流星のロックマン×ポケットモンスター   作:中2病人間M

35 / 55
こころのしずく

「サトシ、壁よ……」

「いいからいいから」

『ピカピカ』

「さ、行きましょう」

 

 

そして、カノンは壁の向こうへと消えていった。

 

 

「カノン!?えっ、サトシ」

「セレナ、大丈夫だよ、さぁ、行こう」

「えっ」

「……さぁ」

『ピカカ』

 

 

サトシは躊躇するセレナの手を引くとそのまま壁の向こうへと入っていったのだ。

 

 

 

「セレナ、ほら、見てみろよ」

「えっ」

 

 

セレナが周りを見るとそこには美しい庭が広がっていたのである。

 

 

「綺麗……」

「だろ!!」

「サトシ君~セレナ~、こっちこっち~」

 

 

先に入っていたカノンが呼んでいたのでサトシとセレナはカノンの方へと向かったのである。

 

 

そして、セレナはカノンの一族が代々ここの庭を守っていてこの庭には度々ラティオスとラティアスが訪れ、また、こころのしずくという宝石がここにあり、そのこころのしずくは今いるラティアスの兄の命の結晶であることを聞かされたのであった。

 

 

その時

 

 

突如、何かがサトシに突撃しその反動でセレナは尻餅をついたのだ。

 

 

「お!!ラティアス」

『ピカピカ!!』

『クゥゥゥゥ!!』

「え、この子がラティアス?」

「そうよ、セレナ」

『クゥクゥ!!』

「アハハ、ラティアス、くすぐったいぜ、元気にしてたかぁ~」

『ピカピカ』

『クゥクゥ!!』

「随分、サトシのことが好きなのね」

「そうなのよね……(小声で)それはセレナも一緒でしょ」

「カノン!!」

 

 

その時

 

 

今度は別の何かがセレナに突撃したのである。

 

 

「きゃぁぁ」

「セレナ!!」

「……こら、ラティオス!!」

『シャォォ!!』

「ラティオス!?」

「あ、違うの、このラティオスはラティアスと仲良くしてくれてるラティオスなの」

「そうなんだ」

「ダメでしょ、いきなり攻撃したら」

「カノン、侵入者と思ったんだろ」

『シャォォ!!』

『クゥクゥ!!』

 

 

怒り狂うラティオスをラティアスが説明してラティオスの誤解は解けたのだった。

 

 

「わかってくれたんだな、ラティオス、懐かしいな、あのラティオスもこんな感じだったな、その後、フフ、カノンも俺とピカチュウのこと泥棒扱いしたっけ?」

「もう、しょうがないじゃない」

「冗談だぜ、あれ、セレナ、胸のリボン千切れてるよ」

 

 

セレナの胸のタイが千切れてしまっていた。

 

 

「あー、やっぱ千切れたわ、何か代わりのものは……」

「セレナ、それならこれはどうだ」

 

 

サトシはカフェで貰った青いリボンを見せたのだ。

 

 

「作れるだろ?セレナなら」

「……うん」

「じゃこのリボンあげるよ!!」

「あ、ありがとう……」

 

 

 

そして、

 

 

「どう?変じゃない?」

「セレナ、スゲーにあってるぜ!!」

『ピカピカ』

「すごいわ」

『クゥクゥ!!』

 

 

サトシのあげたリボンはセレナの服のタイになっていたのである。

 

 

「そう言えばカノン、あれから何もなかった?」

「あー、1回だけ盗賊がきたけど、どうやらあの泥棒から聞いてきたみたいだったわ」

「本当か!?全く、許せないなあの泥棒たち!!」

「まぁ、こころのしずくがラティオスだってわかると何もせずに帰っていったの」

「そうなんだ」

「盗賊にも盗賊なりのルールと礼儀があるっだてさ」

「へぇ……」

『ピカピカ』

 

 

その時

 

 

「だが、私はこころのしずくが何であっても奪うぞ!!」

「誰だ!!……お前は!!」

 

 

そこにはハイドと電波体、ゴーストがいた。

 

 

「ハデス様はロックマンに敗れてしまった」

「えっ」

『ピカピカ』

「このままではハデス様は朽ち果てケフェウス・ドラゴン様は完全に消えてしまう、それを阻止するためにこころのしずくが必要なのだ」

 

 

その時

 

 

サトシとセレナのモンスターボールからそれぞれケロマツとフォッコとヤヤコマが出てきたのだ。

 

 

『ケロッ!!』

『フォッコ!!』

『ヤッコ!!』

「フッ、戦うと言うのか!!いいだろう、電波変換!!ハイド、オン・エア!!」

 

 

ハイドはゴーストと電波変換しファントム・ブラックへとなったのである。

 

 

『ケロッ!!』

『フォッコ!!』

『ヤッコ!!』

『ピカピ!!』

「よし、ピカチュウ、クロス変換!!」

『ピカッ!!』

 

 

サトシはピカチュウとクロス変換しクロス人間となった。

 

 

『ケロッ!!』

『フォッコ!!』

『ヤッコ!!』

「ケロマツ、フォッコ、ヤヤコマ、一緒に戦ってくれるのか?」

『ケロッ!!』

『フォッコ!!』

『ヤッコ!!』

「サトシ、私も戦うわ!!」

「駄目だ!!」

「えっ」

「ケフェウス・ドラゴンの電波を入れられた影響がまだあるかもしれない」

『ピカピ』

「サトシ」

「私の存在を忘れてもらっては困る!!さぁ、こころのしずくを渡してもらおう、ファントムクロー!!」

「クロスバスター!!」

『ケロッ!!』

『フォッコ!!』

『ヤッコ!!』

『クゥゥゥゥ!!』

『シャォォ!!』

 

 

ファントムクローとクロスバスターとそれぞれのポケモンの攻撃がぶつかったのだ。

 

 

「こころのしずくさえあればハデス様は回復するのだ!!」

「バトルカード、ワイドソード!!」

 

 

サトシはワイドソードを構えファントム・ブラックへと飛びかかったのである。

 

 

「ファントムスラッシュ!!」

「くっ」

『ピカァァ』

「サトシ!!」

「サトシ君!!」

「大丈夫、絶対にこころのしずくは渡さない!!」

「何故、そこまでする?」

「えっ?」

『ピカピカ?』

「こころのしずく、あるラティオスの命の結晶だったな」

「そうだ、何故そこまでするかって?もちろん、俺の友達だからだ!!」

「サトシ君」

「なら、取引だ」

「えっ?」

『ピカピカ?』

「こころのしずくでハデス様の傷を癒したあとこころのしずくからラティオスを解放しよう」

「なっ?」

『ピカピカ?』

『クゥクゥ』

「どうだ、いい話だろう」

「……今、ここでこころのしずくを渡したとして、本当にラティオスが戻ってきたしてもきっとラティオスは喜ばないし、俺も後悔する……カノン、ごめんな」

『ピカピ……』

「ううん、サトシ君の言う通りだよ、ラティオスはきっと喜ばないよ」

「……交渉決裂」

 

 

そして、ファントム・ブラックは指を鳴らすとまわりにジャミンガーが数体現れた。

 

 

「無理矢理にでもこころのしずくは奪わせてもらう、やれ、ジャミンガー!!」

 

 

クロスバスターやポケモンたちの技がぶつかり合い煙がたちこめたのだ。

 

 

「バトルカード、プラズマガン!!」

 

 

サトシはプラズマガンでジャミンガーを麻痺させるとでんこうせっかで接近し近距離でクロスバスターを撃ち込み倒したのである。

 

 

そして、サトシやポケモンたちの攻撃でどんどんジャミンガーの数を減らしていった。

 

 

「やはり、君の戦い方が上昇しているか、これまでの激戦の中で戦いのノウハウを覚えてきたのか」

「うるさい!!」

『ピカピカ!!』

 

 

サトシはリュウエンザンでジャミンガーを2体を倒すとファントム・ブラックへと飛びかかったのだ。

 

 

「また、きたか、ファントムスラッシュ!!」

「バトルカード、バリア!!」

『ピカピカ』

 

 

サトシはファントムスラッシュをバリアで回避するとそのままファントム・ブラックにリュウエンザンで攻撃したのである。

 

 

「くっ……」

「クロスバスター!!」

 

 

そして、サトシはファントム・ブラックにクロスバスターを撃ち込んだ。

 

 

「おのれ、ファントムクロー!!」

「ぐっ……」

『ピカッ……』

『ケロッ!!』

『フォッコ!!』

『ヤッコ!!』

 

 

そして、ケロマツたちがファントム・ブラックへと飛びかかるもファントムスラッシュで簡単に弾かれてしまったのだ。

 

 

「みんな……」

『ピカピカ』

 

 

その時

 

 

ケロマツ、フォッコ、 ヤヤコマたちの体が輝き始めたのである。

 

 

「えっ、これは……」

『ピカピカ……』

 

 

そして、ケロマツはゲコガシラ、フォッコはテールナー、ヤヤコマはヒノヤコマへと進化した。

 

 

『ゲコ!!』

『テールナー!!』

『ヒャッコ!!』

 

 

そして、進化したポケモンたちの攻撃がファントム・ブラックを襲ったのだ。

 

 

「うおぉぉ!?」

「クロスバスター!!」

「なめるな、ファントムクロー!!」

 

 

ファントム・ブラックはクロスバスターを弾くと直ぐ様にこころのしずくの前へと移動したのである。

 

 

「あっ!!」

 

 

そして、ファントム・ブラックは何かの瓶を取り出してその中身をこころのしずくへとかけた。

 

 

「最後の手段だ、こころのしずくを洗脳して持ち帰る」

「やめろ!!」

『ピカピカ!!』

 

 

そして、こころのしずくから大きな力が溢れはじめて爆発が起こり爆風がサトシたちを襲ったのだ。

 

 

「……みんな大丈夫か?」

『ピカピカ』

「えぇ、平気よ」

「………サトシ君……あれ」

「えっ……!!」

『ピカピカ!!』

 

 

煙の中から姿を現したのは紛れもなくこころのしずくとなったラティオスだった。

 

 

「ラティオス……」

『ピカピカ……』

「このラティオスはケフェウス・ドラゴン様の電波により再生させた、つまり、人形と同じだラティオスの意思はないのだ」

「何てことを……赦さない!!」

『ピカピ!!』

 

 

サトシがファントム・ブラックにバスターを構えたのである。

 

 

その時

 

 

『シャォォ!!』

 

 

復活したラティオスが突然声をあげ、そして、ラティオスの体から大量の電波が放出された。

 

 

「なんだと、このラティオス、ケフェウス・ドラゴン様の電波を吐き出したのか」

「……ファントム・ブラック!!ケフェウス・ドラゴンの電波はたしかに色んな思考を支配できる……けど、大切な想いまでは支配できない!!セレナの時や今だって、今までそんな大事な想いを利用したお前らを赦さない!!」

『ピカピカッ!!』

 

 

そして、

 

 

「ゲコガシラ、みずのはどう、ヒノヤコマ、ニトロチャージ」

『ゲコ!!』

『ヒャッコ!!』

「テールナー、かえんほうしゃ!!」

『テールナー!!』

 

 

そして、ラティアス、ラティオス2匹がりゅうのいぶきを放ち、全てのポケモンの一斉攻撃がファントム・ブラックを飲み込んだ。

 

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!!」

 

 

ファントム・ブラックはかなりのダメージを負ったが電波変換はギリギリ保っていたのである。

 

 

「バトルカード、ロングソード!!」

 

 

サトシはファントム・ブラックにとどめをさそうとロングソードで向かった。

 

 

「くっ、おのれ……」

 

 

その時

 

 

「残念……時間切れ……」

 

 

突如、ロングソードが折られサトシは蹴り飛ばされてセレナたちのところまで転がったのだ。

 

 

「サトシ!!」

「サトシ君!!」

「……お前は……ハデス」

 

 

サトシに攻撃を加えたのはロックマンに敗れたはずのハデスだったのである。

 

 

「ハデス様……!!古代装置の起動に成功したのですね」

「ああ」

「なに!?古代装置……大聖堂のか!!」

「フッハハ、サトシよ、こころのしずくを奪おうとしていたのは演技だ!!」

「なに!?」

「私がこころのしずくを奪おうとしている間にハデス様は大聖堂の古代装置の本来、こころのしずくを嵌めるところにケフェウス・ドラゴン様の電波を入れたのだ、そして、その電波の中にコピーポケモンの時に使ったこんごうだま、しらたま、はっきんだまを入れた、あの古代装置はこころのしずくだけではなくその宝石の力を利用する装置、今、古代装置はこんごうだま、しらたま、はっきんだまの力で動いている」

「そして、時と空間の力を利用してロックマンに与えられた傷は既に完治している、また、ハテノの森で取り逃した時の波紋の代わりも手に入れた」

「おお、ハデス様……素晴らしいです」

「なんてことを……」

『ピカピカ……』

「目的は達成された……がこのまま古代装置の力を使いお前とここへ向かっているロックマンたちを排除してやろう」

「なに!!」

『ピカピカ』

「市街地に向かいましょう!!」

「ああ、古代装置で生み出したポケモンたちを盛大に暴れさてやろう」

 

 

そして、ハデスとフォントム・ブラックは特殊な電波でこの場から消えたのだった。

 

 

「俺たちもいこう!!」

『ピカピカ!!』

「えぇ、サトシ」

「早くしましょう!!」

 

 

 

 

「なっ!?」

『ピカピカ!?』

 

 

サトシたちが庭から出てくるとアルトマーレの上空には信じられない光景が広がっていた。

 

 

通常とは違い胸のダイヤや体のラインの本来青い部分がオレンジ色で体の青色も少し濃くなっているじかんポケモン、ディアルガ。

 

 

通常とは違う桜色のくうかんポケモン、パルキア。

 

 

本来、反転世界でなっている姿、オリジンフォルムと呼ばれる姿のはんこつポケモン、ギラティナ。

 

 

それぞれ本来とは違う姿をした神々たちが雄叫びをあげていたのだった。




最後に出てきた神々はディアルガの容姿はポケダンのやみのディアルガで、パルキアは色違いでギラティナは本文通りオリジンフォルムです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。