジッ』

「………はい、私、やってみます…」

 

 

その時

 

 

「ククイ君、生徒たちを安全な場所へ避難させるぞ!!」

「校長?」

 

 

ポケモンスクールの校長、ナリヤ・オーキドが血相を変えて教室に入ってきたのだ。

 

 

「外に指名手配犯が…」

「なんだって!?」

 

 

ククイ博士が外を見るとスクールの前にハデスにファントム・ブラック、その他大勢のジャミンガーがいたのである。

 

 

「いくぞ、ククイ君」

「はい!!お前たちは教室から出るな」

 

 

校長とククイ博士は外へ出た。

 

 

「お主らは指名手配犯じゃナットレイ」

「校長!!」

「すまん、癖でな」

「全く……それで、いったい、何のようだ、ここは学校だ」

「…………ポケモンのタマゴを持っているな」

「だからなんだ」

「それをこちらに渡して貰おう」

「断る」

「そうか……やれ」

 

 

ジャミンガーたちはスクールに向かってジャミングバスターを放ち始めたのだ。

 

 

「やめろっ!!なぜ、タマゴを欲しがる」

「あれが何のタマゴかわかるか?」

「………いいや」

「あれはフィオネのタマゴだ」

「フィオネ……たしかに珍しいポケモンだがそのためにここまですることはないだろう」

「ただのフィオネではない、水の民に伝わる神殿、アクーシャを仕切る海の王子マナフィ直系のフィオネだ、マナフィと同じく帰巣本能によりアクーシャへと向かう」

「その……アクーシャで何をするつもりだ」

「……アクーシャの力を使えばこの世界の殆どを制圧することができる…」

 

 

そこへ、

 

 

「博士!!」

「カキ、来るなっ!!」

「こんなことされて黙ってなんかいられない、バクガメス」

 

 

カキはモンスターボールからバクガメスを出したのである。

 

 

「いくぞ、バクガメス」

『ガメスッ!!』

「ハデス様、あの少年が身に付けているクリスタルは?」

「ファントム・ブラック、あの感じは恐らくケフェウス・ドラゴン様やお前と同じく他の世界のエネルギーのようだな」

「ふざけるな、Zクリスタルは古くからアローラに伝わる物だ、俺の全身、全霊、全力!!全てのZよ、アーカラの山のごとく熱き炎となって燃えよ!!」

「ほぅ‥‥」

「ダイナミックフルフレイム!!」

「ハデス様!!」

「たしかに強力な技だ…しかし…」

 

 

ハデスはエンテイバスターを取り出した。

 

 

「ファントム・ブラック」

「はっ!!ファントムクロー!!」

 

 

エンテイバスターとファントムクローとジャミンガーたちの一斉攻撃でダイナミックフルフレイムは打ち破れバクガメスとカキにハデスたちの攻撃が直撃してしまったのだ。

 

 

「カキ、大丈夫か!!」

「……博士…すいません…」

 

 

そして、カキは気を失ったのだった。

 

 

「無茶しやがって…」

 

 

その時

 

 

「なにっ!?」

 

 

跳ね返った攻撃で火が着いたらしくスクールの建物の一部が燃えていたのである。

 

 

「まずい、全員外へ逃げろっ!!」

 

 

中にいた生徒たちは外へ逃げ出し最後にマオがタマゴを抱えて出てきた。

 

 

「タマゴ、頂こう」

 

 

ハデスはマオを突き飛ばしてタマゴを奪ったのだ。

 

 

「きゃっ!?」

「マオ!!大丈夫か!?」

「いてて…大丈夫です」

「さて、ジャミンガーどもよ彼らに恐怖と絶望をプレゼントしてやれ…」

 

 

ハデスの言葉でジャミンガーたちはスクールにジャミングバスターを放ったのである。

 

 

「やめて!!」

『カジッカジッ!!』

「マオ、駄目だ!!」

「博士、でも、スクールが…」

『カジッカジッ』

「マオ、スクールよりもお前たちが大事だ、逃げろっ!!」

 

 

スクールはジャミングバスターによりどんどん破壊され炎も燃え広がった。

 

 

「そんな……!!アシマリ、バルーン!!」

『アウッアウッ!!』

 

 

アシマリはバルーンを作成するもジャミングバスターがアシマリを襲ったのだ。

 

 

「アシマリっ!?………あんたたち許さない」

「スイレンも駄目だ、とにかく逃げろっ」

 

 

そして、とうとう建物の全てに炎が燃え広がったのである。

 

 

「なんてことを…」

「さて、次はマサラタウンだ」

「マサラタウン…だと」

「まずい、マサラタウンにはユキナリが…」

 

 

そして、ハデスたちは特殊な電波で消えたのだった。

 

 

 

 

その頃、マサラタウン。

 

 

「クロスバスター!!」

「ロックバスター!!」

 

 

サトシとロックマンが組手で訓練をしていた。

 

 

『お前ら動きが遅いぞ、そんなんでどうする!!』

「ああ」

「スバル、こいよ」

「うん、ロックバスター!!」

「バトルカード、バリア!!」

 

 

サトシはロックバスターをバリアで防いだのだ。

 

 

「バトルカード、プラズマガン」

「バトルカード、ガトリング」

 

 

ガトリングでプラズマガンを弾きロックマンに数発命中させたのである。

 

 

「やるね」

『負けてられるかぁ!!』

「バトルカード、モエリング」

 

 

ロックマンはサトシにモエリングを放った。

 

 

「バトルカード、スイゲツザン!!」

 

 

サトシはスイゲツザンでモエリングを斬ったのだ。

 

 

『スバル!!』

「うん、バトルカード、ヒートボール」

 

 

サトシはロックマンの投げたヒートボールを受けたのである。

 

 

「ぐっ……バトルカード、ヘビーキャノン!!」

『来るぞ!!』

「うん、バトルカード、バリ…「でんこうせっか!!」」

『なにっ!?』

 

 

サトシはでんこうせっかでロックマンに接近しヘビーキャノンを撃った。

 

 

「ぐわぁぁぁ!!」

『……サトシの野郎…やるじゃねぇか…』

 

 

 

その頃、オーキド研究所では、

 

 

「スバル君もサトシ君もやってるね」

『何でもクロス変換に頼らないための訓練やってるそうよ』

『ロエッタ』

「私たちも訓練しないとね、ハープ」

『そうね』

『ロエッタ』

「………………セレナ」

「ミソラさん」

「あの2人なら訓練程度で怪我しないよ、そんな心配そうな顔しないで……」

「……………はい!!」

 

 

その時

 

 

「……なんと……そうか………生徒たちは無事なんじゃな?……………そうか、カキ君が……」

 

 

オーキド博士が誰かとテレビ電話をしていたのだ。

 

 

「オーキド博士、誰と電話してるのかしら」

「……何かあったみたいね」

『ハデスかしら…』

『ロエッタ……』

 

 

その時

 

 

『速報です、アローラ地方メレメレ島にあるポケモンスクールが指名手配犯ハデスの襲撃を受けました…』

「ハデス!!」

『アローラ地方?どこよそれ』

『ロエッタ』

「たしか、観光で人気の場所よ」

『今回の襲撃によりポケモンスクールの校舎は全焼、生徒1名が病院に運ばれ骨折等の重症ですが命に別状はないようです、また、生徒たちが面倒を見ていたポケモンのタマゴが強奪された模様です』

「なんてことを……」

『許せないわ!!』

『ロエッタ!!』

「サトシたちに教えてくる!!」

 

 

その時

 

 

「うわぁぁぁぁぁ!!」

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

外から悲鳴が聞こえてきたのである。

 

 

「なに!?」

『ミソラ、ジャミンガーよ!!』

 

 

外ではジャミンガーたちが町を襲撃していた。

 

 

「なんということじゃ…ナリヤの言った通りに…」

「博士?ナリヤって…」

「ミソラ君、アローラ地方で研究をしてるワシのいとこじゃ」

「アローラ地方って…」

『さっきニュースでやってたハデスに襲われた場所ね』

「そうじゃ、ナリヤがそのポケモンスクールの校長なんじゃ、それでハデスが次はマサラタウンと口にしていたため連絡を寄越してくれたのじゃ、そして、こっちにポケモンスクールの教師でもあるククイ君が向かっておる…」

 

 

外では、

 

 

『チッ…ダークルカリオの事件から静かにしてるかと思ったらいきなりこれかよ……スバル、サトシ、行くぞ!!』

「うん」

「ああ!!」

 

 

ジャミンガーたちがジャミングバスターを放ってきたのだ。

 

 

「ロックバスター!!」

「クロスバスター!!」

 

 

ジャミングバスターとロックバスター、クロスバスターがぶつかり合ったのである。

 

 

「「バトルカード、ワイド「ロングソード」」

 

 

ロックマンがワイドソード、サトシがロングソードでジャミンガーたちを倒していった。

 

 

その時

 

 

「ファントムスラッシュ!!」

 

 

ファントム・ブラックがロックマンたちを攻撃したのだ。

 

 

『てめぇ、なんで突然こんな真似を…』

「フン…このマサラタウンは本日でカントーから消える」

「なんだって!?」

「どういうことだ!!」

『何を企んでやがる!!』

 

 

そこへ、ハデスが現れたのである。

 

 

「ハデス様」

「………ファントム・ブラック、準備が整うまで奴等の足止めしておけ…」

「了解」

 

 

ハデスの手にはポケモンのタマゴがあった。

 

 

「そのタマゴは……」

『何なんだ!!』

「海の王子さ」

「…………海の王子……!!まさかマナフィ…」

「サトシ君、さすがだな……と言いたいが違う、これはフィオネだ」

「フィオネ……」

「このフィオネのタマゴは海の神殿アクーシャに伝わる海の王子マナフィ直系のフィオネだ、マナフィと同じく帰巣本能によりアクーシャへ向かう」

「…………アクーシャで何をするつもりだ……」

「アクーシャの力を使えばこの世界を制圧し簡単に破壊することが可能だ」

「…………そんなことのために……けど、残念だったなアクーシャは皆既月食じゃなきゃ見えないぜ」

「そんな問題はケフェウス・ドラゴン様の電波を使えば簡単なことだ……そして…」

 

 

ハデスはタマゴを地面におき電波を溜め始めたのだ。

 

 

「何するんだ!!」

「ケフェウス・ドラゴン様の電波でこのタマゴを破壊する代わりにフィオネの帰巣本能を奪いこの場所にアクーシャを引き寄せることができる」

「させるか!!」

「いつもいつも酷いことを!!」

『スバル、ぶちのめしてやれ!!』

「ファントム・ブラック、頼んだぞ!!」

「お任せください、ハデス様」

「ロック「クロスバスター」」

「ファントムスラッシュ!!」

「バトルカード、ジェットアタック!!」

「でんこうせっか!!」

「ぐっ……ジャミンガー!!」

 

 

ジャミンガーたちがジャミングバスターを放つもサトシたちは次々とジャミンガーを倒したのである。

 

 

『一気に蹴散らすぞ!!』

「うん」

「ゲッコウガ」

 

 

ロックマンは全てのクロスストーンをプレデーションしサトシはモンスターボールからゲッコウガを出した。

 

 

「ゲッコウガ、クロス変換」

『ゲッコゥ!!』

 

 

サトシはサトシクロスピカチュウ・ゲッコウガにクロス変換したのだ。

 

 

「トリプルゴッドブレイザー!!」

「クロスシノビブレイザー!!」

「ファントムクロー」

 

 

放たれた攻撃に対しファントム・ブラックに大勢のジャミンガーが加勢し集まりジャミングバスターを放ったのである。

 

 

「……………ご苦労…ファントム・ブラック、準備が整った」

 

 

ハデスの手からは大量の電波が溢れていた。

 

 

「お前たち残念だったな、お前らの完敗だ」

「…………フィオネ……君に恨みはないが消えてもらうぞ」

「そんな…」

『やめろ…』

「そんなことさせないっ!!」

 

 

その時

 

 

「クロスノート!!」

 

 

クロスノートがハデスを襲うがハデスはクロスノートを防いだのだ。

 

 

「テールナー、かえんほうしゃ!!」

『テーナ』

 

 

そして、テールナーのかえんほうしゃがハデスに直撃しセレナは地面に置いてあったタマゴを抱き抱え走ったのである。

 

 

「貴様、よくもハデス様に……ファントムクロー!!」

「セレナっ!!」

「サトシ!!」

『間に合わねぇ、乗れっ!!』

「えっ…」

「バトルカード、モエリング!!」

「そうゆうことか!!サンキュー、スバル、ウォーロック!!」

 

 

サトシはモエリングの上に乗った。

 

 

「でんこうせっか!!」

 

 

そして、サトシはモエリングとでんこうせっかのスピードでファントム・ブラックに飛び付いたのだ。

 

 

「10万ボルト!!」

「ぬわぁぁぁ!!」

 

 

サトシが乗っていたモエリングがファントム・ブラックに直撃したのである。

 

 

『今だ!!』

「バトルカード、ヘビーキャノン」

「クロスノート!!」

 

 

そして、ヘビーキャノンとクロスノートが直撃しファントム・ブラックはハイドとゴーストに分かれたのであった。

 

 

「セレナ、大丈夫か」

「ありがとうサトシ」

「全く…」

「申し訳ありません…」

『次はお前だぜ』

「許さないぞ、ハデス」

「学校を襲撃するなんて」

『酷すぎるわ!!』

『ロエッタ』

「絶対に許さない!!」

「サトシ…」

 

 

ロックマン、ハープノート、サトシがそれぞれハデスに武器を構えた、

 

 

その時

 

 

「えっ!?」

 

 

セレナの抱いていたタマゴが激しく揺れ始めたのだ。

 

 

「セレナ…………まさか、生まれるのか…」

「………撤収だ…」

「……了解…」

 

 

その隙にハデスは特殊な電波で消えたのだった。

 

 

『野郎……逃げやがったか…』

「そんなことよりタマゴが…」

 

 

そして、タマゴが光出したのである。

 

 

「……生まれる…の……」

 

 

タマゴはまるで進化のようにポケモンに形を変えて孵った。

 

 

「このポケモンは……」

『テーナ』

「セレナ、たしかフィオネだ」

 

 

フィオネは目を開けてセレナを見たのだ。

 

 

『……ピィ……ピィ……』

「ど…どどどどーしたの!?」

『テーナ』

 

 

そして、

 

 

『ピィオネェェ!!』

 

 

フィオネはうぶ声を上げたのだった。




当初はマナフィのタマゴでセレナを母にしサトシを父にするつもりでしたがそれだとあまりにも単純なのでフィオネにしました、因みに何も考えずフィオネにしたわけじゃないです、アローラ地方が冒頭に出てきたのがポイントです。

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