流星のロックマン×ポケットモンスター   作:中2病人間M

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怒りのサトシ

ここはカントーのタマムシシティにある国際警察本部、元々は病院が付属するタマムシ警察署であったが以前、ケフェウス・ドラゴンが各地を襲撃した際にここへ本部の機能を可能な限り移し拠点としていた。

 

 

現在は元の本部が復活しているが現在の利便性からケフェウス・ドラゴンの事件が完全に終息するまではここを本部として使用しているのだ。

 

 

そして、その付属の病院では……

 

 

「セレナ……」

 

 

あれから10日が経った……けど、セレナは 一向に目を覚まさなかった。

 

 

「サトシ…」

「スバル……このままセレナが目を覚まさなかったからどうしよう……」

『ピカピ…』

「そんなこと…」

『おい!!』

 

 

ウォーロックがサトシの胸ぐらを掴んだのである。

 

 

『こんな時にお前がそんなんでどうする!!しっかりしろ、サトシ!!』

「………………ああ、そうだな」

『ピカピ!!』

「ああ、セレナは大丈夫だ」

『ピカッ!!』

「うん!!」

『そのいきだ!!』

 

 

 

「例の人物は?」

「五陽田警部こちらです」

 

 

五陽田警部とハンサムがガラスの前に来ると下の方で人間の姿で拘束されたボルグの姿があった。

 

 

「電波体の力を借りずに電波変換…そして、クロス変換の姿はベースとなったデオキシスそのもの…」

「尋問を行っても黙秘し続けています」

「ハンサム殿、ハデスの方は?」

 

 

ハンサムは首を横にふったのだ。

 

 

「あれ以来動きがありません」

「そうか…」

 

 

 

「わざわざラルースからお越し頂きありがとうございます」

「いえいえ、所でデオキシスは?」

「はい、ご案内致します、ロンド博士」

 

 

ラルースシティにてデオキシスの研究をしていたロンド博士はデオキシスのプロファイラーとして本部にやって来たのである。

 

 

「これは……他にもデオキシスがいたとは…」

 

 

ロンド博士の前にはカプセルの中で特殊な拘束具に拘束されたデオキシスの姿があったのだ。

 

 

「どう思われますか?」

「………かつて私が遭遇したデオキシスは隕石とともにやって来た、もしかしたらこのデオキシスもそうなのかもしれない…」

 

 

その時

 

 

「御名答……」

 

 

突如、ロンド博士の前に仮面の男、ハデスが現れた。

 

 

「このデオキシスはあなたの憶測通り隕石とともにこの地球にやってきた」

「君は……」

「ロンド博士!!下がってください、こいつですよ、敵の親玉は」

 

 

ハデスはデオキシスの拘束されたカプセルに触れたのである。

 

 

「親玉?違うな…私はケフェウス・ドラゴン様の忠実な(しもべ)だ……」

 

 

 

「大丈夫か、ハンサム殿…」

「ええ、なんとか…あれはたしか…」

「ファントム・ブラック…ハデスの手先だ」

「ああ」

 

 

突如、五陽田警部たちの前にファントム・ブラックが現れガラスを破壊し下のボルグの拘束を解いたのだ。

 

 

「遅かったじゃないか、待ちくたびれたぞ」

「無駄口を叩くな、ほら、新しいムーのスターキャリアーだ」

 

 

ファントム・ブラックはボルグにムーのスターキャリアーを渡した。

 

 

「かたじけない…電波変換、ボルグ、オン・エア」

 

 

ボルグはブライ・ボルグに電波変換したのであった。

 

 

 

『奴等はどこだ』

「ウォーロック、爆発音があったのはボルグのいるところだよ」

『おう!!』

「デオキシスの所も音がした、そっちの方が近い、そっちへいこうぜ!!」

『ピカピカ!!』

 

 

そして

 

 

「ハデス!!」

『見つけたぞ』

「ピカチュウ!!」

『ピカァ!!』

「電波変換、星河 スバル、オン・エア!!」

「クロス変換!!」

「ロックバスター!!」

「クロスバスター!!」

 

 

その時

 

 

「クロス変換……」

 

 

ロックバスターとクロスバスターはハデスに届かず弾かれたのだ。

 

 

『てめぇ!!』

「いつの間に…」

「ボルグ!!」

 

 

ボルグが割って入りハデスの連れていたデオキシスとクロス変換しロックマンたちの攻撃を弾いたのである。

 

 

「ボルグ!!お前だけは!!クロスバスター!!」

「クロスブースト」

 

 

クロスバスターとクロスブーストがぶつかり合い爆発した…………

 

 

『いねぇ……ハデスの野郎、逃げやがった…』

 

 

 

「ハデスたちは去ったか」

「五陽田警部、どうやらハデスたちの目的はボルグとデオキシスの奪還だけのようですな」

「うむ」

 

 

その時

 

 

「五陽田警部、ハンサムさん、大変です!!」

 

 

本部の職員が慌てた様子で部屋に入ってきたのだ。

 

 

「トクサネ宇宙センターから連絡があり月面にハデスたちが…」

「なんだと!?」

「そうか、五陽田警部、恐らくやつら宇宙センターで奪った回線を使い月へ……」

 

 

 

「スバル君、サトシ君、行ってくれるか?」

「もちろんです」

『任せとけ!!』

「絶対にハデスたちを倒してきます」

『ピカピカ』

「ジラーチの力を借りて君たちを月へと送る…電波人間にクロス人間なら宇宙空間でも活動が可能なはずだ…月は遠くジラーチの力では2人が限界だ…君たちにだけ無理をさせてすまない…」

『へっ、今さらだぜ』

「僕らだけでも平気です」

「ああ!!」

『ピカピカ!!』

 

 

 

 

月面では、

 

 

「さて、そろそろ始めるとするか…ファントム・ブラック、ウイルスは?」

「こちらです」

 

 

ファントム・ブラックはウイルスが入ったカプセルをハデスに渡した、

 

 

その時

 

 

「そこまでだ」

『月まで来て何しようとしてんだ!!』

「ハデス、お前たちだけは絶対にゆるさい!!」

 

 

ジラーチの力でロックマンとサトシは月へとやって来たのである。

 

 

「来たか…だが、もう遅い!!」

 

 

ハデスはカプセルをボルグのコアに当てた。

 

 

「いったい…」

『何をしやがった…』

「ボルグ……」

 

 

次の瞬間、ボルグから強力な光が発生したのだ。

 

 

そして…

 

 

『なんじゃこりゃ!?』

「これは…」

「巨大化……」

 

 

ボルグは巨大なノーマルフォルムのデオキシスへと姿を変えていたのである。

 

 

「そうだ!!これだ、このみなぎる力ぁ!!」

『スバル!!』

「うん!!」

 

 

ロックマンは全てのクロスストーンをウォーロックにプレデーションさせた。

 

 

「トリプルゴッドブレイザー!!」

「クロスバスター!!」

 

 

ロックマンとサトシの攻撃がボルグに放たれるも、

 

 

「無駄だ!!」

 

 

ボルグは巨大なノーマルフォルムのままディフェンスフォルムの様に攻撃を防いだのだ。

 

 

「今、ボルグに与えたのはとある宇宙ウイルス」

『ウイルスだと!?』

「そうだ、デオキシスはこの宇宙ウイルスが突然変異を起こし誕生したポケモン……このウイルスにケフェウス・ドラゴン様の電波を混ぜデオキシスに与えることによりデオキシスは理性を失いその能力を極限まで向上させることができる…そして、そのデオキシスの体をボルグが操ることでこの化け物を兵器として使用することができるのだ…さぁ、ボルグよ、その力を見せてやれ!!」

「了解……」

 

 

ボルグは巨大なクロスブーストを地球に向けて放ったのである。

 

 

「あ!!」

『なんてことを…』

「地球が…」

「ここにボルグを配備するだけでいつでもお前たちを月から砲撃するのとができる…」

 

 

そして

 

 

『やべぇ』

「掴まれた」

「クソッ…」

 

 

ロックマンとサトシはボルグの手に掴まれた。

 

 

その時

 

 

「ぬっ…」

 

 

ボルグは何者かが攻撃したのだ。

 

 

「ファントム・ブラック、あれは…」

「ハデス様、ラルースシティでの個体のようです」

「ブラック!!また、このボルグの邪魔をするのか!!」

 

 

そう、ボルグを攻撃したのはラルースシティで現れたデオキシス2体に黒いレックウザだった。

 

 

『黒いドラゴン……』

「それにデオキシス…」

「ボルグゥゥ!!」

 

 

サトシはセレナの件による怒りからボルグに連続攻撃をしかけるも全て弾かれてしまったのである。

 

 

そして、黒いレックウザにデオキシスたちもボルグへ攻撃するも防がれてしまったのだ。

 

 

「ハデスゥゥ!!」

『おい!!』

「落ち着いてサトシ!!」

「バトルカード、リュウエンザン!!」

 

 

サトシはリュウエンザンでボルグへ向かうも巨大な手に掴まれた。

 

 

『やべぇ…』

「助けなきゃ!!」

 

 

その時

 

 

「ファントムクロー!!」

「邪魔するな!!」

 

 

ロックマンは再び全てのクロスストーンをプレデーションさせたのである。

 

 

「トリプルゴッドブレイザー!!」

「!!」

 

 

ファントム・ブラックは間一髪でトリプルゴッドブレイザーを回避したのだった。

 

 

「うかつに動くな、万が一、電波変換を解除されれば宇宙空間では生きられない」

「……はい」

「……やってしまえ、ボルグ」

「了解…」

 

 

ボルグはサトシを強く握りしめたのだ。

 

 

「ぐわぁぁぁぁ!!」

『やめろ!!』

「サトシ!!」

 

 

しかし、サトシを助けようとしたロックマンはハデスの妨害を受けてしまったのである。

 

 

「クロスブースト!!」

 

 

そして、同じくサトシを助けようとしたレックウザたちはクロスブーストを受けてしまった。

 

 

「ぐ…ぐぐ…」

「クク……セレナちゃんは元気かい?」

「!!ボルグ…許さない!!」

「そうか…」

 

 

ボルグはサトシを宇宙空間へ投げたのだ。

 

 

「クロスブースト!!」

 

 

投げ出されたサトシへボルグはクロスブーストを放ちそのクロスブーストはサトシに直撃したのである。

 

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

 

そして

 

 

「そんな…」

『クロス変換が…』

 

 

サトシはクロス変換が解けてピカチュウと分かれてしまった。

 

 

サトシの使っていたクロスストーンはサトシから離れ宇宙空間を漂ってしまったのだ。

 

 

「ごめん……」

『ピカピ……』

「俺がひとりで勝手に突っ走ってお前まで巻き込んで…」

『ピカピカ…』

 

 

ピカチュウはサトシに抱かれながら首を横にふったのである。

 

 

サトシからひびの入ったスターキャリアーが離れサトシの前に漂ってきた…

 

 

その時

 

 

スターキャリアーの画面に突如、メッセージが映し出されたのだ。

 

 

『セレナちゃんが意識を取り戻した、もう心配いらない』

 

 

恐らく電波人間、クロス人間同士を除き宇宙では音を伝えることができないためハンサムがメッセージにして宇宙へ送信したのであろう。

 

 

「セレナ……」

『ピカピ…』

 

 

このメッセージは宇宙へ無差別に送信したためハデスやファントム・ブラックも傍受していたのである。

 

 

「ボルグ、国際警察本部へクロスブーストをお見舞いしてやれ」

「クク…了解!!」

 

 

ボルグは地球の国際警察本部へ向けてクロスブーストを放ったのだ。

 

その時

 

 

「セレナァァァァァ!!」

『ピカァァァァ!!』

 

 

サトシとピカチュウは突如、光に包まれた。

 

 

「なに!?」

「ハデス様…あれはまさか…」

 

 

そして、サトシは再びピカチュウとクロス変換したのだった。

 

 

「なんで!?」

『サトシのやつ、クロスストーンなしでクロス変換しやがった…』

「ハデス様…やはり…」

「バカな…そんなこと…ありえない…」

「クロスバスター!!」

 

 

サトシはクロスバスターを放ちクロスブーストとクロスバスターがぶつかり合ったのである。

 

 

そして、サトシのクロス変換に皆が集中している間に黒いレックウザがサトシに加勢しクロスブーストを完全に破壊したのだ。

 

 

「ありがとうレックウザ…」

 

 

サトシは黒いレックウザの上に乗ると宇宙空間を漂っていたクロスストーンを掴んだ。

 

 

「クロス変換!!」

 

 

そして、サトシと黒いレックウザは光に包まれひとつとなりサトシはサトシクロスピカチュウ・レックウザにクロス変換したのである。

 

 

「レックウザが消えた…」

『自力でクロス変換したあとにクロスストーン使ってさらにクロス変換しやがった』

 

 

サトシクロスピカチュウ・レックウザの胸元には黒いデルタマークがあったのだ。

 

 

「いくぞ、ボルグ!!」

「クロスブースト!!」

「クロスバスター!!」

 

 

クロスブーストとクロスバスターがぶつかり合い爆発した。

 

 

「まだまだ!!」

 

 

そして、サトシの放つ強力な攻撃は次第にボルグを追い詰めていったのである。

 

 

「おのれ……」

 

 

サトシは上へと上昇しボルグへと急降下したのだ。

 

 

これは黒いレックウザの技、ガリョウテンセイだ。

 

 

「なっ…」

 

 

ボルグは守りの体制になりガリョウテンセイとバリアがぶつかり合った。

 

 

「行けぇ!!」

『サトシ、貫け!!』

 

 

そして

 

 

「なっ…」

 

 

サトシはガリョウテンセイの終了とともにバリアを砕いたのである。

 

 

そして

 

 

「クロスデルタブレイザー!!」

 

 

ピカチュウとレックウザの力が込められたサトシの一撃が放たれボルグのコアごと巨大デオキシスを貫いた。

 

 

「なっ……ぐわぁぁぁぁ!!」

 

 

ボルグはブライ・ボルグの姿になりクロスデルタブレイザーにそのまま飲み込まれたのだ。

 

 

「ぬわぁぁぁぁ!!」

 

 

そして、電波変換していたボルグはそのまま電波の粒子となり消滅したのだった。

 

 

その時

 

 

ハデスが漂っていたデオキシスのコアを回収したのである。

 

 

『それを何に使うつもりなんだよ!!』

「月からの砲撃はたしかにするつもりだったが本来必要なのはウイルスにおかされたデオキシスのコア、ケフェウス・ドラゴン様の復活にこれは必要なもの」

「ってことは…」

『ボルグのやろうは捨て駒ってことか!!』

「そうだ」

 

 

そして、ハデスはファントム・ブラックとともに特殊な電波で消えたのだった。

 

 

 

 

「セレナっ!!」

 

 

サトシは戻るとすぐに病室に向かった。

 

 

「セレナ……」

 

 

病室ではベッドにセレナが座っていたのだ。

 

 

「……サトシ………………ごめん、心配かけて…」

「セレナ……」

 

 

サトシの頬に滴がたれた。

 

 

「サトシ!?」

「ごめん………守るって言ったのに……守れなくて…」

「サトシ……」

 

 

サトシはセレナに抱きつきベッドに倒れこんだのである。

 

 

「ちょっと!?サトシィィ!?」

「絶対にもうこんな目にあわせないから…セレナ…」

「……うん…ありがとう…」

 




これにてデオキシス編は終了です。てか、サトシ強くなりすぎた気がしますね。

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