ポケットでモンスターな世界にて   作:生姜

100 / 189
特別編④ ギンガ団、悪を成す

 

 街からくだる(・・・)路が終わった時点でミニスキー板を取り外し、靴をランニングアシストモードに切り替える。反発力を利用して跳ねるように雪の上を疾走すると、息が切れる頃になって目の前に大きな岩壁が現れた。

 ……この上が、エイチ湖。

 シロねえが毎夜の如く語ってくれたシンオウ地方の神話……その内にある3つの湖の1つだ。

 あたしは口元を覆っていたマフラーを四次元鞄に突っ込み、邪魔をする岩壁を睨む。先の爆発音を響かせた何者かの出現を警戒して聞き耳を立て、どこからか音が……後ろ?

 

 

「……」クルリ

 

「―― っぷはぁっ、マ、マイちゃん、ちょっと、待って……っ! っていうか早すぎない!?」

 

「……ヒカリ、ちゃん」

 

 

 後ろをどふどふ音をたてて追って来ていたのは、ヒカリだった。マフラーと帽子は兎も角、相変わらずのミニスカ星人である。寒くないのかお前は。

 というか、あたしが早いというのならヒカリだって十分早いと思うんだけど。

 

 

「……ん、」

 

「あ、そうだよね。実はわたしも、ほら! ランニングアシストシューズなんだ! マイの靴、配色が黒メインになってるけどシルフ社の『ランニングウィンディ』だよね! わたしのこれはコトブキ社製の『ギャロップギャロップ』なんだけど、ランニングアシストシューズってシンオウだと品切れレベルで売ってないんだよねー。わたしのお母さんが研究員やってて……て、そんなのは良いんだよ!!」

 

 

 1人で話して、1人でツッコんで。ヒカリは忙しい娘だなぁ。

 とはいえ、無口が過ぎるであろうあたしの意をこうも容易く汲んでくれるというのは心強い。恐らく彼女は、あたしの手伝い ―― エイチ湖の視察に付き合ってくれるつもりなのだろう。調査する事によって彼女自身にどういう利があるのかはわからないが……スズねえに借りを作れるというだけでも一般の人にとっては利であるに違いない。

 ……いや、だから穿ち過ぎだってば。あたしの悪い癖。

 

 

「……それで、その……ヒカリ、ちゃん……」

 

「ヒカリで良いよ! わたしもマイって呼ぶから! ……あ、でもマイの方が年上なんだよね。どうしよう」

 

「……ん。別に、いい」

 

「そう? ならマイって呼ぶね!」

 

「ん。……それより、声、小さく……」

 

「あう、そ、そうだよね。鉄則だよね。ゴメンなさい」

 

 

 指摘を受けると、ヒカリは慌てた様子で口元に手を当てた。

 いや、それじゃあ会話が出来ないし。会話はしないと駄目でしょう……とは思うけれど、口には出せず。とりあえず、相談をしておこうと切り出すことにする。

 

 

「……ヒカリ、手伝ってくれる……の……?」

 

「うん! それにね、エイチ湖って今、わたしがお手伝いしてる博士が向かってる場所でさ。……博士、大丈夫かな? 一応ポケモンは持ってるはずだけど」

 

「……」

 

 

 博士……博士か。わたしにとって馴染みのある博士と言うと、オーキド博士か……もしくは。

 

 

「……ナナカマド、はかせ……」

 

「そう、ナナカマド博士! マイも知ってるの?」

 

「……うん」

 

「そうなんだ。やっぱり有名なのかな。……あ、ナナカマド博士はね、最近お弟子さんだった人がカロス地方って言う所に行ったから、カントーでの研究を切り上げてシンオウ地方に戻ってきてるんだ。わたしはお母さんが博士の助手をしている関係で、昔っからよく研究所に行ってて……まあ色々あって、博士の調査のお手伝いをしてるの」

 

「……エイチ湖?」

 

「そうそ! 今博士は進化系統に関する調査を纏めてて、ポケモンの起源とかも考えてるみたい。……それで神話の辺りを追っていたんだけど……むぐぐ」

 

「……しっ」

 

 

 話の途中だったけれど、ヒカリの口を抑えて木の陰に引き込む。

 敵襲だ。顔だけを出して、高台から歩いてくる「一団」を覗き見る。一団の向かう先を、1人のお爺さんが走っていて。

 

 

「反抗するか、ナナカマド博士。仕方が無い……やってしまえ!」

 

「「「はっ! 全てはギンガ団のもの! 世界はおろか、宇宙を我々ギンガ団のものに!!」」」

 

「「「フシャアアアーッ!!」」」

「「「スカプゥゥゥッ!!」」」

「「「ズバッ、ズバァ!」」」

 

「―― ムウ! コータス、『ふんえん』!」

「ムッフゥ!」

 

 

 4足歩行の亀のようなポケモン、コータスが息を吸い込み、背中から熱の篭った煙を噴出する。襲い掛かったズバットやニャルマーやスカンプーを巻き込んで……けれども!

 

 

「ムッフゥ!?」

 

「「ニュアアッ」」

 

 ――《ズバババッ!!》

 

「「プブゥッ!!」」

 

 ――《ドスドスッ!!》

 

 

 相手するには、ギンガ団の数が膨大すぎる!

 まさに多勢に無勢。『ふんえん』による一撃……その影響が少なかったポケモン達が煙の壁を突破し、コータスを次々と攻撃してゆく。

 ニャルマーがよってたかって引っかき、スカンプーが次々と体当たり。コータスはそれらを甲羅で受け、遂には。

 

 

「ムッッ、フゥ」

 

 《ドスッ》

 

「ムゥッ……コータス!! ……ありがとう、戻ってくれたまえ」

 

 

 コータスは、最後までナナカマド博士の前に立ち塞がりながら……倒れこんだ。

 博士はコータスをモンスターボールに戻すと、白い髭を雪風に揺らし、毅然と立ち上がる。そんな博士を見て、部下達を手で抑え……素敵ファッションの部下達を率いていた偉そうな人物が前に。

 しかし、あたしの目が向かうのは、その人物の頭上。

 頭上に固められた濃い水色の髪。あれは何だ。猫耳か。というかそもそもアイツは男か。男だとしたら何を考えてあの髪型なのか。等々、疑問だらけである。

 

 

「―― さあ。ポケモンを全て渡してここを立ち去れ、ナナカマド博士」

 

「フン。出来ん相談だな、それは。……その制服。その紋章。お前らはギンガ団だろう。何故爆発を起こしたのか……何故エイチ湖を選んだのか」

 

「只の実験だ。それもアナタの妨害されそうになったがな。だが実際、衝撃波以外の実害はなかっただろう? シンオウ地方には地下道を利用した緊急時の電力ラインもある。停電は一瞬だったハズだ」

 

「……衝撃波は実害だろうに、ぬけぬけと」

 

 

 あたしの脳内は未だ幹部(らしき人物)の髪型に多くを占められているものの、目の前ではこんなやり取りが繰り広げられていて。

 ……それにしてもナナカマド博士、ピンチだなぁ。これは何とかしないと。

 そう考えて、手持ちを確認。ヒカリの口から手を離し、ひそひそ声で会話を開始。

 

「(っぷはぁ! ナ、ナナカマド博士っっ!)」

 

「(……落ち着いて、ヒカリ。……闇雲に突っ込むの、だめ。返り討ち)」

 

「(あ、それもそうだね。……どうするの? 作戦とか、ある?)」

 

「(ん。……敵の数、コータスの『ふんえん』のお陰で結構減ってる。やられた分が援軍の補給に走ったから ―― 今、チャンス)」

 

「(ひぃふぅみ……あの幹部を除くと、4人かぁ。ならマイ、団員はわたしに任せてくれない?)」

 

「(……いいの?)」

 

「(相手はニャルマー2匹とスカンプー2匹だけ(・・)でしょ? 自信はあるよ、この状況ならね。それとも、スズナさんに負けるようなわたしじゃあ信用できないかな)」

 

「(……)」

 

 

 軽く微笑んだヒカリを視界に入れながら、思索を巡らす。

 どうやら本当に自信はあるらしい。相手は4体だけ、しかも未進化。……でも、そのトレーナーが4人いるのだ。相手にする難しさが分からない訳じゃああるまい。

 ……踏まえて、それでも、と言ったんだ。ヒカリは。

 ならばあたしは ―― 信じたい。今日逢ったばかりではあるけれど、どこか気の合う、あたしの友人になってくれるかも知れないこの少女を。

 

 

「(……どう、かな)」

 

「(……、……わかった。お願い、したい……ヒカリ)」

 

「(任せて!)」

 

「(あたしは、あの幹部、相手する……から。ヒカリ、先行して?)」

 

「(りょーかい! ……それじゃ、)」

 

 

 ヒカリは手元のボタンで、ランニングシューズの機能を起動する。あたしも同じく起動すると、低い駆動音が伝わって来て。

 ……見守っていて、おにぃちゃん!

 最後の確認を行い、目標を目前に。あたしとヒカリは、雪原を一気に駆け出した。

 

 

 

 ―☆

 

 

 

「……敵襲か。相手をしてやれ、お前たち」

 

「「「「はっ!!」」」」

 

 《《ボウンッ!!》》

 

 

 雪を掻き分け走っていると、流石に相手もあたし達に気付く。ナナカマド博士の目の前に立った幹部が此方を一瞥し、手を振る。すぐさま間に、ギンガ団員による壁が出来上がった。

 相手は……

 

「ニャルゥ!」「フシャァー!」

「スカプゥ」「プブゥッ!」

 

 ニャルマーが2体と、スカンプーが2体。連戦とはいえ、相手ももう1体くらいは持っているだろう。

 とすれば、8体か。……ヒカリ!

 そんなあたしの願いに答えるように、ヒカリが一歩前に出る。ギャロップの如く跳ねる軌道で走っていた脚を止め、余剰分を込めるように、身体全体を使ってモンスターボールを投じる。

 

 

「出番っ! お願い ―― ゴルダック!」

「くわ」

 

 

 ボールから飛び出る、水色のあひるっ!!

 いや、待て。あひる……もといゴルダックは出るなりそのイケメン顔でニャルマー達とヒカリとの間に立ち、指と水掻きを広げる。

 それでもニャルマー達に怯えは見られない。ゴルダックに向かって、予定通りに飛び掛り ――

 

 

「「フシャアアッ!」」

「「プゥゥウーッ!」」

 

「お願い、今だけは! ――『ハイドロポンプ』、扇射!!」

「……くぅわ」コクリ

 

「―― くわ!」

 

 《《ドブシャアッ!!!》》

 

「「「「っっ!?」」」」

 

 

 今ばかりはポケモンもトレーナーも声を揃えて驚いている。あたしも内心吃驚しているけれど……ヒカリのゴルダックは『ハイドロポンプ』を使いこなし、扇形に水流を薙ぎ払い、ニャルマー達を一掃して見せたのだ。強力な勢いの水鉄砲によって吹飛ばされた4体は、いずれも飛ばされた先で目を回している。

 ……レベルは幾つなのだろう。というか、何故ジム戦で使わな……あ、そうか。「今だけは」なんて言ってるし、恐らく、何かしらの問題があるとみた。

 けれどあのレベルのポケモンが居るのなら、ヒカリに任せても問題は無い。あたしは驚いている団員達の間を滑るように通り抜け、ナナカマド博士の前に立ち塞がる。

 此方を見下す幹部と、視線が合う。その顔は驚きを浮べていた。

 

 

「ふん? 今お前、中々面白い技術を使っていたな。あっちの女に意識を集中させて警戒を逸らし、自分は部下共の間を潜り抜ける。密偵の業だろう、それは」

 

「……」フイ

 

「だんまりか……仕方が無い。部下がお世話になっている以上、わたしも相手をしなければな」

 

「!? オマエは……」

 

「……」

 

 

 いや、だんまりじゃなくて口下手なだけなんですが。なんて、今語っても意味は無い。

 あたしは後で驚いているナナカマド博士に目配せをして口を閉じて貰い……相手と同時にモンスターボールに手をかけた。

 流石にギンガ団、喧嘩っ早い。―― ポケモン、バトル!

 

 

「いけっ、ドクロッグ!!」

「グッグログゥ!」

 

「……テッカニン!!」

「テッカッ、ビビィーン!」

 

 

 雪原のバトルフィールドにテッカニンとドクロッグが現れる。長い時間を過ごしたキッサキ周辺だ。地形は心得ている。ジム戦の時の様に、下には水庭がありましたーなんて言う事もない。

 あたしのポケモンは、先のジム戦ではスズねえに合わせて……というか氷タイプ相手だったために控えていたテッカニン。やる気は満々、体力も十分だ。

 いくよ。いつもの!!

 

 

「小手調べと行きましょう……『どくづき』……後ろだドクロッグ!!」

 

 《シャキィンッ》

 

「―― ビビィーン、テッカ!!」

 

「グロルゥ!? グッ、グロッグ!!」

 

 《《ガガッ、ズババッ!!》》

 

 

 先手は取ったものの、流石は幹部とそのポケモンだ。上手い!

 

 

「続いて『ふいうち』だ!」

 

「……っ!」

「テッカ!」コクリ

 

 ――《スイッ!》

 

「ふ。避けたか……やるな」

 

 

 目の前で感心してみせる、ギンガ団幹部(猫耳)。余裕かこの。

 あたしのテッカニンは『いつもの』……出るなり『つるぎのまい』からの『つばめがえし』でドクロッグを襲ったんだけど、相手のドクロッグは必ずあててくる『つばめがえし』に合わせて『どくづき』。さらにはテッカニンの速さを見るやターンをずらして『ふいうち』し、テッカニンを捉えようと試みてきたのだ。致命傷になると判断したあたしは、距離を取ってもらう事で『ふいうち』を回避させたんだけれど……

 

 

「良いバトルの腕をしている。お前、名はなんと……いや、こちらが名乗るべきか。わたしはサターン。ギンガ団幹部としてアカギ様の元で動く者だ」

「グッグログッグゥ!」

 

「……」

「テッカァ!」

 

「お前とするバトルは楽しそうだ。―― だが」

 

「―― も、申し訳ありませんサターン様っ!」

 

「片付けたよ! ……戻ってピッピ、ポッチャマ、ゴルダック!」

 

 

 サターンの後ろからは部下達が、あたしとナナカマド博士の側にはヒカリが、それぞれ駆け寄ってくる。

 ……それにしてもヒカリは今、3体のポケモンを出していた気がするんだけど……もしかして。

 いや、無駄思考に脳内スペースを割いているのは後回し。サターンが再び口を開いて。

 

 

「状況は悪いな。命拾いした……いや、これも想定済みか? ナナカマド博士」

 

「……ムゥ」

 

「まぁ、どちらでも構うまい。もうすぐ我らが盟主も ――」

 

「クロバッ、バッ」

 

 

 

「―― 何事か、サターン」

 

 





>>『ランニングウィンディ』

 「走れ! 風の如く、ウィンディの如く!」

 1996年にシルフ社が総力を結集して作成したモデル、ウィンディシリーズのトラディショナル復刻版!
 ポケモンセンターにあるシルフ社製充電器による遠隔式自動充電機能を搭載。モータと薬利効果による吸収増減クッションによるランニングアシストだけでなく、別売りの付属パーツによって様々な環境に適応したあなただけのランニングシューズへと自由にカスタマイズ!
 一晩に千里を駆ける疲労知らずの脚と快適なランニングライフを貴方に!
 定価・39800円!!(充電池別売り)

 ちなみに。
 元デザインはウィンディらしく赤メインのサブ黒でしたが、ミィによってゴスロリに似合う色へと変更されています。
 マイの特別性には、姉代わりから渡されたものが多々付加されており、ミニスキーの他、魔改造した転送機能やキック力増強(ぉぃ)などの秘密機能が満載されております。ので、定価通りなのかはかなり怪しいところ。
 尚、麻酔型時計銃やボールを出現させるベルトなどはそもそも販売しておりません。

>>『ギャロップギャロップ』

 「飛び跳ねろ、ギャロップの様に! 飛び出そう、燃える想い抱えて!」

 1999年にコトブキ社が開発した新モデル!
 遠隔充電機能はもちろんの事、新モータの開発により跳ねる事に特化した「ジャンピングアシスト」機能を搭載! 走る際にランニングアシストとジャンピングアシストを併用すれば、接地時間の少ない跳ねる様な駆け足が貴方のものに!
 333メートルはおろか、634メートルを……は、さすがに無理です!!
 定価・25800円!(充電池別売り)

 尚、ジャンピングアシストモードの使用は保護者の目の届く範囲でご使用ください。

 ちなみに。
 ヒカリが追いついた理由は、上記併用モードを使用したため。雪の浅い部分を飛んだ様子。
 もちろんの事跳ねまくった子供たちが居たせいで怪我が多発し、次のギャロップシリーズの開発は難航しているとか。
 ……上のギャロップギャロップの宣伝文でアニポケの某エンディングが浮かんだ貴方は、きっとポケモン大好きではないかと思うのですが……

>>お母さんが研究員
 確か、ハマナさん……が、居たはずです。研究所に。

>>ナナカマド博士の手持ち
 コータス。
 ……いえ、これはまったくもって根拠がなく、なんとなーくです。
 こう、頑固そうというか。

>>ヒカリの戦闘技術
 妹であるマイすら直接指導は数少ないものだったというのに、ヒカリは奴から対多数戦闘について学んでいるという。
 この辺りはバトルの特異不得意を出したかったという思惑があります。

>>ヒカリのアヒル
 既に感想でいくらか書いていますが、あのお方の二次創作がイメージ元となっています。
 ……とはいえ駄作者私が筆不精で、ピクシブは見る側専門なため、現在のところ無許可です。はい。申し訳ありませんですすいませんっ
 とはいえ、手持ちにゴルダックが居たとしてもヒカリさんの性格はだいぶゲーム寄り。色々と変更して元とは違う部分も強調しています。モンスターボールに入れていたり、普段は使用しない理由が設定されていたり。あくまでヒカリ≒ゴルダック、というイメージが付いてしまったと解釈していただければ嬉しいです。
 …………急にメッセージを書いても失礼かもですし、そもそも、ファンフィクションとしては成立していないのでどう書けばよいか迷ってしまいますし……ああああ(混乱

>>ギンガ団(猫耳)
 ゲームを見ていると、サターンさんは他の幹部と違って色々と立場が特殊なようですね。
 ええ。猫耳とか。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。