化物語 こよみサムライ[第二話]   作:3×41

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 僕と戦場ヶ原は学校から自宅への道とは別の道を歩いていた。

 

 さきほど月火ちゃんにしたメールの返事がきていた。

 火憐ちゃんがどこにいったかの心当たりについてたずねたメールである。

 

 いわく二人はまたしてもそこそこの小事件に首をつっこんでいたらしい。

 いま向かっている地区のヤンキーというかチンピラというか、そういうちょっとした無法者集団が最近勢力を増しているという話なのだ。

 

 それは本来警察に任せればいいのではないかとまず思うのだが、実際のところ警察はそのようなグレーゾーンを処理するようにはできていないらしかった。

 そもそもヤンキー集団というのは基本的にそれぞれの派閥の力関係が均衡している限りは大それた動きは見られないということらしい。

 だが、どうにもそのヤンキー集団が勢力を増して、火憐ちゃんたちの栂の木二中の生徒たちも含めその被害に巻き込まれだしたことを受けて栂の木二中のファイヤーシスターズ出動ということになったのである。

 

「まさか返り討ちにあったんじゃないだろうな」

 

 にがにがしげにひとりごちてしまったが、おそらくそれはないだろうと思われる。

 腐ってもファイヤーシスターズの戦闘担当、そこらのチンピラなど100人相手にしても大丈夫というくらいの頑強さを備えている火憐ちゃんだ。単に腕っぷしで負けるようなことは考えにくい。

 

 やはり直接聞いてみるしかないか。

 そこらの中学生を毒牙にかけようなどという輩を相手にするのはそもそも気が引けるが、あの夜火憐ちゃんがすっとんでいったのがそいつらのところなんだから仕方のないことだ。

 

 さしあたった問題は、涼しげな顔で僕の隣を歩いている戦場ヶ原だった。

 

「なぁガハラさん?やっぱり一緒に行くっていうのは気が引けるんだけど」

 

「おやさしいのねあららぎ君。私のことを心配してくれるなんて。それとも相手が雌だったらどんな人間でも、犬でも猫でもカタツムリでもそんなにやさしいのかしら?」

 

 なんだろう。口調がいつもより若干トゲトゲしい。

 といってもいつも戦場ヶ原はトゲだらけだからいまさらそのトゲが一つ増えたところでそんなに気にならないといえばならないんだけど。

 ついでにカタツムリは雌雄同体である。

 

「そりゃあそうだよ。当然だろう。ミスタードーナツに行くのとはわけが違うんだぜ。言ってみれば飢えた虎の群れに飛び込もうとしてるわけで、本当なら僕一人でいくところなんだから」

 

 本当なら僕一人でだって行きたくはなかった。

 それにチンピラ集団というと男だらけで構成されていると相場は決まっているのだ。

 そんなところに何を勘違いしたのか男女のカップルが飛び込んできてすいません僕の妹を知りませんかと言ったとなるとこれはもうどうにも心証が悪いことこの上ないのだ。

 

「なぁ戦場ヶ原、やっぱりお前は、せめて工場前で待っておいてくれないか」

 

 戦場ヶ原が意外そうな表情でこちらを見る。

 

「あら、意外だわあららぎ君。私たちはそんなところに行こうととしていたの?右下腹部に激しい痛みが襲う寸前の場面になんて」

 

「それは盲腸前だ。僕たちが向かっているのは工場前だ」

 

「さすがの私も学校のトップを前にしてあなたを待つのは気が引けるのだけど」

 

「それは校長前だ。うちの校長だって忙しいだろ」

 

「朝起きてすぐでいいのかしら」

 

「朝飯前だ!頼むから話を進めさせてくれよ」

 

「いいじゃない。私だって場合によっては役にたてると思うわよ」

 

 いや、僕が一番心配しているのはむしろその戦場ヶ原が役に立ってしまう場合のことなんだけどなぁ。

 最悪死人が出なければいいんだけど。いやいや、決して彼女に殺人の前科をつけさせるわけにはいかない。

 結局僕は戦場ヶ原もゴロツキ集団もどっちも守らなければならないんだろうなぁ。

 

 例の集団はこの先の廃工場あとをたまり場にしているらしかった。

 おそらく火憐ちゃんもあの夜この道をいつものようにミサイルダッシュでかけていったに違いない。

 

 ちなみに道中「あれ、何良々木さんじゃないですか」と、一瞬阿良々木と読めてしまいそうで、実は僕が何種類かいるかのような名前で声をかけてきた八九寺とであったのだが、あいつが戦場ヶ原を見たとたん突然に火急の要なるものを思い出したらしくそそくさとどこかへ行ってしまった。

 

 僕と戦場ヶ原が廃工場の巨大な煙突が見える道路を歩いていると、ふいにちょうど僕たちの後ろから黒い車が走ってくるのがわかった。

 

 あまりに見慣れないマットブラックだったので、振り向いてよく見ると、それは黒塗りのリムジンだとわかった。

 

 はてこの街にこんなリムジンに乗るような人間が一人でもいるだろうか、いたらそりゃあそうとうなセレブで、こんな辺境の街とセレブっていうのは、サハラ砂漠とシロナガス鯨くらい相容れない組み合わせだ。

 

 そんなわけで、こんなリムジンに乗っている人間で、僕の脳裏に出てくる人間は一人だった。

 

「ハロー、阿良々木君」

 

 リムジンの後部座席の窓が開き、思ったとおり、エルザさんが顔を出したのだった。

 リムジンの黒と彼女の金髪はどうにも色あざやかである。

 

「こんなところで会うなんて奇遇よね。こっちってあなたの自宅の方向じゃないわよね?なにか楽しいことでもしてるのかしら?」

 

 エルザさんは僕の隣の戦場ヶ原にも気づいて笑顔でヒラヒラ手をふると、戦場ヶ原が軽く、手短に挨拶を返した。

 というかよく考えたらこの人僕の自宅とか把握してるんだろうか。

 いや、学校からの帰り道の最初らへんを知っていたというだけのことだろう、たぶん。

 

「ああ、うん。ちょっと野暮用でね」

 

「野暮用?それはなかなか意味深ね。このあたりは治安があまりよくないのよ。阿良々木君はヒーローごっこは小学生で卒業したんでしょう?」

 

 なかなか痛いところをついてくる。

 しかしさすがにその治安の悪さの根源に今から行こうとしているとか、それが僕の妹が四日前から行方が知れずその手がかりを探しに行こうとしているとか、さすがにそういうことをここで言うのもはばかられる。

 

「ちょっと家の用事でね。まぁつまらないことだよ。気にしないでくれ」

 

「ふぅん」

 

 そういって、彼女はサッと僕の目を覗き込んだ。

 彼女の碧眼が僕の瞳の中から何か手がかりでも探そうとしているかのようだった。

 たまらずちょっと目をそらしてしまう。

 

「まぁいいわ。会えてうれしかったわよ、阿良々木君に、戦場ヶ原さん。それじゃぁまたね、ごきげんよう」

 

 彼女はそう別れをつげて、運転席のほうをチラリと向いてじいやだしてちょうだいというと、再び窓を上げて黒いリムジンは行ってしまったのだった。

 

「あららぎ君はモテモテ大魔王なのね。うらやましい限りだわ」

 

 背後から戦場ヶ原が言った。

 

「別に僕はモテモテでもないし、大魔王でもねーよ。だいたい大魔王っていうなら戦場ヶ原のほうがよっぽどしっくりくるぜ」

 

「私は魔神よ」

 

「魔神!?お前神様だったの!?」

 

「申し遅れていたわね。ちなみに閻魔大王ともツーカーの関係なのよ」

 

 うっ、あれあれーなんだか今日はチクチクくるなぁガハラさん。

 しかし僕は今現在特に閻魔大王様を前にしてやましいところはなんらない、ハズである。

 

「鼻の下の長さが2cmになっているわよ」

 

「えっ、うそっ!?」

 

 あ、よく考えたら僕の鼻の下の長さは常日頃から2cmはあった。

 テンパる僕をニヤつきながら見る戦場ヶ原にすこしバツが悪くなってしまう。

 

「とにかく。それじゃぁ行くぞ」

 

「私は死なないわ。あなたが守るもの」

 

「命のやり取りが想定されてるー!?」

 

 そして僕がその盾になる想定らしかった。

 ならなおのこと戦場ヶ原は外で待っていてほしかったのだが、そこはどうにもならないとあきらめて、僕と戦場ヶ原は古びた廃工場の敷地へと足を踏みいれ。

 その中へと入っていった。

 

 

 

 

 

「だれかいないのかな?今日は留守なのか?」

 

 工場跡はかなりの広さがあり、そこかしこに倉庫や建物があった。

 火憐ちゃんは夜中によく一人でこんなところに乗り込めたものだ。

 

 戦場ヶ原も僕とつかず離れずの位置からあたりを見回している。

 

 ふいに、下のほうから、具体的には僕の影から声が聞こえてきた。

 

「なぁお前さま、ここはどうにもくさいのう。できれば早く場所を変えてはくれんかの」

 

 僕の吸血鬼の根源である、大元の吸血鬼の忍という少女である。

 もっとも今はある事情からその力のほとんどすべてを失って僕の影に潜んでいるだけである。

 しかしそんなににおうだろうか?特にさきほどと違うようには思わないけれど、吸血鬼の嗅覚というやつか?

 

「ここは結界がはっておるぞ。おまえさま、それもおおぶんにお粗末、素人仕事じゃな。よどんだ力の濁流が鼻にきてかなわんのじゃ。ああくさいくさい」

 

 結界?まじないの類だろうか。

 そういえばここのグループが最近急に力を伸ばしていると、月火ちゃんは言っていたが、それはそのお粗末ながらどうやら機能はしているらしいそのまじないが関係しているのだろうか。

 

「そういえばおまえさまは人を探しておるんじゃったか。それならはようしてくれ。ほれ、そこの正面をずずいといった右手の倉庫に力のゆがみが複数集中しておるぞ。まぁくれぐれも気をつけてのう、かかか」

 

 忍はそれだけいうと、再び影の深くにもぐったようで、気配が感じられなくなった。

 友好的な人たちだったらいいんだけどなぁ。

 

 

 

 

 忍がいった倉庫に入ったあと、結論から言うと僕はグルグル宙を舞っていた。

 暗く広い倉庫がクルクルと視界の中を回転する。

 

 そして急に無重力になったかと思うと、僕は宙を滞空して、倉庫のちょうど真ん中にいた戦場ヶ原の足元に胴体から突っ込んだ。

 

 ヤンキー集団はいたにはいたが、ぜんぜん友好的ではなかった。

 倉庫に入るなりその倉庫の中にいた20人ほどの人間に囲まれてしまっていた。

 

 そして目の前の男が一人こちらに近づいてきたものだから、僕が戦場ヶ原をかばうようにしてそいつのほうに歩くと、パっと手をつかまれて持ち上げられたあとグルグル振り回されて、ぶん投げられてこの体勢になっていた。

 

「カッ…がはっ…!!」

 

 体をしこたまぶつけて肺が引きつってしまう。

 それを見て周りの不良たちがゲラゲラ笑い声を上げた。

 

 あからさまにメンチを切るものもいれば、声を出して威嚇するものもいる、

 とりわけ

 

「クヒヒ、女、女…」

 

 などと言っているちょっとシャレにならないようなノリのやつまでいるから笑えなかった。

 

「あーあ」

 

 せきをしながら立ち上がる僕の隣で戦場ヶ原が言った。

 

「もしかしたら私はあららぎ君以外にもとても口に出せないようなあーんなことやこーんなことをされちゃうのかしら、あららぎ君ってそういうのでも興奮できるタイプだったりする?」

 

 僕だって戦場ヶ原に口に出せないあんなことやこんなこともしてねぇよ!!

 あとそんな倒錯した性癖もないわ!!

 

 しかし、しかしだ。人一人を片手で持ち上げてぶんなげるとはいったいどんな力なのだ。

 誰もおかしいとは思わないのか。

 不良たちを目をこらしてよく見てみると、肩口あたりから何か黒いゆがみのようなものが立ち上るのが見える。

 おそらくあれだろう。おまじないが作用し、吸血鬼の鼻についたものである。

 となると、単に20人の不良に囲まれている以上にことはやっかいだということになる。

 

「こりゃ人の行方を尋ねる場合じゃないな。逃げるぞ戦場ヶ原!」

 

 戦場ヶ原の手をとると、勢いよく反転し、倉庫の出口のほうへと駆け出した。

 だが、それを察知した不良たちが出口のほうにまわりこみ、逃げ道を封鎖してしまった。

 

 出口をふさいだ不良たちは、まるでネズミを追い詰めでもするかのように笑っていた。

 なんとも楽しそうだな。

 

 どうにも鬼ごっこが好きらしかった。

 それなら僕も鬼ごっこをしなければならないだろうか。

 忍に血を吸わせたのは二日前だったっけ。

 

 ならばそこそこの力は出せるだろう。

 とはいえ単に力でいうならさっきは結界だかで強化されたであろう人間にあんなに軽々と投げ飛ばされて、さらにそんなのがほかに19人もいるのでは、具体的にも骨が折れそうだ。

 

 やはり吸血鬼の力を動員してどうにか逃走を図ろうと画策していたとき、ふいに、それは本当にふいなことだったが、聞いたことのある、だからといって戦場ヶ原のものとは違う声をかけられた。

 

「こんにちは阿良々木君。さっきぶりね」

 

 僕と戦場ヶ原のちょうど目の前に、彼女、エルザ・フォン・リビングフィールドの姿があった。

 

「あっ…えっ…あっ…」

 

 どうしてここにいるのか、とかここは危ない、とかいろいろいいたいことはあったが言葉にならなかった。

 一番気になったのはいつそこに出現したのかということだ。

 本当に気がついたらそこにいた。

 

 あっけにとられる僕に、彼女は無邪気に笑っていった。

 

「こんなところで鬼ごっこ?それはそれで阿良々木君の趣味なら文句は言わないけれど、それなら私の屋敷に遊びにきてくれたっていいじゃない?阿良々木って意外といけずなのね」

 

 いけずとは古めかしい言い回しだが、今はそれどころではなかった。

 二人で逃げようというところが、三人になってしまった。

 おまけに戦場ヶ原もエルザさんも美少女だときて、逆に僕に対する風あたりは今年最高風速を記録しそうだった。

 

 僕と戦場ヶ原とエルザさんを包囲した20人の不良が薄笑いを浮かべながら近づいてくる。

 時間がない。

 

「よし、僕が囮になるから、二人はここから逃げてくれ。そしたら警察に連絡するのでもなんでもいい、とにかくこの場を離れてくれ」

 

 とにかくこの二人が逃がせればそれでいい。その間僕が死ぬほど殴られるかもしれないけれど、幸か不幸か僕は半端に不死だ。三日三晩殴られ続けてもその間に警察がくればさすがにかたがつくだろう。

 今はそれが良策だと思われる。

 

 覚悟を決める僕にエルザさんがキョトンとしていった。

 

「逃げるの?別にかまわないけれど、わざわざそうする必要もないでしょう?」

 

「なんでもいいから!頼むから逃げてくれ!!」

 

 不良たちが三人を逃げ場のないほどに囲いはじめている。

 

「阿良々木君がいうならそれでもいいけれど、それも二度手間だもの」

 

 エルザさんが僕から目線をはずし不良たちのほうを見た。

 男たちは今にもとびかかろうと両手をつきだすように上げていた。

 

「だから私がやるわ」

 

 彼女がつぶやくようにそういった、瞬間薄暗い工場倉庫が白く光に照らされた。

 

 次の瞬間、僕たち三人を囲んでいた不良たちが一斉に、同時に宙を舞った。

 宙を舞ったというより、吹き飛ばされた。

 僕たちを中心に同心円状にまるで花火のように19人の男たちが空中を高速で疾走して

 倉庫の壁やらコンテナやらに突き刺さった。

 

 吹っ飛んだ男は19人、残った一人は、エルザさんの正面で呆然と立ち尽くしていた。

 というかあの吹っ飛び方は大丈夫なんだろうか?くだんの結界によって死んではいないだろう、と思いたい。

 残った男は僕と同様にいったいなにが起こったのか把握できていないようで、僕たちとまわりを交互に見回している。

 

「こちらを見なさい」

 

 エルザさんの声に、その不良がビクっとエルザさんのほうを向いた。

 最初に僕を投げ飛ばしたやつだった。

 エルザさんはその男のほうに1歩、2歩と歩み寄ると、その男のほうを向いたままいった。こちらからだと、ちょうどエルザさんのモデルのような流れるアッシュブロンドの後ろ姿と、ほとんど錯乱しながら彼女に釘付けになる不良の顔が見えた。

 

「私の目を見なさい」

 

 彼女が言うと、男は口をパクパクさせ、しかし言われたとおりに彼女の目に釘付けになった。

 

「阿良々木君が用事があるらしいの。それを聞きなさいな。いいわね?」

 

 男はあえぐように息をすると

 

「えっ…あっ…」

 

 とまどったようにつぶやくと。

 

「あっ…はい」

 

 と、思ったより素直に承諾したのだった。

 

 

 

 結局、大した情報を得ることはできなかった。

 いわく、火憐ちゃん思しき少女は確かにこの工場に来たそうだが、不良の人数に形勢不利と見るや、すぐにこの場を去ったらしい。

 ただの男20人ならば火憐ちゃんが遅れをとることはなかっただろうが、この工場をおおっている、らしい、結界の異様を察知したのだろう。

 それは我が妹ながらいい判断だといえる。

 

 エルザさんは工場を出ると、工場の前に待たせていたリムジンに乗って彼女の屋敷へと車は走っていった。

 

 しかし、なんだったのだろう。

 一瞬にして大の男20人近くを行動不能にしてしまった。あれをやったのはおそらくエルザさんなのだろう。

 それはもう、結界とか、おまじないとか、そんな域を超えて人間技だとは思えなかった。あれはなんだったんだ?

 

「なぁ戦場ヶ原」

 

「なぁに?あららぎ君」

 

「エルザさんの、あれはなんだったんだろう?」

 

「私にもさっぱりよ、あららぎ君」

 

 だよなぁ。

 あの不可思議な、ほとんど怪奇現象は少なくとも僕たち二人には皆目見当がつかなかった。

 あれはもう、その筋の専門家の分析を待つほかないように思われる。

 あいつならわかっただろうか。春先に二言三言軽口を残し、軽々にこの街を去ったあの男ならば。

 

 

 右ポケットが振動する。

 それと同時に携帯電話の着信音がなった。

 

 見ると、神原からの電話だった。

 そういえばあいつもランニングがてらにいろいろ調べてみようと言ってくれていたんだっけな。

 

「阿良々木です。すまないな神原、もしかして何かわかったのか?」

 

 僕が携帯電話を耳にあてると、しかし、その内容は思っていたよりも相当に意外だった。

 

「はっはー!阿良々木く~ん。えらくしんみょうな声色じゃぁないか、何かいいことでもあったのかい?」


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