突発ネタ作品   作:マーシィー

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この世界の日本は色々とおかしいです。


IF ミク魔がハイスクールD×Dの世界だったら3

 朝日が昇り、外が少しづつ騒がしくなってきた頃、俺と黒歌と白音は朝食を食べていた。

 朝食は黒歌が仕入れてきた(取ってきた?)魚をさばいて塩焼きにした物と白米と味噌汁、漬物と出し巻き卵と和風したての朝食である。

 

「うん。一誠の作るご飯は美味しいにゃ」

 

「美味しいです」

 

 黒歌と白音はパクパクと箸を動かしてご飯を食べていく。

 

「お代わりは沢山有るからよく噛んで食べろよ」

 

 そう言いながら俺も箸で焼き魚をほぐしご飯と一緒に食べる。うん、美味い。

 

 こうやって3人で仲良く朝食を食べている俺達が住んでいる場所は、俺達が住む日本で数十箇所しかない、裏世界の住人のための一種の隔離都市である’駒王市’である。

 

 隔離都市とは言ってはいる物の別に周囲を壁だの結界だので覆っているわけではない。極普通に表の世界の住人も住んでいる。この都市は裏の世界で差罰されたり迫害を受けてきた種族の人たちが社会復帰するために日本政府が用意した都市である。

 

 そんな都市で俺と黒歌と白音の3人は暮らしていた。

 

 俺の両親とは別居している。これは俺達が裏世界の仕事を始める事となったため保護するために日本の神々が守護する場所で住んでもらっているからだ。

 

 身内を人質に取られるのは厳しいからな。

 

 まあ、両親とは黒歌、白音としっかり話し合ったし月に数回は必ず顔を出しているから寂しいという事は無いがな。と言うかむしろ両親は孫は学校を卒業してから見せに来いとか笑顔でほざいていたのできっと大丈夫だろう。

 

「? どうかしたかにゃ、一誠」

 

「ん? ああ、両親の事を思い出してたんだ」

 

 箸を止めて尋ねてくる黒歌に俺はあの時の事を思い出しながら答える。

 

「一兄様のご両親の事ですか」

 

 黒歌につられて白音も聞いて来る。

 

「一誠のご両親かにゃ……色々すごい人だったにゃ」

 

 黒歌は思いにふける。

 

 確かに実の息子である俺からしても両親は凄いと言うか、図太いというか、変わっていると思う。

 

 黒歌と白音が俺の家に初めて来てから1週間たった頃、俺の家に日本神話勢「高天原」に所属している八咫烏様が来たのだ。

 

 その時の俺は、裏世界の事なんで全く知らないただの餓鬼であり八咫烏様の事を三つ足の化けカラスなんて言って子供用のプラスチック製のバットで殴り掛かったのだ。

 

 今思えばなんて無茶をしたものだ。ただ、二匹、いや二人を守ろうとして殴りかかった事に対しては後悔はしていないが。

 

 まあ、何の力も無い子供が玩具のバットで殴った程度で傷が出来るわけも無くむしろ黒歌達を守ろうとする俺をどうやって落ち着かせようかと逆に慌ててたぐらいである。

 

 その後、俺が罰せられると勘違いした黒歌達が俺の前で初めて人型に姿を変えて俺を止めようとしたり、騒ぎを聞きつけた両親が起きて来て俺を抑える見知らぬ少女二人と明らかに神々しい雰囲気を出す八咫烏様を見てパニック状態になったりして場は混沌とかしていった。

 

「そうですね……。私達が猫又の妖怪だと知っても猫が人になった事より、娘が2人もできたと言って喜んでましたからね」

 

 白音は両親の前で姿を変えた時の事を思い出して苦笑いをしていた。

 

「あの後着せ替え人形にされたにゃ……」

 

 黒歌も娘が欲しかった両親のハイテンションを思い出したのか苦笑してた。

 

「ハハハ、まあ驚かれても受け入れてくれたからいいじゃないか」

 

「そうにゃ」

 

「そうですね」

 

 そう言って俺達は笑う。

 

 こうして俺達の一日が始ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 隔離都市『駒王』

 

 そこは日本国内において数十箇所ある裏世界の住人を隔離するための都市である。

 

 裏世界の日本に亡命、逃亡してきた者達は日本神話勢「高天原」に所属している神々の洗礼を受けた後、各地に移入させられるのである。

 

 この洗礼とは、裏世界から来た者達に日本の神々の力を見せつけ力の差を分からせる事を意味するのである。

 

 大概は’現在も’信仰されている神々の圧倒的な雰囲気を見せ付ける事によって大体はひれ伏す事となる。極々偶に無謀にも戦いを挑んでくる馬鹿もいるがワンパンで沈む事となる。

 

 黒歌と白音の前に現れた八咫烏もこの洗礼をするために現れたのである。八咫烏は二人を殺す気など更々無くただ、最初に舐められないようにあえて殺気を出したのである。

 

 これによって日本神話勢に逆らおうとする気を無くすのである。もっとも裏日本に来る者達はそんな気力は持ち合わせて居ない者達が大半であるが。

 

 

 さて、隔離都市とは言ったがそれはあくまでも裏世界での呼び名であり、表向きはただの1都市である。ただ、市の政策として外国人が生みやすいようになっているが。

 

 市の政策で外国人を受け入れやすくしているのは亡命してきた者達の容姿を誤魔化すためである。(亡命してきた者達は大体が目立つ容姿をしているからである)

 

 深紅の髪や蒼色の髪、金髪銀髪、蒼目赤目オッドアイと多種多様の容姿を持つ者達が黒髪黒目の日本人の中に居たらそれはそれは目立つのである。

 

 黒いインクがついた真っ白の紙のように。

 

 そんな違和感を軽減させるために市の政策という言葉を使ったのであった。

 

 かくして隔離都市では多種多様な種族が人目に隠れて静かで平和な生活を送っているのである。


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