「サトシ、お疲れ様」
「ありがとう、セレナ」
「シトロン…大丈夫かな…」
「わからない…そうだ、他のみんなは…」
「なんか…ゼロっていうのは倒したみたい」
「まだ、戦ってるんだね」
「うん…行くの?」
「うん、どうしたの、セレナ」
「心配なのよ…サトシ」
「セレナ…」
「サトシに何かあったら私…」
「セレナ……ありがとう…」
「えっ…あっ、うん!!」
「でも…心配はいらないよ!!」
「サトシ…」
その時
サトシにライコウが近づいてきた。
「お前は…たしか…」
『電波変換…ジェミニ、オン・エア…』
ジェミニはジェミニ・スパークに電波変換したのだ。
「2人…」
『俺は電波変換すると2人になるんだ…』
ジェミニ・スパークBが恐らくジェミニ本人の意思でジェミニ・スパークWはライコウの意思だがダークボールで殆ど意識がないのだろう。
『ロケットナックル!!』
ジェミニがサトシにロケットナックルで先制攻撃を仕掛けてきたのである。
「バトルカード、バリア!!」
『エレキソード!!』
サトシはロケットナックルをバリアで回避するがジェミニはさらにエレキソードで斬りつけてきた。
「バトルカード!!ソード!!」
サトシはソードを出してエレキソードに対抗するがダークボールで強化されたライコウと電波変換をしたジェミニのエレキソードには敵わずソードは簡単に砕けたのだ。
「なんて力だ…」
『ダークボールで強化されたライコウだ…さらに、俺と周波数も近い!!最強だ!!』
ジェミニ・スパークBは素早く動きサトシの目の前に現れサトシを蹴り飛ばしたのである。
「くっ…」
そして、ジェミニ・スパークWがフォッコを掴みBがセレナを押さつけた。
『フォッコ!!』
「サトシ…」
「セレナ、フォッコ…」
『選べ…』
「なに…」
『大事な仲間か…大事な仲間のパートナーか…』
「なんだって…選ばなかった方は…」
『もちろん…さよならだ…』
「サトシ!!フォッコを助けて!!」
「セレナ…」
『5秒待ってやる…5…』
「サトシ!!」
「そ、そんな…」
『4…』
「フォッコ!!」
『フォッコ…』
『3…』
「セレナ…こんなの…選べないよ…」
『2…』
「サトシ!!お願い!!」
『1…』
「サトシ!!」
「…………!!うわぁぁぁぁ!!」
『0…選べ!!』
サトシはジェミニ・スパークWを蹴り飛ばしてフォッコを助けたのだ。
フォッコは助かった…しかし、それは…セレナの死を意味していたのである…
『こいつは処刑だな…』
『フォッコ!!』
「セレナ!!やめろぉぉぉぉ!!」
ジェミニ・スパークBはセレナを離してエレキソードを構えた。
「きゃぁぁぁぁぁ…」
セレナは死を覚悟し目を閉じたのだ……
そして……
『馬鹿な奴だ…』
セレナは目を閉じながらも自分が刺されていないことに気付きもしやサトシが間一髪で助けてくれたのかと期待をし目を開けたのである。
しかし…セレナの視界に焼き付けられた光景は残酷なものだった。
「……えっ……」
サトシがセレナを庇いサトシの胸からエレキソードが突き刺さっていた。
「!?サトシ……サトシ!!」
「ぐっ…セレナ…フォッコと逃げるんだ…」
「……いやよ…」
そして、とどめをさすかのようにジェミニ・スパークWのエレキソードも突き刺さったのだ。
「サトシ!!」
セレナはサトシに近より後ろから抱き締めたのである。
「セレナ…逃げろって…」
「いやだ…サトシィィィ…」
「いいから…逃げる……ぐっ……」
「いやっ…サトシ…いや…」
サトシの体はどんどん消え始めた。
「サトシ!!」
そして、サトシは完全に電波の粒子となって消えてしまったのだった。
「サトシィィィ!!うわぁぁぁ…サトシ…サトシィィィ…」
『フン…行くとしようか…』
ジェミニは泣きじゃくるセレナを気にもせずその場を立ち去ろうとしたのだ。
「まっ…待ちなさい…」
セレナは立ち上がりジェミニを睨み付けそのセレナの手にはクロスストーンが握られていたのである。
『クロスストーン…』
「これは、私がジャミンガーにされた時のクロスストーン…皆に内緒で持っていた…貴方…絶対に許さない…」
セレナはスターキャリアーをクロスキャリアーにし、
『フォッコ!!』
「フォッコ…クロス変換…」
セレナはサトシの見よう見まねでフォッコとクロス変換した。
『面白い…相手をしてやる…』
「クロスバスター!!」
しかし、セレナのクロスバスターは全く効いていなく両者の実力差は明白であったのだ。
『サトシに会わしてやる…ロケットナックル!!』
ジェミニはロケットナックルをセレナに放ったのである。
もはやセレナはこの一撃でひとたまりもないであろう。
「あっ………」
その時
「えっ!?」
何故かロケットナックルの動きが途中で停止しロケットナックルはそのまま弾かれたのだった。
『なんだと…』
そして、突然空から黒い球体が現れジェミニの方へと勢いよく飛んできた。
『!!』
ジェミニはそれを避けるとその黒い球体…シャドーボールの出所を探ったのだ。
『誰だ!!』
そして、雲を弾きながら1体のポケモンが現れてセレナの前に降りたったのである。
『お前は……まさか…』
『私の名前はミュウツー…人間の手によって生み出されたポケモンだ…』
『ミュウツーは捕獲したハズ…!!そうか、ミュウツー1号か…』
『黙れ!!』
ミュウツーはさらにシャドーボールをジェミニへと放った。
『エレキソード!!』
しかし、ジェミニはエレキソードでミュウツーのシャドーボールを切り裂き、さらに
『ジェミニサンダー!!』
ジェミニはミュウツーにジェミニサンダーを放ち、ミュウツーはバリアで対応するもバリアは砕かれジェミニサンダーを食らってしまったのだ。
『おのれ…なんて力だ…最強のポケモンとして生み出された私がこのザマとは…』
そして、少し沈黙しミュウツーは近くにいたセレナを見たのである。
『お前はクロス変換出来るんだな…』
「うん…」
『私とクロス変換してくれ…』
「えっ…」
『あいつは強い…このままでは私も倒されてしまう…』
「………うん…」
セレナはフォッコのクロス変換を解いてフォッコをボールに戻しミュウツーに近寄った。
『準備はいいな…』
「うん…クロス変換…」
そして、セレナはミュウツーとクロス変換しエスパータイプのクロス人間になったのだ。
『同じことだ!!ロケットナックル!!』
「サイコキネシス!!」
セレナはジェミニのロケットナックルをサイコキネシスで弾くとクロスバスターを放ったのである。
『くっ…斬り裂いてやる!!エレキソード!!』
ジェミニはクロスバスターを受けるも体勢を崩さずセレナの方へと飛びエレキソードで斬りつけようとした。
しかし
「サイコブレイク!!」
セレナはサイコブレイクを使用し飛んでいたジェミニに直撃させたのだ。
…すごい…この力なら…
『おのれ…この程度!!』
ジェミニは力押しでサイコブレイクを突き破ったのである。
「バトルカート、ワイドソード!!」
セレナはワイドソードを出して対抗したがほぼ無意味だった。
『ジェミニサンダー!!』
そして、ジェミニサンダーを受けたセレナはミュウツーとセレナに分かれてしまった。
「うう…」
『駄目だ…奴とライコウは愛称がいいが…我々は愛称が合わない…』
『とどめだ…ジェミニサ…』
その時
『ギラァァァ!!」
「!!」
ヤマブキシティの上空に反転世界に住むと言われるポケモンギラティナが現れたのだ。
『あれは…ギラティナ…』
そして、空間に穴が2つ開き時を司るポケモン…ディアルガと空間を司るポケモン…パルキアが現れたのである。
『なぜ…神々と言われたポケモンがここに…』
『どうやら…最強の味方が現れたようだ…』
『ダークボールで…』
ジェミニは咄嗟にギラティナを捕獲しようとダークボールを投げた。
『!!』
しかし、ギラティナの姿は一瞬で消えたのだ。
『なに!?』
ギラティナはジェミニの前に現れてシャドーダイブで攻撃したのである。
『ぬ…』
そして、ディアルガのときのほうこうにパルキアのあくうせつだんがジェミニに放たれた。
『うわぁぁぁぁぁ!!』
物凄い爆発のあとジェミニはジェミニとライコウに分かれていたのだ。
ライコウを操っていたダークボールがその衝撃で破壊されたようでライコウは正気に戻っていたのである。
『うぐぐ…おのれ…』
正気に戻ったライコウはとてつもない殺気を出してジェミニに寄った。
『なっ……』
『ラァァイコゥゥ!!』
ライコウは落雷をジェミニに直撃させたのであった。
『ぎゃぁぁぁぁ!!』
落雷を受けたジェミニはもはやどうすることもできずにそのまま消滅したのだ。
『よし、次へ向かおう…』
しかし、
「サトシ…」
セレナはショックで膝をついてしまったのである。
『サトシの犠牲は残念なことだ…だが、まずはこの世界を救うことが先決だ…』
しかし、セレナは動かずただ大粒の涙を流した。
「サトシ…ど…どうして……」
『……………仕方がない…行こう…』
ミュウツーとライコウとギラティナ、ディアルガ、パルキアはセレナをその場に残して先に進むのだった。
サトシが消滅してしまいました。そこを助けに現れたミュウツー(逆襲の)因みにミュウツーとクロス変換したセレナが使用したサイコブレイクはミュウツーが逆襲で使用していた衝撃波の様なものです。この作品ではサイコブレイクということにします。因みにこの作品でのポケットモンスターアニメは全ての映画とアニメは繋がっていることになっています。