―― Side グリーン
今朝はなんか張り切っていたねーちゃんだったけど、今はなんか考え込んでる。
「……んー、成功、なのかしら」
「……なに考えこんでるんだ、ねーちゃん」
ねーちゃんは今日、ショウと一緒にトキワシティへ行って来た。そんなねーちゃんが考え込むのなら、それはおそらくショウの事なんだろう。
けど、さっき帰り際にレッド達の家に寄って来たショウとねーちゃんは、いつも通りに宿題を教えてくれたし……そんなに変わりなかったと思う。
「ええ。午後は一緒に紅茶のお店も回れたし、大好きクラブにももう1回行けたのよ」
「もう1回? なんでだよ」
午前の内に一緒に入会したって言ってたし、わざわざもう1回行く必要はないだろ。
「なんか、ショウ君が行きたいって」
「ふーん……で、行った理由は何なんだ?」
「え? それは、ショウ君がなんか会長さんと話したいって……」
「……」
「あ、あと、なんか『コンテスト』とかいうのについて話してたわ。なんでもポケモン達の綺麗さとか、そんなのを競うらしいのよ」
……ねーちゃん、話についていってなかったな……。
「なるほどな。まぁ、アイツにもなんか目的があったんだろ」
「……えーっと、それはいいんだけれどね。メイン目的のショウ君の好感度アップが、出来たような出来なかったような……」
ま、別にいいだろ。アイツにも行く理由はあったっていうし。
……でも、アイツって何かと不思議野郎だからなぁ。つーことは……
「ショウってふらふらしてることが多いしさ。ねーちゃんとのデートより、他にインパクトが強いことでもあったんじゃねーの?」
「……」
……あー、黙ったってことはなんか心当たりがあるんだろうな。
とはいえねーちゃんとは結構一緒にいた訳だし、この様子じゃないがしろにはしてなさそうだ。ついでに言うと、ねーちゃんの策士なくせにうっかり? というかそんな感じの性格も直って無いんだよな。
……その分ねーちゃんもある程度頑張ってはいるけど。
「そんじゃ、後で風呂上りのときにでも直接聞いてみろよ。ねーちゃん。上手くいけば、もう1回ショウと一緒に行けるかもしれないぞー」
「成程……って、あ、こら! 協力してよ、グリーン!」
そんなんしたら、またねーちゃんの印象が薄くなるっつーの……。
……さて。下の階にいらんなくなったし、ショウのとこ行ってバトル練習の見学でもするか。
―― Side End
ΘΘΘΘΘΘΘΘ
「俺はなかなか取りにいけないからな……。ヤマブキのミラクルサイクルで引きかえて、郵送してくれないか」
『……あら、そうなの』
現在俺はマサラに帰ってきており、今はいつもの練習場、マサラ郊外の丘の上。
俺は今日トキワにて、ナナミとのデート(と断定していいだろう)に行って来た。午後には一緒に昼食を取ったり、買い物をしたり、大好きクラブの会長に『ポケモンコンテスト』を提案して自転車チケットを貰ったりしていたのだ。勿論、疲れていたとはいえ俺も楽しむことが出来て……良い休暇になったと思う。
しかし、電話先のミィが……
「あー……頼む、ミィ」
『……まぁ、いいわよ。ショウ』
う……ミィの反応がいつにもまして素っ気無い。……これは俺の不躾な注文のせいだろうな……。
……まぁ、実際取りにはいけないのだから仕方ないので、対価を提示するとしよう。この世は大体等価交換なのだから。
「んー……とな。一応後で埋め合わせとかもするから」
『……そうね、当然だわ』
なんとか了解は得た様子か。……さて、埋め合わせのために時間調整しないとなぁ。今日はサカキとの出会いやバトルのインパクトが強すぎて少し疲れているけど……
でも、自転車は苦労してでも早めに確保したいよな!
ナナミさんファンの方に申し訳ないですすいません。
原作のナナミさんは、紅茶好きの毛づくろい上手、コンテスト優勝経験のある、家族にもポケモンにも愛情を注げる優しい(ここは想像)お姉さん……だと思います。あと、本作の設定としては心配性な性格です。
私は、懐き上げ→薬使用と自然上昇、美しさ上げ→プラチナでポフィン……としていたので、HGSSではあまり利用していないのですけど。